【2024年4月更新】特定技能に自動車運送が追加!外国人ドライバーを採用するには?
執筆者:松里優祐(株式会社JJS 代表取締役)
2019年4月に新設された「特定技能」は、国内で人材確保が難しい一部の産業において、専門性やスキルを持つ外国人を受け入れるためです。2024年2月22日には「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」の4分野を追加する方針を示しました。実行すれば現行の12分野から16分野に働く場が広がり、外国人労働者の受け入れ拡大につながるとみられています。
この記事では、今回、旅客自動車運送業の外国人受け入れの検討にあがっている、在留資格「特定技能」の制度を中心に解説します。特に、自動車運送業で特定技能の外国人を採用する場合の採用・雇用の流れについて、年間300名以上の特定技能外国人の紹介と支援を行う弊社が詳しく説明します。
特定技能について詳しく知りたい方
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1.特定技能に自動車運送業(タクシー、バス、トラック)など4分野の追加決定
2024年3月29日、政府は人手不足が深刻な分野で外国人労働者を受け入れる特定技能制度の対象に、「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」の4分野を追加することを閣議決定しました。4月から受け入れに向けて特定技能を取得するための試験準備などが進められています。
それぞれの業種においては下記のような職種に受入れが可能です。
参考:特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針|出入国在留管理局
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
2.そもそも特定技能とは
「特定技能」は人手不足解消を目的に2019年4月に創設された制度(在留資格)です。
それまで人手不足が深刻だった介護業界や外食業界などで外国人の採用が可能となりました。
また、特定技能には、「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類があります。
特定技能1号
「特定技能1号」は、特定技能として働く外国人が最初に取得をする在留資格です。
基本的にまずは「特定技能1号」の在留資格を取得して、就労することになります。「特定技能1号」の特徴は、以下のとおりです。
- 通算で5年間働くことができる
特定技能1号の在留資格を取得してから、通算で5年間働くことができます。 - 必要な支援を行う必要がある
定められている義務的支援を実施する必要があります。※支援内容は後述
2023年現在、下記の12業種においてのみ、「特定技能1号」で外国人の雇用が可能です。
特定技能1号|追加が決定した4分野 | |
---|---|
自動車運送業 | 鉄道 |
林業 | 木材産業 |
特定技能2号
「特定技能2号」は、基本的に「特定技能1号」で就労し、実務経験を積んだうえで技能試験に合格すると移行ができるようになります。「特定技能2号」の特徴は、以下のとおりです。
- 在留期限の上限なく、働くことができる
定期的に更新が必要にはなりますが、上限なく働くことができます。 - 支援を行う必要がない
2023年6月に特定技能2号の対象分野が拡大されました!
今まで、特定技能2号の対象分野は建設分野と造船・舶用工業分野のみでしたが、2023年6月に介護分野以外の9分野が新しく追加されました。
介護分野は対象外です。在留資格「介護」という制度が設けられており、取得した外国人は、5年・3年・1年・3カ月のいずれかの期間ごとに更新し続ければ、永続的に就労できます。
参考:在留資格「介護」 | 出入国在留管理庁
また、造船・船舶工業分野のうち溶接区分以外の業務区分すべてが新たに特定技能2号の対象になりました。
3.特定技能1号の支援業務
在留資格「特定技能1号」で受け入れを行う企業(特定技能所属機関)は、特定技能外国人ごとに支援計画書を作成し、計画に基づいて、義務付けられている必要な支援を行う必要があります。また、外国人の支援だけではなく、支援の経過等を四半期に一度入国管理局に報告を行わなければいけません。
これらの支援は特定技能1号でのみ必要であり、特定技能2号に移行をしてからは必要ありません。
JJSは特定技能を一括でサポートします
支援計画書
在留資格「特定技能1号」で必要な義務的支援を、いつ・どこで・誰が、行う予定なのか等を記載し、その計画書に沿って支援を行います。また、途中変更点がある場合などは、変更した旨を報告する必要もあります。
出典:法務省|在留資格「特定技能」に関する参考様式(新様式)|第1-17号:1号特定技能外国人支援計画書
支援内容
特定技能1号外国人を雇用する企業は、支援計画に基づいて、以下の10の支援を行う義務があります。
定期・随時報告
また、上記の支援状況や支援の計画が変更された際には出入国在留管理庁に報告書を提出しなければなりません。
報告には、定期報告と随時報告があります。
定期報告は、外国人の支援の状況等を書類に記載し定期的に報告をします。報告は四半期に一度行う必要があります。
随時報告は、退職の発生や雇用契約の変更等があった際にその報告をします。
上記の支援、報告業務は、受け入れ企業の大きな負担になります。
そのため「登録支援機関」という出入国管理庁から認定された支援機関に委託をすることもできます。
4.登録支援機関とは?
登録支援機関とは、出入国管理庁から認定された機関で、前述の支援計画書の作成や外国人の支援業務を自社で行うことが難しい場合、全部もしくは一部を委託できます。
受け入れ企業からすれば、委託の費用はかかりますが、多くの書類作成や支援の業務の負担を考え、登録支援機関へ委託をする企業がほとんどです。
我々JJSは登録支援機関として特定技能外国人と企業様を一括でサポートしています
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5.特定技能での採用方法
タクシー業界で特定技能外国人を採用する場合、まずは特定技能1号からの採用になると予想されます。
運転免許の取得が必要になることから、現在日本国内にいる留学生や既に日本企業で働いている転職者を採用することになるかと思います。
また、特定技能で働くには、外国人側が業種ごとに実施される技能試験と日本語能力試験N4以上に合格をする必要があります。
6.まとめ
いかがでしたか。
今回の記事は、国土交通省の発表を受けて、弊社なりの予想を交えてお伝えさせていただきました。
今後、正式に発表がありましたら、修正して再掲載いたします。
弊社の経験に基づき、旅客自動車運送業界で特定技能制度が導入されると、人材の獲得が競争的になると予測されます。特に、運転免許が取得可能な外国人数は限定的であり、そのため他の業界と比べて採用が難しくなる可能性が高いです。このような状況を考慮し、外国人採用を検討している企業は、早めの準備をおすすめします。
弊社ではタクシー、バス、トラック業界向けに事前相談を承っております。
興味がございましたら、どうぞお気軽にお問合せください。
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