【外食業】外国人を採用する企業が増加中!今話題の特定技能についても解説
執筆者:太田彩香(新規開拓担当)
慢性的な人手不足に悩まされている外食業では、積極的に外国人を採用する動きが出てきています。特に「特定技能」という在留資格では外国人を正社員雇用することができ、ホールやキッチンスタッフのほか、デリバリー業務も任せることができます。
ただ、実際に外国人労働者を採用する際にどのような点に気を付ければいいのか、不安に感じている方もいるのではないでしょうか。今回は外食業における外国人労働者の採用方法を中心に解説します。
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1.外食業で外国人を採用するなら在留資格「特定技能」がおすすめ
外食業において実際に外国人を採用する場合には在留資格「特定技能」がおすすめです。なぜ特定技能がおすすめなのか、解説します。
1-1.【基本情報】在留資格とは?
在留資格とは、外国人が日本で活動する際に必要となる資格です。在留資格は全部で29種類あり、それぞれに目的があります。
現状では技能実習もしくは特定技能を取得する外国人労働者が多くを占めている状況です。中でも在留資格「特定技能」を取得している外国人労働者が急激に増えています。
在留資格について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
1-2.「特定技能」とは?
在留資格「特定技能」は2019年に創設された在留資格で、慢性的な人手不足が指摘される12分野で外国人を正社員雇用するために作られました。
この12分野の中に外食業が入っており、人手不足で困っている外食業関連の企業は在留資格「特定技能」を利用して外国人労働者の確保が行えるのです。
特定技能についてさらに詳しく知りたい方
→「特定技能まるわかり資料」をぜひご活用ください
1-3.特定技能がおすすめな理由4つ
ここからは特定技能がおすすめな理由を紹介します。おすすめな理由は以下の4つです。
- ホールやキッチンで外国人を正社員雇用できる
- 特定技能2号に移行すれば永続的に雇用できる
- 最低限の日本語能力がある外国人を雇用できる
- 現在急激に特定技能外国人が増加しているので雇用機会が多い
① ホールやキッチンで外国人を正社員雇用できる
在留資格「特定技能」であれば、ホールスタッフとして接客を行うほか、キッチンで調理を行うこと、また店舗管理など外食業に関する一連の仕事に携われます。
例えば、在留資格「技能」のケースでは調理の仕事しかできず、ホールでの接客の仕事はできませんでした。また留学生を支援するために作られた在留資格「特定活動46号」の場合は調理や接客などはできる一方、調理場での皿洗いなど単純労働はNGです。
その点、特定技能は単純労働を含めてすべての業務が行えます。
特定技能外食に関してはこちらの記事でも詳しく解説しています。
② 特定技能2号に移行すれば永続的に雇用できる
特定技能には1号と2号があります。特定技能1号だと最長5年の在留期間となるため、5年間しか働けません。一方で特定技能2号は在留期間が無期限となるため、在留期間の更新を続ければ永続的な雇用が可能です。特定技能1号から2号に移行すれば、将来的には永住権の申請もできます。
特定技能2号はこれまで一部の分野のみが対象でしたが、2023年に9分野が追加されることとなり、この中に外食業も含まれています。
外食業で特定技能2号になるためには、「外食業特定技能2号技能測定試験」とN3以上の日本語能力試験をそれぞれ合格することが必須です。また、店舗管理の経験を最低でも2年間行うことも必要となります。※
※:法務省「外食業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」に係る運用要領
③ 最低限の知識と日本語能力がある外国人を雇用できる
外国人が特定技能1号を取得するには外食業に関して基本的な知識を問う「外食業特定技能1号技能測定試験」とN4レベル以上の日本語能力試験にそれぞれ合格する必要があります。N4レベルは基本的な日本語が理解できるレベルです。最低限の日本語能力があることがわかります。
全く日本語ができない外国人労働者を雇用せずに済むため、多少日本語の勉強をしてもらいながらも、接客の業務などに携わってもらえるのです。
▶実際に特定技能外国人の日本語力はどのくらいなのかはこちらの資料で解説しています
④ 雇用機会が多い
現在特定技能外国人が急激に増えており、その分雇用機会も多くなっています。
外食業は令和6年6月末時点で20,137人となっており、2年前の6.3倍、前年の同じ時期と比べても倍以上増えています。特定技能「外食業」で働き始めた外国人労働者はここ1年で急増しており、外食業で外国人を採用したい企業にとっては最高の環境が整っていると言えるでしょう。
2.特定技能外食で外国人を採用するには?
特定技能で外国人労働者を採用するには、以下の流れを辿ることになります。
- 登録支援機関を選ぶ
- 協議会に参加する
- 募集をかける
- 面接をして内定をだす
- ビザを申請する
- 入社
本項目では、採用までの一連の流れについて解説します。
特定技能外食外国人を雇用する場合、「食品産業特定技能協議会」への加入が義務付けられており、特定技能外国人の雇用から4か月以内に加入しなければなりません。
入会自体はさほど難しくなく、当面の間は入会金・年会費などは発生しません。速やかに協議会に参加し、構成員となることが求められます。
特定技能外国人に募集をかけるには、求人を出したり日本語学校に問い合わせるなど様々な方法がありますが、初めての方、もしくは自社に合った人材をすぐに採用したい場合は人材紹介会社を利用することをおすすめします。
弊社では1500名以上の外国人を輩出し、500名以上の特定技能外国人のサポート実績があります。まずは入念に企業様の求める人材のヒアリングを行いますので、お気軽にお問い合わせください。
求人募集をかけて、応募してきた外国人を相手に面接を行います。現在、面接はオンラインで行うことが一般的です。
外国人の採用面接では何を質問すればいいかわからないという方が多いです
▶「外国人採用面接質問シート」をぜひご活用ください
内定を出し、雇用契約を結んだらビザの申請を行います。国内にいる外国人で特定技能のビザを持っていない人は「在留資格変更許可申請」を行って、現在の在留資格から特定技能へ切り替えます。
海外から外国人を受け入れる場合、「在留資格認定証明書交付申請」を行います。
詳しくはこちらの記事で解説しています
在留カードが交付される、もしくはビザ申請が通れば、就労が可能になり、いよいよ入社となります。入社後は社会保険への加入などを行い、「外国人雇用状況届出」をすぐに行いましょう。
3.特定技能で採用する際の注意点
ここからは特定技能で採用する場合の注意点についてまとめました。
3-1.風俗で特定技能外国人を従事することはできない
特定技能外国人は風俗営業もしくは性風俗関連特殊営業に該当する業務に従事することはできません。風俗営業は接待飲食等営業や遊技場営業に該当する産業、性風俗関連特殊営業は店舗型性風俗特殊営業などが該当します。
これらを営んでいる営業所はたとえ外国人に調理業務のみを任せたいと思っても、就労させられないので注意が必要です。
また、ケースによってはアウトかセーフか判断がつきにくいことがあります。例えば、カフェの中にバーがある場合、そのバーでの接客が風俗営業法における接待に該当するかどうかは、どのような接客が行われているかで判断されます。もし判断が難しい場合はお気軽にご相談ください。
3-2.給与は日本人と同等以上にする
特定技能外国人の給与は原則として日本人と同等かそれ以上でなければなりません。特定技能に関連した法律で定められており、同じ会社で働く日本人労働者より給与を低く設定すると、在留資格の申請が下りない可能性が出てきます。
基本的には同じ会社で働く日本人労働者と同じ水準にしておけば、何ら問題はありません。しかし、特定技能外国人に対し、事前の給与よりも安く支払われるケースも報告されており、ルールを守らない事業所も存在しています。※
※:東京新聞「話が違う!期待した日本「優しくない」 低賃金、転職妨害も 特定技能で働く外国人を苦しめる雇用主のやり方」
特定技能外国人の中には母国に住む家族に仕送りをする人も多くいます。近年は歴史的な円安のせいで、仕送り額が目減りしやすい状況です。優秀な特定技能外国人に来てもらって、できれば長く働いてもらいたい場合には、日本人と同等以上の給与を支払うことは必須と言えます。
同じ分野であれば、特定技能外国人は転職が可能なため、給与面で比較検討を行った上で転職につながってしまうこともあるでしょう。ですので、給与面にも気を付ける必要があるでしょう。
特定技能の賃金・給与相場はこちらの記事で詳しく解説しています
3-3.直接雇用のみ
特定技能外国人との雇用契約は原則直接雇用のみです。派遣で雇用できる産業もありますが、現状は農業と漁業に絞られており、外食業は対象ではありません。直接雇用で採用する際には週5日以上・年間217日以上・週の就労時間30時間以上で働く形になります。
3-4.不法就労助長罪に注意する
特定技能外国人を採用する際には不法就労助長罪に注意が必要です。
不法就労助長罪は3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金または併科という刑事罰があるほか、罰金刑以上の刑を受けてしまった場合、刑を受けてから5年間は特定技能外国人の受け入れができません。許認可を必要とする業務も罰金刑以上の刑を受けた時点で許認可が取り消され、業務が継続できなくなるため、大変な事態を招きます。
また、故意ではなくとも在留カードの確認を怠った場合などは過失があったと判断されて不法就労助長罪が適用されます。適用されないためにも、在留カードの確認を徹底するなどの対策が必要です。
不法就労助長罪についてはこちらの記事で詳しく解説しています
4.よくある質問
5.まとめ
外食業は慢性的な人手不足に悩まされていますが、特定技能「外食業」で働く外国人労働者を確保できれば人手不足の状態を解消できます。特定技能「外食業」で働く外国人は急増しており、需要も供給もマッチしやすい状況と言えるでしょう。
今回ご紹介した内容を踏まえて、外国人労働者を積極的に採用し、慢性的な人手不足を解消するほか、特定技能「外食業」で働く外国人を素早く確保していきましょう。
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