【2023年最新版】特定技能評価試験の申込方法一覧|業種別解説

執筆者:執筆者:松本(JapanJobSchool 講師兼就職支援室長)

特定技能で働くためには技能実習を3年終えているか、業種別の特定技能評価試験に合格しなければなりません。その試験は業種によって行っている機関が異なっているので、申し込み方法を探すのにも一苦労です。

本記事では試験の合格難易度や申し込み方法に加え、実際に申し込みをしたときの注意点をあわせてご説明していきます。

特定技能 まるわかり資料

この資料で特定技能を受け入れるべきか判断できます。
特定技能の内容や、技能実習との違い、メリット・デメリットなどをわかりやすくまとめています。特定技能外国人の採用を検討中の方はぜひご覧ください。

目次

1. 特定技能評価試験とは

外国人が特定技能で働くには主に二つのルートがございます。

一つ目は技能実習生ルートです。約3年間の技能実習を終えた実習生が同じ職種で特定技能として働く、というものになっております。同じ業種であれば会社が変わっても働くことは可能です。

二つ目は試験ルートです。勤務希望する業種の「特定技能評価試験」と「日本語試験」に合格していれば働くことができます。

講師|松本

どちらのルートもある程度のスキル日本語能力の証明となるものが必要、ということですね。

令和4年6月末の段階で技能実習生ルートで働いている人が66,535人、試験ルートで働いている人が20,534人となっていますが、新型コロナウィルスの影響で帰れなかった技能実習生が特定技能に移行していたというケースが多くあり、だんだん試験ルートの比率が上がってきております。

参考:出入国在留管理庁 特定技能在留外国人数の公表

1-1. 日本国内での受験資格

18歳以上で在留資格を有している方であれば、受験することは可能です。

以前は認められていなかった在留資格「短期滞在」でも2020年4月から受験をすることが可能になりました。

講師|松本

例えば海外から観光ビザで来て、特定技能試験を受ける、といったこともできるようになりました。

参考: 出入国在留管理庁 特定技能 試験関係

1-2. 特定技能評価試験について

特定技能12業種ごとに試験が用意されています。試験を実施しているのも業種によって様々です。

また、建設や製造などは分野のなかでも業種によってかなり業務内容が異なるため、試験もかなり細分化されています。申し込みの際に、「どの試験に該当するか」という点は確認が必要です。

1-3. 日本語試験について

特定技能の日本語試験として認められている試験には「日本語能力試験(JLPT)」「日本語基礎テスト(JFT-Basic)」の2種類があります。特徴を簡単にご説明します。

日本語能力試験

  1. 特定技能で働くために必要なレベル:N4級 
    • N4レベルの目安:基本的な語彙や漢字を使って書かれた日常生活の中でも身近な話題の文章を、読んで理解することができる。また、日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば、内容がほぼ理解できる。
  2. 合格率:約40%
  3. 合格者数(2021年度):約41,000人
  4. 日本国内での試験実施頻度:年2回(7月と12月の第一日曜日)

参考: 日本語能力試験HP

日本語基礎テスト

  1. 特定技能で働くために必要なレベル:A2
  2. 合格率:約40%
  3. 合格者数(2021年度):約11,000人
  4. 日本国内での試験実施頻度:ほぼ毎日(大規模な試験は年6回)

参考: 国際交流基金 日本語基礎テストHP

日本語能力試験(JLPT)のほうが歴史もあり認知度も高いですが、「これから特定技能で働きたい」という方には試験頻度が高い日本語基礎テスト(JFT-Basic)をおすすめいたします。

2. 業種別|試験合格率・申込方法・スケジュール等

こちらでは業種別の特定技能試験についてご説明していきます。業種によって試験を監督している団体が様々なので、試験形式、合格率、申込方法など大きく異なりますので、注意が必要です。ぜひ参考にしてみてください。

すべての試験申し込みには受験者の顔写真を事前に登録しなければなりません。外国人の方たちに登録をしてもらうと、この写真でエラーになってしまい登録できない(余白が少ない、ファイル形式が違うなどの理由)ことがかなり多くありますので、登録の際はご注意ください。

2-1. 介護

介護職の特定技能試験の詳細

特定技能試験の中で介護のみ、技能評価試験のほかに「日本語評価試験」にも合格しなければなりません。特殊な用語をつかうこと、言葉がわからないことで利用者さんに危険が及んでしまうことが理由だと考えられます。

申込方法

こちらから申し込むことができます。(最初にこちらで新規プロメトリックIDを取得しなければなりません。)介護技能評価試験と介護日本語評価試験は別々に受けることも可能です。場所にもよりますが、平日であればほぼ毎日試験が行われているので、受けやすいです。

注意点はクレジットカード、もしくは「paypay」を使っていないと申し込みができない点と、1度受験をしたら、その日から45日間は再受験ができない点になります。

サンプル問題になります。

参考: 厚生労働省 介護分野における特定技能外国人の受入れについて

特定技能「介護」について詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。

2-2. ビルクリーニング

ビルクリーニングの特定技能試験の詳細

※出張試験方式というのは、受験者数が20名以上、試験会場や試験で使う機材などを申請人のほうで用意できる、などの一定条件を満たした場合、試験官が出張して行ってくれる試験です。

講師|松本

働きたい外国人が用意する、というよりかは企業が用意するというイメージです。

申込方法

こちらからまずはメールを送って必要情報の入力をします。申し込みは試験の約2か月前から始まり、応募者が多い場合は先着順となりますので、常にスケジュールをチェックしておく必要があります。

サンプル問題解答になります。

参考: 全国ビルメンテナンス協会 特定技能について

特定技能「ビルクリーニング」について詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。

2-3. 製造3分野

製造業の特定技能試験の詳細

試験が溶接・金属プレス加工・プリント配線板製造など、全部で19の区分に分かれています。なので、試験を受ける前に「自分が働きたい、働く予定の業種がどの区分になるのか」、という確認が必要です。まだまだ受験者が少なく、区分によっても合格率がバラバラです。試験は1年に約3回溶接の試験、約3回それ以外の18区分の試験が行われています。

申込方法

こちらからまずマイページの登録が必要です。登録後、試験区分を選んで申し込みをしてください。受験料の支払い方法がクレジットカードのみとなっていますので、ご注意ください。

サンプル問題はこの他にも全19業種用意されておりますので、詳しくはホームページをご覧ください。

参考: 経済産業省 特定技能ポータルサイト

特定技能「製造業」について詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。

2-4. 建設

建設業の特定技能試験の詳細

こちらも前項の製造業のように試験は18の区分に分かれていたのですが、現在は3つの試験区分にまとめられました。合格率がまちまちなのも製造業と同じ理由になります。

申込方法

こちらからまずマイページの登録が必要です。試験の約1ヶ月半前から試験の申込が始まります。試験の区分によっては「JAC ExamForm」というスマートフォンのアプリが必要になることがあります。詳しくはホームページをご確認ください。

サンプル問題はこちらです。

参考: 一般社団法人 建設技能人材機構

特定技能「建設」について詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。

2-5. 造船・船用工業

造船・船用工業の特定技能試験の詳細

いわゆる申し込みをして試験会場で受けるようなケースは年に1回程度しか行われていません。受験者の大半が出張試験方式で受けています。こちらも溶接や塗装など、全部で6つの区分に分けられております。受験者はかなり少ないですが、ほとんどの受験者が合格しております。

申込方法

こちらのホームページから受験申請書(Word形式)をダウンロードして、ホームページの一番下に記載されているメールアドレスに添付して送信してください。

サンプル問題はこちらです。

2-6. 自動車整備

自動車製備の特定技能試験の詳細

申込方法

こちらから申し込むことができます。受験料の支払いは、クレジットカードまたは「paypay」が必要になります。

サンプル問題はこちらです。 

参考: 一般社団法人 日本参考: 自動車整備振興会連合会

特定技能「自動車整備」について詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。

2-7. 航空

航空業の特定技能試験の詳細

実務経験2年程度の者が受験した場合の合格率が7割程度となる、という試験水準が設けられています。

申込方法

こちらから申し込みができます。試験の1ヶ月半前くらいから申し込みが開始されます。定員に達した場合でも時間の変更などで応募者全員が受験できるようにしてくれます。

サンプル問題はこちらです。

参考: 日本航空技術協会

特定技能 まるわかり資料

この資料で特定技能を受け入れるべきか判断できます。
特定技能の内容や、技能実習との違い、メリット・デメリットなどをわかりやすくまとめています。特定技能外国人の採用を検討中の方はぜひご覧ください。

2-8. 宿泊

宿泊業の特定技能試験の詳細

申し込みは先着順で定員に達した時点で終了となります。国内の試験は年に3回程度しか行われず、受験希望者の数も多いため、東京などの人気の試験会場の申し込みは1日で終了してしまうこともあります。

申込方法

こちらからマイページの登録が必要です。試験の2ヶ月前くらいから申し込みができます。

こちらから第一回に行われた試験の過去問を見ることができます。このほかにもホームページには勉強用テキストが様々な言語で用意されているので、試験勉強のやり方は確立されていますが、合格難易度は若干高めです。

参考: 一般社団法人 宿泊技能試験センター

特定技能「宿泊業」について詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。

2-9. 農業

農業の特定技能試験の詳細

耕種農業と畜産農業の2つの区分に分かれています。

申込方法

こちらから申し込むことができます。(最初にこちらで新規プロメトリックIDを取得しなければなりません。)場所にもよりますが、平日であればほぼ毎日試験が行われているので、受けやすいです。注意点はクレジットカード、もしくは「paypay」を使っていないと申し込みができない点と、1度受験をしたら、その日から45日間は再受験ができない点になります。

サンプル問題はこちらになります。ホームページには英語やベトナム語など13の言語で記載されたテキストがダウンロードできるようになっております。

参考: 一般社団法人 全国農業会議所

特定技能「農業」について詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。

2-10. 漁業

漁業の特定技能試験の詳細

「漁業」と「養殖業」の2つの区分に分かれています。

まだまだ受験者数が少なく、日本国内での試験の合格率は低いですが、インドネシアでの合格率は70%以上と高い水準になっています。

申込方法

こちら(漁業)こちら(養殖業)で申し込むことができます。現在は2023/2/28までの申し込みができ、その後のスケジュールは未定です。(最初にこちらで新規プロメトリックIDを取得しなければなりません)。場所にもよりますが、平日であればほぼ毎日試験が行われているので、受けやすいです。

注意点はクレジットカード、もしくは「paypay」を使っていないと申し込みができない点と、1度受験をしたら、その日から45日間は再受験ができない点になります。

サンプル問題はこちらになります。

ホームページには試験勉強用のテキストが日本語以外にも中国語、ベトナム語などの4つの言語で用意されています。

2-11. 飲食料品製造業・外食業

飲食料品製造業・外食業の特定技能試験の詳細

「外食業」と「飲食料品製造業」の試験はOTAFFという団体が監督しており、2つの試験のマイページなどは共通です。毎回かなりの応募者が集まり、申し込みが定員をオーバーした場合は抽選になります。

申込方法

こちらから決められた期日までにマイページの登録をしておかないと試験の申し込みが始まってもエントリーすることができません。

サンプル問題(外食)はこちらになります。学習用テキストとしてこちらが推奨されております。

参考: 一般社団法人 外国人食品産業評価機構

特定技能「飲食料品製造業」・「外食」について詳しく知りたい方は下記の記事もご参照ください。

3. まとめ

特定技能に知識のある私でも、一つの試験について調べるのもかなり時間がかかりました。まだまだ外国人の方が一人で気軽に試験の申し込みができるとは言い難い状況です。特定技能で働きたい外国人の方はもちろん、企業の採用担当の方にも本記事からお申し込みまで進んでいただけたらと思います。

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この記事を書いた人

株式会社JJS(JapanJobSchool)の講師兼就職支援室長
今まで500名以上の外国人を就職に導く。外国人との対話は笑顔とフランクさを信条に、外国人生徒からの人気No1の先生。

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