技能実習とは?制度の内容・職種・注意点を簡単解説

技能実習とは

執筆者:Divership編集部

この記事では技能実習制度の概要、技能実習生の受入方法、受入までにするべき準備、優良企業に成るための要件、技能実習制度のメリット・問題点など、技能実習制度について幅広い情報をまとめています。

目次

1.技能実習制度の概要

技能実習制度の概要は、「目的」「在留期間」「特定技能との違い」「特定技能への移行」の4つに分けて解説します。

1-1.技能実習制度の目的

技能実習制度の目的について、国は「我が国で培われた技能、技術又は知識の開発途上地域等への移転を図り、当該開発途上地域等の経済発展を担う「人づくり」に寄与することを目的」としています。要するに、日本の進んだ技術を海外に移転することが制度の目的とされているのです。

一方、技能実習生自身は「技術移転」などは二の次です。彼らが技能実習生として日本に来る主な目的は、一言で言うとお金を稼ぐことです。3年間で200〜300万円を貯めて帰国し、地元に家を建てたり起業したりします。

参考:外国人技能実習機構

1-2.技能実習の在留期間

技能実習生は3年契約で来日します。3年満了後は、①帰国②技能実習を2年間延長③特定技能に移行の3パターンがあり、技能実習生が自由に選ぶことができます。この時点で転職が可能になり、同じ会社で技能実習を2年間延長を延長することもできますし、転職して特定技能に移行することも可能です。

1-3.技能実習と特定技能の違い

技能実習と特定技能でもっとも大きく異なるところは、転職の可否です。技能実習では最初の3年間は原則として転職ができないのに対し、特定技能は転職が自由となっています。

この他、技能実習では、技能実習生に従事させることができる仕事が厳しく制限されていて、それぞれの「職種」ごとに決められている作業以外に従事させることは認められていません。一方、特定技能において、特定技能外国人は日本人従業員と同じ業務に従事させることができるため、いわゆる単純労働をさせることも許容されています。

技能実習と特定技能の違いについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。

1-4.技能実習から特定技能への移行と職種について

先程も簡単に触れましたが、技能実習を3年終えた技能実習生は特定技能へ移行することができます。ただし、印刷職種や製本職種のように、技能実習の職種としては存在するものの特定技能の業務区分として追加されていないものもあります。

参考:特定技能ガイドブック

2.技能実習制度の種類|1号・2号・3号の違い

技能実習制度では、1号・2号・3号という呼び名も使われます。1号は1年目の技能実習生を指し、2号は2・3年目の技能実習生、3号は4・5年目の技能実習生を指します。

1号から2号、2号から3号に移行するためには、技能検定などの試験を受けなければならないとされており、この試験に合格することができなければ、移行できずに帰国となってしまいます。

技能実習生の流れ

3.技能実習の対象職種・業種

技能実習生を3年間受入れることができる職種は、2022年4月25日の時点で86職種(156作業)となっています。

技能実習制度移行対象職種・作業一覧
参考:法務省「外国人技能実習制度について」

職種は年に2〜3種類ぐらいのペースで追加されており、これまで受入れることができなかった職種でも、いつの間にか職種が追加されて技能実習生の受入れができるようになっているということもあります。

4.技能実習の受入方法

技能実習の受入方法は、「企業単独型」と「団体管理型」の2つの方法があります。

4-1.企業単独型

技能実習制度でよく耳にする「監理団体(いわゆる「組合」)」を通さずに技能実習生を受入れる方法です。しかしながら、この方法は一定の規模以上の企業などにしか認められておらず、令和3年度時点で技能実習生全体の1.6%にとどまっています。

参考:外国人技能実習機構「技能実習区分別 技能実習計画認定件数

4-2.団体監理型

監理団体(いわゆる「組合」)を通して技能実習生を受入れる方法のことです。技能実習生を受入れる際には、基本的に団体監理型となります。

4-3.監理団体とは

技能実習生の監理事業を行う許可を得た団体が監理団体と呼ばれます。その多くは協同組合であるため「組合」とも呼ばれています。
監理団体の業務は、外国の送出機関と提携して技能実習生の人材紹介をしたり、さまざまな書類作成や入国後の受入れサポートをしたりすることです。監理団体ごとに経験やサポート力が大きく異なりますので、監理団体選びが技能実習生受入れの成功のカギとも言えます。

4-3-1.監理団体一覧

技能実習制度の監督官庁である「技能実習機構」のホームページに、全国の監理団体一覧が掲載されています。
参考:外国人技能実習機構

4-4.送出機関とは

現地で技能実習生の募集を行う会社を送出機関と呼びます。また、面接に合格して日本に行くことが決まった技能実習生の日本語教育も行います。
送出機関によって優秀な技能実習生を募集できるか、日本語教育の能力が高いかは異なりますが、技能実習生の受入企業が直接送出機関を選ぶことは通常できません。

4-4-1.送り出し機関一覧

技能実習制度の監督官庁である「技能実習機構」のホームページに、各国の送出機関一覧が掲載されています。

参考:外国人技能実習機構外国政府認定送出機関一覧

4-5.受入までにするべき準備・要件

4-5-1.寮・生活用品の準備

技能実習生を受入れるにあたっては、技能実習生が生活する寮を準備しなければなりません。会社寮が既にある企業であれば問題ありませんが、そういった企業でなければ、アパートや一軒家を借りる必要があります。その際、敷金・礼金や鍵交換代などを技能実習生に負担させることはできません。技能実習生から寮費として徴収できるのは月々の家賃のみです。
さらに、寮費には相場ができあがっており、監理団体から「上限を2万円にしてください」などと求められることがあります。こういった場合でも2万円を超える金額に設定することはできますが、技能実習生の面接を行う際に応募してくる技能実習生が減るなどのデメリットがあります。

4-5-2.責任者・指導員の選任と養成講習の受講

技能実習生の受入企業は、以下の3つの担当者を選任することが必要です。

  • 受入れに関する総責任者(実習責任者)
  • 技能実習生に仕事を教える者(実習指導員)
  • 生活面のサポートを担当する者(生活指導員)

このうち、実習責任者は6時間の養成講習の受講が求められています。通常、技能実習生の面接後1〜2カ月経つまでに受講が必要です。なお、実習指導員と生活指導員向けの養成講習もありますが、こちらの受講は任意となっています。

4-6.受入できる人数

技能実習生の受入可能人数は、受入企業の規模(常勤職員数)に応じて決められています。

技能実習生の数
参考:法務省「外国人技能実習制度について」

ここで、「優良基準適合者」という記載がありますが、一定の基準を満たして「優良企業」となることで、人数枠を拡大させることができる仕組みになっています。優良企業については追って説明します。

4-7.受入までの流れ

まず提携する監理団体を探し、面接の申込みをします。通常は1カ月程度で面接となります。採用する技能実習生を決定した後は、監理団体から書類の準備を依頼されるのでその対応を行ったり、先程述べた養成講習を受講したりします。
面接から約6〜7カ月で技能実習生が入国してきますので、頃合いを見計らって前もって寮を契約し、日用品の購入や運び込みをして技能実習生が来るのを待ちます。技能実習生は入国後1カ月間日本語講習を受け、その後入社となります。

4-8.技能実習の監査と実習日誌

技能実習生を受入れている間は、3カ月に1回の頻度で監理団体から監査を受けなければなりません。監査では、実習生との面談や実習日誌をはじめとする帳簿書類の確認が行われます。
実習日誌とは、技能実習生に指導した内容を毎日記録しておく日誌です。受入企業が備え付けておく書類として重要なものの一つなので、きちんと作成しておくことが大切です。

5. 技能実習の優良企業であるために必要なこと

優良企業になるための要件は点数制になっています。以下の項目が主な加点項目です。

5-1.技能検定への合格

技能実習生は、入社後約半年後と約2年半後に技能検定と呼ばれる試験を受けることになっています。この試験に合格することが最大の加点項目となっています。

5-2.他社実習生の受入れ

他社で受入れ中の技能実習生が、その会社の倒産などで仕事を続けられなくなることがあります。こういった技能実習生を受入れることでも、優良企業になるための加点となります。

6. 技能実習の問題点

6-1.原則転職ができない

制度の問題として、転職ができないことがしばしば指摘されています。このことが技能実習生への人権侵害や失踪の一因になっています。

6-2.借金を背負って来日

技能実習生の出身国によっては、借金をして送出機関への手数料を支払うことが通例となっていることもあります。多くの技能実習生は1年目で借金を返済し、2・3年目で貯金をして帰国するというのが一般的になっていますが、いずれにせよ借金をしなければならないという点が批判の的になっています。

6-3.技能実習生による犯罪

技能実習生による犯罪も増加しています。犯罪の種類も万引きだけにとどまらず、銀行口座売買や大麻の栽培、麻薬の密輸など多岐に亘るようになっています。このように、技能実習制度には外国人犯罪を誘発している側面があることも否めません。
参考:Yahooニュース「技能実習しながら大麻栽培疑い 雇用主知らぬ間に、茨城」
参考:「ラジオ関西トピックス」相次ぐベトナム人の薬物密輸 神戸税関、合成麻薬MDMA5000錠押収 サプリのボトルに隠す

6-4.技能実習が現代の奴隷制度と言われてしまう理由

転職不可、借金しての来日といったことに加え、給与不払いなどの問題もあることから、技能実習制度は奴隷制度と批判されています。しかし、奴隷制度と言われてしまうのは、一部の悪質な業者がいるからであり、本来はそんな制度ではありません。

7. 技能実習のメリット・デメリット

7-1.メリット

技能実習制度を活用する最大のメリットは、基本的に3年間辞めない人材を採用することができることです。制度にはさまざま批判はありますが、何の問題もなく3年を終えて帰国や転職をしているケースがほとんどです。

また、既に海外に工場を持っている企業や海外進出を考えている企業であれば、技能実習を終えた人材を海外工場で採用することも可能です。

7-2.デメリット

技能実習生を受入れることのデメリットはあまりありませんが、準備しなければならないことが多いのはコストと言えるかもしれません。先にも述べた寮の準備もそうですが、技能実習生を受入れるにあたっては労働関係法令の遵守が必須となってくるため、36協定や(会社によって)変形労働協定の締結、賃金台帳や有給休暇管理簿の備え付けなど、事務負担は増加します。
こういった書類関係を大雑把にしていた企業は初めての技能実習生受入れは苦戦するかもしれませんが、親身な監理団体であればこのような書類作成も協力してくれます。

8.まとめ

この記事では技能実習制度について一通りご紹介しました。技能実習生を受入れる際には、制度や仕組みについて正しい知識をインプットしておくことが重要です。技能実習生の受入れを成功させて、受入企業・技能実習生の双方がWIN-WINになることを願っています。

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この記事を書いた人

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