製造業で外国人を採用するには?ビザの種類や雇用の流れなどわかりやすく解説!
執筆者:竹村(JapanJobSchool講師兼就職支援室マネージャー)
製造業は外国人にも人気があり、在日外国人が従事する業種の中で一番人数が多いです。
製造業で外国人を採用するには「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」「技能実習」など幅広い在留資格で雇用することができます。この記事ではそれぞれの在留資格の違いと雇用する流れをわかりやすく解説します。
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1.外国人が日本で働くには「在留資格(ビザ)」が必要
外国籍の方が日本に在留し、その資格に沿った活動ができることを証明するものを「在留資格」と言います。この在留資格は特定技能、技術・人文知識・国際業務、経営、教授など多岐に渡ります。
外国人が製造業で働くためにもこの「在留資格」が必要です。
混同されやすい言葉に「ビザ」という言葉があります。
よく会話の中で「就労ビザ」「配偶者ビザ」「難民ビザ」という単語を使ってしまいますが、厳密には「ビザ」という言葉は「査証」と呼ばれ、持っているパスポートが本物であり、日本に上陸することが問題ないということを示すものです。
参考:在留資格一覧表 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
入国・帰国手続<査証・在留資格認定証明書> | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
在留資格に関してはこちらの記事で詳しく解説しています
1-1.在留資格の確認方法
日本に在住する外国人がどの在留資格を保持しているかは「在留カード」をみるとわかります。在留カードは外国人にとってパスポートと同じくらい重要な身分証で、常に携帯することが義務付けられています。
在留資格、就労制限、在留期間、有効期間などの記載があるので確認してください。
特に留学ビザの場合などは就労制限の欄に「就労不可」と書いてあっても、資格外活動許可のをもらっていたら裏面にその記載があるので、見逃さずに確認する必要があります。
1-2.在留カードの偽造に注意!
近年、在留カードを偽造する人が増加しています。
偽造された在留カードの見分け方はこちらの記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
2.正社員で外国人を採用する場合
それでは、外国人を製造業で正社員で採用する場合、主にどのような在留資格が必要なのかについて解説していきます。ここでは、「技術・人文知識・国際業務」「技能実習」「特定技能」について取り上げます。
2-1.技術・事務部門なら「技術・人文知識・国際業務」
日本の会社で働く在留資格で代表的なものとして、「技術・人文知識・国際業務」という資格があります。大学などで学んだ知識や実務経験、学術的素養を活かした業務を行うもので、大学や短期大学、もしくは日本の専門学校を卒業していることが取得の条件になります。
在留期限は、1年・3年・5年のいずれかになりますが、運転免許のように都度更新申請が可能なため、10~20年といった長期雇用も理論上可能です。
代表的な職種としては、機械工学等の技術者、通訳、デザイナー、私企業の語学教師、マーケティング業務従事者等、比較的ホワイトカラーのお仕事が挙げられます。
製造業においても技術・事務部門なら「技術・人文知識・国際業務」が該当するケースが多くなります。
例えば、技術分野ですと生産管理や品質管理、機械設計やCADオペレーターなどが挙げられます。また、事務分野であれば営業や総務、経理、人事、海外取引先との通訳などに従事できます。
逆に生産ラインでのライン作業や梱包、軽作業や力仕事などに従事することは原則認められていません。但し、日本人従業員の作業指示を技能実習生や外国人アルバイトなどに伝達(通訳)・指導を行う仕事は、習得した資格・スキルを活かした業務になるため、問題ないと言えるでしょう。
参考:在留資格「技術・人文知識・国際業務」 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
2-2.製造ライン部門なら「技能実習」「特定技能」
技能実習
「技能実習」とは、開発途上国の人材に日本の技術を教え、母国での発展に活かしてもらうための国際貢献です。製造業も下記の業種に該当すれば、最長5年勤務可能です。
参考:移行対象職種情報 | 外国人技能実習機構 (otit.go.jp)
導入方法は、海外拠点のある企業が現地法人の職員を受け入れる「企業単独型」、協同組合など管理団体を通して受け入れる「団体管理型」の2種類です。
参考:技能実習についての基本情報 | 外国人技能実習機構 (otit.go.jp)
ただ2023年9月、技能実習の人権上の問題が指摘され続けた結果、ついに政府は技能実習制度の解消を表明しました。今後これに代わる新しい在留資格ができるかまだ不明ですが、今後の情報は要確認したほうが良いでしょう。
また技能実習について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
特定技能
「特定技能」とは、日本の労働力不足を解消するため、人材確保が難しい産業上の分野において、一定の専門性・技能を有する外国人材を受け入れる制度です。下記、14業種が対象となっています。
製造業は元々「素形材産業分野」、「産業機械製造業分野」、「電気・電子情報関連製造業分野」に分かれていましたが、2022年4月に「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野」に統合され、その総称として「製造業」と呼ばれています。
参考:[PDF]特定技能 – 法務省
参考:特定技能制度 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
特定技能2号の対象分野の追加について(令和5年6月9日閣議決定) | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
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3.アルバイトで採用する場合
続いて、アルバイトで採用する方法について解説していきます。
3-1.留学
「留学」とは、日本国内の日本語学校、専門学校、大学などに在学している外国人が取得する在留資格です。
資格外活動許可(在留資格に属さない収入を伴う事業を運営又は報酬を受ける活動を行おうとする場合に必要な許可)を取得することで週28時間のアルバイトが許可されます。それ以上の時間アルバイトをしてしまうとオーバーワークとなってしまい、外国人と企業双方にペナルティが科せられてしまう可能性がありますので注意しましょう。
また、学校の在学期間中はアルバイトが可能ですが、在留期間が残っていても学校を退学・卒業している場合はアルバイト不可です。
在留資格別に見た外国人労働者数で、在留資格「留学」で来日している外国人は258,636人というデータが出ています。アルバイトの場合、製造業では従事不可な業務は無いため、ライン作業なども可能です。コンビニなどのように日本人のお客様に接客することも無いため、私の経験上、特に日本語能力がまだ高くない日本語学校の学生に人気があります。
参考:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
別添3「外国人雇用状況」の届出状況表一覧(令和4年10月末現在)[PDF形式:367KB]
在留資格「留学」 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
3-2.家族滞在
「家族滞在」とは、技術・人文知識・国際業務や特定技能2号など、家族の滞在が可能な在留資格取得者の配偶者や子が取得できる在留資格です。
こちらも資格外活動許可を取得することで週28時間のアルバイトが許可されます。同様にライン作業なども問題なく行うことができます。
参考:在留資格「家族滞在」 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
外国人のアルバイト雇用に関しては、こちらの記事もご参照ください。
4.正社員とアルバイトどちらでも就労可能な在留資格
正社員とアルバイトどちらでも就労可能な在留資格として、身分系の在留資格が挙げられます。
在留資格別に見た外国人労働者数で、身分に基づく在留資格は595,207人となっています。製造業では従事不可な業務は無いため、ライン作業なども可能です。代表的なものとしては、下記になります。
参考:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
4-1.永住者
一般的に、永住権を所持している方たちのことです。在留期間の定めなしに日本に在留することができ、公的機関以外への就労が認められています。
参考:永住許可(入管法第22条) | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
4-2.定住者
第三国定住難民、日系3世、中国残留邦人など、法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める方たちのことです。こちらも永住者のように公的機関以外への就労が認められています。
参考:在留資格「定住者」 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
4-3.永住者の配偶者等
永住者・特別永住者の配偶者、日本で出生し引き続き在留している子どもの方などが該当します。子どもの場合、親の一時帰国中など海外で出生した方は対象外となります。
参考:在留資格「永住者の配偶者等」 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
4-4.日本人の配偶者等
日本人と結婚した方(配偶者)、実子、特別養子の方などが該当します。当校の職員にも外国人の方と結婚している者がおります。尚、日本人と婚姻中のみ有効のため、離婚や死別した場合は対象外となります。
参考:在留資格「日本人の配偶者等」 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
5.製造業で外国人を採用する流れ
では、実際に雇用を検討する際、どのような採用の方法、流れがあるのかについて解説していきます。具体的には下記のようなステップが必要です。
求人サイトで募集する
日本人の採用と同じように、ハローワークなど求人サイトを利用して募集する方法です。
人材紹介会社に紹介してもらう
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日本語学校に問い合わせる
特にアルバイト人材を募集したい場合は、日本語学校に問い合わせる方法もあります。
第3章で前述したように、製造業のアルバイトはライン業務も可能なため、来日してから期間が短く、まだ日本語能力が高くない留学生にも人気のアルバイトです。留学生アルバイトを大量に雇い入れていらっしゃる企業の中には、マニュアルを英語翻訳したり、イラスト中心のものを作成して外国人に働きやすい取り組みをされているケースもあります。
外国人から応募があった後は、選考に進みます。書類選考後、直接、もしくはオンライン面接を実施するのが一般的です。コロナ禍の影響で、オンライン面接を実施する企業がかなり増えており、直接面接にこだわっていると日程調整をしている間に他社に人材を取られてしまうケースも増えていますので、応募があった際はなるべく早く面接して合否を出すことをオススメします。
選考を経て内定となった後は、求職者本人と雇用契約を締結します
尚、労働条件通知書などは厚生労働省のHP上で外国語に翻訳されたフォーマットもございますので参考になさってください。
外国人雇用の手続きに関しては、こちらの記事もご参照ください。
採用したいと思った外国人が製造業で勤務可能な在留資格を所持していなかった場合などは、在留資格申請が必要となります。この項では、主に「技術・人文知識・国際業務」「特定技能1号」について解説していきます。
在留資格を変更する場合
既に日本に在留している方の場合、在留資格変更許可申請が必要です。例えば、「留学」の在留資格から「技術・人文知識・国際業務」や「特定技能1号」に変更する、といったケースになります。
申請に必要な書類は、在留資格によって異なりますので出入国在留管理庁のHPをご参照ください。書類の準備が整いましたら、企業の所在地もしくは求職者本人住所の管轄地域の地方出入国在留管理局に申請を行います。申請は直接、もしくはオンラインでも可能です。
申請後、結果が出るまで最低でも1~2ヶ月ほど時間がかかりますので、それを見据えた早めの採用が必要です。
参考:在留資格変更許可申請 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
在留資格「技術・人文知識・国際業務」 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
在留資格「特定技能」 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
地方出入国在留管理官署 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
特定技能の在留資格申請に関しては、こちらの記事もご参照ください。
転職の場合
「技術・人文知識・国際業務」の場合、既に在留資格を所持していれば、直ぐに転職して勤務開始することができます。その際に、在留期限が迫っていれば在留期間更新許可申請が必要です。(在留期限が迫っていなくても届出書の提出は必要です。参考欄をご参照ください。)
更新許可申請は、在留期限の3ヶ月前から申請することが可能です。結果が出るまでそのまま勤務可能ですが、不許可になってしまった場合は継続して雇用することができませんので、採用前に自社の業務と外国人本人が勉強した内容が一致するか、確認が必要です。もし自社で判別がつかない場合は、人材紹介会社や登録支援機関、ビザ専門の行政書士事務所などに相談することをおすすめします。
「特定技能1号」の場合は、在留資格を所持していたとしても直ぐの転職はできません。勤務先の企業が変わる度に在留期間変更・更新許可申請が必要となります。また、特定技能1号の場合は通算5年までしか働くことができませんので、仮に前職で計3年働いていれば自社で働くことができるのは残り2年になります。
参考:所属機関等に関する届出手続 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
在留資格「技術・人文知識・国際業務」 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp
在留資格「特定技能」 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
国外から呼び寄せる場合
海外に在住している人を採用した場合、日本に呼び寄せる形で在留資格申請を行います。正式には在留資格認定証明書交付申請と言います。例えば、「特定技能1号」の在留資格でネパール在住の求職者を呼び寄せる場合、下記の図のような手続きが必要となります。(手続きの流れに関しては「技術・人文知識・国際業務」もほぼ変わりはありません。)
特定技能での海外からの採用に関しては、こちらの記事もご参照ください。
無事に在留資格も許可が下り、実際に入社した後は下記のような手続きが必要です。
雇用保険、健康保険、厚生年金の加入
労働基準法などの労働法は外国人にも適用されますので、条件を満たす場合は雇用保険や健康保険、厚生年金の加入が必要となります。雇用保険はハローワークに被保険者となった月の翌月10日まで、健康保険と厚生年金は年金事務所または健康保険組合に入社後5日以内に申請が必要です。
また、日本人と同様に、雇い入れ時にハローワークへの届出も義務付けられています。
参考:雇用保険制度|厚生労働省
就職したとき(健康保険・厚生年金保険の資格取得)の手続き|日本年金機構 (nenkin.go.jp)
[PDF]外国人雇用は ルールを守って適正に – mhlw.go.jp
在留資格によっては外国人に様々な支援を行う必要がある
「特定技能1号」や「技能実習」の在留資格の場合、雇用している期間に継続した支援が必要です。例えば、「特定技能1号」の場合は下記の図のようになります。
参考:特定技能制度 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
特定技能の場合、支援を自社で行うか、国の認可を受けた登録支援機関に委託するか、選ぶことができます。中には、支援する外国人の母国語で対応が必要な項目もありますので、登録支援機関を利用することをおすすめします。
登録支援機関に関しては、こちらの記事もご参照ください。
在留期間更新許可申請
「永住者」などごく一部の在留資格を除き、ほとんどの在留資格には在留期限があります。在留期間の更新をしなければ勤務を継続することも日本に在留し続けることもできなくなってしまいますので、在留カードのコピーを保管しておくなど、企業側も在留期限の管理をすることが非常に重要です。
参考:在留期間更新許可申請 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
退職、転職した場合
最後に、退職や転職などが起こった場合、日本人と同様にハローワークへの届出の他に、外国人本人から出入国在留管理庁へ届出書の提出が必要です。こちらは退職後、14日以内に提出しなければなりません。
また、特定技能の場合、受入れ側の都合により雇用契約を解除する場合の転職先を探す手伝いや推薦状の作成、求職活動を行うための有給休暇の付与や必要な行政手続きの情報の提供などの支援が必要となります。
参考:所属機関等に関する届出手続 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
特定技能ガイドブック(事業者の方へ)(PDF)
6.外国人を製造業で採用するメリット
こちらの章では、外国人を製造業で採用するメリットについて解説していきます。
6-1.仕事に対する意欲のある人が多い
外国人は母国に家族(場合によっては配偶者や子ども)を残して日本に来ている人も少なくありません。そういった人は家族への仕送りをするために来日しているケースがほとんどのため、家族の生活がかかっていると言えます。その分、仕事に意欲的に取り組み、少しでも給料アップしていきたいと考える人が多いでしょう。
6-2.若い人が多い
昨今の人手不足に関するニュースで2040年問題という言葉を耳にされた方は多いのではないでしょうか。所謂、団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年に労働力不足が1100万人に上るという問題です。このような人手不足への対策として外国人雇用を検討されている企業様は多いかと存じます。
日本の平均年齢が約49歳と言われているのに対し、外国人労働者の多いベトナムは平均年齢が約31歳、またミャンマーは労働人口のうち年齢構成で最も多い層が15~19歳(463万人)、次に20~24歳(433万人)と若年層の人口が多いです。今後も日本人より若い年齢層の労働力を確保できる可能性が高いです。
参考:2040年 担い手不足1100万人余の予測 都道府県別・業種別の人手不足は | NHK | ニュース深掘り
ベトナム 教育(Edtech)産業調査(2021年1月) | 調査レポート – 国・地域別に見る – ジェトロ (jetro.go.jp)
技能実習生の輩出大国となるポテンシャル秘めるミャンマー | 外国人材と働く – 特集 – 地域・分析レポート – 海外ビジネス情報 – ジェトロ (jetro.go.jp)
6-3.日本に働きに来る外国人が急増している
厚生労働省の最新調査で、外国人労働者数は 1,822,725 人で、前年比 95,504 人増加し、届出が義務化された平成19年以降、過去最多となっています。昨今の円安の影響は今後響いてくる可能性はありますが、日本は治安などの面から外国人労働者にはまだまだ人気の国と言えるでしょう。
参考:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)|厚生労働省
別添2「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和4年10月末現在)[PDF形式:1.6MB]
国籍別では、ベトナムが最も多く 462,384 人(外国人労働者数全体の25.4%)、中国 385,848 人(同21.2%)、フィリピン 206,050 人(同11.3%)の順で続いています。
参考:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
別添3「外国人雇用状況」の届出状況表一覧(令和4年10月末現在)[PDF形式:367KB]
6-4.特に製造業に従事する外国人が多い
業種別では、製造業が最も多く485,128人(全体の26.6%)、サービス業(他に分類されないもの)が295,700人(同16.2%)、卸売業・小売業が237,928人(13.1%)、宿泊業・飲食業が208,981人(同11.5%)と続いていきます。
前述しましたように、コンビニなどのように日本人のお客様に接客することも無いため、日本語能力がまだ高くない方も就業チャンスが多いことが人気の一因でしょう。
参考: 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
別添3「外国人雇用状況」の届出状況表一覧(令和4年10月末現在)[PDF形式:367KB]
7.外国人を採用する注意点
最後に、外国人を採用する上での注意点について解説していきます。不適切な雇用を行った場合、不法就労助長罪(3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又はその併科)の処罰対象になる可能性があるので、注意が必要です。
参考:外国人の適正雇用について 警視庁 (tokyo.lg.jp)
7-1.給与は日本人と同等かそれ以上
厚生労働省のHPに記載があるように、均等待遇(労働者の国籍を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱いをしてはならないこと。)が必要です。
また、労働契約時にも労働条件について記載された文面を外国人が理解できるように説明しなければなりません。
参考:[PDF]外国人雇用は ルールを守って適正に – mhlw.go.jp
7-2.在留資格を申請しても許可されない場合がある
これはどの在留資格についても同様ですが、在留資格を申請しても許可率は100%ではありません。
出入国在留管理庁のHP上には不許可事例が記載されています。私の経験上、主に申請した業務内容に関する問題、申請した外国人本人の問題、企業側の問題などが不許可理由に該当することが多いです。せっかく申請後の結果を待ったにもかかわらず、不許可になってしまう可能性が0ではない、ということは留意しておくべきでしょう。
不許可の可能性を少しでも低くするために、申請は行政書士事務所や登録支援機関に依頼する方法も一考すべきでしょう。
参考:在留期間の更新許可申請及び在留資格の変更許可申請に係る不許可事例について | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
8.まとめ
以上、外国人を製造業で採用する方法やメリット、注意点などについて解説して参りました。
日本で働く外国人労働者が増えていく中で、人手不足の製造業での採用は今後も増加していくことでしょう。人手不足で業務が回らなくなってしまう前に外国人労働者の採用を考えてみてはいかがでしょうか。
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