【2025年春】訪問介護が解禁!いつから?採用方法や要件とは

執筆者:Divership編集部|外国人雇用担当部門

2025年2月17日、特定技能に関する第2回有識者会議が開催されました。本会議では前回の会合での意見を踏まえ、特定技能外国人による訪問介護が解禁される方針を示しています。新たな方針により、訪問介護業界における人材不足の解消とサービスの質向上が期待されています。

この記事では、今後の方針や訪問介護を解禁するメリット・デメリット、採用方法について紹介します。外国人採用をしている、または受入れ検討中の企業さまは、これからの変化に備えるためにぜひ参考にしてください。

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目次

1.特定技能の訪問介護が解禁?いつから?    

2025年2月17日、「第2回特定技能制度及び育成就労制度の基本方針及び分野別運用方針に関する有識者会議」が開かれました。人手不足の現状を受けて、特定技能外国人による訪問介護の導入を解禁する方針が決定(特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針(案))。

詳細については、出入国在留管理庁の資料で公開されています。

資料2-1 特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針(介護分野、工業製品製造業分野、外食業分野)(案)(前回会議からの見消し版)(PDF : 549KB)

運用方針は 3月中に閣議決定される予定です。パブリックコメントの募集や関係告示の改正手続きを経て、4月中旬の施行が見込まれます。

2.訪問介護における人材不足の現状  

厚生労働省による2024年統計では、2022年度のホームヘルパーの有効求人倍率は15.53倍で、人材確保が難しい状況です。

また公益財団法人介護労働安定センターの調査では、8割が訪問介護員の不足を感じていることが明らかになりました。不足による影響として「各職員の時間あたりの業務負担の重さ・余裕のなさ」がもっとも多い回答でした。

令和6年度介護報酬改定等に向けた要望

令和5年度「介護労働実態調査」結果の概要について

介護業界では、外国人労働者の受入れに関する意向が変化しています。すでに外国人労働者を受入れている企業の34.9%が「積極的に受入れを拡大」、47.2%が「現在の水準を補充する程度の受入れ」という方針を示しました。

現在受入れていない事業所の31.4%が「受入れを検討してみたい」、7.8%が「受入れたいが手続きがわからない」と回答。全事業所のうち39.2%が前向きな姿勢を示しています。

3.訪問介護で特定技能を解禁するメリット・デメリット

訪問介護で特定技能外国人の受入れが解禁されることにより、多くの期待と課題が浮上しています。ここでは、特定技能外国人の導入が訪問介護にどのような影響を与えるか、具体的なメリットとデメリットについて詳しくみていきます。

3-1.訪問介護を解禁するメリット

訪問介護サービスで特定技能を解禁すれば、若手人材の活躍が期待できます。厚生労働省の「介護労働の現状と介護雇用管理改善等計画について」によると、20~29歳の訪問介護員の割合はわずか3.9%であり、若年層の人材は少ないとされています。

一方、出入国在留管理庁の「特定技能在留外国人数の公表等(令和6年6月末)」によると、介護分野で活躍する特定技能外国人は36,719人おり、そのうちの約70%にあたる25,796人が18~29歳の若手です。

これまで外国人介護人材を採用できなかった訪問系事業者にとって、若い人材を獲得する絶好の機会です。例えば、訪問介護事業所、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、特定施設に該当しない住宅型有料老人ホームなどです。

若手人材を獲得すれば、重労働がともなう訪問介護において体力面で非常に役立ちます。長期的にみても、若手人材を採用することで、経験を積んでもらい、将来的にはリーダーシップポジションに昇進させることが可能です。

3-2.訪問介護を解禁するデメリット

受入れや指導体制が整わないまま特定技能外国人を雇用すると、トラブルが発生する可能性があります。具体的にはコミュニケーション上のトラブルや、日本語不足による業務ミスなどです。

また、特定技能外国人を派遣労働者として雇用することは認められておらず、受入れ施設との直接雇用のみが可能です。さらに給与、労働時間、福利厚生などの労働条件は、日本人と同等以上に設定し、不当な扱いを避ける必要があります。

特定技能外国人は、介護技能評価試験と日本語能力試験に合格しなければなりません。そのため採用活動を進めるのは、簡単ではないでしょう。ただし企業は、一定の介護技能と日本語能力を持つ人材を確保できます。

外国人労働者の採用には、ビザの取得や各種手続きが必要です。手続きは煩雑で専門的な知識を要するため、専門家や人材紹介会社のサポートを受けることが望ましいといえます。

特定技能外国人の採用により、労働力を安定的に確保できれば、サービスの質が向上します。職員の負担を軽減し、過重労働による健康被害や早期退職の防止にもつながるでしょう。

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4.特定技能「介護」で採用する方法    

※現時点では、特定技能による訪問介護は導入の検討段階にあります。

特定技能介護で外国人を採用するには、以下の手順で進めます。

STEP.1 受入れができる業種・業務内容・施設・事業形態か確認する

STEP.2 企業の受入れ要件を確認する

STEP.3 外国人の受入れ要件を確認する

STEP.4 支援を自社でするか登録支援機関に任せるか選ぶ

STEP.5 ビザ変更申請を自社でするか第三者に任せるか選ぶ

詳しくは、以下の記事で解説しているのでご覧ください。

5.特定技能で訪問介護をする要件 

特定技能外国人による訪問介護を認める際には、日本人と同様に「介護職員初任者研修を修了した有資格者」といった一定の条件を満たす必要があるとの意見が出されています。さらに、受入れ企業側にも以下のような条件が課される予定です。

・訪問介護の基本事項、生活支援技術、日本の生活様式に関する研修を実施する
・一定期間、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を行う
・キャリアアップ計画を作成する
・ハラスメント防止のための対応マニュアルを作成・共有する
・負担軽減や不測の事態に備えたICTの活用を含む環境整備をする

6.現在、訪問介護ができる在留資格

現状で訪問介護が認められているのは、在留資格「介護」EPA介護福祉士のみです。介護関連業務に従事できる外国人の在留資格は、前述したビザのほかに特定技能と技能実習があります。特定技能および技能実習においては、施設での介護のみが認められている状況です。 

7.まとめ

特定技能外国人による訪問介護が解禁されることで、人材不足解消に貢献することが期待されています。外国人材を受入れる企業さまは、採用方法や要件を理解し、適切な準備をしましょう。

とはいえ、ビザの手続きが複雑に感じるかもしれません。もし外国人採用に踏み切れない施設は、専門知識を有する経験豊富な専門家の力を借りることが重要です。

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この記事を書いた人

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