【2024年試験日程】外食業特定技能1号試験とは?試験内容や合格点、難易度まで分かりやすく解説

執筆者:Divership編集部|外国人雇用担当部門

外食業特定技能1号試験は、外食業で働く技術と日本語能力を測定する試験です。外食業で外国人を雇用するとき、この試験に合格してもらわなければなりません。

企業は試験の内容や合格点、難易度を知っておくと、外国人労働者をスムーズにサポートできます。本記事ではそういった試験概要に加えて、申し込み方法と2024年の試験日程もまとめました。試験には申し込み期限もあるため、事前に日程をチェックしておくと安心です。

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目次

1.外食業で働くために必要な2つの試験

外食業で特定技能外国人を雇う場合、彼らに必要な2つの試験について解説します。これらの試験は、外国人が日本で働くための基本的な日本語能力と、外食業での技能を測るものです。

1-1.日本語能力試験

外食業における外国人雇用では、日本語能力試験に合格しなければなりません。試験では、日本で生活するための基本的な日本語能力を測ります。日常生活で必要な会話力や、簡単な文章を読む力です。

日本語能力レベルは、以下のいずれかによって判断します。

JLPTについては、以下で詳しく解説しています。

外国人がどのくらいの日本語力を持っているのか知りたい方はこちらの資料で解説しています

1-2.外食業特定技能1号技能測定試験

外食業で外国人を雇用する場合、外食業特定技能1号技能測定試験に合格することが求められます。この試験はOTAFF(注1)により実施されており、外食業で必要とされる基本的な技能を測ります。試験内容は、料理の基本的な知識や技術、衛生管理です。

(注1)一般社団法人外国人食品産業技能評価機構

※参考:外食業特定技能1号技能測定試験 国内試験案内(2024年4月以降適用)

2.外食業特定技能1号試験とは

外食業で働くために必要なのが、外食業特定技能1号試験です。外食業で働くための技能と知識を測るために実施されています。

2-1.試験概要

外食業特定技能1号試験は、料理の基本的な知識や技術、衛生管理など、外食業で必要とされる技能を測ります。試験内容は、学科試験と実技試験の2部構成となっています。

2-2.受験資格 

外食業特定技能1号試験を外国人労働者に受けてもらう前に、受験資格があるか確認します。試験日までに以下を満たしていることが条件です。

<受験資格>

  • 在留資格を持っている
  • 試験日に満17歳以上
  • 日本の公的機関が発行したパスポートを所持している

国籍の制限はなく、イラン・イスラム共和国以外のパスポートを持つ外国人が試験を受けられます。また学歴に関する条件もないため、大学や専門学校を卒業している必要はありません。

2-3.試験科目

※出典:外食業特定技能測定試験実施要領 |農林水産省大臣官房新事業・食品産業部

試験はペーパーテスト方式(マークシートを利用)で行われ、学科試験と実技試験をあわせて80分が試験時間です。学科試験と実技試験の概要について、以下で説明します。

学科試験 

学科試験では、外食業に関する基本的な知識が問われます。具体的にいうと衛生管理、接客マナー。調理などが含まれます。「衛生管理」「飲食物調理」「接客全般」の3項目から出題され、試験問題数は各10問の合計30問です。

実技試験

実技試験では、判断力と計画立案スキルという2つの軸で、仕事ができるかをテストします。例えば図やイラストを用いてあるシチュエーションを提示し、適切な行動はどちらか選択するといった試験問題です。

また特定の計算式を利用した「作業計画」を作成して、業務で必要とされる計画性のレベルも評価します。試験問題数は「判断試験9問」「計画立案6問」の合計15問です。

2-4.試験会場・試験日程 

試験は年に数回実施され、世界各地の会場で行われてきました。ここでは、2024年に実施される外食業特定技能1号試験の会場・日程について、「国内」と「海外」に分けて説明します。

国内の場合 

国内における2024年度第1回の試験は、5月27日から6月13日の間に、以下の都道府県で実施される予定です。

<受験会場・日程>

  • 北海道札幌市:6月3日(月)、6月4日(火)
  • 宮城県仙台市:6月6日(木)、6月7日(金)
  • 茨城県水戸市:6月10日(月)、6月11日(火)
  • 埼玉県春日部市:6月4日(火)、6月5日(水)、6月6日(木)
  • 東京都江東区:5月27日(月)、5月28日(火)、5月29日(水)
  • 石川県金沢市:6月10日(月)、6月11日(火)、6月12日(水)
  • 愛知県名古屋市:5月28日(火)、5月29日(水)、5月30日(木)
  • 大阪府大阪市:6月11日(火)、6月12日(水)、6月13日(木)
  • 広島県広島市:6月5日(水)、6月6日(木)、6月7日(金)
  • 香川県高松市:5月31日(金)
  • 福岡県福岡市:6月5日(水)、6月6日(木)
  • 宮崎県宮崎市:6月9日(日)
  • 沖縄県那覇市:6月10日(月)

具体的な試験会場と試験日程については、OTAFFの公式サイトで確認できます。また2024年第2回以降の試験スケジュールは「調整中」と記載されていました。随時、公式サイトを閲覧してみてください。

国外の場合 

海外から外国人労働者を呼び寄せる場合には、国外試験会場・日程も知っておくとよいでしょう。現地で試験に合格してもらい、日本で雇用する可能性もあるからです。

試験予約の受け付け開始は、どちらの国で受験する場合でも2024年4月10日からと記載されています(ネパールを除く)。2024年の国外試験は、以下の国で実施される予定です。

<受験できる国・実施予定日>

  • インドネシア:5月2日~
  • カンボジア:5月11日~
  • スリランカ:5月2日~
  • タイ:5月7日~
  • ネパール:5月8日~※2024年5月1日試験予約受け付け開始
  • フィリピン:5月7日~
  • ミャンマー:5月1日~

試験会場と試験日程の詳細については、プロメトリック株式会社のWebサイトで確認できます。

2-5.合格点・合格率 

外食業特定技能1号試験は、学科試験と実技試験の2つの部分から成り立っています。それぞれの試験は100点満点で、合格基準は65%以上です。つまり合格するには、65点以上取ることが必要となります。

外食業特定技能1号試験の合格率は、2023年の第1回国内試験の場合、66.4%でした。全国で6,127人が受験し、4,069人が合格しています。また2022年の第3回国内試験の場合、合格率は61.7%です。

※参考:2023年度 外食業特定技能1号技能測定試験 第1回国内試験

※参考:2022年度 外食業特定技能1号技能測定試験 第3回国内試験

2-6.難易度

試験の難易度は主観的なものであり、受験者の個々の知識や経験によります。しかし合格率をみると、受験者の半分以上が合格している点で、それほど難易度が高くはないでしょう。

試験は、外食業に関する基本的な知識と技術を問うものです。適切な準備と学習のうえで受験すれば、合格は十分可能だと考えられます。

2-7.学習テキスト 

企業が外国人労働者の受験をサポートするとき、学習テキストを参考資料として用意してあげるのもおすすめです。

「一般社団法人日本フードサービス協会」は、外食業特定技能1号試験の学習テキストを提供しています。学習テキストには、以下の言語が用意されています。

  • 日本語
  • 英語
  • ベトナム語
  • クメール語
  • ミャンマー語
  • タイ語
  • インドネシア語
  • ネパール語

試験は国内・国外問わず、日本語で実施されます。そのため、可能な限り日本語のテキストを使用して学習するとよいでしょう。もし日本語を不得意とする外国人の場合、最初のうちは母国語のテキストで慣れていくことも大切です。

※参考:外食業特定技能1号技能測定試験 国内試験案内(2024年4月以降適用)

※参考:新たな外国人材受け入れ制度の試験について|一般社団法人日本フードサービス協会

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 2-8.忘れてはいけない持ち物

以下は、受験に必要な持ち物です。外国人労働者の受験をサポートするため、企業も把握しておくとよいでしょう。

<持ち物>

  • 受験票
  • パスポート
  • 在留カード
  • HB鉛筆
  • 消しゴム(シャープペンシル・ロケット鉛筆・鉛筆削りは使用不可)

<在留カード更新手続き中の場合>

在留申請オンラインシステムより申請受理メールを印刷し、持参しましょう。または在留カード更新手続きのための預かり書でも問題ないようです。

<在留カードがない場合>

パスポートにて「在留期限」「申請受理」を係員が確認します。確認できなかった場合、受験できません。

3.外食業特定技能1号試験【2024年の変更点】

2024年の外食業特定技能1号試験には、いくつかの重要な変更点があります。試験時間は「70分」に変更になり、試験中に電卓を使用することが許可されました。これは、計算が必要な問題に対応するための変更です。

ただし使用できる電卓には、制限があります。

以下は、OTAFFが公表している電卓に関する注意点です。

四則演算(足し算・引き算・掛け算・割り算)の機能のみ メモリー機能は、1回分の計算結果のみ記録するもの 上記2を超えるメモリー機能がある電卓は、使用しない 税計算の機能がある電卓は使用しない 通信機能があるものは使用できない※スマートフォンも使用不可 プログラム入力機能があるものは使用不可 使用不可としている電卓を使った場合、その場で試験失格になる 使用許可のある電卓でも、高機能かつ不正行為が疑われた場合には使用禁止措置を受け、失格になる可能性がある

これらの変更点は、試験の公平性を保つとともに、受験者が試験に適切に対応できるようにするためのものです。外国人労働者に試験を受けさせる予定の企業は、変更点を確認し、適切に準備を進めましょう。

※参考:外食業特定技能1号技能測定試験 国内試験案内(2024年4月以降適用)

4.外食業特定技能1号試験の手続きの流れ

※出典:外食業特定技能1号技能測定試験 国内試験案内(2024年4月以降適用)

外食業特定技能1号試験の手続きでは、OTAFFのマイページ登録や試験申し込みが必要です。手続きの流れを把握しておくと、企業が申し込むときや、外国人労働者に説明するときに役立つでしょう。

4-1.マイページ登録する

マイページ登録の流れは外国人本人による申し込みと、企業が代行するときによって異なります。

外国人申し込みの場合(本人)

試験の運営機関であるOTAFFは「マイページ登録ガイド」を公開しています。

OTAFFの公式Webサイトにアクセスし、マイページを登録しましょう。マイページでは、試験の申し込みや結果の確認など、試験に関する各種手続きができます。

<マイページ登録の流れ>

  1. OTAFFのWebサイトにアクセスし、「マイページ(個人の方)仮登録申込」ページを開く
  2. 登録用のメールアドレスを入力し、送信する
  3. 入力したメールアドレスで、マイページ仮登録用のURLを受信する
  4. 送信されたURLをクリックして、マイページの仮登録を完了する
  5. 「必須」の項目に必要な情報を記入する
  6. 顔写真の提出を求められるので、ファイル選択または写真撮影をする
  7. サポート担当者の情報とアンケートを記入する
  8. 個人情報の取扱い内容に同意できたら「同意」を選択する
  9. 確認画面に進み、入力内容を閲覧できたら「マイページ登録申込をする」をクリックして完了

なお、マイページは一人一つしか作成できません。また、マイページ登録の審査には約5日程度かかるため、余裕を持って登録されることをおすすめします。

企業申し込みの場合

外国人労働者本人だけではなく、企業も申し込みできます。申し込みできるのは、外食業または飲食料品製造業を営み、特定技能の外国人を雇用する企業です。

申し込みにあたり、会員の種類と必要書類を把握しておきましょう。

会員種類OTAFF賛助会員OTAFF正会員(団体)からの推薦状がある企業その他の企業
必要書類賛助会員番号・法人番号OTAFF正会員からの推薦状・法人番号等登記事項証明書(写)・法人番号

※登録支援機関または行政書士への代行も可能です

OTAFFは「企業用マイページ操作マニュアル」を公開しています。基本の流れは、外国人によるマイページ登録とほとんど変わりません。ただし企業情報の入力、契約書・同意書確認などがあるため、案内にしたがって登録を進めましょう。

4-2.試験に申し込む

試験申し込みの期間は、試験日の約2か月前から開始されます。OTAFFの公式サイトにあるマイページから、試験の申し込みをしましょう。

試験の日程や会場を選択し、必要な情報を入力します。試験申し込みは、外国人本人だけでなく企業が代わりに申し込んでも問題ありません。その際は企業用マイページの登録が必要です。

試験申し込みは先着順ではなく、コンピューターの抽選システムで、自動的に選ばれる仕組みです。抽選では、過去に試験申し込みで落選した回数が多い人ほど優先されます。

4-3.受験料支払い・合格証書の受け取り

申し込み後に当選したら、受験料を支払います。受験料は7,000円(税込)です。基本的に、受験料は、返金されません。ただしOTAFFの都合により試験中止や自然災害が発生したときは例外です。

試験に合格すると、合格証書が発行されます。この証書は、特定技能1号の在留資格を取得するために必要です。合格証書は郵送されないため、マイページからダウンロードしましょう。

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5.外食業特定技能1号試験の注意点

試験を受けるうえで、いくつかの注意点があります。日本での生活に不慣れな外国人は特に、注意点をよく理解し、「受験不可」または「合格取り消し」にならないように注意が必要です。企業側も外国人労働者がペナルティを受けないように、試験の注意点を把握しておきましょう。

5-1.外食分野の試験申し込み重複禁止

試験の受験者は抽選で選ばれるため、なかには複数回の申し込みをする人がいるかもしれません。しかし重複の申し込みは禁止されており、発覚するとペナルティを受けます。具体的には合格の取り消しに加えて、最大5年間受験が不可になります。

5-2.試験申し込みのキャンセル不可

一度試験に申し込むと、キャンセルすることはできません。そのため外国人本人の受験する意志が固まってから、申し込みの手続きをします。

ただし試験の3営業日前(OTAFFの営業日)までに連絡すると、日時や受験会場の変更を受け付けていると記載がありました。変更の必要がある場合には、手遅れになる前に連絡しましょう。

5-3.特定技能の審査とは別

日本語能力試験と外食業特定技能1号試験に合格したからといって、「特定技能」が取得できるとは限りません。試験に合格したら、出入国在留管理庁に「在留資格認定証明書交付申請」をしましょう。

在留資格の申請は、オンラインからもできます。窓口に出向く手間が省けるため、気になる方は以下の記事を参考にしてみてください。
在留カードはいつから更新できる?オンライン申請や必要書類まで徹底解説!

5-4.試験当日はマナーを守る

一般的な試験と同様に、受験するうえでの注意事項があります。例えば受験票の席番と同じところに座る、スマートフォンの電源はオフにする、不正行為はしないなどです。試験当日は、マナーを守らなければなりません。

OTAFFの公式サイト内にある「試験の日の注意事項と不正行為の禁止」ページでは、詳細が記載されています。試験当日マナーを守るように、外国人労働者に事前説明しておくと安心です。

6.まとめ

外食業特定技能1号試験は、外食業で働く技術と日本語能力を測定する試験です。合格点は65%以上ですが適切な準備をすれば、比較的難しくない内容だといえます。

外食業で外国人を受け入れるなら、この試験に合格してもらう必要があります。しかし受験のサポートや試験の企業申し込みをするうえで、負担も増えてしまうでしょう。

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