【一覧表付き】在留資格とは?全29種類と取得方法、ビザとの違いを完全解説
執筆者:Divership編集部|外国人雇用担当部門
監修者:関戸幸一(行政書士)
在留資格とは、文字どおり、「日本に在留しても良い」という許可のことです。
この在留資格は、「日本の学校へ進学するための在留資格」、「日本国内の企業で働くことができる在留資格」、「外国人が日本人と結婚したことで日本に住むことができる在留資格」など多岐にわたります。
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1.在留資格とは
在留資格とは、外国人が日本に滞在するのに必要な許可のことで、外国人が日本で行うことができる活動等を類型化しています。
1-1.在留資格は「在留カード」で確認する
在留カードとは日本に90日以上滞在する外国人に交付される外国人の身分証で、外国人は常に携帯することが義務付けられています。
これをみれば、その外国人はどの在留資格で日本に滞在しているのか確認できます。
表面だけでなく、裏面にも「資格外活動許可欄」などの重要事項が記載されているので、漏らさず確認しましょう。
また、近年在留カードを偽造する人が増えています。偽造の確認方法はこちらの記事で詳しく解説していますのでぜひご参考にしてみてください。
1-2. ビザ(査証)との違い
在留資格と査証(ビザ)は混同してしまいがちです。しかし、実際は全くの別物です。
在留資格 | ビザ(査証) | |
発行元 | 法務省(出入国在留管理庁) | 海外にある日本大使館・領事館 |
目的 | 外国人が日本で一定の活動を行うために発行される。 | 外国人が日本に入国するために発行される。そのため入国審査が済んだら無効になる。 |
期限 | 在留資格による(3か月~5年) | 発給の翌日から3か月 |
在留資格は「外国人が日本に滞在するのに必要な許可」のことで、日本に3か月以上滞在する外国人の身分・行うことのできる活動の種類を明らかにするものです。
一方で査証(ビザ)は、入国する前の外国人が海外にある日本大使館・領事館から、日本への入国・滞在が適切であると判断された推薦状です。上陸審査を通過すればその役割も終わります。
まとめると、査証(ビザ)は外国人が日本に入国する際に必要な書類で、在留資格は3か月以上日本に滞在する外国人の身分を明らかにする書類ということです。
1-3. 外国人が在留資格を取得する要件
ここからは、外国人が在留資格を取得する要件を紹介します。在留資格によっても異なるので、詳しくは在留資格別で調べることをお勧めします。
⇒特定技能
⇒技術・人文知識・国際業務
しかし以下に当てはまる人はそもそも上陸許可が下りないので、外国人を雇用する際には注意が必要です。
- 法令違反で一年以上の懲役または禁錮(あるいはこれらに相当する刑)に処せられたことがある
- 麻薬・大麻など関する国内外の法令違反で刑に処せられたことがある
- 銃や刀剣などを不法に所持
- 過去に強制退去となってから5年を経過していない
- 出国命令により出国してから1年を経過していない
- その他入管法で定める人
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2.在留資格の種類
2-1.就労可能な在留資格
就労可能な在留資格は就労系(就労する範囲が決まっている在留資格)と身分系(就労範囲に制限なし)に分けられます。
就労系
特定技能1号・2号 | 1号は特定産業分野(12分野)に属する相当程度の知識又は経験を要する業務に従事する活動、2号は介護を除く11分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動 |
技能実習1号・2号・3号 | 技能実習生として、技能実習計画に基づいた講習を受け、技能に係る業務に従事する活動 |
技術・人文・国際業務 | 単純労働以外で、大学や今までの職務経験と関連する専門的な活動 |
高度専門職1号・2号 | 日本に資すると認められた高度人材で、学術研究・専門技術・経営管理のいずれかの活動 |
企業内転勤 | 外国の事業所からの転勤者で、「技術・人文・国際業務」に掲げる活動 |
経営・管理 | 貿易その他の事業の経営または事業の管理に従事する活動 |
法律・会計業務 | 外国法事務弁護士など法律上の資格を有する者が行う、法律または会計に係る活動 |
医療 | 医師、歯科医師、看護師など法律上の資格を有する者が行う医療活動 |
研究 | 政府関係機関や私企業の研究者が、契約に基づいて行う研究活動 |
教育 | 中高の語学教師など、教育機関において語学教育その他教育をする活動 |
介護 | 介護福祉士の資格を有する者が行う、介護に係る活動 |
興行 | 俳優、プロスポーツ選手など、興行に係る活動 |
技能 | 外国料理の調理師など、産業上特殊な分野に属する熟練した技能を要する活動 |
外交 | 外国政府の外交使節団としての活動、またはその家族としての活動 |
公用 | 外国政府の大使館・領事館職員としての活動、国際機関から派遣された者の活動 |
教授 | 大学教授など、高度専門学校において研究または研究の指導をする活動 |
芸術 | 収入を伴う音楽・美術・文学その他芸術上の活動 |
宗教 | 外国の宗教団体から派遣された宣教師等による、宗教上の活動 |
報道 | 外国の報道機関が行う取材その他報道上の活動 |
身分系
以下の在留資格を持っている外国人は就労範囲に制限がないため、日本人と同様にどの仕事でもすることができます。
永住者 | 法務大臣から永住の許可を受けた者 |
日本人の配偶者等 | 日本人の配偶者・子・特別養子 |
永住者の配偶者等 | 永住者・特別永住者の配偶者及び本邦で出生し引き続き在留している子 |
定住者 | 第三国定住難民,日系3世,中国残留邦人等など法務大臣が特別な理由を考慮し、一定の在留期間を指定して居住を認める者 |
2-2.就労が認められていない在留資格
就労が認められていない在留資格は、正社員としての雇用はできません。
しかし例外的に資格外活動許可を取れば週28時間以内のアルバイトが可能な在留資格もあります。
留学 | 日本語学校、大学、専門学校などへの留学生 ※資格外活動の許可を得ることができればアルバイトは可能。(週28時間以内) |
研修 | 日本の公私の機関により受け入れられて行う技能等の修得をする研修生 ※アルバイトは禁止 |
家族滞在 | 上記就労ビザで滞在する在留外国人が扶養する配偶者・子 ※資格外活動の許可を得ることができればアルバイトは可能。(週28時間以内) |
特定活動 | ワーキングホリデーで滞在する者、外交官等の家事使用人、EPA看護師・介護福祉士の候補者等。 ※資格外活動の許可を得ることができればアルバイトは可能。(週28時間以内) |
※特定活動は指定された活動によっては就労可能
2-3.在留資格種類一覧
オレンジ→就労系・青→身分系・緑→基本的に就労が認められていない
3.在留資格申請の手続き方法
在留資格を持っていない海外在住の外国人を呼び寄せる場合、在留資格をほかのものから変更する場合、在留資格の期間を更新する場合は、在留資格を申請する必要があります。
① 海外在住の外国人を新たに採用する場合
海外在住の外国人を新たに採用する場合は、次のような手順で手続きを行います。
- 採用予定の外国人が、就労ビザの取得の条件を満たしているかを確認・調査する。
- 企業と外国人の間で、雇用契約を結ぶ。
- 受入れ企業の職員その他の日本にいる代理人などが、在留資格認定証明書を出入国在留管理局へ申請する。
- 在留資格認定証明書の取得後、海外に在住する外国人に送付する。
- 外国人が、在外の日本大使館・領事館でビザ(査証)を申請する。
- 外国人が日本に入国し、入国審査を受ける。
- 入国した後に住民登録などを行い、企業に勤務する。
② 現在の在留資格から別の在留資格に変更する場合
現在日本にいる外国人で、例えば留学ビザから就労ビザに変更する場合には、次のような手順で手続きを行います。
- 採用予定の外国人が、就労ビザの取得の条件を満たしているかを確認・調査する。
- 企業と外国人の間で、雇用契約を結ぶ。
- 在留資格変更許可申請書、添付書類を準備し、出入国在留管理局へ申請する。
- 変更許可が下りたら、出入国在留管理局で新たな在留カードを受け取る。
- 採用された企業に勤務する。
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③ 在留期間を更新する場合
就労ビザには、在留期間があり、個々の外国人によって異なります。もし在留期間満了後も、引き続き日本に同じ就労ビザで在留したい場合は、次のような手順で手続きを行います。
なお、更新手続きは、在留期間が6ヶ月以上にある場合は、在留期間が満了する3ヶ月前から行うことができます。ただし、入院、長期の出張などの特別な事情が認められる場合は、3ヶ月以上前から、申請できることもあります。
- 在留期間更新許可申請書、添付書類を準備し、出入国在留管理局へ申請する。
- 期間更新許可が下りたら、出入国在留管理局で新たな在留カードを受け取る。
期間更新許可申請は、結果が出るまでに2週間~1ヶ月程度かかります。在留期間満了日までに申請を完了していれば、期間満了時に審査結果が出ていなくても、最長で在留期間満了日から2ヵ月間は日本に滞在することができます。
但し、不測の事態が生じる可能性もありますので、できるだけ早めに申請を行った方が良いでしょう。
4.在留資格申請しても不許可になる場合もある
在留資格を申請しても不許可になる可能性があります。
ですので、自社が雇いたい業務・業種と在留資格が合っているか、問題のある外国人ではないかなど慎重に確認する必要があります。
在留資格が不許可になる原因や事例はこちらの記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
5.外国人雇用の際の注意点
最後に、在留資格・在留カードに関わる雇用の際の注意点を紹介します。
5-1.在留資格が交付されるまで時間がかかる
海外に在住する外国人の在留資格を取得するには、出入国在留管理局に在留資格認定証明書交付申請を行う必要があります。
一般的に申請から交付まで1~3か月かかるとされています。書類に不備があった場合、追加書類を提出しなければならないので、さらに1か月程度要します。
外国人を採用したい期日の3,4カ月前から書類を準備することをおすすめします。
在留資格「特定技能」で外国人を採用する場合、海外に居住している外国人を採用するよりも、技能実習2号を良好に修了した外国人を雇用するほうが、在留資格認定証明書交付申請を省略できるため、企業側の負担が少ないです。(ただし、在留資格変更許可申請をする必要があります。)
技能実習2号から特定技能への移行についてはこちらの記事を参考にしてください。
5-2. 従事可能な業務の確認
在留資格によって、従事可能な業務の範囲は変わります。ここでは注意すべき在留資格の業務を紹介します。
特定技能:特定産業分野(12分野)のみ
在留資格「特定技能」は、特に人手不足が深刻な12分野(介護、ビルクリーニング、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食)のみ、従事可能です。
各業種の中でも従事できる活動が細かく定められていますので、外国人を雇用するときは自社の業務が特定産業分野の活動に当てはまっているか確認が必要です。
対象業種については、こちらの記事も参考にしてください。
特定技能についてさらに詳しく知りたい方は「特定技能まるわかり資料」をダウンロードください
技術・人文・国際業務:単純労働は不可
在留資格「技術・人文・国際業務」で従事できる活動は、大学や今までの経験と関連する専門的な活動です。
そのため、単純労働をしてもらうことはできないので注意が必要です。
6. まとめ
ここまで、在留資格の種類や、在留資格・在留カード関連でよくあるトラブルについて解説してきました。
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