特定技能のメリットは?技能実習と比較して徹底解説

特定技能のメリット

外国人の雇用を検討しているものの、
「特定技能と技能実習、正直どっちが自社にあっているかわからない」
「特定技能で雇用するメリットが分からない」

こんな悩みはありませんか?  

出入国在留管理庁によると、2021年3月時点では2万2,567人だった特定技能外国人は、2022年3月時点までのたった一年間で6万4,730人までに増加しており、人手不足に悩む多くの日本企業を特定技能外国人が救っています。
ただ、そんな注目が高まっている特定技能、2019年4月に施行された比較的新しい在留資格であり、今もなお頻繁に制度の改正がされるため、正しい情報を得ることが簡単ではないのが実態です。
また、特定技能外国人数の増加に比例して、特定技能外国人をサポートする企業、通称「登録支援機関」と呼ばれる機関も急増していることをご存じでしょうか?
私たちJapan Job Schoolは、7,119件ある登録支援機関全体(2022年6月8日時点)の1%もいないとされている100名以上の特定技能外国人をサポートしている支援実績がある機関です。

今回はこれまで多くの企業様の特定技能採用のお悩みに寄り添い、雇用を成功に導いてきた登録支援機関としての経験から、わかりやすく特定技能のメリットを技能実習との比較を中心に紹介します。

本記事を読み終えたら、特定技能で雇用するメリットを網羅でき、自社に合っているかどうかの判断ができるかと思います!ぜひ参考にしてください。  

特定技能 まるわかり資料

この資料で特定技能を受け入れるべきか判断できます。
特定技能の内容や、技能実習との違い、メリット・デメリットなどをわかりやすくまとめています。特定技能外国人の採用を検討中の方はぜひご覧ください。

目次

特定技能で雇用するメリット

メリット1 入社時から、ある程度の技能と知識を持った労働力の確保

特定技能で入社する外国人は、その業種に対する一定の知識や技能を持っていることが担保できます。

なぜなら、特定技能ビザを取得するためには、「特定技能評価試験」に合格することが必須条件だからです。
技能試験では、「各分野で即戦力となれるレベル」を基準として定められています。 
未経験でその分野で働きはじめる方には、1から実務を教えていただく必要がありますが、教えたらある程度理解できるベースの知識を兼ね備えているということになります。
さらに、特定技能1号の対象となる14の産業分野で、技能実習での職種と同職種であれば特定技能へ移行することも可能で、そんな実習生を終えた方を採用すればその業種で3~5年ほどの実習経験をもってして、入社直後から立派な一人前として即戦力になることができます。

メリット2 入社時から、日常会話レベル以上の日本語力がある

特定技能で働くことのできる人の日本語レベルは、N4以上(日常会話が可能なレベル)で、日本語でコミュニケーションが難しいというリスクが技能実習に比べて少ないです。
特定技能で働くためには、メリット1の技能評価試験に加えて、日本語能力試験のN4以上に合格をしているか、もしくは「国際交流基金日本語基礎テスト(A2レベル以上)」に合格していることが条にあります。
海外からしか受け入れができない技能実習で多くある課題が、日本語能力の低さが挙げられます。特定技能は日本語能力がある一定水準以上であることが条件なので、言葉の壁が低いでしょう。
実際に、日本語でのコミュニケーションの壁を懸念して、長年外国人雇用に踏み出せなかった企業から、雇用後に「こんなに話せると思わなかった!」というお声をいただくことも少なくありません。
加えて、技能実習では、はじめての日本での生活で、日本文化や食事、気候に馴染むこと難しいという問題がよく起きる一方で、既に3~5年日本での生活経験のある国内在住者を採用することができる特定技能では、日本文化に馴染みがある外国人の採用ができる点も大きなメリットだと思います。

メリット3 技能実習と比べて企業負担のコストが抑えられる

技能実習、特定技能両者とも5年間受け入れるという条件で比較すると特定技能の方が圧倒的に割安です。
その差は少なく見積もっても、5年間でおよそ20万~30万円
様々なケースがあり、管理団体の費用、登録支援機関の費用、給与の差などがあり、一概に比較できませんが、相場のコストを洗い出してみました。
※地域によって変動のある住居家賃等の生活サポート費は含んでいません。

技能実習特定技能
監理団体への費用・入会金(出資金):1万円~10万円
・年会費:3万円~5万円
監理団体への加入はありません
現地訪問費用航空機代・宿泊代等:約35万円~40万円国内人材採用の場合:なし
・海外人材採用の場合:航空機代、宿泊代等約35万円~40万円
入国前講習費用約1万5000円~4万円入国前講習はありません
入国渡航費用約5万円~10万円国内人材採用の場合:なし
海外人材採用の場合:約5万円~10万円 
※基本外国人本人が負担
入国後講習費用約10万円入国後講習はありません
管理費用 
※入社後継続的にかかる費用
約2万円~4万円/月登録支援機関への委託無の場合:なし
登録支援機関への委託有の場合:約2万円~4万円/月
技能検定料約2万円/回技能検定はありません
給与
※2022年3月25日厚生労働省:令和3年の賃金構造基本統計調査 参考
日本人と同等の給与
(平均:16万4100円)
日本人と同等の給与
(平均:19万4900円)

上記のように、技能実習ならではの講習や検定に対してかかるコストが多くあります。特定技能は「労働者」であり、技能実習は「研修生」ということもあり、技能実習の方が技術、知識を身に着けてもらうための費用がかかります。

メリット4 技能実習と比べて運用が楽

技能実習にある受け入れのための準備や受け入れ後の煩雑な手続きが、特定技能では軽減されています。
それぞれで必要な手続きと、どれほどの時間を要するのかを表にまとめてご紹介します。

              技能実習特定技能
受け入れ体制の準備技能実習指導員や生活指導員を選任する
※事業所ごとに選任が必須
・技能実習責任者講習:6時間
・技能実習指導員講習:5.5時間
なし
日誌で業務の記録毎日、実習内容の記録
※従事させた業務内容、指導内容の記録が必要
全出勤日10分程度
なし
技能検定試験準備実習中に複数回実施
試験練習:1週間程度
なし

一方特定技能外国人の場合、就労開始後は3ヶ月に1度の入管庁への定期報告書の提出程度で、受入れ企業が制度運用に費やす手間は、技能実習生と比べ断然少ないです。また、特定技能(1号)ビザの外国人を雇用するのに必要な義務的な支援業務も、登録支援機関へ委託することが可能で、自社で行う必要のある業務を大幅に省略することができます。
はじめての外国人採用であれば、少しでも企業の負担が少なく運用が楽な特定技能の方がハードルは低いかもしれません。

メリット5 技能実習では必須な寮の手配が不要

技能実習では、企業で寮を準備することが必須ですが、特定技能では必ずしも会社が住居を手配しないといけないという訳ではありません。特定技能は労働のためのビザであるためです。特定技能でも、国内人材採用と海外人材採用で対応が変わってくる部分もありますが、基本的には「本人が契約して自分で好きなところに住んでもらう」もしくは「会社が所有または借上をしている社宅に住んでもらう」か、2つの選択肢になります。
「外国人の方を採用したいけど、寮がないから、、、」という企業様の不安の声が少なくありません。
寮がなくとも、特定技能の雇用は可能です。

メリット6 内定から入社までが早い

技能実習に比べて、特定技能は採用から入社して配属されるまでスピーディーです。

平均して内定から入社まで
◆技能実習:6か月以上
特定技能は最短1か月半~2ヵ月程度 (海外からの受け入れ:4月程度)

※入管審査状況によって前後しますので、期間はあくまで目安です。

メリット2の費用でもお伝えした通り、技能実習は監理団体への申し込みや、技能実習計画の認定申請、講習など、膨大な手続きを経なくてはいけません。特定技能は、一定の技能・知識や日本語力を持っていることを試験にて判断しているので、入国前後の講習などがありません。

内定から入社まで

メリット7 失踪のリスクが少ない

特定技能では、転職の自由が認められているため、失踪するリスクが技能実習に比べかなり低いです。
一方、自由に就業場所を変えることも、仕事の種類(作業)も変えることできない技能実習生は、なにか労働環境や給与面に問題があった際に、失踪するという道しかありません。
実際に、技能実習生の失踪者数は年々増えており、全体の2%は失踪者がいるという状況が続いております。
失踪してしまう理由は「残業時間不適」「割増賃金不払い」や「賃金からの過大控除」などがあげられます。
失踪者、行方不明者を発生させてしまうと、入管からの見られ方も変わり、追加での雇用が困難になる場合がありますので、可能な限りリスクは抑えた方が良いでしょう。

技能実習生の失踪数推移

メリット8 優秀な人材の確保が可能

技能実習生もそうですが、母国の家族のため多くの人が真剣に仕事をしてくれます。また、メリット1でもお伝えしたように、特定技能で働くためには試験に合格しなくてはいけないので、事前に業種の知識や日本語を一生懸命勉強してくるので、真面目で優秀な人材が多いのも特徴です。

メリット9 どこの国籍であっても受け入れが可能(ごく一部の国を除く)

特定技能では、ごく一部の国を除き、どこの国籍の方であっても迎え入れることが可能です。それに比べて、国際貢献を目的としている技能実習は、受け入れに当たって日本と相手国との国家間の取り決めが必要になります。
2022年6月時点において取り決めがある国は以下の14カ国となっています。取り決めのない国から技能実習生を招くことはできません。

技能実習で働く外国人の国籍に比べて、特定技能では幅広く世界各国から雇用できています。
国籍問わず、優秀な外国人を雇用できるのが特定技能の良さの一つではないでしょうか。

受入可能な国籍

メリット10 受け入れ人数の制限がない(建設分野と介護分野を除く)

特定技能は、「人手不足を補うため」という目的であるため原則受け入れ人数に制限がありません
技能実習は「技能移転」という目的があるため、正しく指導ができるように、目が行き届くように、受け入れ人数に制限があります。例えば、介護以外の職種においては、初年度は常勤職員数が30名以下の企業の場合、実習生を最大3名までしか採用できません。
それに比べて、特定技能を採用している企業では、人数に制限なく雇用できます。ただし、建設分野と介護分野を除きます。
人数に制限のある介護業でも、事業所単位で常勤の日本人介護職員の総数を上限に採用できるので、実際に特定技能外国人が従業員数の半分を占める介護施設様からは、「特定技能の方たちがいないと、もうシフトが組めない!これだけの人数採用できるのは本当に大きい!」とのお声をいただいたこともあります。

参照:
建設分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針の4ページ目「イ 特定技能所属機関に対して特に課す条件⑦」
介護分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針の3ページ目「(2)特定技能所属機関に対して特に課す条件ア」

メリット11 特定技能2号移行対象職種では、無期限で雇用可能
(建設分野と造船・舶用工業分野のみ)

建設分野と造船・舶用工業分野の2分野では、特定技能2号に移行でき、期間に制限なく働いてもらうことができます
また、特定技能2号では、配偶者・子の帯同も可能になるので、長期の帰国を要望するリスクも少なくなります。
一方、技能実習は最長で5年。家族の帯同は認められていません。
せっかく時間と想いをかけて教育したのであれば、少しでも長く日本で働くチャンスがある特定技能の方が、育てがいがありませんか?

特定技能と技能実習の違いについてはこちらの記事でも詳しく解説していますので興味があればご参照ください。

こんな企業は特定技能を採用すべき

人手不足を解消できる即戦力がほしい

メリット1,11で、なぜ特定技能外国人が優秀かということはお伝えしました。
そんな即戦力となる外国人雇用で「人手不足の解消」をしたいという企業には、特定技能が制度上マッチしていると感じます。実は近頃、技能実習制度を「人手不足解消」として活用している企業も多く、そんな実態に海外からは批判が集まっているのも事実です。海外からの批判の声は、「技能実習生の本来の目的である、『技能の実習』をさせずに、ただの労働者として扱っていないか?」などといったものです。
人材の確保をしたいという目的を持っているのであれば、特定技能での雇用をオススメします。

受け入れにかかる費用を抑えたい

メリット3でお伝えしたように、特定技能の方がイニシャルコストとランニングコストともに安く抑えられる傾向があります。人手は必要だけど、費用をそんなにかけられない、そんな企業は技能実習よりも特定技能の採用をおすすめいたします。
また、日本人の人材募集をするよりも、特定技能採用の方が費用を抑えられる場合もあります。
実際に、日本人の人材募集広告に多額の費用かけているけど、応募を待つだけの受け身的な募集にもどかしさを感じていた企業様から相談を受けて、特定技能雇用のサポートをさせていただいたこともあります。
「こんなに一生懸命働いてくれる人材を採用できるなら、もっと前から特定技能に踏む出すべきだった!」とおっしゃっていただきました。

特定技能 まるわかり資料

この資料で特定技能を受け入れるべきか判断できます。
特定技能の内容や、技能実習との違い、メリット・デメリットなどをわかりやすくまとめています。特定技能外国人の採用を検討中の方はぜひご覧ください。

一定期間の雇用を安定させたい企業は特定技能を採用すべきではない

技能実習は「転職がない」、特定技能は「転職が許される」という違いがあります。
技能実習は、日本政府が、特定の事業者(事業所)に対して、技術を習得するために外国人に研修生として日本在留を許可するものです。ですから、就業場所を変えることも、仕事の種類を変えることもできません。つまり、転職ができないのです。
人材不足の企業様における一番の悩みは、離職率が高いことだと思います。そのため「転職がない」という部分に技能実習の大きなメリットを感じる企業様も多いようです。
対して特定技能においては、原則として転職が許されます。日本人と同様に転職の経歴が多い人は採用はされにくいですし、働く企業でのビザの許可が必要なため、転職しやすいわけではないですが、少なからず費用と手間と時間を費やして外国から招き入れた外国人に、一瞬のうちに転職されてしまうとしたら、それは企業にとっては「デメリット」と映ることが多いようです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
どんなところにメリットを感じて、多くの企業が特定技能の受け入れをしているかが少しでも伝わりましたら幸いです。
この記事を読んだあなたもきっと、せっかく外国人雇用に勇気をもって踏み出すのであれば、会社としては「雇用してよかった!」と、そして働く外国人も「この会社で良かった!」と思える雇用の実現をしたいという気持ちがあると思います。

もちろん、今回比較対象としてあげた技能実習にも多くのメリットがあります。
それぞれのメリットを理解して、あなたの会社に合った外国人雇用をスタートしていただけましたら幸いです。

また、特定技能での雇用を決断され、今後実際に何から着手したらいいのかとお悩みのあなたは、ぜひ特定技能を受入れるまでを5つのステップでわかりやすく解説も併せてご確認ください。

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この記事を書いた人

外国人200名と企業80社の支援を行うカスタマーサクセスを担当。
大学時代一年間休学しワーキングホリデービザでカナダのイエローナイフへ。オーロラのツアーガイドを経験し、異国の地で働く大変さ・差別を経験。
「国籍関係なく、自分がかかわる人を幸せにしたい」そんな気持ちを持って、このサイトで日本社会へDiversityを発信していく。

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