外食分野「特定技能2号」移行するメリット・取得要件・事例を紹介!

2023年に、外食分野でも特定技能2号に移行できるようになりました。もともとは、建設と造船・舶用工業の分野でのみ導入されていました。
特定技能「2号」は1号に比べて長く在留でき、業務範囲が広がるため、店舗運営の安定化を図るのに役立ちます。外国人材にマネジメント業務を任せたい企業は、2号への移行を視野に入れるでしょう。
この記事では、外食分野における特定技能2号の特徴や移行するメリット、ビザ取得方法について解説しました。今後の人材採用・育成に向け、制度を積極的に活用していきましょう。
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1.特定技能2号の特徴
特定技能2号への移行を考えるうえで、その特徴や1号との違いが重要です。また移行へのメリットを押さえておくと、外国人材の受入れ・育成の方針を立てるうえで参考になります。ここでは、特定技能2号の特徴をまとめました。
1-1.特定技能2号とは
特定技能2号は、特定技能1号よりも高度な技能と豊富な実務経験を持つ外国人材が取得できる在留資格です。1号の資格を持つ外国人がさらに専門性を高め、キャリアアップするための制度といえます。
基本的には、特定技能1号を取得した外国人が同じ分野で実務経験を積み、特定技能2号へ移行することが想定されています。この資格を取得することで、より高度な業務に携わることが可能となり、長期的な雇用が実現できます。
1-1.特定技能2号とは
| 特定技能2号 | 特定技能1号 |
在留期間 | 上限なし ※3年・1年・6か月ごとに更新が必要 | 通算5年 |
家族帯同 | 可能 | 不可 |
永住権の取得のしやすさ | 取得しやすい ※取得要件にある10年の在留(うち5年は就労ビザ)に、特定技能2号はカウントできる | 取得しにくい |
業務内容 | 店舗の管理業務 ※店舗の経営分析や管理、契約に関する事務なども可能になる | 調理・接客・店舗管理・デリバリー ※デリバリー業務のみに従事させることはできない |
特定技能1号では、調理や接客業務を中心とした業務が求められます。一方、特定技能2号では、店舗管理や従業員の指導も可能です。例えば、特定技能1号の業務内容は「調理補助や清掃」といった作業が中心ですが、2号では「メニュー開発」「品質管理」「衛生管理」「従業員教育」など、経営視点を必要とする業務に関われます。
また、1号は在留期間の上限があるため、長期的な店舗運営の管理には適していません。しかし、2号は在留期間の更新に制限がなく、長期間日本で働くことができるため、企業にとっても店舗の安定運営に貢献する人材となり得ます。
特定技能2号は、永住権取得がしやすいのもポイントです。長期的に働ける外国人材を採用するなら、企業は特定技能2号の取得をサポートしましょう。
永住権の条件については、以下で詳しく触れています。

1-3.特定技能「2号」に移行するメリット

※出典:「日本在留外国人の日本での就労意欲・特定技能に関する調査結果」(マイナビグローバル調査)より
特定技能2号は、取得すると長期間働けるため、外国人にとっても魅力的なビザです。実際に外国人に向けたアンケートによると、63.6%が「特定技能2号で働きたい」と回答しています(調査期間:2024年1月18日〜2024年2月1日)。希望者が多いという点で、企業は特定技能2号の外国人を採用しやすい傾向にあります。
日本の飲食業や小売業では、慢性的な人手不足が課題で、マネジメント業務も例外ではありません。業務面でのメリットは、店舗管理や従業員の指導ができる人材を確保できることです。多くの企業で、特定技能1号から2号への移行が推奨されています。
2.外食分野の特定技能2号|取得要件
特定技能2号を取得するには、特定の条件を満たす必要があります。1号と比べて、より高度な業務を担当するためです。ここでは、取得要件や経過措置を詳しくまとめました。
外食分野で特定技能外国人を採用するステップは、以下で詳しく解説しました。

2-1.日本語能力試験(JLPT)の評価「N3」以上
外食分野で働くためには、日本語能力試験(JLPT)のN3以上に合格することが求められます。JLPTは、日本語を母国語としない人を対象に、日本語の理解度を測定する試験です。
N3レベルでは、「日常生活で使われる日本語をある程度理解できる」ことが証明されます。在留資格の申請をする前に、基準を満たしている必要があります。
2-2.外食特定技能2号技能測定試験に合格
特定技能2号の資格取得には、「外食業特定技能2号技能測定試験」への合格が不可欠です。「一般社団法人外国人食品産業技能評価試験(OTAFF)」が実施しており、外食業界で必要な技能をテストします。
外食特定技能2号技能測定試験の合格基準
試験に合格するには、満点(250点)のうち65%以上を取得する必要があります。2024年5月・6月の試験では、受験者122人中53人が合格し、合格率は47.3%でした。
試験対策として学習テキストが用意されており、「一般社団法人日本フードサービス協会」の公式サイトからダウンロードできます。事前に学習し、効率的な試験対策を進めましょう。
外食特定技能2号技能測定試験のテスト内容

※出典:外食業特定技能測定試験実施要領
試験は「学科試験」と「実技試験」の2科目で構成されています。試験時間は70分で、問題はすべて日本語で出題されます。漢字にはルビが付いていないため、読み書きの力も重要です。
試験はペーパーテスト形式で、解答はマークシート方式となっています。配点は学科試験が120点、実技試験が130点の合計250点です。
学科試験の出題範囲 | 衛生管理、飲食物調理、接客全般及び店舗運営に係る知識を測定する |
実技試験の出題範囲 | 業務上必要となる技能水準を測定する |
外食特定技能2号技能測定試験の受験資格
外食特定技能2号技能測定試験を受験するには、以下の条件を満たしている必要があります。
- 試験の日に有効な在留資格を持っている
- 試験日の時点で満17歳以上である
- 有効なパスポートを持っている
※参考: 一般社団法人外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)
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2-3.外食分野で指導・管理の実務経験
特定技能2号を取得するためには、日本国内の飲食店で2年以上の指導・監督業務の経験が必要です。また、店舗運営の補助業務にも携わっていることが条件となります。
具体的には、サブリーダーや副店長として複数の従業員を指導・管理した経験が求められます。資格申請の際は、「実務経験証明書」や「指導等実務経験に係る契約書」を「一般社団法人外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)」へ提出する必要があります。
なお、母国での外食業経験や、他の在留資格での実務経験は対象外となるため、注意してください。
2-4.経過措置による特例
外食分野においては、一部の特定技能1号保持者に対する経過措置が設けられています。2023年6月10日に外食分野が、特定技能2号の対象となったのがきっかけです。
特定技能1号の在留期間が「2年6か月未満」だった場合、2023年6月10日時点での在留期間の上限から6か月を差し引いた期間だけ、指導・管理の実務経験があれば、申請条件を満たすことになります。
特定技能外国人を雇用している企業は、制度に該当するかどうかを確認し、適用できるか事前に申請前にチェックしましょう。
<具体例>
Aさんは特定技能1号として2022年1月10日に在留資格を取得し、在留期間は3年間でした。しかし、2023年6月10日時点では残り1年6か月の在留期間が残っていました。
この場合、経過措置を適用すると、1年6か月から6か月を引いた期間(=1年)の指導・管理の実務経験があれば、特定技能2号への申請が可能です。
3.外食分野の特定技能2号|取得方法
外食分野における特定技能2号への移行は、始まったばかりの制度のため情報がまだ多くないでしょう。ここでは、取得の流れや必要書類について解説します。スムーズに申請を進めるために、チェックしておきましょう。
3-1.特定技能2号を取得する流れ
特定技能2号を取得するには、以下のステップで進めます。
- 指導・管理の実務経験を積む
特定技能1号の外国人をサブリーダーや副店長として育成し、アルバイトや他の特定技能外国人の指導・監督業務を担当させる※店舗運営の補助業務を2年間経験させる
- 日本語能力試験(JLPT)N3以上に合格する
JLPTのN3レベルを取得して、日常会話や業務で必要な日本語力を証明する
※JLPTの受験が外食業特定技能2号技能測定試験の後になるケースもあるため、試験スケジュールを事前に確認する
- 外食業特定技能2号技能測定試験に合格する
実務経験2年を満たしたタイミングで試験を受験してもらう
※これまでの役職や業務経験を証明する書類(実務経験証明書など)を提出する
- 在留資格変更の申請をする
在留資格変更許可申請書を含む必要書類を準備し、最寄りの地方出入国在留管理局・支局(空港支局を除く)に提出して手続きを進める
3-2.特定技能2号の必要書類
外食分野の特定技能2号の申請に必要な書類は、以下のとおりです。
全分野共通 | 在留資格変更許可申請書をはじめとした「※1申請人に関する必要書類」 「※2所属機関に関する必要書類」 |
外食分野 | 外食業特定技能2号技能測定試験の合格証明書の写し JLPT(N3以上)の合格証明書の写し 保健所長の営業許可証又は届出書の写し 外食業分野における特定技能外国人の受入れに関する誓約書(分野参考様式第14-1号) |
企業内で初めての「特定技能外国人」採用から4か月以上経過している場合 | 協議会の構成員であることの証明書(特定技能所属機関) |
※参考:外食業分野に関する必要な書類|出入国在留管理庁
※「全分野共通の書類」は、在留資格「特定技能」 特定技能2号|出入国在留管理庁のページをご覧ください
4.外食分野で特定技能2号へ移行した事例
JJSでは、外食分野で特定技能2号に移行した外国人と企業さまにインタビューしています。合格に向けた勉強方法や準備、合格後の業務、サポート体制について尋ねました。特定技能2号へのサポート体制を整えるのに参考になるでしょう。
<事例1>
毎朝30分以上勉強して合格!新しい業務は先輩がやさしくサポート|留学生にインタビュー

<事例2>
2号試験を目指す意欲を応援!社員同士で日常の通訳から仕事の悩みまでケア|企業さまにインタビュー(磯部クオリティーサービス様)

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