スリランカのタブー・宗教事情は必見!|外国人雇用するなら知っておきたい文化
執筆者:Divership編集部|外国人雇用担当部門
監修者:カラニ(スリランカ出身支援担当者)
スリランカ人と一緒に働く場合、文化や習慣を理解することは非常に重要です。文化やマナーを理解していないと、知らないうちに誤解を招いたり失礼な態度をとったりしてしまうかもしれません。
そこでスリランカの文化を知るために、宗教事情から文化・風習、タブーまで、幅広く解説しました。ビジネスシーンに影響するタブーもあるので、要チェックです。
スリランカ人への理解を深めることで、コミュニケーションがスムーズになり、よりよい関係が築けます。スリランカ人の雇用を成功させるために、ぜひ参考にしてみてください。
スリランカ人に関しては、以下でも詳しく解説しています。
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1.スリランカの宗教事情と割合
スリランカの宗教割合
スリランカの主な宗教は仏教で、人口の70.1%を占めています。他の宗教にはヒンドゥー教(12.6%)、イスラム教(9.7%)、キリスト教(7.6%)があります。
スリランカでは、シンハラ人の大部分が仏教徒であり、そのため「シンハラ人」と「仏教徒」はしばしば同義語として使われてきました。彼らの大部分は、特に上座部仏教を信仰しています。
シンハラ人の社会構成は「クラヤ」と呼ばれる世襲的な階層が基本にあり、インドのカーストと類似していますが、規制はそれほど強くありません。
※参考:風俗、習慣、健康等|外務省
※参考:スリランカ民主社会主義共和国|外務省
2.スリランカの文化・風習
スリランカの文化は、その多様な宗教と長い歴史によって形成されました。ここでは、日常生活でみられる文化・風習の特徴を紹介します。
ベトナム・ネパール・ミャンマー・スリランカの国別の特徴をまとめた「外国人理解ブック」はこちら
2-1. バスにお坊さんの優先席がある
スリランカでは、公共のバスにはお坊さんのための「特別シート(優先席)」が設けられています。これは仏教の尊重と、お坊さんへの敬意を示すためのものです。通常はドライバーの後ろに、特別シートが設けられています。お坊さんが乗車した場合には、特別シートの席を譲るのがスリランカのマナーです。
2-2. 「頭を左右」に振り同意を示す
スリランカでは、頭を左右に振ることで「同意」「承知」を示すことがあります。日本とは逆の表現方法なので混乱するかもしれません。スリランカの独自のコミュニケーションスタイルとして、覚えておくとよいでしょう。
2-3. 食事の前に歯磨きをする
スリランカの一部の人々は、食事の前に歯を磨く習慣があります。これは、口腔衛生を保つため、また食事をより楽しむためのものです。
2-4. 年上の人を敬う
スリランカでは、年上の人々を敬う文化があります。家族の構成においては、祖父母が最上位の地位を占め、その後に父母が続き、長男・長女、次男・次女という順序で権力の高さが決まります。
職場環境では、上司の指示は絶対であり、部下はそれに従います。そのため部下から上司に対して、自身の意見を述べることは稀です。
「頭を左右に振る」「食事の前に歯磨きをする」に関しては、確かにやる人はやりますが、必ずしもすべてのスリランカ人が行う習慣ではありません。
3.スリランカの文化・風習に起因するタブー
スリランカには、文化・風習に起因するタブーがいくつかあります。誤解を招きトラブルを起こさないために、日常生活におけるタブーを紹介します。
3-1. 左手を使ってはいけない
スリランカでは、握手や食事をするとき左手を使わないのが基本です。「左手=不浄の手」とされているため、左手を出すと無礼だと思われる可能性があります。
またスリランカのトイレ事情として、トイレットペーパーの代わりに「小さなシャワー」が設置されているケースがあります。シャワーで洗い流すとき使うのは「左手」です。トイレ事情の関係もあり、基本的に握手や食事は右手を使います。
3-2. 飲酒と喫煙をしてはいけない
スリランカでは、公共の場所での喫煙や飲酒は法律で禁止されています。外務省のホームページでも、以下の記載がありました。
【飲酒・喫煙の規制】
スリランカ全土において公共の場所での飲酒および喫煙が禁止され、違反すると罰金が科されます。鉄道、バス等の公共交通機関を含め、駅、停留所、路上、公園、病院、ショッピングモール等では灰皿が設置されている場所で喫煙してください。
※引用:スリランカ安全対策基礎データ|外務省
3-3. 肌を露出してはいけない
スリランカでは、観光客にそれほど厳しくないものの、肌を露出する服装は避けるべきです。特に女性が露出度の高い服装をしていると、印象がよくありません。また、デング熱などの感染症予防のためにも、肌の露出は控えめにすることが推奨されています。
実際には左手を使っている人もいます。また「飲酒と喫煙をしてはいけない」に関しては、男女で良くないこととされていますが、特に女性の飲酒と喫煙がタブーとされています。
4.寺院でのタブー
スリランカは仏教が日常に根付く国で、多くのお寺があります。寺院にはいくつかのタブーが存在し、神聖さを保ち、信仰を尊重するために守られてきました。ここでは、寺院における身なりや写真撮影に関するタブーを紹介します。
4-1. 靴を履いたまま入ってはいけない
スリランカの寺院では、靴を履いたまま寺院内に入ることは禁止されています。これは仏教の教えに基づくもので、寺院の清浄さを保つための重要なルールです。寺院の入り口で靴を脱ぎ、裸足または靴下のままで寺院内を進みます。
4-2. 露出の多い服装・サングラスをしてはいけない
スリランカでは、敬虔な仏教徒が多いため、露出の多い服装は適切ではありません。特に寺院を訪れる際には、肌を露出する服装(ノースリーブやミニスカート、ショートパンツなど)は避けるべきです。また、サングラスをかけたまま寺院内に入ることも避けるべきです。
4-3. 写真撮影で仏像に背を向けてはいけない
スリランカの寺院で写真を撮る際には、仏像に背を向けてはいけません。これは仏様に対する敬意を示すためです。仏像と一緒に写真を撮る場合でも、仏像の方を向いて手を合わせた姿勢で撮影することが推奨されています。
5.スリランカの食事に関するタブー
スリランカの食事には、その文化と習慣に基づくいくつかのタブーがあります。
5-1. 食事は右手を使わなければいけない
スリランカでは、食事をする際には基本的に右手を使います。「左手は不浄」とされるのも理由のひとつですが、単純に「両手がベタベタするのを防ぎたい」という声もあるようです。例えば右手で食べ物を掴むと決めれば、清潔な左手でコップを持つことができます。
食事を口に運ぶ際は右手の親指以外の4本指を使い、口元まで持ってきたら親指で押し出すようにして食べます。しかし、これは一般的なマナーであり、全ての人が厳密に守っているわけではありません。
レストランでは、食事をフォークとスプーンを使って食べる人が増えています。特に商談をする場面では、右手にカレーがついてしまうと、ビジネスの話し合いが難しくなります。資料を見せたり、メモを取ったりする際には、両手を自由に使いたいと思うでしょう。スリランカ人でも状況に合わせて、食べ方は異なります。
5-2. 食事で音を立ててはいけない
スリランカでも日本と同様に、食事中に大きな音を立てることは、マナー違反とされています。特に公共の場所やフォーマルなシーンでは、他人に不快な印象を与えると考えられているからです。ナイフやフォークを使うときにカチャカチャ音を立てたり、グチャグチャとした咀嚼音が大きくなったりしないようにしましょう。
食事の際は、一般的には右手を使用することが推奨されていますが、中には左手を使う人もいます。
6.まとめ
スリランカ人と一緒に働く場合、その文化やタブーを理解しておくことが重要です。例えば頭を左右に振って「同意」を示す(日本とは逆)、右手で握手をするといった点は、事前に知っておくとビジネスシーンでもやり取りがスムーズになります。
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