特定技能「介護」の試験とは?外国人介護士の日本語・介護知識レベルと受験の流れ

人手不足解消のため、介護分野で特定技能外国人を雇用する企業は増加傾向に。しかし特定技能「介護」のビザ取得には、3つの試験に合格する必要があります。今後、採用を検討するうえで、企業さまにとっても重要な情報です。
この記事では特定技能「介護」の試験の話題を中心に、試験科目や例題、申し込み方法についてまとめました。例題をチェックすれば、特定技能外国人の知識レベルが把握できます。
介護分野で特定技能外国人の受け入れを検討する際、ぜひ参考にしてみてください。
Japan Job Schoolが支援した外国人介護士の声を
まとめました!
特定技能「介護」外国人は
・なぜ日本で働こうと思い
・どのような思いで働いているのか など

1. 特定技能「介護」の試験とは
日本の介護分野で外国人を採用するなら、特定技能「介護」のビザが選択肢に入ります。特定技能「介護」は、深刻な人手不足を解消するために創設されました。
ただし外国人が特定技能「介護」を取得するには、指定の試験に合格しなければなりません。ここでは、試験の種類や訪問介護業務に関すること、試験免除の要件を解説します。
1-1. ビザ取得に必要な試験3つ
特定技能「介護」を取得するには主に3つの試験に合格する必要があります。
3つの試験は以下のとおりです。
- 介護技能評価試験
- 介護日本語評価試験
- 国際交流基金日本語基礎テスト、または日本語能力試験
「介護技能評価試験」は、介護に関連した学科試験を指します。そして「介護日本語評価試験」と呼ばれるのは、介護に関連した言葉や会話などに関する試験です。
日本語試験としては、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-basic)または日本語能力試験(JLTP)のいずれかに合格しなけれなりません。3つの試験をパスしてようやく、特定技能「介護」を手に入れられます。
特定技能「介護」で求められる水準は、技能実習「介護」で第2号技能実習を修了した人が身につけている知識・スキルです。後述しますが、それぞれの試験では介護に関する基本的なスキル・実技の問題が出題されます。
コラム|技能実習や特定技能でも、実務経験1年以上で訪問介護ができる
令和7年4月から、介護職員初任者研修を修了し、実務経験1年以上を持つ「外国人技能実習生」や「特定技能外国人」を、訪問系サービス業務に配属できます(例:訪問介護)。対象となる施設は、サービス付き高齢者住宅、住宅型有料老人ホーム、訪問介護事業所などです。
受け入れ事業所は以下を遵守する必要があります。
1. 外国人介護人材に業務の基本研修を実施
2. 責任者が一定期間同行し、業務訓練を提供
3. 業務内容の詳細を説明し、キャリアプランを作成
4. ハラスメント防止策として相談窓口を設置
5. 不測の事態に対応できるICT環境を整備
また、実務経験が1年未満でも以下の条件を満たせば雇用が可能です。
日本語能力試験N2相当以上の能力を保持する同行訪問を利用者ごとに週1回の場合は半年、週2回は3か月、週3回以上は2か月実施利用者・家族の同意を得て、見守りカメラなどICTを活用する場合、同行期間を短縮可能
詳しくは、厚生労働省のページをご確認ください。
1-2. 技能実習2号の修了者は試験免除
特定技能「介護」の資格取得にあたって、以下の者は技能試験・日本語試験が免除されます。
※上記に該当しない方が技能試験・日本語試験などを受けることになります。
▼現場社員による解説は、以下をご覧ください。

▼他在留資格との比較は、以下をご覧ください。

2. 特定技能「介護」の試験内容・例題
介護分野で特定技能外国人を雇用する場合、「どのくらい日本語が話せるのか」「介護に関する知識はあるのか」が気になるかもしれません。ここでは、試験内容と例題を記載しました。特定技能外国人のスキルレベルを把握するのに、お役立てください。
▼特定技能「介護」の業務内容・メリット・採用方法、以下で詳しく解説しています。

2-1. 介護技能評価試験
介護技能評価試験の内容や問題は以下のとおりです。
問題数・試験時間 | 全45問(学科試験40問・実技試験5問)・60分 |
試験科目 | 介護の基本10問/こころとからだのしくみ6問/コミュニケーション技術4問/生活支援技術20問/判断等試験等の形式による実技試験課題5問 |
実施方法 | コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式 |
選択できる言語 | 日本語/英語/ベトナム語/インドネシア語/タイ語/ビルマ語/モンゴル語/ネパール語/クメール語/中国語/ウズベク語/ベンガル語/ウルドゥー語 |
合格率 | 60~70% ※都度、増減します |
介護技能評価試験は全部で45問、60分間の構成です。学科は40問、実技は5問なので、時間配分には注意しましょう。基本的な問題よりも、「生活支援技術」に関する問題が20問と多めです。試験対策の際には、重点的に学んでおくとよいでしょう。
【例題】介護技能評価試験 ※学習テキストより引用


2-2. 介護日本語評価試験
介護日本語評価試験の内容や問題は以下のとおりです。
問題数・試験時間 | 全15問・30分 |
試験科目 | 介護のことば5問/介護の会話・声かけ5問/介護の文書5問 |
実施方法 | コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式 |
合格率 | 60~70% ※都度、増減します |
介護日本語評価試験は、15問を30分かけて回答でき、余裕を持って取り組めます。3分野から出題されますが、各分野の問題数は同じです。受験者はまんべんなく勉強する必要があります。
【例題】介護日本語評価試験 ※厚労省のページより引用



2-3. 日本語試験(JFT-basic・JLTP)
特定技能外国人は日本語試験として「国際交流基金日本語基礎テスト(以下、JFT-basic)」または「日本語能力試験(以下、JLTP)」のいずれかを受験します。
JFT-BasicとJLPTは、どちらも日本語能力を評価するための試験です。ただし形式や試験内容、問題数に違いがあります。JLPTの場合には、レベルごと(N1~N5)に出題され、介護分野における特定技能外国人は、「N4以上のレベル」で合格しなければなりません。
どちらを選ぶかは、受験者の自由です。それぞれの特徴や試験日程に考慮して、適している方を選びましょう。
国際交流基金日本語基礎テスト (JFT-basic) | 日本語能力試験 (JLTP) | |
問題数・試験時間 | 約50問60分間 | 言語知識(文字・語彙)25分/言語知識(文法)55分/読解・聴解35分 ※全問で115分間 ※N4レベルの場合 |
試験科目 | 文字と語彙/会話と表現/聴解/読解 ※それぞれ約12問 | 言語知識(文字・語彙)28問/言語知識(文法)29問/読解・聴解28問 ※N4レベルの場合 |
実施方法 | コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式 | マークシート |
求められるレベル | 個人情報や家族情報、買い物、近所、仕事など、よく使われる文や表現が理解できる | 趣味、食べ物、週末の予定)など基本の会話が理解できる/メール・掲示板の簡単な内容がわかる |
詳しくは公式ページよりご確認いただけます。
【例題】国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-basic)※公式サイトより引用

【例題】日本語能力試験(JLTP)


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3. 特定技能「介護」の申し込み方法
ここでは、申し込み方法に関する詳細をお届けします。受験資格や受験料、試験日程や会場の情報から実際の申し込み手順までまとめました。事前に知っておくと、実際に特定技能外国人を受け入れるイメージがしやすいでしょう。
3-1. 受験資格・受験料
特定技能「介護」の受験資格は、基本的に年齢要件のみです。
受験資格
- 17歳以上(インドネシア国籍は18歳以上)
- 日本国内での試験においては、在留資格を持つ17歳以上の人物
受験料
- 介護技能評価試験・介護日本語評価試験:1,000円
- 国際交流基金日本語基礎テスト:1万円
- 日本語能力試験N4:7,500円
3-2. 試験会場・日程
試験会場
試験日程
3-3. 再試験について
再受験規定により、不合格者は試験の翌日から45日間は試験が受けられません。仮に45日以内に受験して合格した場合でも、取り消しになる可能性があるため注意しましょう。また合格した場合には、再試験が受けられません。
4. 特定技能「介護」の試験対策
介護技能評価試験と介護日本語評価試験に関しては、学習テキストの活用がおすすめです。
「公益社団法人日本介護福祉士会」が作成した学習テキストは、無料で配布されています。無料にもかかわらずページ数が多く、本格的な内容です。ダウンロード・印刷するなどして、試験対策すれば合格への道が近づきます。再試験を受ける際にも、苦手分野の克服に役立つでしょう。

※:公益社団法人日本介護福祉士会|介護の特定技能評価試験学習テキスト~介護技能・介護の日本語~
5. まとめ
特定技能「介護」を取得する在留外国人は、年々増えています。試験対策用の学習テキストも公開されており、勉強の環境も整っています。合格率は、60~70%と半分以上が合格する傾向に。正しく勉強すれば、それほど難易度は高くないといえるでしょう。
今回ご紹介した内容を踏まえて、介護分野で知識・スキルのある外国人材の採用を進めましょう。弊社では、特定技能人材の採用に関する「無料相談」を受け付けております。ぜひ気軽にお問い合わせください。
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