採用する前に知っておきたい韓国人の国民性・特徴・文化をわかりやすく解説!

執筆者:Divership編集部|外国人雇用担当部門

日本のお隣さんであり、交流の深い国「韓国」。日本にも一定数の韓国人が在留しているので人手不足を解消するために外国人の採用を考えている企業では韓国人の採用も視野に入ってくるかもしれません。

韓国は私たち日本人にとってなじみのある国ですが「韓国人」とはいったいどんな人たちなのでしょうか?

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目次

1.日本とのつながりが深い国「韓国」とは

ではまず「韓国」について、基本情報や日本とのつながりを見ていきましょう。

1-1.韓国の基本情報

出典:外務省「大韓民国」

韓国、正式名称「大韓民国」は日本の南西に位置する朝鮮半島の南部に位置し、首都はソウルです。面積は約10万平方キロメートルで日本の約1/4の大きさとなっています。

人口は約5,163万人で、公用語は韓国語です。宗教は仏教徒約762万人、プロテスタント約968万人、カトリック約389万人とばらけています。

気候は日本と非常に似ており、夏は高温多湿で蒸し暑く、冬は乾燥し晴れた日が続きます

参考:外務省「大韓民国 基礎データ」

1-2.韓国の歴史

503年まで朝鮮半島は高句麗、百済、伽耶、新羅の4つの国が存在し、その4つの国のうちの一つ、新羅が初めて朝鮮半島を統一しました。しかし918年、新しく朝鮮北部にできた国、高麗により新羅は滅ぼされました。この高麗という国は朝鮮でコリョと呼ばれており、英語のKoreaの元となったといわれています。

しかし1259年、中国をも支配したモンゴル帝国によって高麗もモンゴル帝国の支配下となりました。そして1368年モンゴル帝国の弱体化に伴い、当時の有力武将の一人であった李成桂がクーデターを起こし、1392年「李氏朝鮮」という国ができ、500年以上続きました。

しかし1894年、日本人にもなじみ深い日清戦争が起こり、朝鮮半島はその戦場となりました。そして日本が勝ったことで李氏朝鮮は国名を「大韓帝国」と改め、次第に日本に併合されていきました。

1945年、日本が第二次世界大戦に敗北し朝鮮半島は独立に向けて動きましたが、その独立には南へ勢力を広げたいロシア(当時はソ連)とそれを阻止したいアメリカが干渉し、朝鮮戦争へと向かうことになります。そして1953年、北緯38度で両勢力は均衡し停戦状態へとなりました。この休戦から70年が経ちますが、いまだ休戦状態が続いています

1-3.日本と韓国の貿易

日本にとって韓国は第4位、韓国にとって日本は第3位の貿易相手国・地域であり、互いに重要な貿易国となっています。では日本はどのようなものを韓国に輸出し、どのようなものを韓国から輸入しているのでしょうか。

韓国への輸出

韓国へ輸出しているものの約40%は機械類が占めています。そのほか鉄鋼やプラスチック、有機化合物や科学光学機器など輸出しています。

韓国からの輸入

韓国からの輸入品目は輸出品目とそう変わりませんが、全体の約11%を石油製品が占めています。

参考:日本貿易会「日本の主な輸出相手国:韓国」

2.在留韓国人の割合

では日本に在留している韓国人はいったいどれほどなのでしょうか?今後の韓国人採用の参考になるように在留資格別の韓国人の割合もグラフにしましたのでぜひご覧ください。

2-1.在留韓国人の数

令和4年6月末の時点で在留韓国人は412,340人で、前年に比べて0.6%増加しました。しかし、在留韓国人の割合は年々少しずつ減り続け、平成24年度に比べて16%減少しています。

ですがいまだ日本に来る外国人のうち韓国人は大きな割合を占めており、716,606人の中国、432,934人のベトナムに続き3番目に多い割合となっています。

2-2.在留資格別韓国人の割合

では在留韓国人はいったいどんな在留資格で日本に滞在しているのでしょうか。その割合をグラフにして表しました。(観光などの短期滞在は含まない)

参考:出入国在留管理庁「令和4年における外国人入国者数及び日本人出国者数等について」

一番多い在留資格は留学でした。留学生は週28時間まででしたら就労が認められているのでアルバイトなどで韓国人を雇うことが可能です。

在留資格「興行」とは演劇、演奏などの芸能活動やスポーツなどの興行の活動を行うためのビザです。「技術・人文知識・国際業務」は技術者や専門家に対して授与される在留資格です。

ですのでもし人手不足解消で韓国人を雇うなら留学生か家族滞在、永住者などの在留資格を持った人がお勧めです。

3.韓国人の国民性・特徴・文化

今後韓国人と一緒に働くなど、少なからず交流をする際に韓国人の国民性や性格を把握しておくと良好な関係を築くことにつながります。

ではさっそく韓国人の特徴をいくつか見ていきましょう。

3-1.自分の見た目を重視する傾向にある

韓国人は自分の見た目を重視する傾向にあります。特に整形に関しては世界的に見ても手術件数が多く、2018年の韓国のネットニュースによると都市部に住む19歳から49歳の韓国人女性のうち5人に1人の割合で整形の手術を受けているそうです。

韓国は儒教の教えが根付いており、韓国人が見た目を意識するのはこの儒教の身体的規範からきていると思われます。日本では「顔より心」とされますが、韓国では「心がきれいな人は顔も美しい」とされ「形の美=内面美」とされています。

参考:韓国と日本の美意識比較

3-2.流行に敏感

日本人も流行に敏感ですが、韓国人も負けじと劣らず最新のトレンドや流行に敏感です。やはりそれにはSNSの高い利用率も理由のうちの一つであると考えられます。

韓国のSNSユーザーは人口の91.2%に相当し、非常に高い割合になっています。

参考:韓国の2022年のデジタルマーケティングトレンド

3-3.男性は女性におごったり多めに払う場合もあるが時と場合による

男性が女性に献身的なイメージの韓国ですが、男女で食事に行った際は必ずしも男性が女性に奢るわけではないそうです。この辺は日本人と感覚が似ていますが、何か特別な日であれば男性が奢りますが、普段の日は時と場合によります。

また、男性が食事をおごるのは基本的にはお付き合いしている人に対してだそうです。

3-4.家族は大切にするがつながりはそこまで強いわけではない

世界的にみると家族は絶対的な存在であったり、家族になんでも相談するなどつながりを大切にしている国もありますが、核家族だったり個人主義の人が増えてきたことから家族は大切にしつつも強いつながりがあるかといわれるとそうでもないみたいです。

感覚としては日本人の家族との距離感と似ているかもしれません。

3-5.仕事でもプライベートでもスピードを重視する

韓国人は仕事でもプライベートでも「スピード感」をとても意識し、何であっても速いことを好みます。

例えば返信が速かったり、歩くスピードが速かったりなど。またレストランで食事が提供されるのが遅いと韓国人はとても気にする傾向にあります。

仕事においても、「急がば回れ」ということわざがある日本と比べて、韓国人はどんな仕事でもスピード感をもってこなすので、韓国人と仕事をする際は互いに仕事に対するスピードを調整することが必要かもしれません

3-6.上下関係を重視する

この文化も日本と似ており、韓国人は1歳でも年齢が上であれば敬語を使います。ちなみに韓国語でも敬語は「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類あり、使い分けされています。

これも儒教の年長者や社会的地位が高い人を敬うという文化が根付いているので、日本より上下関係は徹底されているかもしれません。

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4.韓国人を採用するメリット

4-1.日本語を勉強していた人が多い

韓国では1972年の朴大統領の指示により、1973年から高等学校で日本語が第二外国語科目の一つとして導入されました。また中学校においても2001年から第二外国語の一つとして教育が始まりました。

それ以来韓国での日本語学習が続いていますが、韓国での日本文化の人気や地理的に近く、旅行に行きやすいことから日本語は第二外国語としても人気が高いそうです。国際交流基金による2018年の調査では531,511人が学校や学校以外で日本語を勉強しているというデータがあり、特に高等学校では第二外国語の中で日本語を履修する人が最も多いというデータがあります。

ですので韓国人は日本語が堪能な人が多く、それはコミュニケーションをとるうえで重要な要素となるでしょう。

参考:国際交流基金ー韓国(2020年度)

4-2.日本の文化に興味がある人が多い

上の章でも少しお伝えしましたが、韓国人はアニメや漫画をはじめ日本の文化に関心がある人が多いです。

それを裏付けるものとして、日本政府は2022年10月から新型コロナの規制を緩和し、ビザなしでも外国人が入国できるようになりましたが、その時韓国では日本旅行の人気が爆発し、同年8月に比べて500%まで急増しました。令和4年の統計調査では日本に観光目的で来る外国人の中で韓国人がダントツで多く、826,784人もの人が日本に観光で訪れました。

外国人と働く上でやはり文化の違いによりトラブルが起きやすいですが、このように日本の文化に関心を持ってくれるとお互いに合わせることができるのでこちらも重要なポイントになるでしょう。

参考:出入国在留管理庁「令和4年における外国人入国者数及び日本人出国者数等について」

4-3.年上の人に対するマナーが日本人と似ている

韓国人の国民性の項目でもお伝えしましたが、韓国は日本以上に上下関係が厳しいです。英語など、ほかの言語では敬語というもの自体があまりない言語もありますが、韓国語は日本語と同様に敬語がしっかりあるので、韓国人と働く際日本の上下関係にも合わせてくれるでしょう。

またマナーにおいても、目上の人が食べ始めるまで食事に手を付けてはいけないなど、日本人のマナーと非常に似ています。

4-4.韓国進出の足掛かりになる可能性がある

また、韓国人を多数雇うことで韓国進出への足掛かりとなる可能性があるでしょう。日本貿易復興機構(ジェトロ)の調査によると、韓国進出した企業の約85%が黒字化に成功しており、これはほかの国に比べてダントツで高いです。

また、すでに900社以上の日系企業が韓国に進出しており海外へ進出するにはハードルが比較的低いといえるでしょう。

参考:2021年度海外進出日系企業実態調査 韓国編

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5.韓国人を採用するには?

では実際どのように韓国人を採用できるのでしょうか。流れに沿ってご説明します。

5-1.韓国人材を見つける

求人サイトを利用する

韓国人を含む外国人を雇う際は求人サイトや求人サービスを介して応募をかけることが一般的です。最近ではLinkedInやwantedlyなどの海外にも展開している求人サイトを活用している企業も増えています。

募集をかける費用は少なくて済みますが、応募者の幅が広いので希望通りの人材が見つからない場合もあるので注意が必要です。

人材紹介会社を利用する

人材紹介会社を活用すれば、求める人物像に近い外国人を集めてくれます。また、紹介会社が在留期限やビザ該当性を必ずチェックしてくれるため不法就労を助長するリスクが低い点がメリットです。

さらに、人材紹介会社を活用する際には母国語での対応をしているかを確認した方がいいと思いますそのような紹介会社を活用することで外国人が雇用条件や就業環境を母国語で誤解なく説明することができるので入社後のトラブルに発展しにくいというメリットがあるからです。

自社のホームページやSNSで募集をかける

同時に自社のホームページやSNSでも応募をかけましょう。最近では積極的にSNSを投稿している企業も少なくなく、応募者もSNSでその企業を知ったり、さらに調べる人も多いでしょう。

また、ホームページやSNSが充実していると応募者側も親近感を覚えやすいのでできる限り充実させることが重要です。

5-2.在留資格を確認する

応募者を見つけたらまず在留資格を確認しましょう。基本的に在留資格で認められてる範囲内でしか就労することができず、それを無視して働かせると不法になってしまうので注意が必要です。

アルバイトの場合

韓国人は留学で日本に来る人が多いので、日本でアルバイトを探している人も一定数いるでしょう。基本的にアルバイトができる在留資格は「留学」か、「特定活動」の中のワーキングホリデー、「文化活動」や「家族滞在」などがあります。

ここで注意しなければいけないのが、在留資格「留学」などにおいて就労制限があるということです。留学では週に28時間までしか働くことができないので、それを超えないように気を付けましょう。

ちなみに永住者や定住者、日本人の配偶者等はアルバイトと正社員どちらでも就労可能です。

正社員の場合

韓国人は「興行」や「技術・人文知識・国際業務」、「企業内転勤」の在留資格を持っている人が一定数いますが、このような人たちは正社員として働いてもらうことが可能です。

また数は多くないですが、「経営・管理」「教授」「医療」「高度専門職」などの資格を持っている人も正社員として働くことができます。

5-3.雇用契約の締結

アルバイトの場合

採用までは日本人と同じです。求人サイトや人材紹介会社を介して募集をかけ、応募者に対し履歴書選考や面接を実施します。採用後も日本人と変わらず日本の法律が適用されます。

日本人と異なる点は採用時・退職時にハローワークへ届け出を提出する必要があります。

外国人のアルバイト採用はこちらで詳しく解説しているのでぜひご覧ください。

正社員の場合

韓国人を含む外国人を採用する場合採用前の第一歩として、まず雇用契約書、労働条件通知書などの書類の作成を行います。その際、外国人に書類の内容を理解させるために外国人の母国語で書類を作成したほうがようでしょう

次に所持しているビザのままでは入社できない外国人を採用した場合、外国人のビザ変更申請をする必要があります。

入社後は外国人の保険や年金の手続き、ビザの更新を行います。

こちらの記事で詳しく解説しているので気になった方は参考にしてみてください。

6.韓国人を採用する際の注意点

6-1.兵役に注意する

韓国では満18歳以上の男性に対して、特別な理由がない限り兵役が義務付けられています。韓国の歴史の項目でもお伝えしましたが、韓国は北朝鮮との朝鮮戦争が休戦状態となっているので再開するときに備えて徴兵制を敷いています。兵役は陸軍、空軍などの軍にもよりますが約2年で、多くの人は大学生のうちに休学して軍に入隊するそうです。

ですのでもし韓国人の若い人材を長期的に採用する場合はこの兵役を受けたかどうか確認する必要があるでしょう。

参考:島根大学|外国語教育センター「韓国の徴兵制度について」

6-2.給与面

これは韓国人に問わずすべての外国人に共通することですが、外国人に対する給与は日本人と同等かそれ以上にしなければなりません。

ですので、外国人を安い労働力とみなして採用することはできないということに注意してください。

7.まとめ

以上韓国人の国民性や特徴をはじめ、韓国人を採用するにあたっての必要な情報を述べていきましたがいかがでしたでしょうか?

弊社では特定技能をはじめ、多くの外国人とその企業様を支援しています。

外国人をまだ採用したことない、採用したいけどビザやその他手続きをどうしていいかわからないなど、何かお困りなことがあればぜひ気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

主に「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」「外国人マネジメント」「企業・外国人インタビュー」などの情報をこれから外国人を採用したい企業様向けに発信しています。編集部は外国人の人材紹介と支援を行っているJapanJobSchoolの社員で構成されており、専門家ならではの視点からお届けします。

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