特定技能でインドネシア人を採用するメリットは?採用ルートを分かりやすく解説
執筆者:Divership編集部|外国人雇用担当部門
監修者:デリー(インドネシア担当)
特定技能1号に該当する在留外国人は令和5年末時点で208,425人います。国籍別で最も多いのがベトナムの110,628人ですが、2番目に多いのがインドネシアの34,253人です。特定技能1号に該当する在留外国人の6人に1人がインドネシア人という計算になります。(※出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の公表等」)
インドネシア人は漁業分野に限ると圧倒的なシェアを握るなど、近年は受け入れが増加している状況です。特定技能外国人を雇用したい企業の中には、インドネシア人を採用して人手不足を解消していきたい起業もあるはずです。今回は特定技能でインドネシア人を採用するメリットを中心に解説します。
本記事を読むことで、特定技能でインドネシア人を採用するメリットや採用ルートなどがわかりますので、ぜひ最後までご覧ください。
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1.特定技能インドネシアの特徴
国籍別で見れば、全体の2番目にあたるのがインドネシアであり、受け入れ数は増加傾向にあります。本項目では、特定技能インドネシアの特徴を解説します。
1-1.特定技能インドネシアが増加する背景と分野
在留資格「特定技能」を活用して来日するインドネシア人が増加する背景には、以下の背景が考えられます。
・インドネシアは親日国
・世界第4位の人口大国
・インドネシア政府が日本での労働をアシスト
インドネシアは第二次世界大戦の終結を契機にオランダからの独立を果たしましたが、当時の日本軍がオランダ軍を破って新たに統治を始めたことがきっかけになっています。2011年にBBCワールドサービスが行った、対日本に対する調査では調査対象国の中で最も親日的という結果が出ました。
また、インドネシアは2024年時点でおよそ2億8000万人の人口を有しており、全世界で4番目に多く、日本の倍以上の人口を誇ります。東南アジアで見ても、バングラデシュより1億人以上多い状況です。およそ1億人のベトナムのうち11万人が特定技能外国人として日本に来日していることを加味すると、それ以上のインドネシア人が来日してもおかしくありません。
さらにインドネシアでは、コロナ禍前の段階で、2023年までに70,000人を特定技能外国人として日本に送り出す目標を立てていました。コロナ禍で後ろ倒しになった面はありますが、今もその方向性は変わっていません。日本では特定技能が創設される前から経済連携協定(EPA)によってインドネシア人看護師・介護福祉士の受け入れを行うなど、元々日本への送り出しには積極的です。
こうした背景もあり、特定技能制度を利用するインドネシア人の割合は年々高まっており、令和4年末で全体の12.5%だった割合が、16.4%まで高まっています。
特定技能1号のインドネシア人が多い分野
特に注目すべきは漁業分野です。令和5年末時点で漁業分野における特定技能1号在留外国人数は全体で2,669人いますが、そのうち2,141人がインドネシア人と圧倒的な割合となっています。13,000以上の島があるインドネシアでは漁業が主要な産業で、政府が漁業発展の政策に力を入れているのが特徴です。
※出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の公表等」
その関係もあって、日本で働く漁業の技能実習生の99%はインドネシア人であり、多くは母国に戻る中、一部の技能実習生が特定技能外国人として日本で働き続ける状況となっています。介護分野に関しても、インドネシアはベトナムの7,937人に次いで7,411人と多く、この2カ国で過半数を占めている状況です。
1-2.インドネシア独自のシステム「IPKOL」と「SISKOTKLN」の違い
インドネシアには、「IPKOL」と「SISKOTKLN」というインドネシア政府が提供している独自のシステムが存在します。この2つのシステムは、インドネシア人を特定技能外国人として受け入れる際にそれぞれ登録を行う必要があるほか、それぞれ異なるシステムのため、事前に把握しておくことが大切です。それぞれについて説明します。
IPKOL
IPKOLとは、「労働市場情報システム」を指し、インドネシア政府が求人や求職の管理を行うシステムとなっています。インドネシア政府は日本側の受け入れ機関がIPKOLに登録した上で求人することを強く望んでいる状況です。インドネシア国内では特定技能で日本に行きたい国民に対して、IPKOLにアクセスして求職先を見つけてもらうよう、アナウンスを行っています。
※法務省「~特定技能外国人の受入機関の方々へ~」
SISKOTKLN
SISKOTKLNは海外労働者管理システムを指し、在留資格認定証明書をもらったインドネシア人が日本に渡るためのビザ申請を行う際に登録することになっています。SISKOTKLNへのオンライン登録が完了した時点で、インドネシア政府からインドネシア在外労働者保護庁のIDが発行され、インドネシア人がこのIDを活用してインドネシアにある日本大使館や総領事館においてビザ申請を行います。
「IPKOL」と「SISKOTKLN」ではそれぞれ登録の理由が異なります。IPKOLの場合は悪質なブローカーからインドネシア国民を守るためで、SISKOTKLNは日本のみならず海外で働くインドネシア人がその国でトラブルに巻き込まれた際に保護することが目的です。
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2. 特定技能でインドネシア人を受け入れるメリット
ここでは、在留資格「特定技能」でインドネシア人を受け入れるメリットについてみていきましょう。
在留資格「特定技能」を活用してインドネシア人を受け入れるメリットには以下の点が挙げられます。
・インドネシア政府が積極的に送り出しを支援している
・採用コストを抑えやすい
・若手人材の獲得が期待できる
それぞれについて説明します。
2₋1.インドネシア政府が積極的に送り出しを支援している
インドネシア政府は日本への送り出しを積極的に支援しています。具体的な支援内容として、日本語能力試験のサポートがあり、事前に送り出し機関が行う日本語教育に関して統一のカリキュラムが設けられました。
技能実習制度を利用する際には、日本語レベルが多少低くても何ら問題はありませんでしたが、特定技能制度では一定レベルの日本語能力がないと試験をパスできません。それぞれの送り出し機関が持つノウハウでは不十分とされたため、インドネシア政府はカリキュラムの策定に動きました。
2-2.採用コストを抑えやすい
特定技能を用いてインドネシア人を採用する際に、採用コストが抑えやすいというメリットがあります。
IPKOLに登録を済ませれば、インドネシア人はIPKOLを見ることで求職先を見つけて応募が行えるため、コストがかかりません。登録は無料であり、手数料がかかりにくいという点もコストの抑制につながっています。
また、既に技能実習生として日本にいる場合は、所定の手続きを経れば就労が可能になります。日本語能力や渡航費用などを気にしなくて済むほか、既に日本に在留している年数も一定以上と定着に心配する必要がない点も魅力的です。
2-3.若手人材の獲得が期待できる
特定技能でインドネシア人を採用する際には、若手人材の獲得にも期待が持てます。
インドネシアでは15~24歳の2割以上がいわゆるニートの状況となっており、失業率も20%近くもある状況です。また都市部で失業率が高いなど、インドネシア国内で働き口が足りていない現状があります。
※独立行政法人労働政策研究・研修機構「インドネシア:2023年2月の失業率は5.45%に低下」
こうした現状を受け、海外を目指す若者も少なくなく、高いモチベーションをもって日本で働きたいと考えるインドネシアの若者を確保していくことが可能です。
3.特定技能インドネシア人の採用ルート
今回は、インドネシア人の二つの採用ルートを紹介します。
①インドネシアから来日するルート
②日本国内から採用するルート
それぞれ見ていきましょう。
3-1.インドネシアから来日するルート
インドネシアに住むインドネシア人を日本に呼び寄せるには、まずIPKOLへの登録が必要です。
実際には登録は義務ではないものの、インドネシア政府が登録を強く推奨しており、登録が必須と考えた方がいいでしょう。特定技能制度は日本語能力試験と技能試験の2つに合格する必要があります。
一方、以前日本で働いていた元技能実習生で、既に技能実習2号を修了している場合には特定技能制度をスムーズに活用できます。これは、技能実習2号を修了している場合、特定技能制度に移行する際に日本語能力試験などが免除されるためです。
IPKOLを通じて求人の登録や求職の申込みなど所定の手続きを経て、同時並行で登録支援機関を活用していきながら、計画に沿う形で日本での就労を目指していくことになります。
※【参照】法務省:インドネシア国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ
~インドネシアから受け入れる~
3-2.日本国内から採用するルート
日本国内でインドネシア人を見つけ出して採用するケースには、技能実習2号を修了した実習生のほか、留学生も含まれます。日本に住む技能実習生や留学生が特定技能制度を活用するには、「移住労働者証手続き」が必要です。
移住労働者証手続きは、インドネシアの外務省が管理を行っている「在外インドネシア人保護サービス」のホームページに特定技能制度を活用して日本で働きたいインドネシア人が直接アクセスして、必要事項を記入していきます。労働者健康保険料(BPJS)を支払ったのち、所定の確認を行ってから、推薦状が出されるという流れです。
推薦状が出されることで、出入国在留管理局において在留資格の変更が行えます。変更の許可が下りて特定技能への移行ができれば働くことができます。
※【参照】法務省:インドネシア国籍の方々を解くイェイ技能外国人として受け入れるまでの手続きの流れ
~日本国内から受け入れる~
4.採用にかかる費用
次にご紹介するのは、特定技能制度を利用してインドネシア人を採用する際にかかる費用についてです。以下の費用についてまとめています。
1.送り出し機関を通す場合の費用:10~20万円
2.トータル費用:おおよそ100万円
4-1.送り出し機関を通す場合の費用
送り出し機関を通して採用を目指す場合には、手数料として10〜20万円ほどの費用がかかります。IPKOLを通じた採用以外にも、インドネシアにある職業紹介事業者などを通じてインドネシア人を採用していくルートがあり、その場合に人材紹介料としてコストがかかる形です。
これに渡航費用や在留資格の申請費用を始めとするコストがかかります。IPKOLの利用そのものは無料でできるため、一貫して利用していけばコストを抑えられますが、インドネシア人を採用したい場合には、職業紹介事業者などの活用が確実です。
複数の国々の機関と提携しているところなどに任せれば、それぞれの国々の特徴・特色、日本語能力試験・技能試験の状況を踏まえて対処してくれます。IPKOLの利用を目指すのも1つの手ですが、それぞれの送り出し機関が持つ強みなどを把握した上で依頼を出していくこともおすすめであり、費用の比較を行いましょう。
費用に関しての詳しい情報は下記の記事もご覧ください。
4-2.トータル費用
採用にかかる費用は国外からの採用と国内からの採用で若干異なります。
インドネシアに住むインドネシア人を日本に呼び寄せる形で採用する際には住居にかかる費用などを加味すると、おおよそ100万円ほどかかる計算です。手数料などで多少の違いはあるものの、100万円程度が目安となります。
一方、日本にいるインドネシア人を採用する場合、渡航費などが不要となるため、多少減らすことができますが、それでも90万円程度が目安です。住居費用に関して、会社の寮に住まわせるなどすればさらに切り詰められ、70~80万円程度に抑えられます。
支援を行う会社によっては入職前研修を行うため、入職前研修を行った日数分の費用がかかることがあります。そのため、トータルの費用に関しては採用の支援を依頼した会社によってある程度異なるため、注意が必要です。
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5.特定技能インドネシア人を採用する際の注意点
インドネシア人を採用する際には、インドネシア人の性格を始め、インドネシア人が持つ特徴や文化などを把握しておく必要があります。インドネシア人は基本的に陽気な性格で、助け合いの精神が強いことが特徴です。
一方で家族愛が強いことも特徴の1つであり、何かしらのタイミングで帰省したがることも考えられます。性格や特徴、文化を事前に把握しておくことで、想定されるトラブルを事前にリサーチでき、対処がしやすくなるため、インドネシア人を採用する際には気質や文化などを学んでおくことが求められます。
下記記事でインドネシアの文化や一緒に働く上でのポイントをまとめました。是非ご覧ください!
6.まとめ
特定技能外国人を積極的に採用する動きは全体的に広がっており、その中でもインドネシア人の割合は増加しており、漁業分野を始め、深刻な人手不足で悩まされる産業にとっては欠かせない存在となり得ます。
IPKOLを始め、手続きなどは面倒そうに思われますが、送り出し機関の活用などを行っていくことで、多少のコストをかければモチベーションの高い優秀なインドネシア人の確保につなげられるでしょう。
今回ご紹介した内容を踏まえて、特定技能インドネシア人を積極的に採用し、常に人手不足で困っている産業において、労働力を確保していきましょう。
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