特定技能「介護」と他の在留資格を比較!資格取得の条件・採用の流れまで徹底解説

介護スタッフの慢性的な人手不足を解消するために、外国人採用を考えていませんか。
外国人が介護分野で働くための在留資格は「特定技能」「技能実習」「介護ビザ」「特定活動(EPA介護福祉士)」の4つがあります。
4つの在留資格のうち、どれを持つ外国人を採用すべきか悩んでいる介護施設の採用担当の方は多いかと思います。この記事では各在留資格の最新の動向を比較し、特定技能「介護」をおすすめする理由について解説しました。
実際に外国人の介護スタッフを受け入れるために、ビザ取得の条件や採用の流れも紹介しています。ぜひお役立てください。

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1. 特定技能「介護」とは
介護分野で外国人を受け入れることができる4つのビザ(「特定技能」「技能実習」「介護ビザ」「特定活動(EPA介護福祉士)」)のうち、特定技能「介護」の特徴を解説します。

1-1.特定技能「介護」の特徴
在留資格「特定技能」は、国内人材を確保することが困難な産業分野において、一定の専門性・技能を持つ外国人を受け入れることを目的に、2019年の4月に開始した制度です。
介護分野の外国人採用は2008年にEPA(経済連携協定)に基づくインドネシア人介護福祉士の受入で始まりました。その後フィリピン、ベトナムの受け入れも解禁されました。2016年には在留資格「介護」が新設され、介護福祉士の資格を持つより専門性の高い外国人介護スタッフを雇用できるようになりました。
しかし大きな課題として、これらの在留資格では業界の慢性的な人手不足を補えるほどの外国人材を雇用できませんでした。介護ビザもEPAも、取得している外国人の母数が少なかったためです。また、技能実習は介護の知識が何もない外国人を育成しなければならなかったため、施設側の負担が大きいということが問題でした。
そこで2019年に、外国人材が単純労働を含む幅広い業務に従事することが可能となる在留資格「特定技能」が創設されました。介護福祉士の資格は持ちませんが、一定の知識と技能を持つ外国人介護スタッフの雇用が可能になりました。
2024年12月末時点で、特定技能「介護」を取得しているのは44,367人であり、他3つの在留資格を持つ外国人に比べて圧倒的に多いです。
1-2.対象施設・雇用形態・報酬
特定技能1号外国人を受け入れ可能な対象施設は以下の6つの分類に分けられます。
・児童福祉法関係の施設・事業
・障害者総合支援法関係の施設・事業
・老人福祉法・介護保険法関係の施設・事業
・生活保護法関係の施設
・その他の社会福祉施設等
・病院又は診療所
それぞれの分類について、詳細は以下です。

利用者と介護スタッフが原則1対1で対応する訪問系サービスは、特定技能1号外国人が従事できる業務からは外されていましたが、2024年3月の検討会で、特定技能外国人にも訪問系サービスに従事することを認める方針へと転換されました。
特定技能「介護」では、雇用形態はフルタイムの直接雇用に限られています。(「漁業」「農業」など、特定技能の他分野では業務の性質上派遣契約が認められています。)
また、報酬や待遇は同ポジションで勤務する日本人スタッフと同等以上でなければなりません。
1-3.受け入れ上限人数
特定技能では原則、企業(または事業所)ごとの、特定技能外国人の受入れの人数制限はありません。しかし介護分野では常勤のスタッフ数によって制限が設けられている点に注意が必要です。
具体的には、日本人等の常勤職員の総数が特定技能外国人の受入れ上限とされています。この上限は企業単位ではなく事業所単位です。
「日本人等の常勤の介護職員」には、以下の外国人も含まれます。
・介護福祉士国家試験に合格しているEPA介護福祉士
・在留資格「介護」を有する人
・身分・地位に基づいた在留資格によって在留する人
[出典:出入国在留管理庁「令和6年6月末現在における在留外国人数について」]
[出典:厚生労働省「介護分野の1号特定技能外国人を受け入れる対象施設について」]
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2.特定技能がおすすめな理由
「技能実習」「介護ビザ」「特定活動(EPA介護福祉士)」と比較して「特定技能」をおすすめする理由は主に3つです。
①豊富な人材
②幅広い従事可能業務
③支援負担も少ない傾向
それぞれ詳しく解説します。
2-1.豊富な人材
特定技能制度は人手不足を解消するために創設された制度であるため、外国人材の受け入れ人数が他の在留資格に比べて圧倒的に多いです。

特定技能「介護」は、介護福祉士の資格を持っているわけではありませんが、在留資格を取得するためには技能試験に合格しなければならないため、即戦力となる外国人材を採用することができます。
2-2.幅広い従事可能業務

技能「介護」は、介護ビザやEPA(介護福祉候補者)と異なり、介護福祉士国家試験に合格していなくても取得することができる在留資格です。
そのため、介護ビザやEPAに比べて、従事可能業務に制限があると思っている介護施設関係者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし実際には、特定技能「介護」でも、他の在留資格とほとんど変わらない幅広い業務に従事可能です。

特に、2024年3月の検討会で、それまで禁止されていた特定技能外国人の訪問系サービスへの従事が可能になりました。
介護事業所等で1年以上の実務経験を持つ特定技能外国人は、訪問介護の基本事項に関する研修・訓練を行った後に、訪問系サービスに従事できます。
特定技能外国人を訪問系サービスに従事させる際、介護事業者は利用者及びその家族に事前に説明を行うとともに、以下の5つの事項を遵守しなければなりません。
① 外国人介護人材に対し、訪問介護等の業務の基本事項等に関する研修を行うこと
② 外国人介護人材が訪問介護等の業務に従事する際、一定期間、責任者等が同行する等により必要な訓練を行うこと
③ 外国人介護人材に対し、訪問介護等における業務の内容等について丁寧に説明を行いその意向等を確認しつつ、キャリアアップ計画を作成すること
④ ハラスメント防止のために相談窓口の設置等の必要な措置を講ずること
⑤ 外国人介護人材が訪問介護等の業務に従事する現場において不測の事態が発生した場合等に適切な対応を行うことができるよう、 情報通信技術の活用を含めた必要な環境整備を行うこと
出典:厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について」
2-3.支援負担も少ない傾向

特定技能は、他の在留資格に比べて支援負担が少なく抑えられる傾向があります。
▼特定技能にかかる費用についてはこちらもお読みください


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3.特定技能|外国人が介護士になるには
特定技能制度で外国人を介護施設で雇用するには、外国人本人が試験に合格しなければなりません。ただし、外国人の状況によってはその試験が免除される場合があります。
3-1.特定技能「介護」の試験合格
特定技能「介護」を取得するために合格しなければならない試験は3つあります。
- 介護技能評価試験
- 国際交流基金日本語基礎テストA2以上(または日本語能力試験N4以上)
- 介護日本語評価試験
他の特定技能の分野は技能試験及び日本語試験のみですが、介護分野のみ、「③介護日本語評価試験」も課されています。
すべての試験は、CBT(Computer Based Testing)で行われます。各地域の指定された会場で受験することができます。国外からの受験も可能です。
開催日程・会場については以下からご確認いただけます。
▼特定技能「介護」の試験に合格した外国人介護士の実力はどれくらい?
介護知識と日本語能力を試験例題を見ながら解説しています

3-2.試験が免除されるケース
すでに外国人が日本で介護スタッフとしての十分な経験があると見なされる以下の場合においては、特定技能1号を取得するための試験が免除されます。
- 技能実習2号を良好に修了した
- EPA介護福祉候補者として4年間の在留期間を満了
- 介護福祉士養成施設を修了した
技能実習2号を良好に修了した
介護分野の技能実習2号を良好に修了した場合、「介護技能評価試験」と「日本語能力試験」が免除になります。
「良好に」の要件は、技能実習を2年10カ月以上終えており、「技能検定3級またはこれに相当する技能実習評価試験に合格している」または「技能実習生に関する評価調書がある」のいずれかに該当していることです。
▼技能実習から特定技能の移行の要件・流れについてはこちらの記事で解説しています。

EPA介護福祉候補者として4年間の在留期間を満了
EPA介護福祉候補者として入国し、4年にわたりEPA介護福祉候補者として就労・研修に適切に従事した場合は、すべての技能試験・日本語試験が免除されます。
具体的な要件は、直近の介護福祉士国家試験の結果が
- 合格基準点の5割以上の得点であること
- すべての試験科目で得点があること
の2点です。
介護福祉士国家試験に合格した場合は、在留資格「介護」への移行が可能になります。
介護福祉士養成施設を修了した
介護福祉士養成施設を修了した人は、試験が免除されます。
3-3.在留資格「介護」へ移行する場合
特定技能外国人の多くは、特定技能「介護」で従事しながら、いずれ介護福祉士の資格を取得し、在留資格「介護」に移行して、日本に永住することを望んでいます。
特定技能の5年の間に介護福祉士の資格を取れば、在留資格「介護」に移行できます。介護福祉士試験を受けるためには介護の実務経験が3年必要なので、特定技能外国人は4~5年の間で試験を受け、移行することが多いです。
介護福祉士国家試験にパート別合格が導入されたことで、試験に合格しやすくなっています。特定技能の在留期間が満了する外国人介護スタッフには、ぜひ在留資格「介護」への移行を勧めてみてください。
[出典:厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」]
▼在留資格「介護」への移行の要件と流れについてはこちらの記事で解説しています。

4.企業が満たす要件とは
特定技能外国人を雇用する場合、外国人本人だけでなく受け入れ施設が満たさなければならない要件があります。具体的には、適切な雇用契約の締結や支援体制の整備などです。
4-1.受け入れ機関としての要件を満たす
受け入れ機関として、以下の要件を満たしている企業または事業所が、特定技能外国人を雇用できます。
<特定技能外国人採用の企業条件>
- 過去2年以内に外国人労働者の雇用または管理をした実績があること
- 過去2年以内に外国人労働者の⽣活相談等をしたことのある社員のなかから支援責任者や支援担当者を任命していること
- 外国人が十分理解できる言語(基本母国語対応)で支援を実施することができる体制を確保していること
- 支援状況に関する書類を作成し、雇用契約終了日から1年以上保管すること
- 支援責任者⼜は支援担当者が、支援計画の中立な立場で実施を行うことができ、かつ、欠格事由に該当しない者であること
- 5年以内に支援計画に基づく支援を怠ったことがないこと
在留資格「介護」やEPAとの大きな違いは、受け入れ機関に外国人従業員を支援する義務が発生するということです。
支援業務は登録支援機関に委託することもできます。
▼登録支援機関についてはこちらの記事もお読みください。


4-2.特定技能協議会への加入
特定技能制度の協議会とは、特定産業ごとに分野を担当する省庁が設置している機関のことで、協議会には「受け入れ機関」、「分野所管省庁」、「業界団体」、「登録支援機関」などが構成員として所属しています。
特定技能外国人を雇用する機関は各産業分野の協議会への加入が義務付けられています。
協議会には、協議会の事務局へ指定された書類を提出し、入会費・または年会費などの会費を支払うことで加入できます。
▼特定技能制度の協議会への加入については、こちらの記事も参考にしてください。

[出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」]
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5.特定技能「介護」の採用
在留資格の申請には、申請人本人(外国人)についての書類、受入れ機関についての書類、分野別の書類が必要なため、準備には一定の時間がかかります。
ビザ申請をする約3か月前から書類の準備に取り掛かることをおすすめします。
5-1.採用の流れ
以下では、大まかな採用の流れをまとめました。

特定技能外国人を採用する具体的なステップについては、以下記事で詳しく解説しています。

5-2.必要書類
在留資格認定のために必要な書類は3種類に分けられます。
- 申請人(外国人)に関する書類
- 所属機関(企業)に関する書類
- 分野に関する書類
申請人(外国人)に関する書類 |
1. 「特定技能1号」に係る提出書類一覧表(在留資格認定証明書交付申請用) 2. 在留資格認定証明書交付申請書 3. 特定技能外国人の報酬に関する説明書 4. 特定技能雇用契約書の写し 5-a. 雇用条件書の写し ⁻b. 賃金の支払 6. 雇用の経緯に係る説明書 7. 徴収費用の説明書 8⁻a. 健康診断個人票 ⁻b. 受診者の申告書 9. 1号特定技能外国人支援計画書 10. 登録支援機関との支援委託契約に関する説明書 11. 二国間取決において定められた遵守すべき手続に係る書類 |
所属機関に関する書類(企業が法人である場合) |
1. 特定技能所属機関概要書 2. 登録事項証明書 3. 業務執行に関与する役員の住民票の写し 4. 特定技能所属機関の役員に関する誓約書 5. 労働保険料等納付証明書(未納なしの証明) 6. 社会保険料納入状況回答票または健康保険・厚生年金保険料領収書の写し(申請月の前々月までの24か月分) 7. 税務署発行の納税証明書(その3) 8. 法人住民税の市町村発行の納税証明書(直近1年分) |
書類の数は多いですが、入管が「参考様式」・「記載例」を提供してくれているものも多いです。
分野に関する書類は、各分野によって必要なものが異なります。
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6.まとめ
要介護者が増加する一方で、国内で介護職を希望する人材が減っている日本において、外国人介護職員は今後欠かせない存在となります。まだ職員が十分にいる施設でも、10年、20年先の経営を考えて外国人を採用する可能性は高いです。
一方で、ビザの種類が複数あり、手続きが煩雑な外国人採用に踏み切れない施設も多いかと思います。そのため、外国人介護職員を採用する際は、知識や経験豊富な外国人雇用のプロに相談することをおすすめします。
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