【事例5つ】外国人労働者の定着率アップ!コミュニケーション問題の解決方法

外国人労働者とのコミュニケーション問題は、離職につながりやすいため要注意です。ヒューマングローバルタレント株式会社の合同調査によると、1年以内に離職を経験した外国人労働者は全体の28%で、主な理由は上司や同僚の日本人とのコミュニケーションの問題です。
外国人は挨拶・会話の仕方だけでなく、仕事への価値観も日本人と異なる文化背景を持っています。そのため、多くの現場でコミュニケーションのすれ違いが生じている現状です。外国人とのトラブルは、会社の雰囲気の悪化や、早期離職にもつながってしまいます。
この記事では、現場で起きているトラブルの事例や、解決のアプローチを具体的に紹介します。外国人労働者とのトラブル防止のために、トラブルの要因と解決方法をチェックしましょう。
※参考:【共同調査】日本で働く外国籍人材の超早期離職率28%、モチベーションダウン率53%の実態とは? ~日本国内の就労者受入れで工夫すべきポイントを調査~
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1. 外国人労働者とのコミュニケーション問題が起こる理由
言語がうまく通じない場合や、日本特有の文化やルールが理解されていない場合、円滑なコミュニケーションが困難になります。また異文化への理解不足や、接し方に課題がある場合は、相互理解が進みません。その結果、信頼関係が築けず早期離職になる可能性も。
企業は外国人労働者の特性をしっかりと把握し、採用・育成に責任を持つことが重要です。単に雇用するだけでなく、コミュニケーションを深めるための具体的な支援が求められます。ここでは、コミュニケーション問題の具体的な要因をチェックしましょう。
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日本の「暗黙のルール」を知らない
日本の会社では、暗黙のルールが多くあります。それらのルールは、丁寧に先輩社員から教えてもらえるとは限りません。会社によって、新入社員が「場の雰囲気を感じ取って学ぶべき」という認識が広まっています。日本人の多くは、先輩社員の行動から暗黙のルールを読み取れるでしょう。しかし言語も習慣も違う外国人に「察する」のを求めるのは不可能に近いです。
【会社に多い暗黙のルール例】
・電話は新入社員が取る
・上司より先に帰らない
・プライベートなことには口をはさみすぎない
外国人労働者に察してもらおうとすると、トラブルの原因になってしまいます。外国人に守ってほしいルールは、なるべく言葉にして説明しましょう。
このような課題に直面している場合、ぜひ当スクールにご相談ください。
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お互いの文化圏のタブーを知らない
どの文化圏でも、「やってはいけないこと(タブー)」が存在します。お互いのタブーを知らないせいで、トラブルに発展してしまうケースがよくあります。
【日本でのタブー例】
・ 待ち合わせに遅刻する
・電車の中や駅のホームなど公共の場所で騒ぐ
・家族のことや恋愛観などプライベートな質問をする
日本だけでなく、どの外国にもタブーとなる行為があります。
外国人労働者を採用する場合は、出身国のタブーを調べて、社内で共有することが有効です。
【外国でのタブー例】
・ 豚肉を食べる、お酒を飲む(イスラム教)
・他人に頭を触られる(タイ)
・音を立てて食べる
・相手に手の甲を向けてピースする

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日本人の使う日本語が難しい

在留資格「特定技能」で働く外国人は、日本語能力試験(JLPT)のN4レベルが求められます。N4は、基本的な日本語を理解できるレベルで、日常会話なら問題ありません。ただし、業務手順を日本語で理解するのはやや難しいといえます。
また日本語能力試験で合格していても、日本人が話すスピードでリスニングできるとは限りません。外国人労働者と話すときは、なるべく簡単な文構造がおすすめです。1文1文短く区切ると、外国人にとって理解しやすい日本語になります。
▼日本語検定の日本語レベルについては、以下の記事で解説しました。

▼外国人労働者の日本語レベルと教育方法は、以下で解説しました。

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※出典:【共同調査】日本で働く外国籍人材の超早期離職率28%、モチベーションダウン率53%の実態とは? ~日本国内の就労者受入れで工夫すべきポイントを調査~
2. 現場で起きたコミュニケーション問題と解決方法【事例5つ】
Japan Job Schoolでは、企業様と外国人労働者の間に入り、コミュニケーション問題の解決サポートをしております。実際に現場ではどのようなトラブルが起きているのか、事例を踏まえて解決へのアプローチについてまとめました。
ケース1:日本語能力「会社評価」「自己評価」のズレ
外国人労働者は「日本語で話しかけられると速すぎて難しい」と感じており、理解できず戸惑っていました。一方で企業側は「これまで採用していた実習生よりも日本語力が高いので、日本人と同じように接するのが自然だ」と考えていました。特別扱いをしないことが、公平だと信じているためです。
このように外国人本人との間で、認識のずれが生じていました。問題を放置していたら「企業に理解してもらえない」という不満になっていたでしょう。最悪の場合、孤立感を強めてしまい、退職につながった可能性があります。
外国人側 | 日本語が早すぎて理解できない、自分を外国人と分かってもらえていない気がする |
企業側 | 日本語が上手だから日本人と同じように話すのが自然、特別扱いは失礼 |
解決アプローチ
JJSが間に入り、双方の本音を伝え合う場を設定しました。外国人には「高い日本語力を評価されている」と伝え、企業には「母国語ではない点に配慮してスピードや表現を工夫する」を提案。企業には「特別扱いと配慮の違い」を説明し、外国人には「評価されている自信を持ちながら、分からないときは伝えてよい」とアドバイスしました。
結果
双方の「意図」を言語化して橋渡ししたことで、相互理解が生まれ、良好な人間関係の構築と定着につながりました。
ケース2:業務完了基準に対する認識ギャップ
外国人労働者は「言われたことをやっているのに注意される」「自分にだけ厳しい」と不満を抱いていました。企業は「指示通りにやってくれない」「何度言ってもレベルが上がらない」と感じていたようです。
トラブルの背景として、「業務の完了」の基準が共有されていないことが判明。外国人は「ある程度できれば完了」と思っており、企業は「指示した状態まで仕上げること」を完了と定義しています。このままだと、外国人が「理不尽だ」と感じてモチベーションを失い、企業も「成長しない」と不満を募らせ、信頼関係が壊れかねませんでした。
外国人側 | やっているのに注意されるのは不公平 |
企業側 | 求めている基準に達していない、やっていないのと同じ |
解決アプローチ
JJSが同席して三者面談を実施し、「業務の完了基準」を明確にしました。さらに「完了チェックシート」を作成し、誰が見ても業務完了が分かる仕組みを導入。企業には「言語化と見える化」を意識するよう伝え、外国人には「不明点を質問する勇気」を持つようサポートしました。
結果
「完了基準の可視化」によって、双方が同じゴールを共有できるようになったことが決定的な改善ポイントでした。
ケース3:誤解から生まれる人間関係のすれ違い
外国人労働者は「日本人に悪口を言われている」「挨拶しても無視される」「差別されている」と感じ、退職を検討していました。最初の兆候は「挨拶しても返事がない」といった小さな違和感です。誤解が積み重なり、「自分は差別されている」と感じるようになったそうです。
実際は、耳に障害がある方だったり、もともと誰に対しても冷たい態度の人がいたりと、本人の主観的な受け止め方と現実が食い違っていました。誤解が解けないままだと、そのまま退職につながり、人材定着にダメージを与えていた可能性があります。
外国人側 | 悪口を言われている、差別されている、退職したい |
企業側 | そのような意図はない |
解決アプローチ
JJSは、企業に中立的な立場から状況確認を依頼しました。シフト調整により、誤解を与えた職員との接触を減らし、外国人本人の安心感を高めました。日頃のアプローチとしては、「本人の主観だけで判断せず、客観的な事実確認をすること」「背景事情を丁寧に伝えること」を説明しています。
結果
「誤解の事実確認」と「環境調整」を組み合わせた対応が、退職を防ぐうえで決定的に有効でした。
ケース4:「結婚するので一か月半休みます」報連相を知らない
特定技能に移行し、生活が安定したタイミングで結婚を決めた外国人労働者が、母国での挙式を理由に1か月半の長期休暇を申請した事例です。休暇の報告は、式の日程や航空券を手配した後でした。企業側は「繁忙期なので休ませられない」「なぜ事前に相談しなかったのか」と、対応に頭を抱えました。
外国人労働者にとって、結婚や母国のお祭りは、仕事よりも優先すべき一大事です。特にネパールでは「帰れないなら仕事を辞めて帰ってこい」と言われるほど。そのため、日程が決まってから報告するのが当然だと考えていたようです。
「結婚」という理由により、外国人労働者は頑なな態度でした。企業からの「休暇期間を短縮してほしい」の交渉が難航。日本のビジネスマナーである「報告・連絡・相談」の重要性を理解できていなかったのが要因です。
誤解が解けないままだと最悪の場合、無断で帰国してしまったり、そのまま退職につながったりした可能性もあります。企業側も対応に苦慮してしまい、双方にとって不幸な結末を迎えていたかもしれません。
外国人側 | 結婚は人生で最も大切なこと、式の日取りが決まって航空券も手配済みだ、なぜ休めないのか理解できない |
企業側 | 会社の繁忙期を考えていない、なぜ重要なことを事前に相談してくれないのか、聞いていないので許可できない |
解決アプローチ
JJSが間に入り、企業側には外国人労働者の文化的な背景(結婚や祭事の重要性)を説明しました。外国人労働者には、日本のビジネスマナーと、事前の相談の必要性(業務計画や他の従業員への影響など)を丁寧に伝えました。入社時のガイダンス内容を録画データで示すなど、客観的な事実に基づいて双方の歩み寄りを促しました。
これからのリスクヘッジとして、企業に求人票作成の段階から長期休暇のルールを明確化するようアドバイス。外国人労働者には、ビジネスコミュニケーション研修を通じて「報・連・相」の重要性を教育するようにサポートしています。
結果
トラブル発生時の対応では、支援担当者の中立的態度が求められます。今回はお互いの文化理解を促すことで、大きな問題に発展するのを未然に防げました。
▼外国人労働者の有給休暇は、以下で詳しく解説しました。

▼特定技能外国人の一時帰国は、以下で詳しく解説しました。

ケース5:「残業代は1分単位で」労働契約の捉え方の違い
外国人労働者は「1分単位の残業代が支払われていない」「契約違反であり、信用できない」と主張。異国の地で働き「いつ搾取されてもおかしくない」という立場にいる外国人労働者にとって、労働契約は自らの身を守るための絶対的なより所です。
日本人労働者は、「他のところでお世話になっているから」と多少のイレギュラーを許容する「お互い様」の文化があります。日本人従業員の多くが「1分くらいは、いいじゃないか」と考え、両者の間に溝が生まれてしまいました。
背景には、そもそも労働基準法を守っていない企業が存在するという問題もあります。
認識のズレを放置していると「この会社はうそをつく、信用できない」という不信感が、他の小さな不満とも結びつき、仕事へのモチベーションが著しく低下していたでしょう。最終的には離職だけでなく、労働基準監督署への申告など、より大きな労務トラブルに発展しかねませんでした。
外国人側 | 契約書には時給〇〇円と書いてある、1分でも働いた分は支払われるべきだ、約束を守らない会社は信用できない |
企業側 | 1分くらいで細かすぎる、他の日本人従業員は何も言わないのに、いつも親切にしているのにお互い様という気持ちはないのか |
解決アプローチ
企業に対し、労働基準法の遵守と、1分単位での正確な勤怠管理・給与支払いの重要性を説明。信頼関係の構築のためには、まず企業側が「契約を守る」という誠実な姿勢を見せることが不可欠であるとアドバイスしました。「後から条件を変える」「曖昧にする」といった行為が、信頼を最も損なう行為であると説明しました。ただし、確実に支払える給与額を設定するのが重要です。
外国人には、雇用条件に少しでも疑問を感じたら、一人で抱え込まずにすぐにJJSの支援担当者に相談できるような、信頼関係と連絡体制を構築しています。
結果
企業側に対し、「信頼の構築は、まずルール(契約・法律)を守ることから始まる」という原則を理解してもらったことが、トラブル解決と長期的な定着において最も効果的でした。また支援担当者は「一番正しい知識を持つ専門家」として、企業と外国人の双方に説得力を持って指導することが求められます。
3. JJSが支援する企業さまの声
▼文化や考え方の違いを乗り越え、ユニットを束ねるリーダーを輩出
特定技能 ミャンマー・ベトナム人|特別養護老人ホーム 埼玉県

▼良くも悪くも「外国人」ではなく「一人の人」として、本人の力に合わせてステップアップ
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▼いい環境で働いてもらいたいからこそ、余裕があるうちの外国人採用
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▼外国人の方々の素直さや努力を惜しまない精神には目を見張るものが
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▼積極的ではなかった外国人採用 課題に対して試行錯誤を繰り返し「今ではとても助かっています」
特定技能 ミャンマー人|特別養護老人ホーム他 千葉県

4. まとめ
異なる文化や習慣を持つ外国人労働者とのコミュニケーション問題は、避けがたいと感じるかもしれません。しかし、その問題を解決する方法は必ずあります。お互いの文化を理解し、言語レベルに配慮したコミュニケーションを心がけるだけで、さまざまなトラブルを未然に防ぐことが可能です。
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