【最新版】林業が特定技能に追加!|業務内容や要件、雇用期間について解説!

執筆者:松里優祐(株式会社JJS 代表取締役)

令和6年3月29日に林業が特定技能の対象分野に追加されました。
この記事では、特定技能「林業」の特徴や要件、雇用するときの注意点について解説しています。

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目次

1.特定技能に「林業」が追加されました!

令和6年3月29日、林業が特定技能の対象職種に追加されました。特定技能とは、外国人が日本で働くためのビザのひとつです。このビザは、特定の職種で働くことを許可します。林業分野が特定技能制度の対象分野に追加されたことで、特定技能ビザを持つ外国人労働者を雇用することが可能になりました。

1-1.対象になる業務内容

特定技能「林業」で雇用する場合、業務内容は育林、素材生産等の作業が含まれます。関連業務として林内における林産物の製造・加工、冬季の除雪作業などに、外国人労働者が従事することも可能です。

1-2.追加された背景・目的

林業分野では人手不足が続いています。特定技能に林業を追加することで、外国人労働者を雇用することが可能になり、人手不足の解消を目指しています。

令和3年6月15日に閣議決定された「森林・林業基本計画」は、木材産業の競争力強化と森林資源の提供を目指す基盤です。木材産業の発展を支えていく計画内容ですが、就業者は毎年減少しています。そのため即戦力となる人材を確保するために、外国人労働者を受け入れる方針になりました。

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1-3.いつから開始?

特定技能「林業」は、令和6年3月29日に追加されたばかりの分野です。在留資格を取得するのに必要な試験や在留期間など、詳細情報がまだ公開されていません。そのため、いつから実施されるのか現状では定かではない状況です。

1-4.雇用できる期間

特定技能「林業」の場合、許可された在留期間の範囲内で雇用することになります。公的機関の情報では、特定技能「林業」の在留期間に関する記載が見つかりませんでした(令和6年7月現在)。

通常、特定技能1号の在留期間は「1年を超えない範囲」とされており、更新により最長5年間有効です。雇用期間が過ぎた場合には、帰国します。

林業は特定技能に追加されて間もないため、最新情報は「出入国在留管理庁」や「林野庁」のページをチェックしましょう。

2.受け入れ見込み人数

※参考:林業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針

開始から5年間の受け入れ見込み人数は、最大1,000人とされています。労働力不足が続く「木材産業」では、令和6年度から令和10年度までの5年間で、2万人の労働力不足を予想。森林管理による生産性向上を実現して1万5,000人分を補い、かつ国内から4,000人の人材を確保しても、1000人分の労働力不足が予想されます。

特定技能ビザを持つ外国人労働者を最大1,000人受け入れることで、労働力の適正な確保を目指す方針です。令和6年度から令和10年度までの5年間の上限が1,000人であり、この数を超える受け入れは行わないとしています。

3.特定技能「林業」外国人の要件

特定技能「林業」を希望する外国人は、林業に関する基本的な知識・技能一定の日本語能力が必要です。具体的にいうと林業の仕事を遂行するために、木材の伐採や植林などの基本的な技能が求められます。

外国人労働者は、知識や技能を証明するために、「林業技能測定試験」と「日本語能力試験」のふたつのテストを受けなければなりません。

3-1.林業技能測定試験に合格

特定技能「林業」を希望する外国人は、「林業技能測定試験」に合格する必要があります。この試験は、育林、素材生産、安全衛生等に関する知識と技能を評価するものです。具体的にいうと、作業手順の正確さや、安全面への配慮、日本語による指示への理解度などをテストします。

試験内容
試験言語:日本語(ひらがなとカタカナ、ふりがな付きの漢字)
実施主体:農林水産省が選定した機関 
実施方法:学科試験(コンピュータ使用またはペーパーテスト)、実技試験

※参考:「林業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」に係る運用要領

3-2.日本語能力テストに合格

国際交流基金日本語基礎テスト(A2以上)」または「日本語能力試験(N4以上)」に合格することも要件に含まれています。特定技能の取得に求められる日本レベルは、日常の場面で登場する簡単な表現を理解できるレベルです。



日本語能力テストのほかに、「日本語教育の参照枠」においてA2相当以上だと認められれば水準を満たしています。日本語教育の参照枠とは、日本語教育の基準や目標を定める報告書です。A2は日本語の基礎ができる水準です。

<日本語能力試験・日本語レベルの基準>

※出典:N1~N5:認定の目安|日本語能力試験JLPT

<国際交流基金日本語基礎テスト・日本語レベルの基準>

※出典:JFT-Basicとは|国際交流基金日本語基礎テスト



<日本語教育の参照枠・日本語レベルの基準>

※出典:日本語教育の参照枠 報告|文化庁
※参考:N1〜N5:認定の目安|日本語能力試験 JLPT

国際交流基金日本語基礎テストの概要
実施主体:独立行政法人国際交流基金 
実施方法:コンピュータを使用

日本語能力試験の概要
実施主体:独立行政法人国際交流基金および日本国際教育支援協会
実施方法:マークシート

4.特定技能「林業」企業の要件

特定技能ビザを持つ外国人労働者を雇用する際には、いくつかの要件を満たす必要があります。

4-1.木材産業特定技能協議会に加入する

企業は特定技能「林業」の外国人を雇用する場合、木材産業特定技能協議会に加入しなければなりません。主な協議会の役割は、外国人労働者の適正な受け入れと保護に資する取り組みをすることです。

具体的には、外国人労働者の受け入れ状況や課題の把握、対応策の検討、必要な情報の提供、現地調査などが挙げられます。協議会の構成員になったら、協議により決まった措置を講じ、必要に応じて活動の協力をします。

協議会の設置、加入方法等の詳細は現在検討中です。詳細が決まり次第、林野庁ホームページに掲載されます。

4-2.企業が満たすべき要件を満たす

「林業」に関わらず、特定技能の外国人を雇用する場合、企業の要件を満たす必要があります。以下は、出入国在留管理庁が定めている要件です。

1.労働・社会保険および租税に関する法令を遵守している
2.1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていない
3.1年以内に受け入れ機関の責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させていない
4.欠格事由(例.5年以内に出入国・労働法令違反がない)に該当しない
5.特定技能外国人の活動内容に係る文書を作成し、雇用契約終了日から1年以上備えて置く
6.外国人等が保証金の徴収をされていることを受け入れ機関が認識して雇用契約を締結していない
7.受け入れ機関が違約金を定める契約等を締結していない
8.支援に要する費用を直接または間接に外国人に負担させない
9.労働者派遣の場合は、派遣元が当該分野に係る業務を行っている者などで、適当と認められる者であるほか  派遣先が基準に適合している
10.労災保険関係の成立の届出等の措置を講じている
11.雇用契約を継続して履行する体制が適切に整備されている
12.報酬を預貯金口座への振込等により支払う
13.分野に特有の基準に適合する

※参考:特定技能外国人受入れに関する運用要領|出入国在留管理庁

5.特定技能「林業」で雇用するときの注意点

特定技能制度は、日本の労働市場に新たな可能性をもたらす一方で、企業にとっては新たな課題も生じています。企業は、外国人労働者の受け入れにあたり、法令の遵守や適切な労働環境の提供など、さまざまな課題に対応する必要があります。

例えば報酬と労働時間では、特定技能外国人の報酬の額や労働時間等が「日本人と同等以上」になるようにします。差別的な待遇にならないように注意が必要です。

林業では「労働安全対策強化」の取り組みも重要です。他の産業に比べて労働災害が生じやすいため、対策を講じるだけでなく、農林水産省からの助言・指導に従いましょう。

外国人受け入れによる治安の悪化が、不安要素として挙げられるかもしれません。農林水産省は治安の悪化を防ぐため「犯罪」「行方不明」「悪質な送出機関の介在」といった治安上の問題を把握した場合に、必要な措置を講じるとしています。企業は農林水産省から治安の影響に関する助言・指導を受けた場合、適切な対応・対策をしましょう。

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特定技能「林業」はJJSにおまかせ!

林業を営む企業の「採用担当者様」や「経営者様」は、特定技能の在留資格で雇用できる可能性があります。人手不足が続く分野なので、人材を確保するひとつの手段として検討してみるとよいでしょう。

ただし特定技能「林業」で雇用するには、在留資格の取得方法や外国人受け入れ手順について理解を深める必要があります。初めて外国人を受け入れる企業は、ハードルが高いと感じるかもしれません。

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この記事を書いた人

松里 優祐のアバター 松里 優祐 代表取締役

株式会社JJS(JapanJobSchool)の代表

主に「特定技能」と「技術・人文知識・国際業務」を対象とした人材紹介と支援を行っており、年間300名以上の卒業生を輩出しています。
「日本人と外国人が一緒に働けてよかったを創る」というミッションを掲げ、外国人には入社前と入社後の授業を提供し、日本企業には外国人理解をしてもらえるきっかけづくりとして、Divershipを運営中。

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