【特定技能】ネパール現地と日本国内からの採用
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執筆者:竹村(JapanJobSchool講師兼就職支援室マネージャー)
日本で働くネパール人は、年々増加しています。令和7年6月末における特定技能の在留者数でも、ネパール人は第6位の9,381人となっています。
※主な国籍・地域別の特定技能1号で働く外国人
| ①ベトナム 146,270人 |
| ②インドネシア 69,384人 |
| ③ミャンマー 35,557人 |
| ④フィリピン 32,396人 |
| ⑤中国 19,901人 |
| ⑥ネパール 9,329人 |
| ⑦カンボジア 7,159人 |
| ⑧その他 6,915人 |
| ⑨タイ 6,212人 |
実際に、コンビニや飲食店などで働くネパール人の方を見かけることが多くなっています。人懐っこく、言語能力も高い(3~4か国語を理解できる人も多い)ため、ネパール人を採用する企業が増えてきました。
今回は、ネパール人を特定技能で採用する方法や費用、メリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
そもそも特定技能について詳しく知りたい方へ
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1. 特定技能で働くネパール人の動向
1-1. 日本で特定技能として働くネパール人増加中!

近年、日本で特定技能の在留資格を取得して働くネパール人の数が急速に増加しています。法務省の統計によると、2025年6月時点で特定技能の在留資格を持つネパール人は9,381人に達し、前年から2,000人以上増加しました。この伸び率の高さは、ネパール人材への需要が急速に高まっていることを示しています。
1-2. 日本での出稼ぎが増加している理由
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※図説 ネパール経済2025|在ネパール日本国大使館
ネパールでは海外で働く「出稼ぎ」が一般的な選択肢となっていますが、日本はこれまで主要な渡航先といえませんでした(上記の図を参照)。海外労働局の統計によると、ネパール人の海外就労許可発行数において、日本は上位国に比べてまだ少数にとどまっています。
しかし近年、日本への出稼ぎの関心が高まっています。なぜなら、湾岸諸国への不安感が高まっているためです。カタールやサウジアラビア、UAE、クウェートなどは、これまで人気の出稼ぎ先でしたが、労働環境の過酷さや人権侵害の報道が相次ぎ、懸念を抱く人が増えています。
一方で、日本や韓国は治安の良さや教育環境の整備といった点で評価が高く、留学や技能実習、特定技能などを通じた渡航先として注目され始めています。
1-3. 特定技能分野別|ネパール人の割合
ネパール人が特定技能で従事している分野は、多岐にわたります。特に介護分野と外食業分野、農業分野での割合が高い傾向にあります。総数9,329人のうち、介護分野4,713人、外食業分野2,873人、農業分野707人です(令和7年6月末、法務省の調査より)。
ネパール人は、日本語能力や対人スキルに長けており、農業経験がある人材が多いことが背景にあると考えられています。
↓特定技能介護・外食・農業について知りたい方は下記の記事を参考にしてください↓



2.ネパール人を特定技能で採用する流れ(現地・国内)
ネパール人を特定技能人材として採用する際の基本的な流れと、手続き上のポイントについてわかりやすく解説します。
2-1. ネパール現地から採用する

講師|竹村このなかで、「求人申し込み」と「海外労働許可証の申請」はネパール労働・雇用・社会保障省海外雇用局日本担当部門(以下、省略してネパール労働局と記載)、「査証申請」は在ネパール日本国大使館に申請が必要です。
受け入れ企業が直接ネパール人の求職者に採用活動をするほか、在日ネパール大使館に求人申し込みをすることもできます。
面接・オンライン面接を実施して、合否を決めます。
オンラインの場合、ネパール人がよく使用するツールにはFacebook Messenger、Zoom、Viberなどが挙げられます。日本人がよく使っているLINEやSkype、Microsoft Teamsなどはあまり馴染みがありません。


日本国内在住者と同様、雇用契約を締結します。
↓雇用契約の締結に関しては、こちらの記事もご参照ください↓


受け入れ企業は、所在地を管轄している地方出入国在留管理局へ特定技能の在留資格申請をします。入国管理局へ直接出向いて申請するほか、オンライン申請、もしくはビザ専門の行政書士などに依頼することも可能です。
※参考:在留資格「特定技能」 | 出入国在留管理庁 参考:在留資格「特定技能」 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
在留資格認定証明書は、日本側での在留資格の許可後、後述するネパール労働局や在ネパール日本国大使館での手続きに必要です。内定者本人の自宅へ郵送しましょう。国際郵便はネパールも対応しています。
※参考:国際郵便 | 日本郵便株式会社


海外労働許可証が許可されましたら、いよいよ来日が可能となります。その前に、ネパール側で内定者本人が指定の医療機関での健康診断受診、出国前オリエンテーションの受講、海外労働保険への加入(もしくは海外労働者社会福祉基金への一定額の支払い)といった手続きが必要です。在留資格認定証明書の許可後に行っておいた方が良いでしょう。
企業は、特定技能で外国人を受け入れる際、各特定産業分野に設置された協議会への加入が義務付けられています。新規受け入れの場合は、原則として受け入れ後4か月以内に加入しなければなりません。ただし自動車整備業や製造3分野(素形材・産業機械・電気電子情報関連)は、在留資格認定証明書交付申請の前に加入が必要です。


在留資格認定証明書が届き次第、内定者本人が首都カトマンズにある在ネパール日本国大使館に査証(ビザ)申請をします。
※参考:在ネパール日本国大使館




在ネパール日本国大使館から査証が発給後に、ネパール労働局へ海外労働許可証の申請をします。この際に労働条件通知書の提出も必要となりますので、事前に準備しておくと良いでしょう。
2-2. 日本国内から採用する
日本国内でネパール国籍の方を特定技能人材として雇用する場合、以下のようなステップで手続きを進めるのが一般的です。
受け入れを希望する企業は、ネパール人材と特定技能に基づく雇用契約を結びます。この契約書には、以下のような労働条件を明記する必要があります。
①従事する職種
②勤務時間と休憩時間
③賃金の額と支払い方法
④休日・休暇の取り扱い
⑤社会保険の加入状況
⑥雇用期間の明示
⑨解雇に関する条件
⑩そのほか、労働条件に関する重要事項
契約を結んだ後、ネパール国籍の方は、出入国在留管理庁(入管)に対して「特定技能」への在留資格変更申請を行います。この手続きには通常約2か月程度かかるため、余裕を持ったスケジュールでの申請が重要です。
在留資格の変更が正式に許可されると、特定技能人材として日本国内での就労を開始できます。
在留資格の変更が正式に許可されると、特定技能人材として日本国内での就労を開始できます。
↓下記の関連記事もご参照ください↓




3. ネパール人の採用までに発生する費用
採用までに発生する主な費用は、人材紹介会社を通す場合の紹介料、登録支援機関の支援委託料、在留資格の取得費用、ネパールからの渡航費、住居の手配に関する費用などが挙げられます。
| ①人材紹介会社を通す場合の紹介料 | 1人あたり10~60万円 |
| ②登録支援機関の支援委託料 | 1人あたり月額1.5~3万円 |
| ③在留資格の取得費用 | 12~20万円 |
| ④ネパールからの渡航費 | 時期や航空会社などによって異なる |
| ⑤住居の手配に関する費用(敷金礼金など) | 物件によって異なる |
| ⑥特定技能協議会加入費用 | 加入する協議会によって異なる |
| ⑦送り出し機関 | 機関によって異なる |
▶費用について詳しく知りたい方は「特定技能外国人コスト一覧表」をダウンロードください
関連記事:
特定技能を受け入れる費用一覧|料金表・本人負担可能な費用
3-1. 人材紹介会社を通す場合の紹介料
ネパール現地に住む人を採用したいと思っても、どうやって人を探してくればいいのかわからないという方は多いと思います。そのような場合は、ネパールからの採用に強い人材紹介会社を通して採用するのが一般的です。紹介料に関しては、会社によってまちまちでしょう。
3-2. 登録支援機関の支援委託金
特定技能人材を雇用するには、母国語を使っての事前ガイダンスや定期的な面談などが必要なため、支援を登録支援機関に委託する場合が多いです。この支援委託料も機関によってまちまちです。
↓登録支援機関に関しては、これらの記事もご参照ください↓




3-3. 在留資格の取得費用
自社で特定技能の在留資格を取得する場合は、費用が発生しません。しかしノウハウがない場合は、専門の行政書士事務所に依頼するのが一般的です。費用相場は、行政書士事務所によってまちまちです。
3-4. ネパールからの渡航費
特定技能の場合は、海外からの渡航費も受け入れ企業が負担しなければなりません。
3-5. 住居の手配に関する費用(敷金礼金など)
海外から人材を呼び寄せる場合は寮の有無は非常に重要です。海外からは物件契約が難しいので、寮を希望する人がほとんどです。
↓特定技能人材の住居に関してはこちらの記事で詳しく解説しています↓


3-6. 特定技能競技会加入費用
特定技能で外国人を受け入れる場合、企業は分野ごとに設置されている協議会に加入する必要があります。詳細については、出入国在留管理庁の特定技能ガイドブックの12ページ目に記載がございます。こちらの加入費用も分野によってまちまちです。
※参考:特定技能外国人の雇用を希望する企業・団体・個人等の方 | 出入国在留管理庁
3-7. 送り出し機関
「送り出し機関(Registered Recruiting Agency)」とは、特定技能制度などで外国人材を日本に送り出す際に、出身国側で人材の募集・教育・手続き支援などを担う公的または民間の機関です。ネパールをはじめとする多くの国では、政府が認定した「送り出し機関」が存在し、日本への就労を希望する人材のサポートを行っています。
送り出し機関によって費用は異なります。費用相場は、1名あたり給与額の1か月分程度です。
ネパールからの特定技能人材を受け入れる際には、送り出し機関の利用は任意です。ただし2025年7月以降、ネパール政府は駐日ネパール大使館での求人票(デマンドレター)認証を義務化しました。そのため、ネパール政府が認定した送り出し機関を通じて手続きをすることが推奨されています。
| JJS(Japan Job School)は、ネパールに拠点を持つ送り出し機関で、日本語教育と特定技能試験対策を行う育成学校を運営しています。卒業生徒数は2,000人以上おり、日本企業への人材供給を行っています。詳細は「3分でわかるJapanJobSchool」をご覧ください。 |
\【随時更新中】特定技能や外国人に関する最新ニュースまとめはこちら/
4. 現地採用・国内採用のメリット・デメリット
ネパール人を特定技能で採用するにあたって、現地採用・国内採用で迷うでしょう。ここでは、それぞれの利点・難点を整理したので、自社に適した方法を検討できます。
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4-1. 現地採用のメリット・デメリット
| 外国人の日本語教育はどうすればよい? お悩みの方はこちらをご覧ください。 外国人の日本語教育方法|現状・問題点・日本語レベル・他社事例 |
4-2. 国内採用のメリット・デメリット
5. ネパール人の特徴
ネパール人の文化的背景や性格的な特徴について、採用前に知っておきたいポイントを簡潔に紹介します。




5-1. 人懐っこい性格
ネパール人は、年齢を問わず人懐っこく親しみやすい性格の人が多く、初対面でも積極的に話しかけてくれます。社交辞令ではなく、相手への関心や文化への興味から自然に質問を重ね、相互理解を大切にする姿勢が見られます。
5-2. お祭りが好き
ネパールはお祭りが非常に盛んな国です。ヒンドゥー教と仏教が交わる文化のなかで、毎月のように行事があります。お祭りは、ネパール人にとって家族と過ごす大切な時間です。そのため日本で働いている場合、帰国のタイミングを祭事に合わせることが多い傾向にあります。
5-3. 仕事は楽しむことを大切にしている
仕事に対しては、人生の一部として前向きに楽しむ姿勢を持っている人が多く、熱意を持って取り組む様子が印象的です。真面目に働くなかで意見や提案を持つ人も多いですが、日本語での表現に不安を感じることもあるため、周囲が丁寧に対話を引き出す姿勢が重要です。
5-4. ヒンドゥー教なので食べられないものがある
ヒンドゥー教の影響から牛肉を食べない人が多いので、社員食堂のメニューは工夫が必要です。また一部のカーストや民族では、豚肉や魚も避ける場合があります。事前に食材への配慮をすることが、信頼関係づくりにつながります。
↓宗教的配慮について詳しく知りたい方は、こちらもご参照ください↓


6. ネパール人の就労意識
弊社のネパール校に在籍する生徒たちに、日本での就労に関するアンケート・インタビューを実施しました。 日本での長期的な活躍を視野に入れ、高い目標を掲げる生徒たちの声をぜひご覧ください。
7. よくある質問
ネパール人を採用する際によくある質問をまとめました。
このほかのご質問やネパール人の採用に関するご相談も承っていますので、興味のある方はお気軽にお問合せください。
↓ネパール人についてさらに知りたい方はこちらの記事もお読みください↓


8. まとめ
ネパール人材は、介護・外食・農業などの分野で高い適応力と対人スキルを発揮し、特定技能制度のもとで年々その存在感を増しています。現地からの採用と国内在留者からの採用、それぞれにメリット・デメリットがありますが、どちらのルートでも、信頼できる支援機関や送り出し機関との連携が重要です。
採用にかかる費用や手続きの流れ、在留資格の取得など、初めての企業様にとっては不安も多いかもしれません。だからこそ、経験豊富な専門機関に相談することが、スムーズな採用と定着につながります。
JJSでは、特定技能人材の採用に関する無料相談を随時受け付けています。現地との連携から在留資格の取得、定着支援まで、ワンストップでサポートいたします。
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