【特定技能】ネパール現地からの完全採用マニュアル|費用や注意点なども解説!

執筆者:竹村(JapanJobSchool講師兼就職支援室マネージャー)

ここ数年で日本に住むネパール人はどんどん増加しており、令和4年度における在留外国者数でもネパール人は第6位の125,798人となっています。

皆さんもコンビニや飲食店などでアルバイトをしているネパール人の方を見かけることが多くなっており、人懐っこく、言語能力も高い(3~4か国語を理解できる人が多い!)ネパール人を採用したい、と思っていらっしゃる方も多いでしょう。

そこで、今回は毎年ネパール人の生徒を100名以上指導する私が、ネパール人を特定技能で採用する方法、特にネパール現地からの採用について詳しく解説していきます。

そもそも特定技能について詳しく知りたい方は「特定技能まるわかり資料」をダウンロードください

目次

1. 特定技能で働くネパール人の人数

令和5年6月の段階で特定技能1号で働くネパール人は3,428人というデータが出入国在留管理庁より発表されております。これは国別で見ますと第8位に当たり、特定技能1号で働く外国人の約1.9%に該当する計算になります。

※主な国籍・地域別の特定技能1号で働く外国人

①ベトナム97,485人   
②インドネシア25,337人
③フィリピン17,660人
④中国11,402人
⑤ミャンマー8,016人
⑥カンボジア3,659人
⑦タイ3,499人
⑧ネパール3,428人

一方、令和4年6月の段階で技術・人文知識・国際業務で働くネパール人は24,127人となっており、特定技能を多く上回ります。

後述しますが、ネパールは平均賃金がアジア諸国の中でも低く、母国よりも海外で働きたいという若者が多い傾向にあると言われています。これも後述しますが、令和3~4年度においてもネパール人の労働者や留学生は増加傾向にあります。そのため、現状では在留期限の縛りが強い特定技能より都度更新が可能で10年以上の中長期の滞在も見込める技術・人文知識・国際業務の方が人気があるという側面があります。

ただ、技術・人文知識・国際業務は、日本もしくは他国の大学・短期大学、日本の専門学校のいずれかを卒業していなければ取得できず、また勉強内容などと関連性のない仕事には就くことができません。この要件を満たしていなかったり、外国人が就業するのが難しい分野の専門学校を卒業しているネパール人が特定技能を選ぶ可能性が高いと考えられます。また、特定技能を分野別に見ますと介護分野で働くネパール人数が1,862人と特定技能ネパール人全体の約54%に当たり、ダントツで多くなっています。

実際のネパール人の介護分野での採用事例に関しては、こちらの記事もご参照ください。

参考: 特定技能在留外国人数の公表 | 出入国在留管理庁
    令和4年6月末現在における在留外国人数について | 出入国在留管理庁

2.ネパール人の特徴

2-1.人懐っこい性格

ネパール人の性格として、子どもに限らず大人も非常に人懐っこい傾向があります。

笑顔は世界の共通言語というような言葉がありますが、まさにその言葉を体現していると思うほどです。お話をし始めると、まずはいろんなことを質問してくださり、社交辞令などではなく、自分たちの文化との違いや知らないことに対する興味から質問しています。

実際に、質問の答えに対して更に質問してくださったり、ネパールの文化や生活について詳しく教えてくださったりと、相手を理解したいという想いを持って話してくださる人たちが多いです。

そのため、何か作業をする際には、その作業が他の作業にどのような関係や影響ががあるのかを理解して取り組むため質問をしたりと、作業の関連性をきちんと理解した上で働いている方が多い印象です。

2-2.お祭りが好き

ヒンドゥー教と仏教の文化が交わるネパールでは、多くのお祭りが行われます。毎月なにかしらのお祭りが行われているほどです。

シヴァ・ラトリーなどネパールで開催されるお祭りの中には、インドからネパールの寺院へ多くの方が訪れるものもあります。

暦や宗教も日本とは違いますが、あるお祭りの日には英語で祈りの言葉を私に送ってくれ、自分の文化の中で異国にいる私も大切にしてくれたりと、ネパール人にとってお祭りは生活の一部であり大切にしていることです。

家族で過ごすお祭りが多いので、日本で就労しているネパール人の方はそのお祭りの時期に合わせて一時帰国日を決めることが多いです。

2-3.仕事は楽しむことを大切にしている

仕事も、自分の人生を楽しむ大切なことの一つであると考えているネパール人の方が多いです。

これは実際に、私がネパール現地でホテル等の施設や日本で配管の仕事等で働いているネパール人の友人たちと話していて、聞き、感じた話です。
仕事について聞くと、自分の就く仕事について詳しく話をしてくださったり、仕事での知識を日常生活でも人のために役立てたりと、熱を持って働いている姿を話の一端でもよく垣間見ます。

また、真面目に仕事に取り組んでいるからこそ、仕事に対して意見や提案を持っている人も多いです。
ネパール現地で働いている友人は職場で発言しているという話も聞きますが、日本で働いているネパール人からは、上手くその意見を日本語で伝えられていないという方も少なくありませんでした。

そのため、1から全てネパール人に意見を日本語で説明してもらうのではなく、話せる内容や普段の仕事や生活からくみ取れることを話のヒントとして日本人が質問し、会話を進めていくことでコミュニケーションが多く取れるだけでなく、相互に仕事がしやすい環境へと繋がります。

2-4.ヒンドゥー教なので食べられないものがある

宗教によっては、食べれないものがあるということは多くの方が知っているかと思います。
実際、ネパール人の多くが信仰しているヒンドゥー教では、食べられないものがあります。

それは、です。

牛は破壊神シヴァの乗り物とされているため、ネパールの方は牛を食べません

しかし、慣習から豚肉や魚なども食べないというカーストの方や民族もいます

基本的には、牛が料理に入っていないか気にかけておくことが大事です。ネパールでは主に、水牛・鶏・羊で作られた料理をお店でみます。川が近くにあるところでは、魚料理もお店でみることがあります。

ネパール人の文化や特徴についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

ネパール人とほかの国籍の外国人の特徴を比べたい方は「外国人理解ブック」をダウンロードください

3. ネパール人が日本に働きに来る理由

冒頭で述べました令和4年度における在留外国者数でネパール人は第6位の125,798人となっています。ではなぜここまでの数のネパール人が日本に来ているのか、採用していく上での将来性について述べていきます。

3-1. ネパール人が増えている理由は、母国の平均賃金が低いから

日本に住んでいるネパール人が多い理由の一つとして挙げられるのは、ネパール国内における平均賃金の低さです。

下記は、アジア諸国における平均賃金です。

※アジア諸国の平均賃金

①ネパール約14,000円
②ミャンマー約21,551円
③インドネシア約26,000円
④フィリピン約35,349円
⑤ベトナム約41,540円
⑥中国約205,000円
⑦韓国約310,000円

※日本は307,400円です。

※ミャンマーは平均賃金を公表していないため、国際貿易振興機構(ジェトロ)の調査による日系製造業の作業員の平均賃金を掲載しております。

こう見ると、ネパールは特に平均賃金が低いことが伺えます。原因として、ネパールは農業や観光業への依存度が高く工業化が遅れていることが挙げられます。

そのため、国内で大学や大学院などを卒業しても良い給料の仕事に就くことが難しく、日本のように組織立った企業の数も少ないです。国内で働くより、賃金の高い海外で働き、家族に送金することを目的に来日する人が多いのです。

外国人労働者の賃金について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。

参考: 令和4年6月末現在における在留外国人数について | 出入国在留管理庁
   新型コロナ禍2年目のアジアの賃金・給与水準動向 | 地域・分析レポート – 海外ビジネス情報 – ジェトロ
   JILAF|2019年 ネパールの労働事情(人物招聘事業)

3-2. ネパール人労働者・留学生の増加率

厚生労働省が発表している外国人労働者の増加率において、ネパールは対前年増加率で20.3%増となっています。これはインドネシア(同47.5%増)、ミャンマー(同37.7%増)に次いで、第三位となっています。

しかし、人数で見ますと対前年比でインドネシアは52,810 人、ミャンマーは34,501 人なのに対し、ネパール人は98,260 人増加しています。ネパール人は元々、日本にいる人数が多いこともありますが、コロナも落ち着いてきたとはいえ、これだけ増加しているということはこれから先の将来性もあるということがわかります。

また、令和3~4年度の留学生数の上位5か国の内、ネパールだけが唯一、人数が増加しています。同様に留学生の多いベトナムは12,604人減、%にして24.4%のマイナスとなっていますが、ネパールは同5,432人増、%にして28.9%のプラスになっています。

参考:別添1「外国人雇用状況」の届出状況【概要版】(令和4年10月末現在)
   2022(令和4)年度外国人留学生在籍状況調査結果|外国人留学生在籍状況調査|留学生に関する調査|日本留学情報サイト Study in Japan

4. ネパール現地から特定技能で採用する流れ

続きまして、こちらではネパール現地から特定技能で採用する流れについて、解説していきます。

ネパール現地から特定技能を採用する流れ
講師|竹村

この中で、「求人申し込み」「海外労働許可証の申請」はネパール労働・雇用・社会保障省海外雇用局日本担当部門(以下、省略してネパール労働局と記載)、「査証申請」は在ネパール日本大使館に申請が必要です。

参考:ネパール特定技能外国人に係る手続の流れについて

STEP
求人申し込み

受け入れ企業が直接ネパール人の求職者に採用活動を行うほか、在日ネパール大使館に求人申し込みをすることもできます。

参考:~特定技能外国人の受入機関の方々へ~ ネパール国籍の方々 …

STEP
募集・面接

オンラインでの面接を行い、合否を決めます。

ネパール人の方がよく使っているツールとして、Facebook Messenger、Zoom、Viberなどが挙げられます。日本人がよく使っているLINEやSkype、Microsoft Teamsなどはあまり馴染みの無い人が多いです。

外国人と面接する際に聞いておきたい質問事項は「外国人採用面接質問シート」にまとめてあります

STEP
雇用契約締結

日本国内在住者と同様、雇用契約を締結します。

雇用契約の締結に関しては、こちらの記事もご参照ください。

STEP
在留資格認定証明書交付申請

受け入れ企業は、所在地を管轄している地方出入国在留管理局へ特定技能の在留資格申請を行います。入国管理局へ直接出向いて申請するほか、オンライン申請、もしくはビザ専門の行政書士などに依頼することも可能です。

参考:在留資格「特定技能」 | 出入国在留管理庁 参考:在留資格「特定技能」 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
   地方出入国在留管理官署 | 出入国在留管理庁

STEP
在留資格認定証明書の送付

こちらは日本側での在留資格の許可後、後述するネパール労働局や在ネパール日本大使館での手続きに必要なため、内定者本人の自宅へ郵送が必要です。国際郵便はネパールも対応されています。

参考:国際郵便 | 日本郵便株式会社

STEP
在ネパール日本大使館に査証申請

在留資格認定証明書が届き次第、内定者本人が首都カトマンズにある在ネパール日本大使館に査証申請を行います。

参考:在ネパール日本国大使館

STEP
査証発給後にネパール労働局へ海外労働許可証の申請

在ネパール日本大使館から査証が発給後に、ネパール労働局へ海外労働許可証の申請を行います。この際に労働条件通知書の提出も必要となりますので、事前に準備しておくと良いでしょう。

参考:~特定技能外国人の受入機関の方々へ~ ネパール国籍の方々 …

STEP
その他、来日前後で必要な手続き

海外労働許可証が許可されましたら、いよいよ来日が可能となります。その前に、ネパール側で内定者本人が指定の医療機関での健康診断受診、出国前オリエンテーションの受講、海外労働保険への加入もしくは海外労働者社会福祉基金への一定額の支払いといった手続きが必要です。4-4の在留資格認定証明書の許可後に行ってしまっておいた方が良いでしょう。

また、特定技能で外国人を受け入れる場合、企業は各特定産業分野ごとに設置されている協議会に加入する必要があります。新規受け入れの場合、一般的には受け入れてから4か月以内の加入が必要ですが、自動車整備業や製造3分野(素形材・産業機械・電気電子情報関連)は在留資格認定証明書交付申請の前に加入が必要です。

参考:~特定技能外国人の受入機関の方々へ~ ネパール国籍の方々 …
   特定技能制度 | 出入国在留管理庁

5. 採用までに発生する費用

手順がわかったところで、こちらの章では採用までに発生する費用について解説していきます。主に、人材紹介会社を通す場合の紹介料、登録支援機関の支援委託料、在留資格の取得費用、ネパールからの渡航費、住居の手配に関する費用などが挙げられます。

※採用までに発生する主な費用

①人材紹介会社を通す場合の紹介料1人あたり10~60万円
②登録支援機関の支援委託料1人あたり月額1.5~3万円
③在留資格の取得費用12~20万円
④ネパールからの渡航費時期や航空会社などによって異なる
⑤住居の手配に関する費用(敷金礼金など)物件によって異なる
⑥特定技能協議会加入費用加入する協議会によって異なる

費用について詳しく知りたい方は「特定技能外国人コスト一覧表」をダウンロードください

5-1. 人材紹介会社を通す場合の紹介料

ネパール現地に住む人を採用したいと思っても、どうやって人を探してくればいいのかわからないという方は多いと思います。そのような場合は、ネパールからの採用に強い人材紹介会社を通して採用するのが一般的です。紹介料に関しては、会社によってまちまちでしょう。

5-2. 登録支援機関の支援委託料

特定技能外国人を雇用するには、母国語を使っての事前ガイダンスや定期的な面談などが必要なため、支援を登録支援機関に委託する場合が多いです。この支援委託料も機関によってまちまちです。

登録支援機関に関しては、これらの記事もご参照ください。

5-3. 在留資格の取得費用

自社で特定技能の在留資格を取得する場合は発生しませんが、そのようなノウハウが無い場合は専門の行政書士事務所などに依頼して取得することが一般的です。これも行政書士事務所によってまちまちです。

5-4. ネパールからの渡航費

特定技能の場合は、海外からの渡航費も受け入れ企業が負担しなければなりません

5-5. 住居の手配に関する費用(敷金礼金など)

海外から人材を呼び寄せる場合は寮の有無は非常に重要です。海外からは物件契約が難しいので、寮を希望する人がほとんどと言えるでしょう。

特定技能外国人の住居に関してはこちらの記事で詳しく解説しています

5-6. 特定技能協議会加入費用

特定技能で外国人を受け入れる場合、企業は各特定産業分野ごとに設置されている協議会に加入する必要があります。詳細については、出入国在留管理庁の特定技能ガイドブックの12ページ目に記載がございます。こちらの加入費用も分野によってまちまちです。

参考:特定技能外国人の雇用を希望する企業・団体・個人等の方 | 出入国在留管理庁

6. ネパール現地から採用する際の注意点

ネパール現地から特定技能で採用する場合、ミャンマーやベトナムのような独特の手続きは今のところありません。ですので、この章では一般的に海外に在住している外国人を採用する際の注意点について解説していきます。

6-1. 本人との連絡手段を用意する

これは実際に私が経験したことですが、ネパールから採用を進めて、在留資格認定証明書も取得できたタイミングで急にその人と連絡が取れなくなってしまったことがありました。それまではオンライン電話などでも連絡が取れていましたが、全く反応が無くなり、最終的には認定証明書を返納する事態となってしまいました。

海外からの採用でこうなってしまったケースはこの一回だけですが、日本国内にいる求職者と比較しても連絡手段を確保するのはより重要と言えます。

ネパール人の方がよく使っているツールとして、Facebook Messenger、Zoom、Viberなどが挙げられます。Facebook Messengerは特に利用者が多いので、おすすめです。

6-2. 確認事項はなるべくまとめて済ませてしまう

インターネット環境が整っている日本と違い、ネパールは停電などの影響でインターネットが切れてしまったりすることが頻発します。リアルタイムで確認したいことがあってもインターネットの復旧を待たなくてはいけないこともあるので、気長に対応する心構えが必要です。

また、連絡回数を少なくするために、確認事項はなるべくまとめて済ませてしまう方が良いでしょう。

7. ネパール現地からの採用のメリット・デメリット

続きまして、ネパール人をネパール現地から採用する上でのメリット・デメリットについて解説していきます。この章では、外国人向け就職予備校を経営し、特定技能の登録支援機関としても活動する当校が求職者と実地で接していて気付いた内容も盛り込んでおります。

7-1. メリット

豊富な候補者の中から選定できる

ネパール現地から採用する場合、日本国内に在住しているネパール人の中から選定するよりも多くの候補者から選定できます。

以前に日本での在留経験がある元留学生などの他、日本で社会人として働いていたものの家庭の事情で帰国してしまった人たちも多いです。また、日本での就労を希望していて特定技能の試験にすでに合格している方や試験合格を目指して準備している方もおり、幅広い候補者の中から自社が求める人材を採用できる点はメリットと言えるでしょう。

定着率の高い人材が雇用できる

ネパール現地からの採用の場合、日本国内に在住しているネパール人の採用と比べて、定着率が高い傾向があります。この理由としては、国内在住者に比べ、日本で仕事ができるということ自体に充実感を感じる人が多く、まずは日本での生活基盤を安定させたいので腰を据えて仕事をしてくれることなどが挙げられるでしょう。

地域を選らばずに就職したい人材を確保しやすい

日本国内に在住している外国人の場合、日本人と同様にアクセスが良く、娯楽も豊富な都市部で就職したいといった要望が強いです。本来であれば、生活費も安く抑えられる地方に住んだ方がお金は貯まるのかもしれませんが、日本語学校や外国人を受け入れている専門学校は比較的大都市圏に多く、そういった環境に数年慣れてしまうと中々地方へ行きたがらない人が増えてしまいます。

ネパール現地からの採用の場合、まだ日本に行ったことの無い方であれば立地へのこだわりも無かったり、以前に日本での在留経験がある元留学生などの他、日本で社会人として働いていたものの家庭の事情で帰国してしまった人たちもそこまで立地にこだわりが無かったりする傾向にあります。

7-2. デメリット

学歴要件を満たしていた場合、後から技術・人文知識・国際業務に変更を希望し、転職してしまう可能性がある

これは対象の人が技術・人文知識・国際業務の学歴要件である、日本もしくは他国の大学・短期大学、もしくは日本の専門学校を卒業している場合のみ該当する話ですが、ネパール人は配偶者や子どもを母国に残して来日している人が多いです。

そのため、家族滞在を申請することができない特定技能1号から、家族滞在の申請が可能な技術・人文知識・国際業務に変更を希望する可能性があります。実際にネパール人の家族滞在の在留資格の取得者数は、令和3年12月で32,229人となっています。もしそうなってしまうと、せっかく海外から呼び寄せた人材が、勤務数か月で転職してしまうという損失に繋がります。

参考:令和3年末現在における在留外国人数について | 出入国在留管理庁

日本語能力が国内在住者と比較すると低い

これは対象の人が日本在住経験の無い場合ですが、やはり国内に数年滞在している人に比べ、日本語能力は低いです。ネパール現地で1年ほど日本語学校に通っている人でも日本語能力試験N4相当くらいの日本語能力があれば、まだ良い方と言えます。

また、日本在住経験のある人でも帰国して数年経ってしまうと日本語を忘れてしまっている場合もあり、来日後も日本語教育の機会を十分に提供していく必要があると感じます。

参考: N1~N5:認定の目安 | 日本語能力試験 JLPT

勤務開始までの時間や費用がかかる

ネパール現地からの採用ですと、在留資格の発行を待つ時間に加え、日本への上陸許可を得るために最低でもプラス1~2か月は待たないといけません。また、日本への渡航費用、住居の確保などの費用も発生します。

対面面接はほぼ不可能

これは実際に、とある企業様より対面面接が可能か、問い合わせを受けたことがございます。

結論から申しますと、ほぼ不可能と考えて頂いた方が良いです。理由としては、ネパールは2-1の項目で述べましたように平均月収が低い国ですので、面接のためだけに渡航費用を捻出するのはハードルが高いです。また、コロナ禍を経た影響でオンライン面接を実施する企業様が増加していることもあり、対面面接の日程を組んでいる間にオンライン面接を実施した他企業様で先に採用が決定してしまうリスクも考えられます。

8. よくある質問

最後に、ネパール人を採用する際によくある質問をまとめました。

このほかのご質問やネパール人の採用に関するご相談も承っていますので、興味のある方はお気軽にお問合せください。

ネパール人の宗教について

ヒンドゥー教徒が国民の約81%と言われています。イスラム教徒のようにお祈りをする人はいないですが、宗教上の理由で牛肉が食べられない人が多いです。(調理などはほとんどの人ができます)また、毎年10月は国内最大のお祭りがあり、日本人の正月やお盆のように親戚一同が実家に集まります。そのため、この時期に有給申請をする人が多いです。

ネパール人の日本語能力について

コミュニケーション好きで人懐っこい性格の人が多いため、日本人とのコミュニケーションも好きな人が多いです。そのため、自然と日本語の会話能力も高まる傾向にあります。ただし、母国ではネパール語、ヒンディー語、英語といった言語が盛んなため、日本語を話す機会はあまりありません。

特定技能を希望するネパール人に人気の分野は?

分野別に見ますと介護分野で働く人数が1,381人と全体の約59%に当たり、ダントツで多くなっています。次いで、農業分野(302人)、飲食料品製造業分野(89人)の順となります。

ネパール人を採用する際に配慮すべき点は?

ネパール人の長所として、助け合いの精神があることが挙げられます。日本同様に、ネパールでも大地震がありましたが、互いに助け合う姿は国際的な称賛を浴びました。

半面、何か困ったことがあっても自力で調べて解決しようという姿勢が希薄で、他力本願なところが見受けられます。なので、信憑性の薄い噂でも「友だちが言っていたから・・・」とすぐに信じてしまう傾向にあります。良くも悪くも、自分で考えて行動する成長意欲のある人、そうでない人の差が大きいと言えます。

また、自分の思ったことは率直に主張してくる傾向にあるため、意見を受け止めて対話する時間をしっかり作ることも重要と感じます。ただ、問題が解決すればあまり後には引きずらず、元の人間関係に戻ることができます。

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この記事を書いた人

株式会社JJS(JapanJobSchool)講師兼就職支援室マネージャー

元東証一部グループの介護会社の経験を活かし、介護施設への就職やサービス業への就職を支援。600名以上の外国人を就職に導く。

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