特定技能リネンサプライ|人手不足を解消する採用から定着ガイド

執筆者:松里優祐(株式会社JJS 代表取締役)

2027年度、特定技能に「リネンサプライ分野」の追加が決定しました。

本制度を利用すれば、現場の安定した生産体制を支える外国人材の長期雇用が実現可能です。

一方で、ビザの手続きがわからない」、「言語の壁で現場が混乱しないかと不安を抱える担当者様も多いのではないでしょうか。

本記事では、特定技能制度の概要や受け入れ要件から、現場の負担を軽減し、質の高い人材を採用・定着させるための具体的なステップまでを徹底解説します。

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目次

1. 特定技能 「リネンサプライ分野」とは        

2027年に追加予定の「リネンサプライ分野」の基本情報を以下の項目に分けて解説します。

  • 受け入れ見込み人数
  • 従事できる具体的な業務内容と範囲

1-1. 受け入れ見込み人数

政府の公表資料によると、リネンサプライ分野全体における向こう5年間(2028年度末まで)の外国人受け入れ見込み数は、最大で「7700人」と設定されています。

その内訳は以下の通りです。

  • 特定技能1号:4,300人
  • 育成就労:3,400人

特定技能制度には一部の分野を除いて、1機関で雇用できる特定技能外国人数に上限はありません、

1-2. 従事できる具体的な業務内容と範囲

特定技能「リネンサプライ」で受け入れた外国人は、工場内における一連の生産工程全般に幅広く従事させることができます。

具体的な業務は以下の通りです。

【必須業務】(必ず従事させるメイン業務)
仕上げ作業
・機械投入作業
・検品作業
・結束・包装作業
・機械操作作業
・機械メンテナンス作業
・仕上げ作業ラインの管理・指導作業
安全衛生業務

【関連業務】(付随して任せることができる業務)
〇入荷・仕分け作業
〇洗濯作業
〇手投入作業
〇手畳み作業
〇染み抜き作業
〇補修作業
〇出荷準備作業

注意点として、特定技能外国人を「関連業務のみ」に従事させることは禁止されています。あくまで「必須業務(仕上げ作業等)」をメインとしつつ、同じ現場で日本人が行っている清掃や仕分けなどの関連業務も柔軟に任せられる仕組みとなっています。

業務範囲が限定されすぎないため、現場のシフトにも組み込みやすく、即戦力として現場の負担軽減につながります。

出典:法務省「リネンサプライ分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針」

出典:出入国在留管理庁・厚生労働省「特定技能制度及び育成就労制度の受入れ対象分野(新たに追加等を行う分野等)の詳細(案)」

2. そもそも特定技能とは?   

「特定技能」とは、日本国内で深刻化する人手不足を補うために、2019年に新設された就労用の在留資格(ビザ)です。

最大の特徴は、一定の専門性や技能を持った「即戦力」となる外国人を、正社員(直接雇用)として受け入れられる点にあります。

派遣社員としての受け入れは一部の例外(農業分野など)を除き原則認められていません。

現在、特定技能外国人の数は全国的に急増しています。

出入国在留管理庁のデータによると、2025年6月末時点での在留人数は約33万人で、今後も増加傾向が続くと見込まれます。

【新たに4分野追加】特定技能とは?制度や技能実習との違いを簡単に解説

特定技能には「1号」と「2号」という2つの区分があり、在留期間や生活面の条件が異なります。

1号「相当程度の知識又は経験を必要とする技能」を持つ外国人向けの資格です。在留期間は通算で最大5年までと定められており、原則として家族(配偶者や子供)を日本に呼び寄せる(家族帯同)ことはできません。 まずはこの1号からスタートするのが一般的です。
2号1号よりもさらに専門的で「熟練した技能」を持つ外国人向けの資格です。最大の特徴は、在留期間の更新に上限がない(実質的に定年まで永続的な雇用が可能)点と、要件を満たせば家族の帯同が認められる点です。

【最新情報|2025年10月に一部改正あり】特定技能外国人の在留期間は?2号は永続的に在留可能|更新方法についても解説

なお、現在リネンサプライ分野では、特定技能1号のみ創設されました。今後特定技能2号も始まる可能性は高いでしょう。

出典:在出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数令和7年12月末」

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3. 受け入れ企業の要件  

特定技能のリネンサプライ分野で外国人材を受け入れる場合、企業側にも満たすべき厳格な要件が定められています。

企業が満たすべき主な要件は以下の3つです。

  • 業界団体が定める衛生基準等の認定を受ける
  • 「特定技能協議会」へ加入する
  • 特定技能制度の基本ルール(同等報酬など)を遵守する

それぞれ詳しく説明します。

3-1. 業界団体が定める衛生基準等の認定を受ける

受け入れ企業(特定技能所属機関)になるためには、以下の2つの法人のうち、いずれかが定める「基準」をクリアしていることが求められます。

実は、これらの基準は「技能実習2号」で求められる基準と同じです。

すでに技能実習生を受け入れている工場であれば、すでに要件を満たしている可能性が高いです。

日本リネンサプライ協会が定める基準

同協会が定める「リネンサプライ業に係わる洗濯施設及び設備に関する衛生基準」を満たす必要があります。 現場の衛生・安全を保つための全11項目からなります

  • クリーニング師の役割
  • 施設及び設備等
  • 施設、設備及び器具の管理
  • リネン類の管理及び処理
  • 洗剤及び溶剤等の管理
  • 業務の案内書
  • 標準作業書、作業日誌等
  • 作業者の管理
  • 消毒
  • 環境の保全
  • 自主管理体制

医療関連サービス振興会が定める基準

病院や介護施設向けのリネンを扱う場合は、同振興会が定める「寝具類洗濯業務に関する基準」の認定(いわゆるマル適マークの取得など)が必要です。

認定基準の概要は以下の通りです。

  • 経営状態が正常かつ良好であること
  • 継続的なサービスの提供が可能であること
  • クリーニング業法などの関係法令を遵守していること
  • 認定の取消しを受けた事業者にあっては、取消し後2年以上を経過していること。

3-2. 特定技能協議会への加入

特定技能外国人を受け入れる企業は、管轄省庁(厚生労働省など)が設置する「特定技能協議会」への加入が義務付けられています。

【協議会加入の規則】

  • 加入期限: 初めて特定技能外国人を受け入れた日から4ヶ月以内
  • 加入後: 協議会が実施する状況調査や指導への協力が必要
  • 違反した場合: 受け入れ許可が取り消されるなどのペナルティがある

協議会は、業界全体で外国人材の適切な受け入れと保護を図るための機関です。加入を怠ると制度を利用できなくなるため、必ず期限内に手続きを完了させましょう。

【分野別一覧付き】特定技能の協議会とは?加入要件や入会方法、費用など分かりやすく解説

3-3. 特定技能制度の共通要件

「リネンサプライ」分野のルールに加えて、特定技能制度全体で定められている基本的なコンプライアンスもクリアする必要があります。

【主な共通要件】

  • 同等以上の報酬の支払い: 同じ業務を行う日本人従業員と「同等額以上」の給与を支払うこと。外国人であることを理由にした不当な低賃金は禁止されています。
  • 法令の遵守: 労働基準法や社会保険への加入など、過去に重大な法令違反がないこと。
  • 支援計画の実施: 外国人の日常生活や日本語学習をサポートする「支援計画」を確実に実施すること。

自社に多言語対応のノウハウがない場合、上記の「支援計画」を自社のみで行うのは非常に困難です。そのため、実上はこの支援業務全般を「登録支援機関」へ委託することが一般的です。

特定技能外国人の自社支援と委託のメリット・デメリット!登録支援機関なしで採用する流れと必要書類 

出典:一般社団法人「日本リネンサプライ協会」衛生基準認定制度
出典:一般財団法人医療関連サービス振興会「寝具類洗濯業務」

4. 外国人が取得するべき試験  

日本語能力試験に合格し、日常会話や生活、最低限業務に必要な日本語が問題なく運用できることを証明し、さらに技能試験で、即戦力となる基礎的な知識や技能を持っているかが評価されます。

【取得必須の試験】

リネンサプライ分野特定技能1号評価試験(※新設予定)
日本語能力試験(JLPT)N4以上 または JFT-Basic

【特定技能】取得のための「日本語試験」と「技能試験」を徹底解説|試験が免除になる場合も
外国人の日本語レベルってどれくらい?|N4ってどれくらい話せるの?

5. 採用から定着までの流れ

特定技能外国人を募集して採用し、働き始めるまでの一連の流れをわかりやすく解説します。

STEP
事前準備をする

先述した特定技能外国人雇用のための企業要件を満たすことのほかに、給与の計算方法、支払うタイミング、各種手当と福利厚生、昇給や賞与の条件、退職金制度、休暇制度などを、特定技能外国人に具体的に示すことが必要です。

伝えるときに言語の壁を低減するため、「やさしい日本語」の活用やビジュアル素材を利用すると良いでしょう。

「やさしい日本語」のポイント
・ビジネス用語はなるべく日常で使う言葉にする
・文を短くする ・漢字にはふりがなをふる
・時間や年月日の表記をわかりやすくする
・過度な敬語や丁寧語の表現を使わない。

STEP
募集をかける

初めて採用する際には、人材紹介会社や現地の機関を通じて候補者を見つけるのが一般的です。

リネンサプライ分野では、新たに試験に合格した人材のほか、技能実習(クリーニング職種)からの移行希望者も有力な候補となります。

JJSからは日本の労働環境や文化・習慣を理解した人材、つまり長期的に定着しやすい人材を紹介しております。

STEP
面接の実施

応募が来たら日本人同様面接をします。質問は「外国人採用面接質問シート」を参考にしてください。

STEP
雇用契約の締結

特定技能外国人を雇用しようとする場合、必ず

①雇用契約書

②雇用条件書

作成して契約をする必要があります。

特に、雇用する相手が外国人であるということもあり、母国語の併記も必要です。

特定技能の「雇用契約書」「雇用条件書」の作成方法|記入例・雛形ダウンロード付き

STEP
外国人に特定技能1号評価試験と日本語試験に合格してもらう

特定技能の在留資格を取得するには、新設される「リネンサプライ分野特定技能1号評価試験」と「日本語能力試験(N4以上等)」に合格する必要があります。

まずはこの2つを受けてもらうか、すでに合格済みの候補者、または技能実習修了により試験免除となる候補者を採用します。

STEP
特定技能を申請する

すべての要件を満たしたら、特定技能の申請をします。審査の結果、受領されると「在留カード」が届き、正式に日本での就労が認められます。

【完全版】特定技能のビザ申請の流れ・必要書類・費用を徹底解説

STEP
入社前準備をする

最後に、入社前の準備を行います。これらは、特定技能1号外国人に対する支援義務に含まれています。

企業は住居の確保や生活環境の整備をサポートして、外国人が日本での生活をスムーズに開始できるようにしましょう。 また言語学習の支援、文化間コミュニケーションのトレーニングも効果的です。

特定技能外国人「住居支援」とは?コスト削減と人材定着のコツ

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6. よくある質問と注意点

特定技能での外国人材受け入れを検討する際、人事担当者様からよく寄せられる疑問点と注意点をQ&A(一問一答)形式でまとめました。

技能実習や育成就労から特定技能への移行は可能ですか?

はい、可能です。

リネンサプライ分野にはすでに技能実習の「クリーニング職種」が存在します。この職種で3年間の実習(技能実習2号)までを良好に修了した外国人は、特定技能の取得に必要な試験(技能・日本語)がすべて免除され、試験無しで移行できます。

新制度である「育成就労」からも同様の移行ルートが整備される予定です。すでに日本の生活や工場のルールに慣れているため、教育コストを大幅に抑えられる採用ルートです。

【新制度】育成就労制度とは|いつから始まる?特定技能との関係は?

特定技能外国人の賃金はどのように設定すればよいですか?

「同じ業務を行う日本人と同等額以上」に設定することが法律で義務付けられています。

「外国人だから」という理由で不当に低い給与を設定することは、厳格に禁じられています。自社に同じ業務を行っている日本人従業員がいる場合、基本給や各種手当、賞与を含めて、その日本人と全く同じ賃金規定を適用しなければなりません。

【徹底解説】特定技能外国人の給与相場とは?給与・賃金の決め方や注意点について解説

1つの企業が受け入れられる人数に制限はありますか?

一部の分野(介護や建設など)とは異なり、リネンサプライ分野では「1社あたり何人まで」という個別の制限は設けられていません。ただし、第1章で解説した通り、国全体での「受け入れ見込み数(最大7,700人枠)」が設定されています。

業界全体でこの上限枠に達した場合はビザの交付が一時停止される可能性があるため、枠が埋まる前に余裕を持った採用計画を進めることが重要です。

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7.まとめ

特定技能「リネンサプライ」分野で、初めて特定技能外国人を採用しようと考えている企業の方、ぜひ一度 Japan Job School へご相談ください。

弊社では、弊社で教育した外国人材を企業様と何度もすり合わせマッチングさせているため、定着率は97%と業界トップクラスを誇ります。

また登録支援機関として、企業様・外国人双方を一括でサポートしております。

特に特定技能「リネンサプライ」は新しくできた分野ですので我々JJSが丁寧にサポートします。

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この記事を書いた人

松里 優祐のアバター 松里 優祐 代表取締役

株式会社JJS(JapanJobSchool)の代表

主に「特定技能」と「技術・人文知識・国際業務」を対象とした人材紹介と支援を行っており、年間300名以上の卒業生を輩出しています。
「日本人と外国人が一緒に働けてよかったを創る」というミッションを掲げ、外国人には入社前と入社後の授業を提供し、日本企業には外国人理解をしてもらえるきっかけづくりとして、Divershipを運営中。

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