特定技能「自動車運送業」とは?外国人をドライバーとして雇用可能!【2024年6月更新】

執筆者:松里優祐(株式会社JJS 代表取締役)

2024年3月、自動車運送業界における人材不足の解消へ向け、特定技能「自動車運送業」の施行が決定しました。本制度を利用すれば、タクシー、バス、トラックの運転手として外国人の雇用が実現可能です。

この記事では、特定技能「自動車運送業」の要件や、外国人ドライバーの雇用プロセスについて詳細に解説します。

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目次

1.特定技能「自動車運送業」とは?

自動車運送業界の人手不足を解消するため、外国人ドライバーを雇用できる手段ができました。既存の在留資格「特定技能」に、「自動車運送業」が追加されたのです。

1-1.タクシー運送業

タクシードライバーとして外国人を雇用することができ、「観光客向けのサービス」にも力を入れられます。

タクシー運送業の外国人ドライバーは、運行管理者の指導のもと、運転や乗務記録の作成、乗客対応が任せられます。新任運転者研修を受けたあと、日本の交通ルールやサービスマナーを理解してもらい、実務に就くという流れです。

1-2.バス運送業

バスドライバーも、特定技能での受け入れ可能な業種です。公共交通の充実に貢献することが期待されています。

バス運送業の外国人ドライバーは、公共交通のバス運転手として雇用可能です。タクシー運送業と同様に、運行前後の点検や安全な運行、乗客対応を中心に従事してもらいます

1-3.トラック運送業

トラック運送業では、働き手が足りないという問題が深刻です。外国人トラックドライバーを迎え入れることで、この問題を大きく改善することが期待されます。

外国人トラックドライバーは、荷物を運ぶ仕事を担当します。これには、出発前と到着後の車両チェック、安全運転、荷物のしっかりとした固定、そして運行記録の管理などが含まれています

1-4.特定技能の外国人ドライバー受け入れ見込み人数

特定技能の外国人ドライバーは、今後5年間で「最大2万4500人」受け入れられる見込みです。これにより、自動車運送業界の新たな発展が期待されています。

日本において、自動車運送業では令和6年度からの5年間で 28万 8,000 人程度の人手不足が見込まれる中、DX化の推進等による生産性向上や、労働環境整備等による追加的な国内人材の確保を行ってもなお不足すると見込まれる最大2万 4,500人を1号特定技能外国人の受入れの上限としています。

※参考:自動車運送業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針|法務省

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2.そもそも特定技能とは

現在特定技能外国人の数は急増しており、2023年12月末の時点で20万人を超え、多くの雇用機会が生まれています。

※出典:特定技能在留外国人数の公表等|出入国在留管理庁

特定技能とは、日本の人手不足を補うために設けられた在留資格です。特に労働力が不足している産業で、外国人を「正社員」として雇用するため2019年に新設されました。外国人ドライバーも正社員雇用が可能です。ただし派遣で受け入れることはできません。

特定技能には1号と2号があり、1号で通算5年が修了すると2号に移行できて永続的に雇用することが可能です。特定技能自動車運送業では、まだ1号でしか認められていないので通算で最大5年しか雇うことはできませんが、今後2号に追加される可能性は大いにあります。人手不足の解消を図るのに、特定技能の制度を利用してみるのもひとつの手段だといえます。

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3.受け入れ企業の要件

注1)運転者職場環境良好度認証制度の認証項目
注2)旅客自動車運送事業運輸規則 第38条第1項、第2項及び第5項並びに第39条に規定する事項

特定技能の自動車運送業で外国人ドライバーを受け入れる場合、上記の要件をクリアしましょう。企業は「運転者職場環境良好度認証制度」の認証を受け、新任運転者研修を実施しなければなりません。

また特定技能外国人の受け入れにあたり、国土交通省が設置する「特定技能協議会」の構成員となることも必要です。トラックの運送業の場合、全国貨物自動車運送適正化事業実施機関が認定する「安全性優良事業所」の取得もします。

4.外国人が取得すべき試験

外国人ドライバーは「自動車運送業分野特定技能1号評価試験」に合格し、必要な運転免許を取得するのが要件です。特定技能1号評価試験の試験言語は日本語で、学科と実技で評価されます。また日本語能力試験も受験し、日常会話や生活に支障がないことを証明しなければなりません。

4-1.タクシー運送業

タクシー運送業では、安全な運行と乗客対応ができることが求められます。また運行前後の点検や乗務記録の作成も必要です。これらの業務を遂行するため、以下の試験で評価されなければなりません。

取得必須な試験

4-2.バス運送業

バス運送業に従事する外国人ドライバーは、安全な運行はもちろん、路線バスの点検や乗車・下車時のアナウンス対応などが要求されます。そのため、以下の試験に合格する必要があります。

取得必須な試験

4-3.トラック運送業

トラック運送業では、貨物を運送するにあたり運行前後の点検、安全な運行、荷崩れを起こさないための積付けができる能力が求められます。

取得必須な試験

※参考:「自動車運送業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」に係る運用要領|法務省

↓日本語能力試験についてはこちらの記事をご覧ください↓

5.特定技能の外国人ドライバー|雇用の流れ

人手不足に悩む自動車運送業の企業は、すぐにでも外国人雇用を進めたいかもしれません。ここでは、スムーズに外国人ドライバーを雇用するために、事前準備からの流れを紹介します。いずれ受け入れを検討している経営者・人事担当者も、前知識として役立つ情報です。

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特定技能外国人雇用の事前準備をする

先述した特定技能外国人雇用のための企業要件を満たすことのほかに、給与の計算方法、支払うタイミング、各種手当と福利厚生、昇給や賞与の条件、退職金制度などを具体的に示すことが重要です。

休暇制度も同様に、休暇の申請方法や日数の上限などを明確にしましょう。言語の壁を低減するため、「やさしい日本語」の活用やビジュアル素材の利用、言語学習の支援、文化間コミュニケーションのトレーニングが効果的です。

やさしい日本語のポイント

  • 簡単な語彙にする
  • 文を短くする
  • 漢字にはふりがなをふる
  • 時間や年月日の表記をわかりやすくする
  • 二重否定の表現を避ける

言語学習支援の一例

  • 日本語の研修をする
  • オンライン授業を依頼する

文化間コミュニケーションのトレーニング一例

  • 日本ビジネスマナーの研修
  • 異文化理解のワークショップ

↓こちらの記事もご参照ください↓

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募集をかける

初めて採用する際には、人材紹介会社や現地の機関を通じて候補者を見つけるのが一般的です。

STEP
面接の実施

応募が来たら日本人同様面接をします。

しかし外国人に対して何を聞けばいいかわからない人が多いです。「外国人採用面接質問シート」を参考にするとスムーズに面接が進められ、自社に適した人材を採用しやすくなります。

STEP
雇用契約の締結

↓雇用契約書の書き方はこちらの記事をご覧ください↓

STEP
外国人に特定技能1号評価試験と日本語試験に合格してもらう

外国人は運転免許の取得と新任運転者研修も行う必要がありますが、次の特定活動の在留資格をもらうには特定技能1号評価試験と日本語試験に合格する必要があるので、まずはこの2つを受けてください。

STEP
外国人の在留資格を「特定活動」に切り替える(運転免許未取得者のみ)

特定技能取得の準備が整ったら、次は運転免許を取得してもらいます。そのために外国人は一定の期間日本に滞在する必要がありますが、その間に在留資格が切れてしまう、もしくは長期的に滞在できる在留資格を所持していない場合は不法滞在になってしまいます。

そうならないために、まずは外国人の在留資格を特定活動に切り替え、免許取得のための在留資格を取得してください。

STEP
外国人に運転免許を取得してもらう(運転免許未取得者のみ)

トラックなら第一種、タクシーやバスなら第二種免許を取得してもらいましょう。

STEP
新任運転者研修を実施する(タクシー・バスのみ)

タクシーやバスのドライバーには、新任運転者研修を受けることが求められます。乗客への適切な対応や安全な運転技術、業務用の車両を運転するときの心構えを身に付ける研修です。 例えばトラックドライバーの場合、車高が高く視野も乗用車と異なります。死角、内輪差、制動距離など構造上の特性を理解しなければなりません。また貨物を適切に配置する方法を学び、荷崩れや落下を防止します。

STEP
特定技能を申請する

すべての要件を満たしたら、特定技能の申請をします。審査の結果、受領されると「在留カード」が届き、正式に日本での就労が認められます。

STEP
入社前準備をする

最後に、入社前の準備を行います。企業は住居の確保や生活環境の整備をサポートして、外国人が日本での生活をスムーズに開始できるようにしましょう。

6.特定技能自動車運送業取得のための「特定活動」とは

外国人が特定技能自動車運送業取得のために日本で運転免許を取得する際は「特定活動」のビザに切り替える必要があります。日本の運転免許を取得するまでの期間、合法的に日本に滞在し、必要な準備を進めることができるからです

外国人ドライバーは日本に合法的に滞在できるようになるため、運転免許取得のための学習や試験準備、日本の生活環境に慣れるための時間を確保するのに役立てられるでしょう。

ちなみにこの間の期間は「特定技能1号」の在留資格としての通算在留期間にカウントされません。

在留資格「特定活動」における在留期間

  • トラック:在留期限上限6か月
  • タクシー:1年
  • バス  :1年

参考:「自動車運送業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」に係る運用要領

7.特定技能外国人雇用における注意点

最後に特定技能外国人雇用における注意点をまとめました。

7-1.日本人と同等の待遇をする

労働関連法令は、外国人労働者にも適用されます。厚生労働省の調査によると、多くの事業所で外国人技能実習生に対する法令違反が「70.8%」見られました。給与や労働時間に関して外国人を公平に扱っていなかったようです。企業は、外国人労働者も日本人と同様に、労働基準法に基づいて雇用しましょう。

※参考:外国人実習生が働く事業所を立ち入り調査 70%で違反を確認 | 技能実習生 | NHKニュース

↓外国人の給与に関してはこちらの記事をご覧ください↓

7-2.外国人の日本語レベルに気を付ける

求人時や採用決定時には、企業と候補者のイメージする日本語レベルにギャップがないように注意が必要です。

たとえ特定技能に必要な水準に達していたとしても、日本語試験ではライティングとスピーキングの能力は測れないので注意が必要です。トラックドライバーを例に挙げると、積荷の日本語表記への理解や配達先でのコミュニケーション能力も求められます。

業務に必要な日本語レベルを習得しているか、外国人の採用時には気を配りましょう。またもし十分な日本語力がなかった場合も、ある程度の日本語レベルに達するよう日本語教育支援が必要です。

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8.まとめ

外国人ドライバーの雇用は、日本の運送業界に新たな人材をもたらしますが、第二種運転免許の取得やコミュニケーションの課題があります。特にひとりで接客をするドライバー業務は、簡単に任せるのが難しい側面も。

これらに対する対策として、日本語教育の強化、接客・接遇研修が考えられます。企業は外国人ドライバーが円滑に業務を遂行できるようにサポートし、トラブルを防ぐことが重要です。

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この記事を書いた人

松里 優祐のアバター 松里 優祐 代表取締役

株式会社JJS(JapanJobSchool)の代表

主に「特定技能」と「技術・人文知識・国際業務」を対象とした人材紹介と支援を行っており、年間300名以上の卒業生を輩出しています。
「日本人と外国人が一緒に働けてよかったを創る」というミッションを掲げ、外国人には入社前と入社後の授業を提供し、日本企業には外国人理解をしてもらえるきっかけづくりとして、Divershipを運営中。

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