【全46種類】在留資格「特定活動」とは?指定書の確認方法、申請書類までわかりやすく解説!


執筆者:Divership編集部|外国人雇用担当部門

現場の人手不足を解消するために、外国人採用を考える企業様は少なくないでしょう。そこで在留資格のひとつである「特定活動」について知りたい、と思われるかもしれません。

特定活動は、ワーキングホリデーやインターシップにおける雇用でも申請できる在留資格です。また要件を満たすと大学を卒業した留学生に、サービス業や製造業に従事してもらうこともできます。申請できる特定活動は豊富にあるため、目的に合った項目が見つかるかもしれません。

この記事では特定活動とは何か、種類一覧、雇用する際の注意点についてまとめました。外国人採用の可能性を広げるためにも、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

1.「特定活動」とは?

外国人の従業員を採用する場合、日本に滞在する期間や活動内容を決める在留資格が必要です。ここでは、在留資格のひとつである「特定活動」について説明します。

特定活動を取得できるのは、ワーキングホリデーを利用している外国人や、外国人看護師・介護福祉士候補者、家事使用人、日系四世、起業家などが挙げられます。

1-1.特定活動外国人数

※参考:「外国人雇用状況」の届出状況表一覧(令和4年10月末現在)|厚生労働省

厚生労働省のデータによると、「特定活動」を取得している外国人労働者の数は増えています。平成30年では3万5,615人だったのが、令和4年では7万3,363人に増えております。つまり4年間で、3万7,748人分も増加していることがわかりました。

他の在留資格で外国人を雇用するのが難しい場合は、「特定活動」に該当しないか確認してみましょう。特定活動にはさまざまな種類があるので、取得可能な項目が見つかるかもしれません。

1-2.種類別外国人数

ワーキングホリデー18,955人                
定住者17,781人
その他13,435人
日本人の配偶者等10,766人
永住者の配偶者等1,994人
家事使用人158人
アマスポーツ97人
利益代表職員52人

※:データセット一覧|政府統計の総合窓口

現在、特定活動の在留外国人は主に「ワーキングホリデー」「定住者」「日本人や永住者の配偶者」に該当する者です。しかし、実際に利用されている活動の他にも種類が豊富にあります。

例えば企業様向けの特定活動としてインターシップ、サマージョブ(学生が長期休暇を利用して企業で働く)、スキーインストラクターなども挙げられます。また留学生を大学卒業後に採用したい場合、汎用性の高い「特定活動46号」も検討してみましょう。特定活動46号は要件を満たすと、一般的なサービス業や製造業に従事してもらうことができます。

1-3.在留期間

特定活動の在留期間は、特定活動の種類や内容によって異なります。一般的には5年・3年・1年・6か月・3か月、または5年を超えない範囲で法務大臣が指定する期間です。

【活動内容別の在留期間一例】
ワーキングホリデー:最長1年(一部国では18か月間)
EPAに基づく外国人看護師(看護師候補者):最長3年
介護福祉士候補者:最長4年

特定活動の在留期間は、出入国在留管理庁の審査によって決まります。在留期間が切れる前に更新申請をすることで、規定の範囲内で在留期間の延長が可能です。

※:在留資格「特定活動」|出入国在留管理庁
  EPA(経済連携協定)に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れ|総務省
  インドネシア、フィリピン及びベトナムからの外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れについて|厚生労働省

2.「特定活動」の種類一覧

特定活動の在留資格は、大きく分けて3つに分類できます。ここではその分類と、特定活動の内容を見ていきましょう。

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2-1.出入国及び難民認定法に規定されている特定活動

出入国及び難民認定法(以下、入管法といいます)とは、外国人の出入国や在留に関する法律です。入管法では、以下の3つの特定活動が規定されています。

特定研究等活動研究機関において、研究や教育、指導をする活動(研究活動における事業経営も含まれる)
特定情報処理活動自然科学や人文科学に関する技術、情報処理の業務に従事する活動
特定研究等家族滞在活動及び特定情報処理家族滞在活動上記2つに該当する外国人の扶養を受ける配偶者や子ども

※上記3つの在留期間は5年です

2-2.告示特定活動

告示特定活動とは、法務大臣が告示として指定している特別な活動です。現在では、以下のような活動が含まれます。自社に関する項目、雇用したい外国人に関する項目をご覧ください。

【在留資格「特定活動」告示一覧】

告示1号・告示・2号・告示2号の2
家事使用人(外交官や領事館)/高度専門職・経営者等の家事使用人
告示10号
イギリス人ボランティア
告示34号
高度専門職外国人又はその配偶者の親
告示42号
製造業外国従業員受入事業における 特定外国従業員
告示3号
台湾日本関係協会職員とその家族
告示12号
サマージョブ(長期休暇を利用して業務に従事する)
告示35号
外国人造船就労者(船舶の製造や修理など)
告示43号
日系四世(日本から各国に移住した日本人の第四世代)
告示4号
駐日パレスチナ総代表部職員とその家族
告示15号
国際文化交流に参加する大学生
告示36号
特定研究等活動(特定の分野に関する研究・指導・教育など)
告示44号・告示45号
外国人起業家とその配偶者
告示5号・告示5号の2
ワ-キングホリデー/台湾人のワーキングホリデー
告示16~24号、27号~31号
インドネシア、フィリピン、ベトナム 二国間の経済連携協定(EPA) 看護師・介護福祉士関係
告示37号
特定情報処理活動(情報システムの構築・保守・管理・運用など)
告示46号・告示47号
日本の大学卒業者とその配偶者等(特定活動46号は、日本語能力を活用し、技術・文人文知識・国際業務の現業にも従事できる)
告示6号・告示7号
アマチュアスポーツ選手とその家族
告示25・告示26号
医療滞在とその同伴者
告示38号
特定研究等活動家族滞在活動(36号、37号の活動で在留する者に扶養される配偶者や子)
告示48号・告示49号
東京オリンピック関係者とその配偶者
告示8号
国際仲裁代理(外国人弁護士)
告示32号
外国人建設就労者(東京オリンピック・パラリンピックのための時限措置)
告示39号
特定研究等活動等の対象となる外国人研究者等の親
告示50号
スキーインストラクター
告示9号
インターンシップ
告示33号
高度専門職外国人の就労する配偶者(研究や技術、国際業務などに携わる者の配偶者)
告示40号・告示41号
観光、保養を目的とする長期滞在者 とその同伴者
 

告示特定活動は、国内の情勢に応じて変動します。例えば2021年にはミャンマーでクーデターが発生したため、緊急非難措置としてミャンマー人の在留・就労を許可していました。

「特定活動」で外国人の採用を検討する場合は、法務省のホームページで最新の情報をチェックするようにしましょう。

※:在留資格「特定活動」告示一覧表|法務省
  在留資格「特定活動」|出入国在留管理庁
  本国情勢を踏まえた在留ミャンマー人への緊急避難措置(改訂)|出入国在留管理庁

2-3.告示外特定活動

「特定活動」に当てはまらなくても、特別な事情により日本での滞在が許可されるケースもあります。以下の3つは「告示外特定活動」として、法務大臣が個別に認めた活動です。

就職活動就職先が決まっていない留学生の就職活動
高齢になった親の呼び寄せ日本に在留している外国人の「高齢になった親」の呼び寄せ
在留資格更新「不許可」による出国準備更新手続きで不許可になったが、業務契約の都合で出国できない場合、数か月の猶予期間が与えられる

3.在留カードと指定書の確認を忘れずに

外国人の雇用を進めるうえで、企業様は在留カードと指定書を確認しなければなりません。「本当に雇用できる外国人なのか」「どのくらい就労できるのか」を確かめるために、ここではチェックするべき項目についてまとめました。

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3-1.在留カードの確認

外国人を採用する際、在留カードの「ポイント1」と「ポイント2」の項目を確認しましょう。

【ポイント1】 下記の画像にある、むらさきの矢印の欄を確認します。

  • 「就労不可」の記載がある場合・・・原則雇用はできませんが、在留カード裏面の「資格外活動許可欄」を確認する
  • 一部就労制限がある場合・・・制限内容にある次のいずれかの記載を確認する
  1. 在留資格に基づく就労活動のみ可
  2. 指定書により指定された就労活動のみ可(在留資格「特定活動」)

 ※2については、法務大臣が個々に指定した活動等が記載された「指定書」を確認してください  
 ※「就労制限なし」の記載がある場合は、就労内容に制限はありません

【ポイント2】

裏面では下記の画像にある、みどりの矢印の欄を確認してください。

ポイント1で「就労不可」に該当する場合でも、裏面の「資格外活動許可欄」で次のいずれかが記載されていれば就労できます。

  1. 許可(原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く)
  2. 許可(資格外活動許可書に記載された範囲内の活動)

 ※2については資格外活動許可書を確認してください

引用:「在留カード」はどういうカード?|出入国在留管理庁

在留カードについてさらに知りたい方はこちらの記事で詳しく解説しているのでぜひご覧ください

3-2.指定書の確認

※:外国人雇用状況届による特定産業分野の把握について|厚労省

特定活動の在留資格を持つ方は、就労制限に注意してください。在留カードに「指定書により指定された就労活動のみ可」と書かれている場合は、パスポートに貼られている指定書をチェックしなければなりません。

指定書には、「どのような活動ができるか」や「どのくらい働けるか」などの条件が記されています。指定書の内容に従わないと、不法就労となる恐れがあるので注意しましょう。

【指定書の記載例】

  • 就労できる場合:「旅行資金を補うため必要な範囲内の報酬を受ける活動」
  • 就労できない場合:「就職活動及び当該活動に伴う日常的な活動(収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を除く)」

4.特定活動で外国人を雇用する際の申請書類

特定活動の認定を受けるには、申請書類を用意しなければなりません。申請する際、主に必要になるのが「申請書」「写真(縦4cm×横3cm)」「返信用封筒(簡易書留用404円の切手付き)」です。それらに加えて、活動内容に応じた必要書類をそろえましょう。

必要な書類は、出入国在留管理庁のホームページより確認できます。雇用する外国人に当てはまる項目を確認してみてください。

例えば「インターシップ」の場合は、以下の書類が必要です。

【インターシップで雇用する場合の必要書類】
・在留資格認定証明書交付申請書(1通)
・申請人の在学証明書
・在籍している大学と日本の受け入れ機関とで交わした契約書の写し(インターシップに関する契約)
・単位取得等教育課程の一部としてインターシップを実施する旨を証明する資料
・日本での活動内容・期間・報酬などの待遇を記した資料(1通)
・申請人のインターシップで在留した方は、在留歴の資料
・在籍する大学での修業年限を記した資料

※その他ガイドラインの規定に沿って資料を用意する

※:在留資格「特定活動」(インターンシップ・サマージョブ・国際文化交流)|出入国在留管理庁

5.特定活動ビザ更新の手続きについて

「特定活動」で雇用している外国人に継続して働いてもらう場合、在留期間の更新が必要です。そのため在留期間の満了日を迎える前に、「在留期間更新許可申請」をしましょう。

更新するための必要書類は、活動内容によって異なります。共通で必要になるのが「在留期間更新許可申請書」「写真」「パスポート」「在留カード」「更新手数料(4,000円)」です。更新申請の概要は以下をご覧ください。

【在留期間更新許可申請】

申請期間在留期間の満了する日以前 ※在留期間が6か月以上ある方は3か月前から申請できる
申請者本人、代理人(法定代理人)、取次者
標準処理期間2週間~1か月
必要書類出入国在留管理庁のホームページの「申請書・必要書類・部数」の項目に記載あり

※:在留期間更新許可申請|出入国在留管理庁

在留資格の期限が切れると、継続で雇用したくても一度出国してもらわなければなりません。ご本人にも負担がかかるため、更新手続きを忘れないようにしましょう。

6.特定活動ビザで採用する際の注意点

特定活動で外国人を雇用する場合は、申請書類だけでなく、就労制限や申請期間などにも注意が必要です。不法就労や期限切れを防ぐために、注意点について読み進めてみましょう。

5-1.就労制限に注意する

「特定活動」で許可される活動内容や在留期間は、種類によって異なります。パスポートに貼られている指定書をよく読み、「収入を受ける活動を除く」といった記載がないか確認しましょう

また就労時間の制限にも注意が必要です。「原則28時間以内の就労」と記載がある場合、1週間の稼働時間が規定を超えないようにします。

5-2.更新する際は余裕をもって申請する

在留カードには、在留期間や有効期限が記されています。日本で継続して働いてもらうには、在留期間の満了日までに更新の手続きをしなければなりません。更新の申請では必要書類を集めたり、「特定活動」の条件をあらためて確認したりします。スムーズに手続きが進まない可能性にも考慮して、余裕をもって申請しましょう

6.まとめ

特定活動への理解を深めると、他の在留資格では難しい場合でも、外国人を雇用する可能性が広がります。ただし種類が豊富にあるので、該当する活動を探したり必要書類を用意したりするのに手間だと感じるかもしれません。

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