【特定技能】取得のための「日本語試験」と「技能試験」を徹底解説|試験が免除になる場合も
「特定技能」とは2019年4月に新しく創設された制度(在留資格)です。介護業や外食業など、日本国内で人手不足が叫ばれる12分野において、外国籍の方をフルタイムで雇用することが可能となりました。
特定技能を取得するためには、日本語能力検定など外国人の日本語力を図る「日本語試験」と分野別で異なる「技能試験」の2つに合格する必要があります。今回は、これら試験について解説していきます。
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1.そもそも特定技能とは?
特定技能とは、日本企業の人手不足の解消を目的として創設された制度です。
特定技能は1号と2号に分かれており、1号で通算5年間を修了したら特定技能2号に移行でき、永続的に日本で働くことができます。
1号と2号の違いはこちらの記事で詳しく解説しています。
現在、特定技能1号では以下の12分野、2号では介護以外の11分野が対象となっています。
そもそも特定技能に関して詳しく知りたい方へ
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【最新情報】特定技能に運転手や駅員など新しく4分野の追加が検討
在留資格「特定技能1号」について、2024年2月22日、自民党の外国人労働者等特別委員会で「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」の4分野を追加する方針を示しました。また、「飲食料品製造業」「製造業」の分野でも対象業務の追加が検討されています。
2024年3月18日には政府がこの案を自民党に示し、了承されました。このまま公明党も了承すれば3月中にも閣議で決定する方針です。
この4分野の追加が実現すれば現行の12分野から16分野に働く場が広がり、外国人労働者の受け入れ拡大につながるとみられています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
2.特定技能を取得する際に必要な2種類の試験
在留資格「特定技能」を取得するには
- 日本語力を図る試験
- 各分野に対する知識を問う技能試験
に合格する必要があります。以下詳しく解説します。
①日本語力を測る試験
外国人労働者が特定技能を取得するためには、日本語の能力が必要です。そのため、日本語力を測る試験が用意されています。
日本語能力試験 (JLPT)
JLPTとは日本語能力を測定するための試験の1つです。概要は以下の通りです。
日本語能力試験
- 主催:国際交流基金と日本国際教育支援協会
- 目的:原則として日本語を母語としない人を対象に、日本語能力を測定し、認定すること
- 実施時期:原則7月と12月の年に2回
日本語能力試験はN1~N5の5つに分かれており、N5が最も簡単でN1が最も難しくなっています。各レベルの合格者が日本語を使ってできることは以下の表の通りになります。
特定技能を取得するには最低N4レベルの合格が必要です。それもあり特定技能を取得予定・取得している外国人の方の多くはN4~N3です。
しかし、このレベルはあくまで日常会話レベルかそれ以下ですので、企業側も外国人の日本語支援として多言語対応や、やさしい日本語にするなど対策が必要です。
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日本語能力検定についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)
国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)は、日本語能力試験とは異なり、日本語の初級レベルを測定する試験です。基本的な会話や文法、読解能力などを評価します。 JFTはJLPTよりも簡単な試験であり、日常生活での日本語の理解やコミュニケーション能力を測ることが目的です。
国際交流基金日本語基礎テストの特徴
- 受験機会が多くある(国内、一部の国ではほぼ毎日開催される)
- 判定結果がすぐにわかる
国際交流基金日本語基礎テストは250点満点で点数によってレベルが図られます。レベルはA1からC2の6段階にわかれています。ちなみに特定技能を取得するにはA2レベル以上が必要です。
②各分野に対する知識を問う技能試験
特定技能を取得するには、日本語試験のほかに特定技能12業種ごとに用意されている技能試験に合格する必要があります。
各分野の技能試験のHPはこちらになります。
介護は上記2つの試験に加えて「介護日本語能力試験」を受けなければならない
特定技能介護では、日本語試験、技能試験のほかに「介護日本語能力試験」に合格する必要があります。こちらは介護業界で働く外国人労働者の日本語能力を評価するための試験です。介護に特化した日本語表現やコミュニケーション能力が問われます。
3.試験が免除されるケース
特定技能として働くためには上記のような試験に合格する必要がありますが、これらの試験が免除される場合もあります。
ケース①|技能実習から移行する場合
技能実習を経験した外国人が、その分野での特定技能の取得を目指す場合、日本語試験と技能試験が免除されます。
免除される条件はこちらになります。
【技能実習から特定技能に移行する際、日本語試験・技能試験が免除される条件】
- 技能実習2号を良好に修了している
- 従事しようとする業務と技能実習2号の職種・作業に関連性が認められる
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
ケース②|特定技能で転職する場合
すでに特定技能を取得していて、その中で転職する場合も試験が免除されます。しかし、「同じ分野で転職する場合」と「違う分野に転職する場合」で異なります。
同じ分野で転職する場合
同じ産業分野での転職の場合、日本語試験・技能試験が免除されます。以前の特定技能の取得によって既に証明された能力や経験が評価され、新たな試験を受ける必要がありません。
違う分野に転職する場合
異なる産業分野への転職の場合、新しい分野における技能試験を受ける必要があります。新しい分野での技能や知識を評価し、特定技能を取得するための適性を判断するために試験が行われます。
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詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【最新情報】国内外で特定技能試験の受験資格・地域が拡大
特定技能試験に関する最新情報をお伝えします。
2020年4月以降、国内試験からの受験資格が拡大
2020年4月以降、一部の特定技能試験では、国内での技能実習を経た外国人も受験資格の対象となりました。これにより、国内で技能実習を行った外国人も、特定技能試験を受験して特定技能を取得する機会が広がりました。
参考:出入国在留管理局
2024年3月からベトナムで技能試験が本格的に実施される
2024年3月からは、ベトナムでも「介護」分野と「農業」分野で特定技能試験が本格的に実施されます。これにより、ベトナム国内で特定技能試験を受験し、特定技能を取得することが可能となります。日本とベトナムの間で技能実習生の交流が盛んであることから、今後日本での就職を目指すベトナム国籍の方が更に増える事が予想されます。
参考:試験関係 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
まとめ
特定技能に関する試験の種類や試験が免除される場合などについてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
正確な情報収集を心がけることで、適切に特定技能の方を迎え入れることにつながります。
試験についてはもちろん、特定技能に関してもっと詳しく知りたい方はお気軽にお問い合わせください。専門のスタッフが対応させて頂きます。