【2026年最新】入管法改正ポイントと、定着率93.6%を実現するJJSの支援方法

執筆者:井上道夫(行政書士井上法務事務所所長)

日本の外国人材受け入れは、今まさに歴史的な転換点を迎えています。2024年に成立した「育成就労制度」の創設や特定技能の拡大、さらには2026年に発表された最新の手数料改定案など、企業が押さえるべきルールはより複雑化しています。

しかし、多くの現場が直面している真の課題は、言葉や文化の違いから生じる日本人スタッフとの「目に見えない壁」です。入管法改正は単なるルール変更ではなく、外国人材を「一時的な労働力」ではなくともに現場を支える「プロの同僚」として迎え入れ、本当の意味で「ワンチーム」になれる絶好の機会です。

この記事では、改正法の重要ポイントを整理するとともに、現場の摩擦を解消し、入社1年後の定着率93.6%を実現するための具体的なアクションを解説します。

目次

1. 入管法とは?                

入管法(出入国管理及び難民認定法)は「外国籍社員を雇用する際のルールブック」となります。法務知識がない方でも流れを掴めるよう、基礎知識と歴史的背景をまとめました。

1-1. 入管法とは

入管法(正式名称:出入国管理及び難民認定法)は、日本に出入国するすべての人の管理や、外国人が日本に在留するためのルールを定めた法律です。

企業が外国人を雇用する際、特に重要となるのが以下の3点です。

  1. 在留資格の決定
    外国人が日本で「どのような活動(仕事など)ができるか」を定める
  2. 上陸・在留中の手続き
    ビザの発給や、在留期間の更新・変更、住所変更・氏名変更の手続き
  3. 退去強制のルール
    不法就労や資格外活動など、ルールに違反した場合の罰則や強制送還の手順

1-2. 入管法の歴史・過去の変更点         

入管法は1951年(昭和26年)に公布されて以来、日本の社会情勢や労働市場の変化に合わせて、何度も大きな転換点を迎えてきました。

これまでの歴史を振り返ると、単なる「出入国の管理」から、「労働力の確保」や「適正な在留管理」へと目的がシフトしてきたことがわかります。

1951
入管法の公布 出入国管理体制の整備

第二次世界大戦後の出入国管理体制を整備。現在の入管法の原型となる法律が制定された。

1982
難民条約への加入 難民保護

条約加入に伴い「難民認定」制度を規定。韓国・朝鮮・台湾の方の「特定永住権」も認定された。

難民認定制度の新設特定永住権
1990
在留資格の整理・罰則強化 不法就労対策

バブル期の不法就労急増を受け「不法就労助長罪」を新設。日系人(主に南米系)の受け入れも拡大された。

不法就労助長罪日系人受け入れ拡大
2009
在留カード交付・技能実習の創設 制度整備

在留外国人に在留カードを交付する制度を導入。在留資格「技能実習」の創設、「留学」と「就学」の統合も実施。

在留カード技能実習留学・就学の統合
2012
在留カード制度の本格導入 管理一元化

従来の外国人登録制度を廃止。法務大臣が在留状況を一元的に把握する体制へ移行した。

外国人登録制度の廃止在留管理一元化
2014
高度人材の優遇と在留資格の再編 大規模改正

「高度専門職」の在留資格を正式創設。従来の「技術」と「人文知識・国際業務」を統合。「投資・経営」を「経営・管理」に変更し、投資なしでも経営実態があれば認められるよう要件を緩和した。

高度専門職 技術・人文知識・国際業務 経営・管理 PNR情報規定
2019
「特定技能」の新設 単純労働の解禁

深刻な人手不足に対応するため、単純労働を含む分野での外国人就労を初めて解禁。特定技能1号・2号の2種類が創設された。

特定技能1号特定技能2号14業種対象
2024
「育成就労制度」の創設 最新改正

問題の多かった技能実習制度を廃止し、人材確保・育成を目的とした「育成就労」へ移行。送還ルールの適正化も合わせて実施された。

技能実習の廃止育成就労送還ルール適正化

2. 入管法改正によって生じた変更点|2024                

2024年(令和6年)6月に成立した改正入管法等は、日本の外国人材受け入れ制度を根本から変えるものです。これまでの「実習」という建前を廃止し、実態に即した「確保・育成」へと舵を切りました。

2-1. 改正にあたって重点をおいたこと

今回の改正の根底には、日本が外国人材から「選ばれる国」になり、ともに安全に暮らせる共生社会を実現するという強い目的があります。

外国人の人権保護
技能実習制度で問題視されていた不当な拘束を解消するため、一定の条件下で「転籍(転職)」を認め、労働者としての権利を保護
キャリア形成
日本で習得した技能を段階的に評価し、長期的なキャリア形成を支援する仕組み(育成就労から特定技能へのスムーズな移行)をつくる
安全安心・共生社会
ルールを守って生活する外国人の在留をしっかりと支える一方で、悪質なルール違反には厳しく対応。日本人と外国人が、お互いに信頼して安全に暮らせる社会づくりを目指す。

※参考:入管法 改正法の概要|法務省

 2-1-1. 育成就労の創設

「技能実習制度」を抜本的に解消し、新たに「育成就労制度」が創設されます。

前制度の技能実習では、人材育成を通した国際貢献が目的だったため、実習修了後は帰国するのが基本でした。しかし育成就労制度の場合、修了後には特定技能1号への移行がスムーズになる仕組みです。

 同一の機関(会社)で一定期間(1〜2年間の範囲内で分野ごとに設定)就労し、日本語や技能の要件を満たせば、本人の意向による転籍も可能です。企業には、人材を惹きつけ続ける「職場環境の質」が問われるようになります。

育成就労についてはこちら

 2-1-2. 特定技能制度の拡大

育成就労からの正当なステップアップ先として、特定技能制度も強化されています。従来までの12分野に、4分野を新設し、さらに既存の「製造業」に「紙製品製造」などを追加・再編することで、実質的に合計16分野となりました。

育成就労から「特定技能1号」、さらに熟練した「2号」へと進むことで、家族の帯同や将来的な永住権取得も視野に入れた、長期的な雇用が可能となります。

特定技能16分野についてはこちら

※:特定技能の受入れ見込数の再設定及び対象分野等の追加について(令和6年3月29日閣議決定)

 2-1-3. 永住許可制度の厳格化

受け入れの間口を広げる一方で、公的ルールを守らないケースへの対応が強化されました。

今回の改正では、永住者が故意に税金や社会保険料の納付を怠った場合、永住許可を取り消すことができる規定が設けられています。また、窃盗などの罪で懲役や禁錮に処された場合も、取り消しの対象となります。

企業には、雇用する外国人が適切に社会保険へ加入し、納税できるようサポートすることが求められます。こうした適切な労務管理が、社員の大切な在留資格を守ることに直結します。

日本の永住権取得についてはこちらの記事

 2-1-4. 不法就労助長罪の厳罰化

不適切な雇用形態や、ルールを無視した労働環境の提供に対する罰則が引き上げられました。就労を許可されている在留資格なのか、確認が必要です。例えば観光の在留資格で訪れた外国人は、日本で働けません。また、留学や家族滞在は許可を得ても週28時間までしか働けません。

改正にともない、外国人を不法に働かせた雇用主などに対する罰則(懲役・罰金)の限度額が大幅に引き上げられます。「知らなかった」では済まされないため、在留カードの確認や適切な業務範囲の徹底など、企業のコンプライアンス意識がさらに重要になります。

不法就労・在留カードについてはこちら

 2-1-5. マイナンバーカードと在留カードの一体化         

手続きの利便性を高めるためのデジタル化も進みました。希望者は、マイナンバーカードと在留カードを1枚にまとめることが可能になります。

住所変更や更新手続きなどの行政手続きがオンラインで完結しやすくなり、外国人本人と企業の双方にとって事務負担の軽減が期待されています。

※出典:改正法の概要(マイナンバーカードと在留カードの一体化)

外国人のマイナンバーについてはこちら

3. 企業に求められるアクション  

2024年の改正法成立から、2027年までの施行に向けて、企業は「ただ待つ」のではなく、段階的な準備が必要です。特に「育成就労」は、従来の技能実習とは全く異なる発想での対応が求められます。

以下のチェック表を確認しながら、改正にともなう具体的なアクションをしましょう。

3-1. 2025年:情報の精査とパートナーの再選定

この1年は「ルール変更の見極め」と「予算の確保」が重要です。

3-2. 2026年:法務体制の刷新と定着支援の強化

施行1年前となるこの時期は、社内のバックオフィス体制を整えるフェーズです。

3-3. 2027年:新制度の本格運用と「選ばれる企業」への転換

いよいよ新制度がスタートします。制度を「守り」ではなく「攻め」に活用しましょう。

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4. 入管法改正のメリット  

2024年の改正法成立により、外国人材の受け入れは「一時的な労働力の確保」から「長期的な戦力化」へと大きく進化しました。企業にとってのプラス面を4つまとめました。

4-1. 長期雇用の実現(特定技能2号への道)

「育成就労(3年間) → 特定技能1号(最大5年間) → 2号(制限なし)」というキャリアパスが一本化されました。特に「2号」になれば在留期間の制限がなくなり、家族帯同も可能になります。「せっかく育てたのに帰国してしまう」という喪失感から解放されるでしょう。コスト・時間をかけて育てた人材に、10年、20年と長期で働いてもらうことが現実的になりました。

これからは外国人材を「数年間の労働力」ではなく、次世代の現場を支える「リーダー候補」や「将来の幹部」として育成し、ともに成長していくビジョンを描くことができる

4-2. 日本語能力の高い即戦力の確保

育成就労制度では、入国時に一定の日本語レベルが求められるようになります。これにより、何度も同じ指示を繰り返すといったストレスは大幅に軽減。現場でのコミュニケーションミスが減ることで、指導コストの削減や日本人スタッフとのスムーズな連携も期待できるでしょう。

スムーズな意思疎通は、現場の安全性を高めるだけでなく、日本人スタッフの教育負担を減らし、職場全体の士気を高めることにも繋がる

4-3. コンプライアンス企業の優遇

不法就労助長罪の厳罰化などにより、不当な低賃金で働かせるような悪質業者が淘汰されます。法令を遵守する「ホワイト企業」にこそ人材が集まり、正当に評価される市場環境へと適正化が進みます。

誠実に外国人材と向き合う姿勢こそが、これからの人材獲得競争における最大のブランド力になります。ホワイトな雇用環境をアピールしてける

4-4. 幅広い業務への従事(マルチタスク化の実現)

従来の「技能実習」では、特定の単純作業に業務が厳しく制限されていました。新設される「育成就労」や「特定技能」だと、各産業分野(例:建設、飲食料品製造など)における付随業務や関連業務にも日本人と同様に従事させやすくなります。「これは実習生の仕事、これは日本人の仕事」と線を引く必要はありません。現場の状況に合わせた柔軟な人員配置が可能になり、生産性の向上が期待できます。

分野内の多角的な業務を任せることで、現場の適材適所が実現し、日本人スタッフとの「不公平感」も解消される。本当の意味での「ワンチーム」で現場を回せる環境が整う

5. 入管法改正の注意点

ここでは、企業にとって新たに生じる責任やリスクを整理します。

5-1. 転籍・早期退職のリスク

新設される「育成就労」では、一定の要件を満たせば本人の希望による転籍(転職)が可能です。企業は、教育した人材が他社へ流出しないよう、賃金水準や良好な人間関係など「ここで働き続けたい」と思わせる環境づくりが求められます。

定着率を上げる方法はこちら

5-2. 永住許可の取り消し規定への対応

永住者が税金や社会保険料を「故意に」納付しない場合、永住許可が取り消される仕組みが導入されました。企業は、雇用する外国人が適切に納税・加入できるようサポートすることが、彼らの在留資格(=自社の戦力)を守ることに直結します。

外国人労働者のなかには、「手取り額を増やしたい」という理由で社会保険加入を渋ったり、扶養控除を過剰に申請したりするケースがあります。

企業ができる対策としては、給与天引き(特別徴収)や、「公租公課(税金・保険料)」の納付状況の定期確認が有効です。また入社時のオリエンテーションや社内研修で、「日本の税金・保険制度の仕組み」と「在留資格への影響」を母国語の資料で説明するのも効果的です。

5-3. 不法就労助長罪の厳罰化

罰則が「5年以下の拘禁刑、500万円以下の罰金」へ引き上げられました。意図的でなくとも、在留カードの確認不足などの「過失」が処罰の対象になることもあるため、採用時の法務チェックをこれまで以上に徹底する必要があります。  

令和6年入管法等改正法について

不法就労助長罪についてはこちら

6.【2026年最新】入管法改正案            

2026年3月10日、政府は入管法改正案を閣議決定しました。今回の改正は、在留外国人数が約413万人(2025年末時点)と過去最多を更新するなかで、審査体制の強化と入国プロセスのデジタル化を加速させる内容となっています。

6-1. 在留手続き手数料の大幅な上限引き上げ

今回の改正案で最も注目されているのが、手数料の「法定上限額」の引き上げです。これまで一律1万円だった上限が、約44年ぶりに見直されます。

  • 永住許可申請: 上限一律1万円 → 最大30万円
  • 在留資格の変更・更新: 上限一律1万円 → 最大10万円

【企業が知っておくべきポイント】  
 実際の徴収額は、物価変動などを踏まえ今後「政令」で決定される。
手数料改定は2027年3月末までの実施が想定されていて、審査の厳格化に伴うコストを利用者が負担する形へとシフトする。費用負担は外国人本人だけでなく、受け入れ企業にも及ぶ可能性があるため、採用・更新コストの再計算が必要。

6-2. 電子渡航認証制度「JESTA」の導入(2028年度予定)

管理強化の一方で、観光客などの利便性を高める新制度も盛り込まれました。

  • JESTA(ジェスタ): ビザ免除対象の外国人が渡航前にオンラインで事前審査を受ける制度
  • ウォークスルー型ゲート: 2028年度中の導入を目指しており、事前審査を済ませることで入国時の対面審査が簡略化され、空港での待ち時間が大幅に短縮される見込み

7. 入管法改正による外国人雇用の課題・JJSの支援

2024年の改正により長期雇用の道が開かれた一方で、現場では「教育」と「定着」に関する新たな課題が浮き彫りになっています。JJS(Japan Job School)では、これらの課題を解決するための独自の支援体制を整えています。

7-1. 課題①:日本語力不足による現場のトラブル

新たに創設された「育成就労制度」では、入国時に日本語能力試験(JLPT)の「N5」相当(基本的な語彙や定型句の理解)が法的要件として求められます。さらに、3年後の特定技能への移行時には「N4」相当の合格が必須となります。

しかし、試験に受かるための「知識」と、現場で動くための「実践的な運用力」には大きな差があります。単に単語を知っているだけでは、現場での指示が正しく伝わらず、誤操作による事故や日本人スタッフとのコミュニケーション不全を招くリスクが消えません。

【JJSの解決策:日本語教育とマナー教育による職場定着支援】    
JJSでは、単なる試験対策に留まらず、日本独自の文化やビジネスマナーを徹底して教育しています。現場で「即戦力」として動ける日本語運用能力を養うことで、コミュニケーションミスを防ぎ、スムーズな受け入れを実現します。

外国人の日本語レベルはどれくらい?

JLTP、N1、N2とは?
実際働いている、もしくはこれから働こうとしている外国人は
どのくらい日本語力があるのか、経験とともに解説します!

7-2. 課題②:外国人の早期離職(転籍リスク)

2027年から「転籍(転職)」が条件付きで解禁されるため、より良い環境を求めて人材が流出するリスクが高まります。企業は、給与以外の「働きがい」や「成長の機会」を提示し続けなければなりません。

【JJSの解決策:キャリアアップを支える試験対策教育】  
特定技能1号・2号へのステップアップを見据えた試験対策講座を実施し、社員の「もっと日本で成長したい」という意欲をバックアップします。JJS経由の外国人材の入社1年後定着率が93.6%という高い数字を誇るのは、こうした将来を見据えた教育支援があるからです。

7-3. 課題③:企業と外国人のミスマッチ

これまでの外国人採用では、人手不足を補うことが優先されていました。候補者の資質や価値観を深く吟味しない「ただ人を補充する」だけのマッチングです。その結果、現場では以下のような深刻なミスマッチが起きています。

【JJSの解決策:企業と外国人双方にとって最適なマッチング】    
JJSは単なる紹介会社ではなく、自社で人材を育成するプロセスを大切にしています。企業の求めるスキルと、候補者の適性を精密にすり合わせることで、互いに「この会社で、この人と働きたい」と思えるベストなマッチングを実現します。

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ミャンマー現地にも学校があり、現地で6ヶ月〜1年程度の長期日本語教育により、人材の適性や性格の把握・精査をしているため、定着率の高い人材の紹介が可能です。

8. まとめ                           

改正法を「守り」のルールとしてだけでなく、自社の人材不足を解消し、次世代のリーダーを育てるための「攻め」の戦略として活用できるかどうかが、これからの数十年を左右します。

「改正法の内容は理解したが、自社の体制で対応しきれるか不安だ」 「日本語力だけでなく、日本の文化を理解した人材を確実に確保したい」

そんな悩みをお持ちの企業様は、ぜひ一度私たちにご相談ください。 JJS(Japan Job School)では、教育からマッチング、そして最新のクラウド型支援ツール「Shienmee」による法務サポートまで、貴社の外国人雇用をトータルで支えます。

入社1年後の定着率93.6%という実績が、私たちの支援の質の証です。無料相談も実施しておりますので、まずは貴社の現在のご要望や、現場で感じている小さなお悩みからお聞かせください。


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この記事を書いた人

行政書士井上法務事務所の代表行政書士。平成20年7月に、福岡市早良区で行政書士事務所を開業。扱っている案件は、主に相続・遺言、民事法務(内容証明・契約書・離婚協議書等)、公益法人(社団・財団法人)関係業務、在留資格関係など、幅広く対応。

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