【特定技能受け入れ企業 宿泊 実例】流暢な英語でインバウンドに対応|外国人従業員の真面目な姿勢がお客様やスタッフにも影響を与える

弊社で特定技能外国人の支援をさせていただいております、有限会社 松月旅館に、外国人受け入れ後の変化についてインタビューをさせていただきました!

目次

今回のインタビュー企業様

企業名    有限会社 松月旅館                      
所在地鳥取県米子市
・JJSから受け入れている特定技能外国人数                 
技術・人文知識・国際業務
1名アンズンさん
1名スシルさん
受け入れ国籍ベトナム(接客)・ネパール(フロント)
企業説明【設立】
昭和2年創業の老舗旅館

【施設紹介】
・皆生松月(かいけしょうげつ)
創業97年目。日本旅館としての古くからの伝統を大切にしつつ、お客様が快適にお過ごしいただける設備や料理・サービスを、時代に合わせて常にアップデートしております。
    
・皆生游月(かいけゆうげつ)
令和元年創業。「ホテル」でもなく、旧来の「旅館」でもない。伝統の皆生松月に対し、皆生游月は新たな時代の新たなリゾートをご提供する「RYOKAN」を目指します。

1.外国人雇用を始めてから現在まで、どんな課題がありましたか?

言語・長期休暇・文化の違いに関する主に3つの課題がありました

言語の課題

言語に関しては、スタッフ間のコミュニケーション、お客様とのコミュニケーションに関して課題がありました。
具体的には、外国人スタッフの方が日本に来たばかりの頃に、日本語を読むこと、平仮名を書くことは出来るのですが、会話が上手く成り立たないということがありました。
特に、弊社は地方に位置しているので、方言があります。標準語に近い言葉を使うこともあれば、地域ならではの言葉を使う場面もあり、当初は中々完全なコミュニケーションを取ることは難しかったです。

長期休暇取得に関する課題

外国人の方ならではの課題としては、長期休暇(一時帰国)に関するものがあると思っています。
以前実際にあった事例ですが、外国人スタッフの方に急に長期の休みが欲しいと言われたことがあります。
「兄の結婚式があるので帰国したい」というお願いだったのですが、あまりにも急なお願いだったので対応が大変でした。2~3ヶ月前に伝えてくれていれば比較的本人の希望に沿って帰国の許可を出せるのですが、私たちのように宿泊業をしていると、ゴールデンウィーク・お盆・クリスマス・お正月などの繁忙期と閑散期があるので、繁忙期中の長期休暇取得の希望に対応することは、中々難しくなってしまいます。

文化の違いに関する課題

こちらは、主にネパール出身のスタッフに関しての課題にはなるのですが、毎年秋にネパールで行われるお祭りに合わせて、全員同じタイミングで休暇を希望されたことがあります。
今まで、たまたまご縁があってネパール出身のスタッフの方を採用することが多かったのですが(JJS紹介ネパール人:1名、専門学校卒業のネパール人:2名)、それ以前は私たちもネパールのお祭りがネパールの方たちにとってどれほど重要なものか知りませんでした。

2.その課題をどのように対応・解決しましたか?

言語の課題に対する解決策

勤務していく中で、またプライベートでも交流を持つ機会を作ることによって、よりスムーズに意思の疎通が取れるようになっていきました。当たり前ではありますが、協力しながらお仕事をしているうちに、言語に関する課題はなくなっていきました。もちろん、いろんなお客様がいらっしゃるのでイレギュラーなことも起こりますが、相互に努力をしているので、今は大きな問題はなくコミュニケーションを取ることが出来ています。

長期休暇に関する解決策

長期休暇など、一時帰国の希望に関しては「もし予定がわかってるのであれば、早めに教えて欲しい」と伝えています。先述の事例の場合は、どうしても帰国したいとのことだったので、日本人スタッフの休みを変更するなどなんとかやりくりをして対応することが出来ました。その後同じスタッフから再度長期休みの希望があったのですが、本人も毎年のことだと周りに迷惑がかかると配慮して、間隔を開けて閑散期に休みを取るように改善してくれました。

文化の違いの解決策

全員が参加したい気持ちは分かるのですが、同じタイミングで同時に何人も抜けてしまうとシフト的に大変になってしまうので、「このお祭りは参加するけど、次は出勤するようにする」というように工夫してみんなで休みをずらす提案をしました。その結果、みんなで休みを調整してくれたので、一気に人手が居なくなってしまうということはありませんでした。

3.外国人と働く上で難しいと感じていることはありますか

上記の課題の内容と少し似ているのですが、難しいと感じることはいくつかあります

休暇について

フロントホールのマネージャーに聞いたところ、日本人スタッフと外国人スタッフの休暇取得の違いについて話があがってきました。
例えば日本人スタッフの場合ですと、本人が休暇を希望した場合は会社の規定に沿って特別休暇は3日ほどになりますが、外国人スタッフが帰国を希望する場合は海外になってしまうので、2週間ほどの休みを希望してくることがあります。このように、特別休暇について日本人と外国人の間に差が生じてしまうという点は難しさを感じます。
今のところ、日本人スタッフから休暇の差についての不満は来ていないのですが、その差を埋められるような対応はしていきたいと思っています。今は柔軟な時代なので、例えばスタッフから新婚旅行であったり、育児休暇について希望があった際には休暇を取得できることを伝えています。しかし、私たちのような宿泊業界にはやはりゴールデンウィーク・お盆・クリスマス・お正月などの繁忙期が存在します。なので、閑散期に休みを合わせてくれるとシフトとしてはとても助かるということも同時に伝えています。

採用について

こちらに関しては、よくある事例という訳ではないのですが、ご紹介したいと思います。
JJSさんからの紹介ではないのですが、遠方に住んでいるということでオンラインで採用面接をした外国人スタッフがいたのですが、採用が決定した後に実際に対面すると、その方の指にタトゥーが入っていました。
正直、私たちも実際に会ってみてから分かったので驚きました。服を着て隠れる部分でしたら問題ないのですが、指の関節にタトゥーがあり、フロントとしてお客様の前にでる業務においては支障をきたしてしまうので、対応が必要でした。お仕事をされる間は、指に絆創膏を貼ってもらい、今は一か月に一回通院してタトゥー除去を進めていただいています。このように、文化の違いもありますが、特にオンライン面接のように直接会えない場合は、そういったところも含めて確認する必要があると思いました。

外国人スタッフの家族について

外国人採用を開始してから知ったことなのですが、独身であると聞いていたスタッフから「実は結婚していました」「奥さんが来ます」と伝えられて、どこかのタイミングから家族を連れてきてしまう事があります。
私たちも初めての経験だったので始めは事情を理解するのに困難しましたが、全く日本語が話せない家族がやってくるということで、地元で無料でやっている日本語教室にこちらで申し込みをして、紹介をするなどのサポートを行いました。やはり、日本で生活をするとなったら日本語を話せないと大変ですし、いずれアルバイトをするにしろ、日本語は絶対に必要になってきます。
ちょうど地元に無料の日本語教室があるなら使はない手はないと思い、出来る範囲で家族のサポートもしています。

4.貴社が考える外国人と一緒に働くメリットを教えてください。

言語の面でとても助かっています

特に、ネパール出身の方たちは英語が話せるので、コロナ後のインバウンド増加の状況の中で流暢な英語でお客様に対応してくれおり、とても助かっています。フロントとしても活躍してくれているのですが、レストランの日本語メニューを英語に翻訳して英語版のメニューを作成してくれたり、朝食のビュッフェの料理を外国人のお客様が一目見て何か分かるように、英語の表示も作成してくれたりと、裏方の業務でもお手伝いしていただいています。また、日本人のスタッフに英語での料理の説明の仕方を教えてくれてたりと、周囲に対してもサポートしてくれています。

↑ 技術・人文知識・国際業務(スシルさん)

何事にも真面目に取り組んでくれます

ベトナム人のスタッフに関してですと、性格的にとても勤勉でとても真面目です。国民性なのか、本人の良さもあると思うのですが、何事も真面目に取り組む姿勢をお客様からも褒めていただけることが多くあります。
「外国人の方なのにとても一生懸命だった」「これ覚えるのすごい大変だったでしょ~」などの良い評価をいただいています。敬語だったり、日本の料理などを一生懸命勉強して一生懸命伝えようと努力して、お客様に感動していただけるようなおもてなしをしてくれています。本人の努力の結果、日本人のスタッフも見習うような存在になっていることはとても素晴らしいことだと思います。

↑ 特定技能外国人(アンズンさん)

5.マネジメントで工夫している点はありますか?

本人の良さを伝えてあげるようにしています

例えば、笑顔が素敵なスタッフに対しては、「笑顔や温かさが皆すごくうれしいんだよ!」「笑顔が良いね!」というように伝えて、本人に「これが自分の強みなんだ」と思っていただけるように声をかけることを意識しています。例え言葉が多少不慣れでも、まずは笑顔の良さを伝えてあげるようにしています。
そのうちに、お客様からもスタッフを名指しで口コミに書いていただけたりすることもよくあります。
その際は口コミをコピーして本人に手渡したり、お客様がチェックアウトされる際にスタッフを名指しで「~すごくよかった」と言ってくれていたら、後で本人に伝えたりします。外国人スタッフ本人にとっての嬉しい機会をどんどん作っていくことは心がけています。

6.今後、外国人採用・雇用について取り組んでいきたいと思っていることはありますか?

今後も外国人スタッフには一定数いていただくようにしていきたいです

やはり今後も外国人観光客の方々は増えていくことが予想されるので、今後も外国人スタッフには一定数いていただいて言語面でサポートしていただきたいと思っています。私たちは「皆生松月」と「皆生游月」の2館旅館があるのですが、今までは「皆生游月」のみで外国人を採用していました。しかし、現在「皆生松月」にも2名英語ができる外国人スタッフに在籍してもらっているので、今後もこの状態は維持していきたいと思っています。

また、具体的に取り組んでいきたい事としては、新しく入ってきた方が母国語ですぐに理解できるような動画マニュアルを作成したいです。実際、そのような動画マニュアルは現在もあるのですが、更にバージョンアップしたものを作成して、入ってきてからすぐに働けるようにしていきたいと思っています。

また、コロナが収束してからBBQや懇親会など、今までできなかったようなスタッフ間の親睦会を開催しているのですが、もっともっとスタッフが仲良く、より円滑にコミュニケーションを取れるようなイベントを今後も継続して開催していきたいと思います。マニュアルもそうですが、イベント等で交流の機会を設けることで何事も円滑に進むようになりますし、「なんでこれが伝わらないんだろう」「なんで言ったのにやってくれないんだろう」といった無駄なストレスが減ってくると思うので、効果的だと思っています。

今私たちはご縁があってネパール、ベトナム出身の方を多く採用していますが、他にも台湾とマカオのインターンシップの方に来てもらっています。また、米子空港にエアソウルの便が復活したので韓国のお客様も増えてきております。なので、今後は韓国語ができるスタッフもいればもっと強くなれると思っています。できれば、日本語に加えて、英語もできて韓国語もできるスタッフがいれば最高かなとは思います。
贅沢ですけどね…!(笑)

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この記事を書いた人

主に「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」「外国人マネジメント」「企業・外国人インタビュー」などの情報をこれから外国人を採用したい企業様向けに発信しています。編集部は外国人の人材紹介と支援を行っているJapanJobSchoolの社員で構成されており、専門家ならではの視点からお届けします。

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