特定技能外国人を受入れまでの5つのステップ|企業の業務や採用のポイント解説

執筆者:松里優祐(株式会社JJS 代表取締役)
監修者:井上道夫(行政書士井上法務事務所所長)

「特定技能外国人を受け入れたいけど、受入れ方法が複雑そう」

このように考えて採用を足踏みしている方、非常にもったいないです。

年間300名以上のベトナム・ネパール・ミャンマーからの卒業生を日本企業へご紹介している弊社が、特定技能外国人の受け入れの流れを5ステップで解説します。

  1. 受け入れ準備と条件の確認
  2. 人材の確保
  3. 雇用条件の締結と支援契約の作成
  4. 在留資格の申請
  5. 就労開始と定期的な届出

最後まで読めば、社内説明用資料としてもご活用していただけます。

目次

1. 特定技能とは

特定技能とは、国内で人手不足が深刻な産業分野において、即戦力となる外国人を受け入れるための在留資格です。

2019年4月に創設され、建設、介護、外食など全16分野の現場業務で、外国人を正社員として雇用することが可能です

特定技能の大きな特徴は以下の3点です。

1-1. 特定技能設立の背景

背景にあるのは、日本社会全体で進行する深刻な労働力不足です。

総務省のデータによると、日本の生産年齢人口(15~64歳)は1995年をピークに減少の一途をたどっており、2040年にはピーク時から約3,000万人減少し、約5,700万人になると予測されています

特に特定産業分野に含まれる「建設」「介護」「外食」などの現場では、有効求人倍率が全職種平均を大きく上回る高水準で推移しており、もはや国内の人材だけでは事業の継続が困難な状況です。

こうした危機的な状況を背景に、現場の即戦力として外国人材を受け入れるため、特定技能制度が創設されました。

日本の人材不足の現状については、こちらの記事も参考にしてください

1-2.特定技能1号と2号の違い

在留資格「特定技能」には、1号と2号があります。

両者の違いは、求められる技能の熟達度です。

特定技能1号は、「相当程度の知識または経験」を持つ人材が対象です。即戦力ではありますが、受入れ企業による支援が義務付けられており、在留期間は通算5年までに制限されています。家族の帯同も原則認められていません。

対して特定技能2号は、1号特定技能外国人として経験を積んだより高度な「熟練した技能」を持つ外国人が取得できる在留資格です。現場を監督できるレベルの高度な知識、技能が求められます。

特定技能1号と2号の違いについて詳しくはこの記事で解説しています

[出典:出入国在留管理庁「特定技能制度」]

[出典:厚生労働省「日本の人口の推移」]

2. 特定技能外国人 受入れ方法

特定技能外国人を採用し、実際に働き始めるまでには、いくつかのステップを踏む必要があります。 ここでは、準備段階から雇用開始後の手続きまでを5つのステップ解説します。

2-1. 【ステップ1】受入れ準備と条件の確認

まず初めに、自社が特定技能外国人を受入れることができる状態にあるかを確認しましょう。
 「せっかく良い人材が見つかったのに、自社の要件が満たされておらず不許可になった」という事態を防ぐため、最初の確認が肝心です。

2-1-1. 対象業種の確認

特定技能は、どの業種でも受入れができるわけではありません。

人手不足が特に深刻と認められた「特定産業分野(16分野)」に該当する業務を行う企業のみが対象です。

具体的な16分野の職種一覧や詳細は、記事の後半で解説します。

2-1-2. 受け入れ枠の確認

特定技能には、原則として受入れ人数の上限(枠)はありません。 ただし、「介護」と「建設」の2分野については例外があります。

介護分野:事業所ごとの日本人常勤介護職員の総数を上限とする。
建設分野:特定技能1号の受入れ数を、常勤職員の総数までとする。

これら以外の分野では人数制限はありませんが、適切に指導・支援ができる体制があるかは審査の対象となります。

2-1-3.  企業の要件

特定技能外国人を受入れる企業(受入れ機関)には、法令遵守や労働環境など、厳しい基準が設けられています。

大きく分けて「コンプライアンス」「労働条件」「禁止事項」の3つの観点でチェックしてください。

(1) コンプライアンス・適正な雇用実績

企業として健全な運営ができているかが問われます。

法令の遵守:労働関係法令、社会保険、租税に関する法令を遵守している。
1年以内の解雇制限:受入れ申請前の1年以内に、同じ業務に従事する労働者(日本人含む)を会社都合で解
 雇していない。「日本人を解雇して、安価な外国人を雇う」といった調整は認めらない。
行方不明者の有無:過去1年以内に、自社の責任による外国人の行方不明者を出していない。
欠格事由への非該当:過去5年以内に、出入国法令や労働法令違反がない。

(2) 日本人と同等以上の労働条件

外国人であることを理由に、不当な扱いをすることは禁じられています。

報酬額の適正化:同じ業務に従事する日本人従業員と「同等以上」の給与額。経験や能力に応じた適正な設
定。
・所定労働時間:フルタイムの雇用契約であり、通常の労働者と同じ労働時間である。
・福利厚生の平等:教育訓練や福利厚生施設の利用について、差別的な扱いをしていない。
・一時帰国への配慮:本人が一時帰国を希望した場合、必要な有給休暇(足りない場合は無給休暇でも可)を
 取得させる。

(3) 契約上の禁止事項・義務

外国人を縛り付けるような契約や、不明瞭な支払いは禁止されています。

保証金・違約金の禁止:失踪防止などを名目に、本人から保証金を預かったり、違約金を定める契約を結ん
 だりしない。
・費用負担の禁止受入れにかかる支援費用などを、外国人本人に負担させることはできない。
・給与支払いの透明化:給与は原則として銀行振込で行い、確実に本人の手に渡った記録を残す。

これらの要件は、採用時だけでなく、雇用期間中も継続して満たし続ける必要があります。定期的な報告義務や入管による調査もあります。

2-2. 【ステップ2】人材の確保

特定技能外国人を受入れる体制が整ったら、次は具体的な採用活動に入ります。

特定技能外国人の採用ルートは、大きく分けて

  1. 「技能実習生からの移行」
  2. 「試験合格者の採用」

の2つがあり、それぞれ対象者が国内にいるか海外にいるかで手続きの内容が異なります。

2-2-1.  外国人の受け入れ条件の確認

まず、どのような外国人であれば特定技能として採用できるのか、本人側の要件を押さえておきましょう。

本人側の要件は企業側で何かできることはないため、以下に該当しない方は採用できないという認識です。

年齢:18歳以上
・健康状態:健康診断の結果、業務に支障がない
・技能・日本語能力:各分野の「技能試験」および「日本語試験」に合格(※技能実習2号修了者は免除)
・適正な経歴:保証金の徴収や違約金契約など、不当な費用負担を強いられていない
・在留期間:特定技能1号での在留が通算5年に達していない
・海外機関への支払い
 海外から呼び寄せる場合、本人が現地の送出し機関などに高額な費用(借金など)を支払っていないか確認。  
 費用の額と内訳を本人が十分に理解し、合意していることが求められる
・生活費用の適正額と合意
 社宅や寮を提供する際、家賃や食費を給与から天引きする場合は、その額が「実費相当額(利益を乗せていな
 い適正額)」でなければならない。また、必ず明細書を提示し、本人から書面での同意を得る

特に「保証金の徴収」は、悪質なブローカーが介在しているケースなどで問題になります。面接時に本人によく確認することが自社を守ることにつながります

2-2-2.  技能実習生からの切替

技能実習2号を良好に修了した人材は、その職種と特定技能の分野が一致(または関連)していれば、「技能試験」と「日本語試験」が免除されます。

  • 自社の実習生を切り替える: 既に自社の業務や人間関係に慣れているため、即戦力として計算でき、採用コストも抑えられます。
  • 他社の実習生を採用する: 他社で3年間の実習を終え、帰国せずに日本での就職を希望する実習生を採用するパターンです。日本の生活習慣に慣れている点がメリットです。

なお、技能実習制度は今後「育成就労制度」への移行が予定されています(2027年以降本格施行予定)。

制度過渡期にあたるため、長期的な採用計画を立てる際は最新情報の収集が必要です。

技能実習制度から「育成就労制度」への移行についてはこちらの記事をご確認ください

2-2-3.  国内外の試験合格者

技能実習を経ていない外国人が在留資格「特定技能」を取得するためには、以下2つの試験に合格しなければなりません。

技能試験
日本語試験(JLPT N4以上、または国際交流基金日本語基礎テストA2以上)

国内の試験合格者(留学生など)の場合

日本国内の専門学校や日本語学校に通う留学生などが、試験に合格して特定技能へ切り替えるパターンです。 こちらは「在留資格の変更」手続きとなります。

STEP
採用面接・内定

企業が試験合格者と面接を行い、雇用契約を結ぶ

STEP
在留資格変更許可申請

現在のビザ(「留学」など)から「特定技能1号」への変更申請を、地方出入国在留管理局へ行う

STEP
許可・在留カード受領

審査期間(通常1~2ヶ月)を経て許可が下りれば、新しい在留カードを受け取る

STEP
就労開始

特定技能としての勤務がスタートする。

海外の試験合格者の場合

海外(ベトナムやミャンマーなど)で実施された試験に現地で合格した外国人を、日本へ呼び寄せるパターンです。 こちらは「在留資格の認定(呼び寄せ)」手続きとなり、入国までのステップが増えます。

STEP
採用面接・内定

WEB面接や現地面接を行い、雇用契約を結ぶ

STEP
在留資格認定証明書(COE)交付申請

企業側(または代理人)が日本の入管へ申請を行い、外国人を呼び寄せるための証明書(COE)の発行を依頼

STEP
査証(ビザ)申請・発給

COEが発行されたら原本を海外の本人へ送付(現在はデータ送付も可)し、本人が現地の日本大使館・領事館でビザの申請を行う

STEP
来日・入国

ビザが発給されたら航空券を手配し、日本へ入国します。空港で在留カードが交付される

STEP
就労開始

転入届などの役所手続きや生活オリエンテーションを済ませた後、勤務がスタートする

2-3. 【ステップ3】雇用契約の締結と支援計画の作成

人材が確保できたら、入管への申請準備に入ります。

ここでは、単なる雇用契約だけでなく、特定技能制度特有の「支援計画」の策定が必要となります。

2-3-1.  雇用契約の締結

特定技能外国人と雇用契約を結ぶ際は、通常の日本人社員と同じ雇用契約書に加え、いくつかの特記事項を守る必要があります。

日本人と同等以上の報酬額:同じ業務を行う日本人と比較して、給与が低くてはいけません。
母国語での説明と合意:雇用条件書(雇用契約書)は、日本語だけでなく、本人が十分に理解できる言語(母国語など)で作成し、双方が署名する必要があります。
所定労働時間:フルタイムでの雇用である必要があります。

契約書の内容は、後の在留資格申請時に厳しく審査されます。
また、内容を外国人が完全に理解していることが必要です。

2-3-2.  支援契約の作成

特定技能1号の外国人を雇用する場合、企業は「1号特定技能外国人支援計画」を作成し、入社から帰国までの間、職業生活だけでなく日常生活や社会生活の支援を行う義務があります。

この支援は、以下の2つの方法のいずれかで実施します。

  1. 自社で実施する(条件が厳格)
  2. 登録支援機関に委託する(一般的)

義務付けられている「10項目の支援」 具体的には、以下の10項目の支援をすべて実施する必要があります。

登録支援機関とは?

自社での実施が難しい企業に代わって支援を行う、法務大臣の登録を受けた機関。

登録支援機関についてはつぎの記事で詳しく説明しています。
https://corp-japanjobschool.com/divership/tokuteiginou-gimuteki-shien#index_id16

「コスト削減のために自社で支援したい」と考える企業様も多いですが、自社支援を行うには以下のような高いハードルをクリアしなければなりません。

中立的な支援責任者の選任:外国人を指揮命令する立場(直属の上司など)以外の役職員の選任
母国語対応体制:外国人が理解できる言語で相談に乗れる体制(通訳者の雇用や外部委託)
過去の支援実績:過去2年以内に中長期在留外国人の受入れ実績や、適正な管理実績

こうした要件の複雑さと、24時間対応も求められかねない生活支援の負担を考慮し、多くの企業(全体の約8割以上)が登録支援機関へ委託しています。

委託費用の相場は、外国人1名あたり月額2万円〜3万円程度です。

2-3-3.  事前ガイダンスの実施

支援計画の一部でもありますが、在留資格の申請前に必ず実施しなければならないのが「事前ガイダンス」です。

  • タイミング:雇用契約締結後 ~ 在留資格申請前
  • 方法:対面またはテレビ電話等(本人確認ができる方法)
  • 言語:本人が理解できる言語
  • 内容:労働条件の詳細、従事する業務内容、保証金の徴収がないかの確認、入国手続きの流れなど。

このガイダンスを行った記録(実施状況報告書)が、ビザ申請時の必須添付書類となります。

「申請前に必ず実施する」という点を忘れないようにしましょう。

2-4. 【ステップ4】在留資格の申請

雇用契約と支援計画の準備が整ったら、いよいよ出入国在留管理庁(入管)への申請を行います。 申請書類は多岐にわたり、審査期間も要するため、余裕を持ったスケジュール管理が重要です。

2-4-1. 国内の外国人を採用する場合

既に日本に住んでいる留学生や技能実習生を採用する場合の手続きです。

  • 申請種類:在留資格変更許可申請
  • 申請先:申請人の居住地を管轄する地方出入国在留管理官署
  • 標準審査期間:2週間~1ヶ月程度

【申請の流れ】

STEP
書類作成・申請

企業(または行政書士等)が入管へ書類を提出する

STEP
審査

入管による審査が行われる。追加書類を求められる場合もある。

STEP
許可の通知

審査が通れば、許可通知(ハガキ等)が届く

STEP
在留カードの切り替え

新しい在留カード(特定技能)を受け取る

STEP
就労開始

カード受領後、特定技能としての業務を開始できる

留学生からの変更の場合、卒業証明書等の提出が必要になるため、卒業時期(3月等)に合わせて申請を行うのが一般的です。

2-4-2. 海外にいる外国人を採用する場合

海外の試験合格者や、技能実習を終えて帰国した人を呼び寄せる場合の手続きです。

  • 申請種類:在留資格認定証明書交付申請(COE交付申請)
  • 申請先:受入れ企業の所在地を管轄する地方出入国在留管理官署
  • 標準審査期間:1ヶ月~3ヶ月程度

【申請の流れ】

STEP
書類作成・申請

企業側が日本の入管へ申請を行う

STEP
証明書(COE)の交付

審査が通れば、「在留資格認定証明書(COE)」が発行される

STEP
送付・査証申請

COEの原本(または写し)を海外の本人へ送り、本人が現地の日本大使館・領事館で「査証(ビザ)」の申請を行う

STEP
入国

査証が発給されたら、有効期限内(通常3ヶ月以内)に入国

STEP
就労開始

空港で在留カードを受け取り、入社手続きを経て業務を開始

在留資格申請の流れの詳細はこちらの記事からご確認できます

2-4-3. 特定技能協議会への加入

特定技能外国人を受け入れる場合、受入れ機関(企業)は、各業界を所管する省庁が設置する特定技能協議会への加入が義務付けられています。

  • 目的:構成員(企業)が連携して、制度の適切な運用や人材の安定的な受入れを図るため。
  • 加入時期:◯原則:特定技能外国人を受け入れてから4ヶ月以内。
         ◯例外(建設・製造業など):申請前または受入れ前に加入手続き(またはその準備)が必要なことも
  • 手続き:各省庁のホームページ等から加入手続きを行う。費用は原則無料ですが、一部の分野(建設業など)では、協議会とは別の受入れ団体への加入や会費が必要になるケースがある。

2-5. 【ステップ5】就労開始と定期的な届け出

無事に在留カードが交付され、入社日が来れば、いよいよ特定技能外国人としての就労がスタートします。

しかし、特定技能制度は「採用して終わり」ではありません。
受入れ企業には、入管法に基づき、就労期間中も継続して行わなければならない届出義務があります。

外国人が入国、または在留資格を変更した後は、速やかに以下の行政手続きを行うよう指導してください。

  • 住民登録:住居地を定めてから14日以内に、役所で転入届を提出します。
  • 給与口座の開設:給与は銀行振込が原則です。
  • 社会保険・税金の手続き日本人社員と同様に、雇用保険や厚生年金への加入手続きを行います。

続いて、入管へ届出についてです。

①定期届出 ②随時届出 の2種類あります。

定期的な届出(2025年4月より年1回に変更)
これまで四半期(3ヶ月)ごとに行っていた定期届出は、2025年4月より「年1回」に変更されました

  • 届出時期:毎年4月1日~5月31日の間
  • 対象期間:前年の4月1日~翌年3月31日までの1年間
  • 届出内容
    • 受入れ・活動状況:報酬(給与)の支払い総額、労働日数、離職者数など。
    • 支援実施状況:支援計画に基づいた支援(オリエンテーションや面談)が適切に行われたか。

これまでは「受入れ状況」と「支援実施状況」で書類が分かれていましたが、改正後は「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出(参考様式第3-6号)」として1つの書類に統合され、簡素化されています。

②随時の届出(変更があった時)
雇用状況や支援体制に変化があった際、その事由発生から14日以内に届出が必要です。

  • 雇用契約の変更・終了:契約更新時や、退職・解雇があった時。
  • 支援計画の変更:支援担当者が変わった時や、委託先(登録支援機関)を変更した時。
  • 受入れ困難時の届出:経営悪化や倒産などで雇用維持が難しくなった時、または本人が1ヶ月以上就労していない時。
  • 行方不明・不正行為の発生:失踪者が出た場合や、本人の不正行為(素行不良など)を知った時。

届出とは別に、3ヶ月に1回以上、外国人本人との「定期面談」が義務付けられています

この面談についても、2025年4月よりルールが緩和され、オンライン面談が可能になりました。

注意点:ただし、初回面談や、年に1回以上は必ず「対面」で行うことが推奨されています。また、何か問題が発生した場合(給与未払いの相談など)は、対面で対応する必要があります。

特定技能制度は、こうした「報告」と「支援」を適正に行うことで維持できる資格です。
「うっかり忘れていた」では済まされないため、カレンダーで管理するなど、確実な運用を心がけましょう。

[出典:出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付申請」]

[出典:出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出(提出書類)」]

3.受け入れ可能な業種一覧

特定技能外国人は、どのような業種でも受入れられるわけではありません。

国内で特に人手不足が深刻と認められた「特定産業分野(全16分野)」に該当する業務を行う企業のみが対象です。

2024年の閣議決定を経て、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の4分野が新たに追加され、現在は以下の16分野で受入れが可能となっています。

かつて特定技能2号(熟練した技能・家族帯同可・更新上限なし)は「建設」と「造船」のみに限られていましたが、現在は「介護」と新しく追加された4分野(自動車運送業、鉄道、林業、木材産業)を除く分野で2号への移行が可能となっています。

介護分野は、在留資格「介護」という別の専門資格への移行ルートが確立されているため、特定技能2号の対象外となっています。

以下、各分野で従事できる具体的な業務内容と、受入れが認められないケース(NG例)を解説します。自社の業務が当てはまるかチェックしてください。

介護

  • 業務内容:身体介護(入浴、食事、排泄、移動介助等)およびリハビリ業務(レクリエーション、機能訓練等)。
  • 注意点:2025年4月より、これまで禁止されていた訪問介護などの「訪問系サービス」への従事が、2025年4月21日より一定の条件下で認められるようになりました。

ビルクリーニング

  • 業務内容:商業施設、オフィスビル、ホテルなどの建物内部の清掃業務。

宿泊

  • 業務内容:フロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の宿泊サービス全般。付随的にベッドメイキングや清掃も可能です。
  • 注意点:風俗関連営業に該当する施設での就労は認められていません。

工業製品製造業(旧:「素形材」「産業機械」「電気・電子情報」)

  • 業務内容:機械金属加工、電気電子機器組立て、金属表面処理、印刷・製本、縫製など、多岐にわたる製造・加工業務。

建設

  • 業務内容:土木、建築、ライフライン・設備工事など。
  • 注意点:建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録が必要な場合があります。

造船・船舶工業

  • 業務内容:溶接、塗装、鉄工、仕上げ、機械加工、電気機器組立て。

飲食料品製造業

  • 業務内容:飲食料品の製造・加工・安全衛生業務(パン、菓子、惣菜、水産加工など)。

外食業

  • 業務内容:調理、接客、店舗管理など、外食業全般の業務。
  • 注意点:風俗営業許可が必要な店舗(キャバクラ、ホストクラブ等)や、低照度な飲食店での就労は認められません。

農業

  • 業務内容:耕種農業(栽培管理、集出荷等)、畜産農業(飼養管理、集出荷等)。
  • 注意点:選別作業などの単純作業のみに従事させることはできず、栽培管理や飼養管理の業務を含める必要があります。

漁業

  • 業務内容:漁業(漁具の補修、探索、採捕等)、養殖業(育成管理、収獲、処理等)。

自動車整備

  • 業務内容:自動車の日常点検整備、定期点検整備、特定整備、分解整備。

航空

  • 業務内容:空港グランドハンドリング(手荷物・貨物取扱、地上走行支援)、航空機整備。

自動車運送業(New)

  • 業務内容:トラック、タクシー、バスの運転業務。 ※運転免許の取得や、一定の日本語能力要件などが設定されています。

鉄道(New)

  • 業務内容:軌道整備、電気設備整備、車両整備、車両製造、運輸係員(車掌、駅務等)。

林業(New)

  • 業務内容:育林、素材生産など林業全般。

木材産業(New)

  • 業務内容:製材業、合板製造業等に係る木材の加工。

[出典:出入国在留管理庁「特定技能1号の各分野の仕事内容(Job Description)」]

4. 登録支援機関について

ここまで、特定技能制度における「受入れ要件」や「義務的支援」、「定期届出」について解説してきました。

しかし、「業務量が多すぎて、自社だけで対応できるか不安」と感じられた方も多いのではないでしょうか。

そこで活用したいのが登録支援機関です。

登録支援機関とは、受入れ企業(特定技能所属機関)に代わって、特定技能外国人への支援計画の作成・実施を行う、出入国在留管理庁長官の登録を受けた機関のことです。

4-1. 義務付けられている支援

「2-3. 雇用契約の締結と支援計画の作成で解説した通り、特定技能1号外国人には「入国前のガイダンス」から「生活オリエンテーション」、「定期的な面談」まで、計10項目の支援が義務付けられています。

これらを自社ですべて行うには、「24時間のサポート体制」や「母国語での対応」など高いハードルがあります。

登録支援機関に委託することで、これらの業務を登録支援機関に任せることができます。

【委託する主なメリット】
専門的な言語対応:専門の通訳スタッフが在籍しているため、トラブル時の対応や相談がスムーズ
24時間対応の回避:緊急時の対応を機関に任せることで、社内担当者の負担を軽減
法令遵守:複雑な法改正にもプロが対応するため、コンプライアンス違反のリスクを防げる

4-2. 義務付けられている報告書類の提出

支援業務と並んで負担が大きいのが、入管への書類提出です。 登録支援機関に委託した場合、以下の書類作成や提出代行を任せることができます。

  • 支援実施状況に係る届出書:定期届出(年1回・旧四半期ごと)に必要な、支援が適切に行われていることを証明する書類。
  • 定期面談報告書: 3ヶ月に1回実施する面談の記録。
  • その他変更届出:支援担当者の変更や支援内容の変更に伴う書類作成。

「受入れ・活動状況」に関する届出など、一部企業名義での提出が必要なものもありますが、その場合もデータのとりまとめや作成サポートを受けることが一般的です。

定期届出に必要な書類の作成については、こちらの記事で詳しく解説しています。

4-3. 費用

登録支援機関を利用する場合、一般的に以下の費用が発生します。 自社で専任の担当者を雇用したり、通訳を雇ったりする人件費と比較すると、コストパフォーマンスが良いケースがほとんどです。

 金額の相場 (特定技能外国人1名あたり) 
初期費用10万円 ~ 20万円人材紹介料とは別に、入社時のビザ申請サポートや事前ガイダンス、生活立ち上げ支援(住居・口座開設等)にかかる費用。
月額委託料2万円 ~ 3万円毎月の支援実施、定期面談、通訳対応、定期報告書の作成管理などにかかるランニングコスト。

金額は支援内容や対応言語、地域によって異なります。

4-4. JJSについて

最後に、本記事を執筆している株式会社JJSについてご紹介させてください。
私たちは、単なる「人材紹介」や「書類代行」だけの会社ではありません。

「外国人と日本人が一緒に働けてよかったを創る」

このミッションのもと、以下の特長を持って特定技能外国人の受入れをトータルサポートしています。

  1. 教育機関としてのルーツ: もともと外国人向けの日本語スクール・就職予備校としてスタートしました。そのため、単に言葉ができるだけでなく、「日本のビジネスマナー」や「日本の暗黙の了解」を理解した、定着率の高い人材を育成・紹介しています。
  1. 豊富な紹介・支援実績: 年間300名以上の卒業生を輩出し、特定技能では60社150名以上の支援実績があります(2025年時点)。ベトナム、ミャンマー、ネパールなど、真面目で勤勉な国籍の人材に強みを持っています。
  1. 採用から定着まで一気通貫: 「人材紹介」と「登録支援機関」の両方の機能を持ち合わせているため、採用時のミスマッチ防止から、入社後の生活支援、ビザ更新管理まで、窓口を一本化してサポート可能です。

「初めての外国人採用で不安がある」「現在の支援機関の対応に不満がある」という企業様は、ぜひ一度ご相談ください。

5. 発生する費用

特定技能外国人を雇用するには、採用時にかかる「イニシャルコスト(初期費用)」と、雇用期間中にかかる「ランニングコスト(維持費用)」の2種類が発生します。

費用項目は多岐にわたりますが、一般的には以下の表のような内訳になります。

コストの種類費目費用相場備考
イニシャルコスト (初期費用)人材紹介料30~60万円程度人材紹介会社への成功報酬など
 ビザ申請代行費用12~20万円程度行政書士へ依頼する場合(認定・変更)
 送出し機関費用20~30万円程度海外から採用する場合のみ(給与の1ヶ月分等)
 渡航費・住居初期費用実費(20~40万円程度)航空券や寮の敷金・礼金・家具家電など
 健康診断費用1万円程度入社前健康診断
ランニングコスト (維持費用)支援委託費用月2~3万円程度登録支援機関へ委託する場合
 外国人本人への給与月18~24万円程度日本人と同等額以上
 ビザ更新申請費用6~10万円程度1年ごと等の更新時に発生
 協議会会費など年数千円~数万円建設分野(JAC)等は年会費が必要

それぞれの費用の詳細については以下の記事で解説しています。

6. 注意点

特定技能外国人を受け入れるにあたり、企業(受入れ機関)は法令遵守や適正な雇用契約について、厳格な基準をクリアしなければなりません。

「知らなかった」では済まされない重要なルールがあります。特に以下のポイントは、入管の審査で厳しく見られる部分ですので、必ず確認してください。

6-1. 雇用契約の適切化

外国人だからといって、日本人よりも不利な条件で雇用することは法律で固く禁じられています雇用契約を結ぶ際は、以下の基準を満たしている必要があります。

6-1-1. 報酬と待遇の「日本人同等以上」

最も重要なのが給与水準です。 特定技能外国人の報酬額は、同じ業務に従事する日本人従業員と同等以上でなければなりません。

比較対象:自社に同じ職種・経験年数・責任の重さを持つ日本人従業員がいる場合、その従業員の給与額と比較
不当な安さの禁止:「外国人だから安く雇える」という考えは通用しない。最低賃金を上回っているだけでは不十分で、あくまで「日本人と同等か」が審査基準
待遇の差別禁止:給与だけでなく、教育訓練の機会、福利厚生施設の利用(食堂や休憩室など)についても、日本人と差別的な取り扱いをすることは禁止

6-2. 受入れ機関自体の適切化

雇用契約の内容だけでなく、受け入れる企業自体が「適正な会社」であることも求められます。

6-2-1. 法令を遵守すること

当然のことですが、労働関係法令、社会保険関係法令、租税関係法令を遵守していなければなりません。

社会保険・税金の未納:厚生年金や法人税などを滞納している企業は、許可が下りない
労働法令違反:過去に労働基準監督署から是正勧告を受けて改善していない場合や、直近1年以内に同種の業務に従事する労働者を会社都合で解雇(リストラ等)している場合も受入れが認められない
欠格事由:役員などが禁錮以上の刑に処せられている場合や、過去5年以内に出入国法令・労働法令に違反したことがある場合は「欠格事由」に該当し、受入れができない

6-2-2. 保証金の徴収や違約金契約を締結しないこと

特定技能外国人の失踪や早期退職を防ぐために、金銭的な縛りを設けることは人権侵害にあたるため、厳しく禁止されています。

保証金の禁止:採用にあたって、本人やその親族から保証金を預かることはできない
違約金契約の禁止:「1年以内に辞めたら違約金を支払う」「失踪したら罰金を払う」といった契約を結ぶことはできない
支援費用の負担禁止:前述した「支援にかかる費用(登録支援機関への委託費など)」は全額企業が負担すべきものであり、直接的・間接的問わず、外国人本人に負担させることはできない

これらのルールを守らない場合、ビザの申請が不許可になるだけでなく、すでに雇用している外国人のビザ更新ができなくなる場合があります。

最悪の場合は「受入れ停止処分(5年間雇用不可)」などの重いペナルティが科される可能性があるため、十分に注意しましょう。

[出典:出入国在留管理庁「特定技能制度 雇用における注意点」]

7. まとめ

特定技能の受入れは、複雑な法令や支援義務への対応が必須ですが、正しい手順を踏めば人手不足解消の切り札となります。本記事の5ステップを参考に、計画的な準備を進めてください。

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この記事を書いた人

松里 優祐のアバター 松里 優祐 代表取締役

株式会社JJS(JapanJobSchool)の代表

主に「特定技能」と「技術・人文知識・国際業務」を対象とした人材紹介と支援を行っており、年間300名以上の卒業生を輩出しています。
「日本人と外国人が一緒に働けてよかったを創る」というミッションを掲げ、外国人には入社前と入社後の授業を提供し、日本企業には外国人理解をしてもらえるきっかけづくりとして、Divershipを運営中。

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