「外食1号」停止で何が起きた?29.2%が最大影響、企業のリアルな対応とは

目次

1. 特定技能外食1号受け入れ停止の影響

本調査では、特定技能外食1号の受け入れ停止により、全体の29.2%の企業が最大レベル(7)の影響を受けていることが明らかになりました。特に、レストラン・食堂業態において影響が大きく、人材確保の難しさが顕著に表れています。また、外国人材が担う業務の中では、調理・仕込み業務の重要度が最も高いと評価されており、現場の中核を担っている実態が浮き彫りとなりました。

【外食業 特定技能1号受入れ停止について知りたい方はこちら】

2.調査概要

本調査は、当社が過去に支援を行った外食企業を対象に、2026年4月にアンケート形式で実施しました。計24社から回答を得ており、外食現場における実態を把握するための参考データとして分析を行っています。

本調査で得られたデータをもとに、特定技能外食1号の受け入れ停止が外食企業に与えている影響や、その対応の実態について詳しく見ていきます。

我々Japan Job Schoolは登録支援機関として多くの特定技能外国人をご支援・ご紹介をしています

3.【調査結果】 回答企業の業種構成

回答企業の業種を見ると、レストラン・食堂が約半数を占めており、今回の調査結果は同業態の影響を強く反映していると考えられます。外食業界の中でも人材依存度が高い業態であることから、後述する影響度の結果にもその傾向が表れている可能性があります。

特定技能外食完全ガイド

特定技能外食業 完全ガイド

特定技能外食業で外国人を雇用する方法、要件、費用等について、
図解で分かりやすく解説しました。特定技能で初めて外国人雇用する方は、ぜひご活用ください。

4. 【調査結果】停止情報の認知時期


停止情報の認知時期については、半数以上の企業が報道当日に情報を把握したと回答しました。事前に十分な情報共有がなされていなかった可能性があり、現場では急な対応を迫られるなど、混乱が生じたことが推察されます。

このような情報伝達のタイミングは、その後の採用計画や人員配置にも影響を与えた可能性があります。

4. 【調査結果】特定技能外食1号停止による影響度

4-1. 特定技能外食1号停止による影響度|約29.2%が「最大レベル」

特定技能外食1号の受け入れ停止による影響度について、外食分野全体で分析したところ、29.2%の企業が「最大レベル(7)」の影響を受けていると回答しました。

また、影響度の分布を見ると、「高い影響(5〜7)」と回答した企業は全体の54.2%を占めており、受け入れ停止措置が外食業界全体に広く影響を及ぼしていることがうかがえます。

特に外食業界は、調理や接客といった日々のオペレーションにおいて人手に依存する割合が高く、特定技能人材が担っていた業務の代替が難しいケースも少なくありません
こうした背景から、今回の受け入れ停止は一部の業態にとどまらず、外食分野全体において影響が広がっていると考えられます。

4-2. 業種別に見る影響度の違い

前述の通り、外食分野全体で見ると一定数の企業が大きな影響を受けていることが分かりました。

では、その影響は業種ごとにどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、業種別の平均影響度をもとに詳しく見ていきます。

※回答数が少ない業種(居酒屋・バー、テイクアウト専門店、日本料理、給食、ラーメン店、その他)は「その他(飲食)」として集計しています。

業種ごとの平均影響度を比較すると、特定技能外食1号の受け入れ停止措置による影響は、業種によって差があることが分かりました。

4-2-1. レストラン・食堂で大きな影響

「レストラン・食堂」の平均影響度は5.4と高く、今回の調査の中でも特に大きな影響を受けている業種となりました。
回答数も多いことから、外食業界全体の傾向を反映している可能性があり、調理やホール業務において特定技能人材への依存度が高い業態ほど影響が大きいことが示唆されます。

4-2-2. 「その他(飲食)」でも高い影響

複数の業種をまとめた「その他(飲食)」においても、平均影響度は5.27と高い水準となりました。
個別業種ごとの回答数は限られているものの、人手不足の影響を受けやすい業態では同様に影響が大きい傾向が見られます。

4-2-3. カフェ・喫茶店は中程度の影響

「カフェ・喫茶店」の平均影響度は4.50と中程度の水準でした。
ただし回答数が少ないため、あくまで参考値として捉える必要があります。
このように、外食分野全体で影響が見られる中でも、特にレストラン・食堂といった業態においてその影響が顕著であることが分かりました。

4-3. 具体的にどのような影響が出ているか

特定技能外食1号の受け入れ停止により、現場ではさまざまな影響が発生しています。中でも多く挙げられたのは、以下の3点です。

4-3-1. 1位:人手不足の深刻化

最も多かったのは「人手不足の深刻化」です。
特定技能人材の受け入れが停止されたことで、新たな人材確保が難しくなり、既存スタッフへの負担増加や、店舗運営への影響が懸念されていることが分かります。

4-3-2. 2位:国内人材の採用強化・賃金引き上げ

次いで多かったのは「国内人材の採用強化・賃金引き上げ」です。
人材確保の難易度が上がる中で、他在留資格の外国人材の採用や、既存人材の定着を目的とした待遇改善に動く企業が一定数見られました。
採用環境の変化に対応するため、企業側のコスト負担が増加している可能性も考えられます。

4-3-3. 3位:今後の新規採用計画の見直し

今後の新規採用計画の見直し」も多く挙げられました。
採用の見通しが立ちにくくなったことで、出店計画の見直しや人員配置の再検討など、中長期的な経営判断に影響が及んでいることがうかがえます。

このように、特定技能外食1号の受け入れ停止は、単なる採用面の問題にとどまらず、人手不足の深刻化や人件費の上昇、さらには事業計画の見直しにまで影響を及ぼしていることが分かりました。

5. 【調査結果】受け入れ停止に対する企業の対応

特定技能外食1号の受け入れ停止を受け、企業は人材確保に向けたさまざまな代替手段を講じています。

本調査では、全回答企業および影響度が強い企業(5〜7と回答)に分けて分析を行いました。

5-1. 【全回答企業】即効性の高い「転職採用」が最多

全体で最も多く選択されたのは、「すでに外食特定技能1号で働いている人を転職採用」(62.5%)でした。
新規入国が停止される中、在留資格の変更を伴わずに採用できる点から、最も迅速かつ現実的な人材確保手段として重視されていることが分かります。

次いで多かったのは、「日本人社員の育成・定着率向上」(45.8%)でした。
これは短期的な対処にとどまらず、国内人材の確保・維持という構造的な課題への対応を進めようとする企業が多いことを示しています。

【転職について知りたい方はこちら】

5-2. 【影響度が強い企業】影響が大きい企業ほど“即戦力確保”への依存が強い

影響度が強い企業に絞ると、「特定技能1号の転職採用」は76.9%と、全体平均(62.5%)を大きく上回る結果となりました。
これは、すでに人手不足が事業運営に深刻な影響を及ぼしており、即戦力の確保を最優先せざるを得ない状況を反映していると考えられます。

また、「留学生アルバイトの積極採用」も30.8%と、全体(20.8%)より高い割合となりました。
新規の特定技能人材の受け入れが難しい中、国内にいる外国人材を活用する動きが強まっていることがうかがえます。

【アルバイトについて知りたい方はこちら】

5-3. すべての企業が何らかの対応を実施

なお、影響度が強い企業では「特に戦略に変更はない」と回答した企業は見られませんでした。
影響の大きさに応じて、すべての企業が何らかの対応を迫られている実態が明らかになっています。

これらの結果から、企業の人材確保戦略は大きく以下の二つに整理できます。

① 短期的な穴埋め策(即効性重視)
・特定技能1号人材の転職採用
・留学生アルバイトの積極採用

② 中長期的な体質改善策(持続可能性重視)
・日本人社員の育成・定着率向上
・今いる外国人の定着

このように、企業は短期的な人材不足への対応と、中長期的な組織の安定化の両面から対策を進めていることが分かりました。

\ 外国人従業員の定着率で悩んでいる方へ /
「事例付き 特定技能 定着率アップの秘訣」資料を無料プレゼント!

6. 【調査結果】現場からの声|自由記述から見える課題と要望

自由記述では、特定技能外食1号の受け入れ停止に対する企業の率直な意見や要望が多数寄せられました。ここでは、代表的な内容をテーマ別に紹介します。

6-1. 即戦力人材の確保に対する強いニーズ

現在国内に在住している特定技能人材で、転職を希望している方を紹介してほしい

国内の特定技能1号の転職希望者がいれば紹介してほしい

このように、すでに国内にいる特定技能人材の確保を求める声が多く見られました。
新規入国が難しい中、即戦力となる人材の確保が喫緊の課題となっていることがうかがえます。

6-2. 制度への疑問・早期再開を求める声

人手不足解消のための制度であるにもかかわらず、受け入れ停止は矛盾している

国への要望の機会があれば、即時再開を強く求めたい

制度の趣旨と現場の状況のギャップに対する指摘や、早期再開を求める意見も多く寄せられました。
人手不足が続く中での受け入れ停止に対し、強い危機感が持たれていることが分かります。

6-3. 人材育成・キャリアへの影響

アルバイトとして雇用している人材が、卒業後に社員として就労できず帰国せざるを得ない

期待を持って働いている人材の将来に影響が出ている

受け入れ停止は、企業の採用活動だけでなく、すでに在籍している外国人材のキャリア形成にも影響を与えていることが明らかになりました。

6-4. 今後の制度運用への懸念と提案

日本人労働者が増えない限り、人手不足は解消されない

特定技能2号(外食分野)の活用を進めるべき

国内在住の外国人材の転職が増えるのではないか

今後の人材確保や制度運用に対する意見も見られ、企業が中長期的な視点で課題を捉えていることがうかがえます。

【外食 特定技能2号について知りたい方はこちら】

7. 【調査結果】受け入れ停止期間はどの程度が妥当か


特定技能外食1号の受け入れ停止期間について、企業がどの程度を妥当と考えているかを尋ねました。

7-1.  即時再開を求める声が最多

最も多かったのは「即時再開すべき」という回答であり、多くの企業が現時点での人材確保に強い課題を抱えていることがうかがえます。
受け入れ停止が長期化することへの懸念が強く、現場では早期の制度再開を求める声が高まっていると考えられます。

7-2. 次いで「6か月以内」「1年以内」が同率

次に多かったのは、「6か月以内」と「1年以内」で、いずれも同程度の割合となりました。
一定期間の見直しや準備期間は必要としつつも、比較的短期間での再開を望む企業が多いことが分かります。

7-3. 「3か月以内」が見られなかった背景

一方で、「3か月以内」という回答は見られませんでした。
これは、制度変更や運用見直しに一定の時間がかかることを企業側も理解しており、現実的な再開時期としては「即時」または「半年〜1年程度」と捉えられている可能性があります。

このように、受け入れ停止期間については「即時再開」を求める声が最も多い一方で、一定の準備期間を考慮した上でも比較的早期の再開を望む傾向が見られました。
外食業界における人材不足の深刻さが、こうした結果に表れているといえます。

JapanJobSchoolミャンマー校の様子
スクールの卒業生を採用できます

日本語だけでなく、日本人と良好な人間関係を築くコミュニケーションを教えるスクールで学んだ生徒を採用できます。定着率の高い人材採用なら、今まで2000名以上の紹介実績のあるJapanJobSchoolにお問合せください!

8. 【調査結果】外国人材が担う業務の重要度

特定技能外食1号の受け入れ停止による影響が広がる中で、企業が外国人材にどのような役割を求めているのかを把握するため、業務ごとの重要度について調査を行いました。

8-1. 調理・仕込み業務は最も重要な役割

調理・仕込み業務は、「極めて重要」と「重要度が高い」を合わせた高重要度割合が56.5%と最も高く、半数以上の企業が重要な役割と認識している結果となりました。
外食業界において、外国人材が現場の中核業務を担っている実態がうかがえます。

8-2. 接客・ホール業務は企業によって位置づけに差

接客・ホール業務については、高重要度割合が39.1%と一定の重要性が認められる一方、「平均的」とする回答も多く、企業によって役割の位置づけに差がある結果となりました。

8-3. 管理・教育業務は相対的に重要度が低い

店舗管理・衛生管理や新人教育・指導については、「平均的」または「重要度が低い」とする回答が多く、外国人材の主な役割が現場オペレーションに集中していることが分かります。

8-4. 影響が大きい企業では「接客・ホール業務」も中核に

影響度が強い(5〜7)と回答した企業に絞って分析すると、傾向に違いが見られました。
これらの企業では、外国人材が「接客・ホール業務」を含む店舗運営の中核を担っていると考える割合が高く、業務の重要度がより広い範囲に及んでいることが分かります。

つまり、影響が大きい企業ほど、外国人材を単なる補助人材ではなく、店舗運営を支える主力戦力として活用している傾向が強いといえます。

こうした結果から、特定技能外食1号の受け入れ停止による影響の大きさは、外国人材の「業務範囲の広さ」によって左右されている可能性が考えられます
調理・仕込みに加え、接客・ホール業務まで担っている企業ほど、代替が難しく、結果として人手不足の深刻化や採用計画の見直しといった影響につながっていると考えられます。


9. まとめ

特定技能外食1号の受け入れ停止が、外食業界に大きな影響を与えている実態が明らかになりました。

また、多くの企業が「特定技能1号人材の転職採用」や「国内人材の育成・定着」に取り組んでおり、短期的な人材確保と中長期的な組織強化の両面で対応を進めていることが分かりました。

今後は、制度の動向を注視しながら、転職採用や定着支援、特定技能2号の活用など、多角的な人材戦略を検討していくことが重要といえるでしょう。

弊社では主に特定技能外国人の就職サポートを行っております。人手不足から外国人の採用を考えていらっしゃる企業様はぜひお気軽にお問い合わせください。

  • URLをコピーしました!
JapanJobSchoolミャンマー校の様子
スクールの卒業生を採用できます

日本語だけでなく、日本人と良好な人間関係を築くコミュニケーションを教えるスクールで学んだ生徒を採用できます。定着率の高い人材採用なら、今まで2000名以上の紹介実績のあるJapanJobSchoolにお問合せください!

この記事を書いた人

主に「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」「外国人マネジメント」「企業・外国人インタビュー」などの情報をこれから外国人を採用したい企業様向けに発信しています。編集部は外国人の人材紹介と支援を行っているJapanJobSchoolの社員で構成されており、専門家ならではの視点からお届けします。

☆☆☆JapanJobSchool☆☆☆
紹介実績1,500名以上!支援実績250名以上!
主に「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」外国人の人材紹介と支援を行っています。また、入社してからのスキルアップのために日本語授業も提供しています。

目次