タイではそれ、タブーかも!?タイ人と一緒に働く上で知っておきたいタブーや文化の違い

執筆者:Divership編集部|外国人雇用担当部門

在留資格「特定技能1号」で日本に在留する外国人は令和5年12月末時点で208,425人と前年と比べて増えています。ベトナムの110,628人、インドネシアの34,253人と多くの外国人が日本に来る中、4,359人と全体の8番目の多さなのがタイです。※:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の公表等」

タイといえば日本の皇室との関係性が深く、東南アジアの中でも親日国として知られています。そんなタイの人たちを雇用する際、タイ人のタブー、マナーにはどんなものがあるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。

本記事ではタイのタブーやマナーを中心に、生活や食事、プレゼントに至るまでタブーとなってしまう事柄についてご紹介します。

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目次

1.タイの基本情報

タイ人に関する性格や宗教など、基本的な情報について解説します。

1-1.タイ人の主な性格

タイは9割以上の国民が仏教徒で、「仏教の国」とも言われています。そのため、仏教での教えも相まって、率先して困っている人を助ける傾向にあるのです。仏教の教えに「タンブン」と呼ばれるものがあり、人助けで徳を積むことにより、家族の幸せや来世の発展につなげられると言われています。

また、タイには「サヌック」の精神があります。サヌックとは、タイ語で楽しいという意味があり、楽しく明るく生きるというスタンスが垣間見えるのです。誰に対しても笑顔で挨拶を行う姿勢や和を重んじる態度は、日本人にも相通じるものがあります。

↓タイ人の性格はこちらの記事で詳しく解説しています↓

1-2.タイの宗教

先ほどもご紹介した通り、タイ人の9割以上が仏教徒です。正確には仏教徒が94%、イスラム教が5%と圧倒的に仏教徒と言えます。
※:外務省「タイ王国(Kingdom of Thailand)」

日本でも仏教が主流ですが、日本の仏教は「大乗仏教」と呼ばれる、中国や韓国など北方エリアを通じて伝わった仏教です。一方のタイはスリランカやカンボジアなどを通じてやってきた「上座部仏教」となります。

両者の違いは悟りを開ける人の違いで、大乗仏教は誰でも悟りを開けるのに対し、上座部仏教は出家をして悟りを開くことで救われるという教えです。タイには実に30,000にも及ぶ仏教寺院が存在するとされ、寺院が生活と密接したところにあり、地域に根差しています。

1-3.タイの文化

タイは基本的に家族や子どもを重んじる文化があります。特に子どもを大切にし、子どもがいれば周囲の人が見守ろうとします。子どもは社会の宝と言っても過言ではなく、子どもに対する配慮がかなり行き届いているお国柄です。

また、タイの文化として王室を大切に扱うことも重視されています。万が一、タイの王室を批判すれば不敬罪となってしまいます。不敬罪の対象は国会議員も例外ではありません。例えば、2023年にはSNSで王室批判を行ったとして、タイの野党議員が禁錮6年の判決を言い渡され、話題となりました。
※:TBS NEWS DIG「SNSで王室を批判…タイ国会議員が「不敬罪」で禁錮6年判決」

また2024年に入ってからは、やはりネットを通じて王室を侮辱したとして、禁錮50年を言い渡す重罪を言い渡されています。
※:BBC「タイの裁判所、王室批判した男性に禁錮50年」

2.日常生活におけるタブー

本項目からはタイ人のタブーについて解説していきます。最初にご紹介するタブーは日常生活におけるタブーです。

2-1.他人の頭をなでてはいけない

タイでは、他人の頭をなでることはご法度とされています。頭には精霊が宿ると言われており、関係性が深まっている場合においても、他人から頭をなでられることで不快に感じる人もいるため、注意が必要です。頭をなでる際には、相手の了解を得ることが求められます。

特になでるのを避けるべきなのが子どもで、子どもの頭をなでることは相手に対して失礼と言われています。頭に神がいるのに、無造作に頭を触る行為は神を軽々しく扱う行為となるので、不必要に頭をなでるのは避けましょう。

2-2.人に足を向けてはいけない

一方、人に足を向ける行為もかなり失礼な行為となるため、注意が必要です。頭は神が宿る場所とされていますが、足は不浄な場所と言われています。いわば足は汚いものという認識なので、机に足を乗せるのもご法度であり、足の裏を人に向けるのはもってのほかです。

他にも足音を立てて歩く行為や足でモノを動かす行為などもマナー違反です。座る・寝るなどの行為は自然と行う行為であり、その際に注意を払わなければなりません。

ものしりシップ<br>くん

足と同様に左手の扱いにも気を付けないといけなかったんじゃが、左利きの人もいる事実が広まってきて、足と比べると目くじらを立てられる割合は少なくなったんじゃ。

3.食事におけるタブー

次にご紹介するのは、食事におけるタブーです。タイではどのような行為がタブー視されているのかを解説します。

3-1.食器は持たず、音は立てず

日本では食器を持って食べるのが常識で、むしろ食器を置いて食べることがお行儀が悪いとされていますが、タイはその逆で、食器を持たずに、そして、音は立てないで食べることが求められます。例えば、スープが出たら食器に口をつけてすするのではなく、スプーンですくい取ることを徹底します。

そして、スープや麺をすすって食べる行為も下品とされています。音を出して食べることが下品とみなされるため、スプーンに乗せて食べることが求められます。食べやすい大きさにカットしてから食べるのがタイの一般的なスタイルで、肉や魚なども一口サイズに切ってから口に含みます。

ものしりシップ<br>くん

ちなみに日本だと、いただきますなどの挨拶は一般常識とされておるが、タイではこれらの挨拶は必要ないんじゃ。また、複数人で食事する時料理が来たら、たとえ誰か来ていない人がいても先に食べ始めても失礼に当たらないんじゃよ。

4.タイ人に贈るべきではない物

次にご紹介するのは、タイ人にプレゼントを贈る際に、贈るべきではない物についてです。どのような物をプレゼントするとまずいのかを解説します。

4-1.縁起が悪いとされているもの

タイ人に贈るべきではない物には、タイで縁起が悪いとされているものが該当します。その一例は以下の通りです。

これらが縁起が悪いとされる理由ですが、例えばガラス製品の場合、万が一割れてしまうとプレゼントをしてくれた人との縁が切れてしまうと言われているからです。ハンカチはタイだと、流した涙を拭く際に用いるものというイメージのため、縁起の悪さを醸し出すことも背景にあります。涙を拭く=悲しい出来事が起きるという連想につながることも要因です。

刃物は危険とみなされるほか、黒い服は黒自体が悲しさを示す色なので、プレゼントとは相いれないカラーとされています。日本だと黒い服を着用すること自体は珍しいことではありませんが、結婚式や誕生日などで着用することも避けるべきと言われるほどです。

時計も贈り物にはふさわしくありません。プレゼントをしてくれた人との愛情が止まるという意味合いが含まれています。以前のタイは粗悪品が多く流通しやすく、すぐに止まってしまうような時計が多く出回ったと言います。その影響で時計のプレゼントも避けられているのです。

ものしりシップ<br>くん

このようにタイでは避けるべき贈り物が多いんじゃが、色んな解釈ができるものもあるんじゃよ。ハンカチも、奥さんや恋人といった深い間柄であればむしろ贈るべきという解釈をするタイ人もいるんじゃ。

5.一緒に働くうえで気をつけるべきこと

タイ人を雇用し、一緒に働く際に気を付けるべきことがいくつかあります。

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5-1.短期目標を立ててあげる

タイ人は、計画的な行動を得意としておらず、若干無計画に行動をする傾向にあります。これは「マイペンライ」と呼ばれる考え方が根強いためです。マイペンライは、「大丈夫」とか「何とかなる」、「なんてことはない」などの意味合いがあり、温厚な人が多いタイ人の気質を示した言葉、考え方と言えます。

例えば、仕事の納期などがある場合に、納期に間に合いそうにない場合、タイ人は「マイペンライ」と言って、その場をやり過ごそうとします。日本人からすれば、「納期に遅れているのに大丈夫とは何事か!」と怒り出しかねません。

そこで短期目標を立ててあげることで、できる限り計画性のある行動につなげていくことが可能です。短期目標を立てていけば、納期までのコントロールがしやすく、たとえ「マイペンライ」と言われても、リカバリーがしやすいでしょう。

5-2.人前で叱責しない

タイでは公衆の面前で注意をする、叱責することはタブーとされています。タイではメンツが重視され、目上の人のメンツを潰さないことはもちろん、相手のメンツを傷つけない、自分のメンツをしっかりと守るといったことが重要です。

その状況下にあって、人前で叱責をする行為は相手のメンツを傷つける行為であるとともに、叱責される側からすれば大恥をかかされたため、たった1回の叱責で会社を辞めてしまう可能性すらあります。

叱責する場合、多くの人は大声を出して叱責しますが、この大声を出す行為もタイでは好ましいやり方とは言えません。タイにおいて大声を出すのは未熟な人間がやる行為とされ、軽蔑されてしまいます。つまり、青筋立てて大声で怒鳴って相手を叱責をするような人間は、未熟な人間の所業としかタイ人には思われないのです。

どうしても、叱らないといけない場面があれば、大声で叱るのではなく、個人的に注意する程度にとどめておきましょう。また注意した後も必ずフォローを入れる姿勢も欠かせません。フォローもまた相手を守ることにつながるからです。

6.タイ人を雇用するメリット

最後にご紹介するのは、タイ人を雇用するメリットについてです。

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6-1.優秀な人材が多い

タイ人を雇用するメリットとして、優秀な人材が多いことが挙げられます。タイは日本と同じく学歴社会であるため、勉強に対する意欲が高いです。タイが学歴社会である理由は、身分制度がはっきりとしているためで、身分制度を乗り越えるには学歴が欠かせません。そのため、学歴を手に入れるため、必死で勉強する若者が多いのです。

学歴社会であることは、学習意欲を感じさせる若者が多いことを意味しており、何かを学んで吸収していく姿勢がはっきりとしていることを示しています。

一方、タイで就職できない若者は海外で働き口を探す傾向にあります。タイだと暮らしていくには一苦労であるならば、海外に出た方がいいと考える若者も多く、優秀な人材を日本に引き連れることも可能です。

気を付けたいのは、タイ人は待遇がいいところを求め歩く傾向にある点です。少しでも待遇がよく、給料のいい所を見つければそちらに流れていく場合があります。優秀な人材を確保したい場合、評価を明確にするだけでなく、結果を出せば給料に反映されやすい形にしていくことが求められます。

6-2.温厚でやさしい

「マイペンライ精神」は仕事でのトラブルの際には、時に日本人を腹立たせる可能性を高めますが、どんな逆境においても「マイペンライ精神」で乗り越えようとしてくれるため、とても明るいムーズになりやすいです。

調和を重んじる傾向にあるので、人前で叱らないことなどを徹底していけば、和やかな環境の中で仕事を行えます。タイ人は相手を立てる、尊重することが十分にできるため、会社の雰囲気は明るくなりやすいです。

温厚でやさしい分、周囲に溶け込みやすい点もタイ人を雇用するメリットの1つです。ゆえに、タブー視されることに気を付けていくことが求められます。

7.まとめ

タイ人は東南アジアの中でも優れた国として知られ、日本と同じく皇族が重視されるなど、日本と近い部分もあります。もちろん、日本人とは決定的に違う部分もありますが、似通っている部分も多く、特定技能外国人を積極的に採用したい企業にとってはおすすめです。

今回ご紹介した内容を踏まえて、特定技能タイ人を積極的に採用し、タイ人を雇用するメリットを最大限享受できるように、タイ人のことを学びながら雇用を目指しましょう。

弊社では特定技能人材の採用などに関する無料相談も実施しており、気になる方はぜひともお気軽にお問い合わせください。

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