【2026年最新】特定技能「残り枠」徹底調査:外食に続き受付停止が迫る業種はどこか?充足率と推移から予測

執筆者:松里優祐(株式会社JJS 代表取締役)

2026年4月の外食業における受入停止は、特定技能制度の運用開始以来、最大級のインパクトとなりました。

本記事では、外食に続き「次に受付停止となるのはどの業種か?」を明らかにするため、出入国在留管理庁の最新データに基づき、特定技能対象全16分野のうち、外食業分野と2024年(令和6年)に新たに特定技能制度の対象として追加されたばかりの4分野(自動車運送・鉄道・林業・木材産業)を除いた11分野の、充足率と推移を徹底分析しました。各業種の上限到達時期を予測し、今後の採用戦略に直結する「タイムリミット」を可視化します。

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目次

介護分野

介護分野は、特定技能制度の中でも最大規模の受け入れが行われている分野の一つです。直近の1年間で増加人数がさらに加速しており、2027年半ばには受入上限に達する見込みとなっています。

介護分野における在留人数の推移と予測値

実績値に基づき、現在の加速度(1.47倍)が維持された場合の推計は以下の通りです。

特定技能1号の人数備考
2019年末19
2020年末939
2021年末5155
2022年末16081
2023年末28400
2024年末44367
2025年末67871
2026年末102422※以下、推計値
2027年6月頃126900上限到達予想時期
2027年末153212

※23年から24年、24年から25年それぞれの増加人数から「増加人数の増加率」を算出。『増加人数の増加率』を、前年の増加人数に毎年掛け合わせ(加速度が維持されると仮定)、推定値を算出。

現状の分析と今後の視点

  • 圧倒的な増加スピード: 直近の増加人数が前年比で約1.5倍に膨れ上がっており、全分野の中でも非常に強い受入需要が継続しています。
  • 「残り1年強」という短い猶予: 2027年6月という予測は、実質的に「来年度の前半には枠が埋まる」ことを意味します。外食業で起きたような、停止直前の混乱を避けるためには、早めの申請準備が欠かせません。
  • 「駆け込み申請」への備え: 2026年末には上限の約8割に達する計算です。介護分野はニーズが安定しているため、他分野の停止ニュースに反応した「駆け込み」が発生しやすく、実際のXデーはさらに前倒しになる可能性も考慮し、余裕を持った採用スケジュールを組むことが重要です。

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ビルクリーニング分野

ビルクリーニング分野は、増加ペースが比較的落ち着いており、長期的・安定的に推移しているのが特徴です。基本モデルでの算出により、当面は受入枠に余裕がある結果となりました。

ビルクリーニング分野の推移と予測値

直近の増加人数(年間約2,255人)をベースにした推計値は以下の通りです。

特定技能1号の人数特定技能2号の人数備考
2019年末13
2020年末184
2021年末650
2022年末1867
2023年末3520
2024年末61403
2025年末839517
2026年末10650※以下、推計値
2027年末12905
2028年末15160
2029年末17415
2030年末19670
2031年末21925
2032年末24180
2033年末26435
2034年末28690
2035年末30945
2036年6月頃32200上限到達予想時期
2036年末33200

※2024年から2025年の『年間増加人数』が、2026年以降も毎年固定で増えると仮定し、算出。

現状の分析と今後の視点

  • 安定的な線形増加: 急激な加速は見られないものの、毎年一定規模の受入が続いており、2030年代半ばまで枠を維持できる見通しです。
  • 「特定技能2号」への期待: 2024年から実数が出始めた「2号」の存在は、熟練したリーダー層の確保を意味します。1号の上限枠が埋まる前に、長期的な就労を見据えた2号への移行を支援する体制づくりが、今後の安定した人材確保の鍵となりそうです。

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工業製品製造業分野

素形材・産業機械・電気電子情報関連の製造系3分野が統合された本分野は、受入上限が約20万人と最大級ですが、足元での増加速度が著しく、2028年には上限に達する勢いを見せています。

工業製品製造業分野の推移と予測値

現在の増加速度を反映した加速モデルによる予測値です。

特定技能1号の人数特定技能2号の人数備考
2019年末429
2020年末3208
2021年末9802
2022年末277258
2023年末4006937
2024年末4518396
2025年末56736840
2026年末82836※以下、推計値
2027年末141799
2028年5月頃199500上限到達予想時期
2028年末275002

※23年から24年、24年から25年それぞれの増加人数から「増加人数の増加率」を算出。『増加人数の増加率』を、前年の増加人数に毎年掛け合わせ(加速度が維持されると仮定)、推定値を算出。

現状の分析と今後の視点

  • 加速度的な流入: 2024年から2025年にかけて増加人数が倍増しており、製造現場での特定技能活用が急速に浸透しています。
  • 2号移行への期待: 2025年時点で800名を超える2号在留者が確認されており、上限対策としての2号移行が最も活発な分野です。
  • 大規模需要のコントロール: 20万という膨大な枠が3年後には埋まる計算であり、産業界全体での受入管理が必要となります。

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建設分野

建設分野は2号への移行も進んでいますが、1号の増加人数自体はやや落ち着きを見せており、前年の増加人数に基づくと、2028年頃の到達が予想されます。

建設分野の推移と予測値

直近の増加実数を反映した推移です。

特定技能1号の人数特定技能2号の人数備考
2019年末107
2020年末1319
2021年末4871
2022年末127688
2023年末2443330
2024年末38365213
2025年末493231799
2026年末60281※以下、推計値
2027年末71239
2028年5月頃76000上限到達予想時期
2028年末82197

※2024年から2025年の『年間増加人数』が、2026年以降も毎年固定で増えると仮定し、算出。

現状の分析と今後の視点

  • 2号への高い移行率: 2号在留者が1,700名を超えて急増しており、1号の上限を圧迫しない形での定着が進んでいる好例です。
  • 受入ペースの安定化: 爆発的な増加ではないものの、毎年1万人規模の着実な増加が見られ、2028年が一つの分岐点となります。
  • 技能実習との兼ね合い: 既存の技能実習生からの移行がスムーズに進んでいることが、1号人数の堅調な伸びに寄与しています。

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造船・舶用工業分野

造船・舶用工業分野は、実数増加に基づいた推計を行っています。増加ペースは安定しており、2030年代初頭までは受入枠に十分な余力がある見通しです。

造船・舶用工業分野の推移と予測値

直近の増加人数(年間約1,539人)が継続すると仮定した推移表です。

特定技能1号の人数特定技能2号の人数備考
2019年末58
2020年末413
2021年末1458
2022年末4602
2023年末75146
2024年末966574
2025年末11204336
2026年末12743※以下、推計値
2027年末14282
2028年末15821
2029年末17360
2030年末18899
2031年末20438
2032年末21977
2033年11月頃23400上限到達予想時期
2033年末23516

※2024年から2025年の『年間増加人数』が、2026年以降も毎年固定で増えると仮定し、算出。

現状の分析と今後の視点

  • 長期的な安定推移: 急激な変動が少なく、現在の受入体制を維持しながら約7〜8年の猶予を持って計画的な運用が可能な分野です。
  • 2号への着実な移行: 2025年時点で300名を超える2号在留者が確認されており、高度な技能を持つ人材の定着が順調に進んでいます。
  • 人材育成の継続性: 上限到達まで期間があるため、現場での技能承継やキャリアアップ支援に注力しやすい環境にあります。

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自動車整備分野

自動車整備分野は、国内の整備士不足を背景に、着実かつスピーディーな人材確保が進んでいます。2025年にかけて受入が加速しており、非常に早期(2027年初頭)の上限到達が予測される最警戒分野の一つです。

自動車整備分野の推移と予測値

直近の加速度(2.66倍)を反映した予測推移です。

特定技能1号の人数特定技能2号の人数備考
2019年末10
2020年末151
2021年末708
2022年末1738
2023年末2519
2024年末30763
2025年末4560320
2026年末8514※以下、推計値
2027年2月頃9400上限到達予想時期
2027年末19048

※23年から24年、24年から25年それぞれの増加人数から「増加人数の増加率」を算出。『増加人数の増加率』を、前年の増加人数に毎年掛け合わせ(加速度が維持されると仮定)、推定値を算出。

現状の分析と今後の視点

  • 急速な需要拡大: 深刻な整備士不足を背景に特定技能への依存度が高まっており、1年強という極めて短い期間で上限に達する恐れがあります。
  • 上限枠の狭さ: 上限設定が9,400人と他分野に比べて少なく、現在の伸び率に対して「枠」がボトルネックとなる可能性が極めて高い状況です。
  • 2号移行の重要性: 2025年末時点で300名以上が2号へ移行しており、今後は1号枠を空けるための「2号化」が他分野以上に重要となります。

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航空分野

インバウンドの完全回復に伴い、グランドハンドリングや航空機整備の人材需要が激増している航空分野。最新の推計では、2028年春頃の上限到達が予測されます。

航空分野の推移と予測値

直近の加速度(1.17倍)を反映した推計値です。

特定技能1号の人数特定技能2号の人数備考
2019年末10
2020年末13
2021年末36
2022年末167
2023年末632
2024年末13823
2025年末22603
2026年末3288※以下、推計値
2027年末4492
2028年4月頃4900上限到達予想時期
2028年末5902

※23年から24年、24年から25年それぞれの増加人数から「増加人数の増加率」を算出。『増加人数の増加率』を、前年の増加人数に毎年掛け合わせ(加速度が維持されると仮定)、推定値を算出。

現状の分析と今後の視点

  • 需要回復と連動: グランドハンドリングや整備等の人手不足解消のため、2024年以降の伸びが顕著になっており、中期的(2年以内)な対策が必要です。
  • 特定技能への期待: 分野の特性上、高度な専門性と安全意識が求められる中で、特定技能人材が基幹的な労働力として定着し始めています。

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宿泊分野

全分野中、最も「加速」が顕著なのが宿泊分野です。インバウンド需要の回復に伴い、極めて短いスパンでの上限到達が予測されます。

宿泊分野の推移と予測値

直近の驚異的な加速度(4.8倍)を反映した予測です。

特定技能1号の人数特定技能2号の人数備考
2019年末15
2020年末67
2021年末121
2022年末206
2023年末401
2024年末6714
2025年末196830
2026年末8199※以下、推計値
2027年3月頃14800上限到達予想時期
2027年末38129

※23年から24年、24年から25年それぞれの増加人数から「増加人数の増加率」を算出。『増加人数の増加率』を、前年の増加人数に毎年掛け合わせ(加速度が維持されると仮定)、推定値を算出。

現状の分析と今後の視点

  • 異常な加速度: 増加人数が前年比4.8倍という突出した伸びを見せており、2027年を待たずして枠が枯渇する恐れがあります。
  • 小規模な受入枠: 上限が約1.5万名と少なく設定されているため、需要の爆発に対して枠が小さすぎるミスマッチが起きています。
  • 最警戒分野: 認定証明書の交付停止(ブレーキ)が最も早くかかる可能性が高く、事業者の早急な対応が求められます。

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農業分野

農業分野は、技能実習からの移行がスムーズに行われている分野であり、現在は安定した増加傾向にあります。しかし、上限枠までは残り約3万5千人(2025年末時点)となっており、数年以内には定員が意識されるフェーズに入ります。

農業分野の推移と予測値

2025年末時点で1,200名を超える「特定技能2号」の実績があり、長期雇用への意欲が高いのが特徴です。

特定技能1号の人数特定技能2号の人数備考
2019年末292
2020年末2387
2021年末6232
2022年末16459
2023年末23861
2024年末29157174
2025年末379521282
2026年末52558※以下、推計値
2027年11月頃73300上限到達予想時期
2027年末76814

※23年から24年、24年から25年それぞれの増加人数から「増加人数の増加率」を算出。『増加人数の増加率』を、前年の増加人数に毎年掛け合わせ(加速度が維持されると仮定)、推定値を算出。

現状の分析と今後の視点

  • 加速する労働力確保: 技能実習からの移行に加え、新規入国も活発であり、2027年末のデッドラインに向けて急速に充足率が高まっています。
  • 2号在留者の急増: 2025年の一年間で2号が1,000名以上増加しており、農業経営の核となるリーダー層としての定着が期待されています。
  • 季節変動への対応: 年間を通じた雇用維持が求められる特定技能において、上限到達は産地全体の人材確保戦略に大きな影響を及ぼす可能性があります。

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漁業分野

漁業分野は、増加の勢いはあるものの、上限設定に対して現在の充足率が低いため、2030年頃まで到達時期が分散される結果となりました。

漁業分野の推移と予測値

2024年からは2号の実績も発生しており、熟練技能者への道も開かれ始めています。

特定技能1号の人数特定技能2号の人数備考
2019年末21
2020年末220
2021年末549
2022年末1638
2023年末2669
2024年末34882
2025年末459021
2026年末6073※以下、推計値
2027年末8069
2028年末10755
2029年末14370
2030年2月頃14800上限到達予想時期
2030年末19235

※23年から24年、24年から25年それぞれの増加人数から「増加人数の増加率」を算出。『増加人数の増加率』を、前年の増加人数に毎年掛け合わせ(加速度が維持されると仮定)、推定値を算出。

現状の分析と今後の視点

  • 堅調な伸びと残枠のバランス: 増加率は高い水準にありますが、受入見込数(1.48万人)に対して現時点では余裕があり、今後4年程度は安定的な受入が可能です。
  • 2号移行の初期段階: 他分野に比べ2号への移行は始まったばかりであり、長期的な定着に向けたキャリアパスの構築が今後の課題となります。
  • 地方経済の維持: 人口減少が深刻な漁村地域において、2030年という上限到達時期を見据えた段階的な人材活用計画が重要です。

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飲食料品製造業分野

飲食料品製造業は1号の在留者数が最も多い分野ですが、さらに勢いが増しています。

飲食料品製造業分野の推移と予測値

2025年末時点で9万人を超え、2号への移行も2,000名規模に急増している点に注目です。

特定技能1号の人数特定技能2号の人数備考
2019年末557
2020年末5764
2021年末18099
2022年末42505
2023年末61095
2024年末74380158
2025年末933932251
2026年末120604※以下、推計値
2027年4〜5月頃133500上限到達予想時期
2027年末159548

※23年から24年、24年から25年それぞれの増加人数から「増加人数の増加率」を算出。『増加人数の増加率』を、前年の増加人数に毎年掛け合わせ(加速度が維持されると仮定)、推定値を算出。

現状の分析と今後の視点

  • 「外食停止」による流入加速のリスク: 外食業での新規受付が止まったことで、食品加工の親和性が高い「飲食料品製造」へ人材や企業の関心がスライドしてくることが予想されます。この「流入」が起きれば、予測の2027年4,5月よりも大幅に前倒しされるリスクがあります。
  • 圧倒的なボリュームと2号移行の進展: 2025年末時点で2,251名が2号へ移行しており、全分野でもトップクラスの実績です。1号の枠が埋まる前に、熟練した戦力を2号へ移行させ、枠外(2号は受入上限のカウント対象外となる運用が多いため)で確保する動きが加速しています。
  • 2027年問題 : 介護や宿泊と同様、2027年前半が運用のデッドラインとなる見込みです。

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まとめ:特定技能「受付停止」のXデー予測ランキング

今回の調査の結果、外食業に続き「受入上限」に達するリスクが高い業種が浮き彫りになりました。直近の増加率から算出した、上限到達時期の予測ランキングは以下の通りです。

分野名上限到達予想時期警戒レベル
自動車整備2027年2月頃
宿泊2027年3月頃
飲食料品製造業2027年5月頃
介護2027年6月頃
農業2027年11月頃
航空2028年4月頃
建設2028年5月頃
工業製品製造業2028年5月頃
漁業2030年2月頃
造船・舶用工業2033年11月頃
ビルクリーニング2036年6月頃

※「警戒レベル」は到達予想時期までの期間に基づき、以下のように仮定して設定しています。

  • :2026年〜2027年到達(1〜2年以内に上限へ到達するペース)
  • :2028年到達(2〜3年以内に上限へ到達するペース)
  • :2030年以降到達(上限到達までに比較的余裕があるペース)

今回の分析から、2027年にかけて、自動車整備・宿泊・飲食料品製造業・介護の4分野が相次いで「受付停止」の瀬戸際に立つことが予測されます。

特に注意したいのは、「外食業の停止による影響」です。外食業で雇用できなくなった人材や企業が、隣接分野である「飲食料品製造」や「宿泊」へ流れ込むことで、これらの分野の増加率がさらに加速し、予測よりも数ヶ月単位で前倒しされる可能性があります。

  1. 予測されるXデーから逆算した採用スケジュールを立てる
  2. 上限枠の影響を受けにくい「特定技能2号」への移行を視野に入れる

この2点が、今後の不透明な採用環境を生き抜くための鍵となります。各分野の動向を注視し、手遅れになる前の「先手」のアクションを心がけていきましょう。

出典:出入国管理庁

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この記事を書いた人

松里 優祐のアバター 松里 優祐 代表取締役

株式会社JJS(JapanJobSchool)の代表

主に「特定技能」と「技術・人文知識・国際業務」を対象とした人材紹介と支援を行っており、年間300名以上の卒業生を輩出しています。
「日本人と外国人が一緒に働けてよかったを創る」というミッションを掲げ、外国人には入社前と入社後の授業を提供し、日本企業には外国人理解をしてもらえるきっかけづくりとして、Divershipを運営中。

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