【ベトナム人監修】働く上で知っておきたいベトナム人のタブー・マナーを解説

執筆者:Divership編集部|外国人雇用担当部門
監修者:ルイン(ベトナム国籍担当)

ベトナム人は日本人に似て勤勉で真面目だといわれています。
在日ベトナム人はここ十数年で急激に増加しており、2020年10月時点で中国、韓国に続き3番目に在日人数が多くなりました。

そこで、この記事ではベトナム人と働くうえで知っておきたいタブー・マナーを解説します。雇用しているベトナム人とトラブルを起こさないためにも、ぜひ最後まで読んでください。

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目次

1. ベトナム人にしてはいけないこと・タブー

まず始めにベトナム人にしてはいけないこと・タブーをご紹介します。

  • 年長者に失礼な発言・行動をする
  • 人前でしかる
  • 人を指で指さない

これらの行為をしてしまうと、ベトナム人を深く傷つけ、信頼関係を失ってしまいます。
それぞれ詳しく解説します。

1-1.年長者に失礼な発言・行動をする

ベトナムは儒教の影響で年長者を敬う態度が日本よりも徹底しています。年功序列の意識が役職の上下よりも優先されるのです。
たとえ部下であったとしても、その人が年上だった場合は、へりくだった口調で失礼のないように話す必要があります。
仕事で年上の人に命令口調で指示を出したりしたら、その人は不快に思って作業を放棄してしまうかもしれません。

ベトナム国籍支援担当|ルイン

実際にベトナムでは、もし年下の人に指示するときも年齢を伏せて、年上のようにふるまって指示を出すことがあります。その方が話を聞いてくれるので。

1-2.人前でしかる

ベトナム人を他の人がいる前でしかったり、間違いを指摘することは避けたほうがいいです
前述したとおり、ベトナム人は自尊心(=プライド)が高く、自分の非を認めることが少ないです。

他の人の前でしかられると、彼らの自尊心が大きく傷つきます。
もし注意したいことがある場合は、だれもいない別室に呼び出して、優しい態度で指摘するのがいいでしょう。

「褒めるときは人前で、注意するときは誰もいないところで穏やかに」ということを意識するといいかもしれません。

ベトナム国籍支援担当|ルイン

ベトナム人はそもそも怒られることが嫌いなので、できるだけ褒めて伸ばす方がいいと思います。

1-3.人を指で指さない

これは日本人もそうですが、ベトナムでも人を指で指すことはよくないことだとされています。

ですので日本人と同様、気を付けたほうが良いでしょう。

2. 日本人と異なるベトナム人の文化・価値観

次に日本人と異なるベトナムの文化・価値観を紹介します。

「電車の中では静かにする」「麵をすするときは音を立ててもいい」「時間は正確に守る」など、日本にはほかの国にはない特有の文化・価値観がありますが、同じようにベトナム人にも固有の文化・価値観があります。
一緒に働くときには、彼らの文化・価値観を理解していることが重要になります。

2-1. 文化

「暗黙の了解」は通用しない

日本は「高(ハイ)・コンテクスト文化」と言われ、文化・背景・知識・価値観などの共通認識を持った状態で会話を進めます。そのため、具体的で直接的な表現を避け、曖昧な言い回しを使うことも多いです。

それに対してベトナムは「低(ロー)・コンテクスト文化」で、会話時に共通認識を持つことは少なく、1から10まで具体的に伝えます
ベトナム人には暗黙の了解が通用しないため、何か言いたいことがある時には具体的にわかりやすい表現を用いて伝えましょう。

年長者を尊敬する

ベトナム人は日本人以上に年長者を尊敬し、年長者の言うことを支持します
職場であっても年功序列の意識が強く、役職の上下よりも、人生の先輩として年上の人を敬います。

もしベトナム人の人が自分の部下になり、その人が自分よりも年上だった場合は、部下であったとしても年長者を敬う姿勢を忘れずに接することをおすすめします。

特に、ベトナム北部では食事の際に年下の人が年上の人を食事に誘う慣習があり、食事の前には年上の人に「お先にどうぞ」などといった言葉をかけることが礼儀とされているようです。

ベトナム国籍支援担当|ルイン

ベトナムでは年長者を敬うことが徹底されています。例えば友人の家に遊びに行く時ですらも、年上の人、一人一人にきちんと挨拶をするのがマナーです。

プライドが高く、見栄を張る

ベトナム人は自尊心(=プライド)が高いです。自分の間違いや非を認めることをあまり好みません。
また、見栄を張ることも多いです。自分の能力ではできないことであっても、そのことを伝えずに無理にでもやろうとすることがあります。

ベトナム人の「はい」「わかりました」という言葉は100%信頼せずに、実際にやっている仕事の様子を見ながら、どれくらい理解しているのか確認するのがいいでしょう。

ベトナム国籍支援担当|ルイン

日本人は謙遜する文化を持っていますが、ベトナム人はその逆です。例えばブランド物を買った時はフェイスブックで一回一回アップして、周りの友人にアピールします(笑)

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2-2. 仕事観

仕事より家族を優先する

日本人は生きていくために労働を日常生活の中でも重要な立ち位置に置いています。しかし、ベトナム人は仕事よりも家族や家庭のことを優先します
家族を養うために働いていても、家族を犠牲にしてまで働くことは本末転倒だと考えています。

ベトナム国籍支援担当|ルイン

日本人は実家の近くで一人暮らしをしている場合でもあまり実家に帰りませんが、ベトナム人は月に2回は必ず実家に帰って家族に会いに行きます。

時間に対してはルーズ

日本人は待ち合わせに5分でも遅れる場合は、遅れる旨と謝罪を事前に連絡します。
しかしベトナム人は時間にルーズなので、指定した時間に間に合うことは少ないです。
ベトナムは時間を守ることにうるさくないので、遅刻した人がいても決して怒ることはありません。時間に対してはおおらかな国民性だとも言えます。

残業は基本やらない

ベトナム人は残業を基本しません。

ですが、日本に来るベトナム人はお金を稼ぐことも重要な目的の一つですので、残業代をもらうために残業する人は多いです。ですのでベトナム人にはしっかり説明することが必要です。

ベトナム国籍支援担当|ルイン

ベトナムではそもそも残業代がないので、みんな残業をしたがらないです。

ここまで、日本とは異なるベトナムの文化・価値観を解説しました。

【おまけ】ベトナムでは職場で昼寝をする

ベトナムでは仕事の休憩時間に昼寝をすることが普通です。机に突っ伏して寝るのではなく、毛布やシートを持参してしっかり横になって寝ます。

だいたい15分から30分くらい昼寝をすることが多いです。

実はあまり知られていませんが、ベトナムは儒教の影響が非常に大きい国です。「家族を大切にする」「年長者を敬う」「勤勉である」といった点に儒教の影響が表れています。
時間に対してルーズだったり、プライドが高かったりと、日本人と働くときにはマイナスに思えるポイントもありますが、その根底にはベトナムの国民性と儒教国ならではの勤勉さもあります。

仕事上でベトナム人とトラブルがあった場合は、「なぜベトナム人がその行動をしたのか」という理由を聞いてみてください。

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3.ベトナム人の前で気にしておきたいマナー

タブーとまではいきませんが、ベトナム人が気にする日本人のマナーをいくつか紹介します。

3-1.食事のマナー

器に口を付けてスープを飲むこと

ベトナムの有名な麺料理に「フォー」があります。

フォーを食べるとき、スープを器に口を付けて飲むことはマナー違反です。ベトナムでは器に口を付けることはせずに、スープを飲むときにはスプーンを使います
また、麵料理の器や丼ものの器を持ち上げて食べることも、マナーが悪いと思われるので気をつけてください。

ベトナム国籍支援担当|ルイン

スプーンを使って飲みますが、最後は手で持ち口を付けて飲む場合が多いです。初めから口を付けてスープを飲むことはマナー違反なので気を付けてください。

大皿の料理を自分の箸で取る

大皿から料理を取り分けるとき、ベトナムでは基本的に取り分け用の箸が付いてきます。そのため、自分の箸で大皿の料理を取ることはあまりマナーがいいとされていません

ベトナム人とレストランで食事するときは、取り分け用の箸を店員さんに頼むといいかもしれません。

麺を音を立ててすする

日本では、ラーメンなどの麺料理で音を立ててすすることを気にする人はあまりいません。しかし、ベトナム人にとっては不快に思わせる行為の一つです。

ベトナム人がフォーなどの麺料理を食べるときは、箸とスプーンを使って麺をすくい上げて食べます。ベトナム人とうどんやそばを食べるときには、スプーンを用意して渡すといいでしょう。

参考:VIETOJO LIFE:「ベトナムの食事の常識・非常識」

3-2.日常生活でのマナー

バスや電車は年上の人に譲る

ベトナムに行くと、公共交通機関で若い人が自分よりも年上の人に席を譲っている光景をよく目にします。日本では高齢者には席を譲りますが、自分より年上の人だから席を譲るということはあまりしないと思います。

ベトナム人は自分より年上の人であれば席を譲るので、日本で50,60代の人であっても席を譲ります。もし席を譲られたら笑顔でお礼を言って、座らせてもらいましょう。

ベトナム国籍支援担当|ルイン

日本も基本的に高齢者に席を譲りますが、ベトナムでは特にそれが顕著です。譲らないと周りの人や高齢者の人から指摘されます。

仕事相手でもプライベートなことを話してお互いの理解を深める

ベトナム人はたとえ仕事上の関係だけであっても、仕事の話をする前にまず、仕事以外の話(趣味、家族、考え方についてなど)をして、お互いの理解を深めます
日本ではプライベートな話題を仕事中に出すことは少ないので、ベトナム人から突然そのような質問をされたら驚くかもしれません。
しかしこれは、ベトナム人の方からこちらのことを理解しようとしてくれている態度だということを知っておくといいでしょう。

ベトナム国籍支援担当|ルイン

このことからベトナムでは仕事中雑談が多いです(笑)ただ、日本で働くベトナム人は日本の文化を理解しているのでほとんどの人はあまり雑談をしません。

4.ベトナム人が喜ぶこと

最後にベトナム人がされて喜ぶことをいくつか紹介します。

4-1.できたことをほめる

ベトナム人は自尊心(=プライド)が高いので、その自尊心が満たされることを非常に喜びます。
仕事でよくできたことがあれば、ぜひ他の人の前で少し大げさにほめると、その後の仕事のやる気にも繋がるのでいいでしょう。

4-2.家族や趣味の話を積極的にする

ベトナム人は、一緒に働く人も家族のように大切にし、逆に関わりのない人への警戒心が強いです。つまり、内輪の仲が非常にいいということです。
もしベトナム人と一緒に働くときは、仕事に関係する話だけでなく、趣味や家族、休日の過ごし方など仕事に関係ない話題についてたくさん話すと喜ばれるでしょう。

一緒に働くベトナム人と仲良くなるためにも、ぜひこれらを実践してみてください。また、仲良くなったらどんな行動でベトナム人が喜ぶのか、直接聞いてみるのもいいかもしれません。

5.まとめ

ベトナム人は、東アジア圏の外国人を除けば、今日本で一番働いている人数が多い外国人です。ぜひこの記事を参考にして、ベトナム人の同僚や部下と良好な関係を築いてください。

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