特定技能でベトナム人を採用するには?手続き・費用・メリットなどわかりやすく解説!
執筆者:伊藤(株式会社JJS 取締役)
特定技能外国人で多くの割合を占めるのがベトナム人です。ベトナム人はまじめで器用なことから日本人とも似ているといわれています。
今回は、計2,000名以上のベトナム人と面談を行い、200名以上の特定技能外国人の就職を成功させた筆者がベトナム人を特定技能で雇用するメリットや採用にかかる費用、具体的な採用方法や採用までの流れまで、わかりやすく解説します。
特定技能について詳しく知りたい方は「特定技能まるわかり資料」をご覧ください
1.そもそも特定技能とは?
「特定技能」とは2019年4月に新しく創設された制度(在留資格)です。今まで外国人をフルタイム雇用する場合、基本的に現場で働くことはできませんでした。しかし、特定技能の登場により、人手不足とされる14業種においてのみ、外国人が現場で働くことができるようになりました。
特定技能には1号と2号があり、1号で通算5年を修了すると2号に移行でき、永続的に働くことが可能となります。
特定技能に関してはこちらの記事でも詳しく解説しています。
2.なぜ今「特定技能」ベトナム人が多く働いているのか?
2023年6月末現在、出入国在留管理庁のデータによりますと、特定技能で在留している外国人の総数は173,089人のうち、ベトナム人の人数は97,485人です。つまり、特定技能で働く外国人の内、半数以上はベトナム国籍となるほど多くのベトナム人が特定技能で働いているのです。
参考:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数」(令和5年6月末現在)
特定技能でベトナム人が多く働いている理由は、主に3つの理由があります。
- コロナウイルスの影響で母国に帰国ができず日本国内での就職を選んだ
日本国内に住んでいたベトナム人は、2020年のコロナウイルスの影響により2021年12月ごろまでベトナムに帰ることができませんでした。そのため、日本国内で生活をするために特定技能で働く決断をしたベトナム人も少なくはありませんでした。 - 日本国内に在留するベトナム人技能実習生が多い
2022年3月時点、日本国内に在留するベトナム人技能実習生は90,753人います。これは国籍別でダントツ1位の多さです。技能実習生にとって特定技能で働くことは仕送り金額を増加させることができるという大きなメリットがあります。特定技能開始以前、技能実習生は技能実習が終わるまでの最大5年間しか日本で働くことができませんでした。しかし、特定技能開始後は技能実習の5年間に加え、特定技能でも5年間働くことができるようになりました。そもそも、技能実習生が来日する目的は母国への仕送りのための出稼ぎであり、その金額を増加させることができる特定技能は大きなメリットがあります。
参考:外国人技能実習機構「令和3年度業務統計」 - 日本国内に在留するベトナム人留学生が多い
2022年末時点、日本国内に在留するベトナム人留学生は37,405人います。これは国籍別で2位の多さです。留学生にとっても特定技能で働くことは出費を抑え日本で働くことができるという大きなメリットがあります。特定技能開始以前、留学生が日本で就職するためには専門学校等を卒業し就労ビザを取得しなければなりませんでした。こちらは非常に時間もお金もかかる方法です。しかし、特定技能が開始し日本の専門学校等を卒業せずとも日本での就職が可能となりました。そもそも、留学生は日本で就職することを目的として来日をしているケースが多く、就職までにかかる時間やお金が少ない特定技能での就職方法はベトナム人留学生にとって大きなメリットがあります。
参考:独立行政法人日本学生支援機構「2022(令和4)年度 外国人留学生進路状況・学位授与状況調査結果 」
ほかの国籍の外国人とベトナム人を比べてみたいという方はぜひ「外国人理解ブック」をご覧ください
2-1.特定技能でベトナム人を採用するメリット
特定技能でベトナム人を採用するメリットは大きく5つあります。
- 働くことに意欲的
ベトナム人は働くことに意欲的な方が多いです。ベトナム経済は過去30年間でGDPが42.5倍となっており国として豊かになりたいというエネルギーに溢れています。そのため、ベトナム人労働者自身も「豊かになりたい」というエネルギーで溢れており、仕事に真面目に取り組みます。その雰囲気から、外国人を受け入れるからには外国人のハングリー精神の強さで社内のモチベーションアップにつなげたいという考えを持っている企業にとって特定技能でベトナム人を受け入れることには大きなメリットがあると考えられます。 - 日本国内で採用可能
日本に住んでいるベトナム人の人数が多いので日本国内での採用をしやすいというメリットがあります。日本国内に住んでいるベトナム人であれば、オンライン面接ではなく対面面接をすることが可能であるため対面でじっくり本人の適性を見極めることができます。 - 明るく社交的
ベトナム人は明るく社交的な人が多いです。会話の中で笑顔が多く、積極的に話しかけてくれる方も多いです。そのため、特定技能の対象業種である外食業や介護業といったサービス業の企業様にコミュニケーション能力を褒められることも多いです。 - 手先が器用
ベトナム人の方は手先が器用な方が多いです。
ベトナム人はバイクをメインの交通手段としていますが、所有者自身でバイク整備を行うのが普通です。その他にも、ベトナム人女性は幼少期に遊ぶおもちゃがなく、人形の服を作って遊ぶ人もいます。以上のように幼少期から手先を使う作業をしていることが多く、特定技能の対業種である製造業などでも重宝されるでしょう。 - 比較的若い人材が多い
日本で働くベトナム人は若い方が多いです。高校を卒業してすぐに日本に来るという方も少なくありません。そのため、特定技能の対象業種である建設業など肉体労働が多い職場などでは若者のエネルギーを発揮し、肉体的な疲労を感じにくく働くことができるでしょう。
とはいえベトナムと日本では文化も異なるのでタブーも存在します。ベトナムのタブーを知りたい方はぜひこちらの記事をご覧ください。
2-2.こんな企業は特定技能でベトナム人を雇用すべき
以下のような企業様は特定技能でベトナム人を採用することをおすすめします。
- 対面でじっくり本人の適性を見極めたい企業
先述の通り、日本国内に住むベトナム人を対象に採用活動をすることができるので対面面接を実施することにより本人の適性を見極めることが可能です。 - 初めて外国人を採用する企業
初めて外国人を採用する企業の場合はベトナム人採用がおすすめです。
理由は宗教上の心配をする必要がないからです。初めて外国人を受け入れる企業の場合、異文化を受け入れることができるか心配という声も少なくありません。特に、宗教は否定することのできない重要な文化です。一方で、ベトナム人は73%が無宗教です。そのため、最もデリケートな宗教について注意をする必要がほとんどありません。そのため、ベトナム人は初めて外国人を受け入れする企業にとって比較的ハードルの低い国籍でしょう。 - お客様への接客が必要なサービス業の企業
お客様への接客が必要なサービス業の企業の場合は、ベトナム人の採用がおすすめです。
ベトナム人は明るく社交的な方が多く、積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢が感じられます。介護業や外食業、宿泊業の分野ではその社交性からお客様に好印象を与えることができるでしょう。 - 手先の器用さを重視する製造業の企業
こまめな作業が必要な製造業の企業の場合、ベトナム人は大いに活躍するでしょう。
先述の通り、ベトナム人は手先が器用で細かい作業が得意な方が多いためです。 - 若く体力のある人材を欲している企業
若く体力のある人材を欲している企業の場合はベトナム人の採用がおすすめです。
ベトナムでは高校を卒業してすぐに来日をする方も少なくありません。そのため、体力の有り余っている若い人材が活躍できる肉体労働が多い職場ではベトナム人が活躍できる可能性があります。
ベトナム人を介護職、飲食業で採用したいと考えていらっしゃる方はこちらの記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
3.特定技能でベトナム人を採用する2つの方法
特定技能でベトナム人を採用するにはベトナム現地から採用する方法と日本国内にいるベトナム人を採用する方法の大きく2つの方法があります。
3-1.海外(ベトナム現地)から採用
1つ目の方法として、ベトナム現地から採用する方法があります。
ベトナム現地から採用する場合は送り出し機関という機関を経由する必要があります。
送り出し機関とは?
送り出し機関とは、ベトナム現地で日本で就労を希望する人材に日本語教育や職業訓練を行う機関です。
特定技能の採用を行うにあたって送り出し機関は、ベトナム労働・傷病兵・社会問題省海外労働管理局(DOLAB)への推薦者表等の申請手続き業務を担う役割があります。
推薦者表とは?
推薦者表とは、ベトナム国の関連法令に基づき必要な手続きを完了した特定技能外国人に対して発行をする証明書です。ベトナム人を特定技能で採用する場合はビザ申請をする際に推薦者表の提出をしなければなりません。
ベトナム現地から特定技能を採用をする際には、DOLABにより推薦者表が発行されます。日本国内でベトナム人を採用する場合は、在日本ベトナム大使館により推薦者表が発行されます。
海外採用の注意点
前述したベトナム現地の送り出し機関はとても多く存在し、中には法令に違反をしている悪質な送り出し機関もおり、大きな問題となっています。
そのため、特定技能では、ベトナム労働・傷病兵・社会問題省海外労働管理局(DOLAB)から認定された送出機関を通じての受け入れが必須となる点に注意が必要です。
認定された送り出し機関のリストは以下となります。
ベトナム認定送り出し機関リスト
実際に特定技能ベトナム人がどのような思いで来日し、今働いているかインタビューを行いました
3-2.国内から採用
2つ目の方法は日本国内に住んでいるベトナム人を採用する方法です。日本国内に在住する留学生や技能実習生などが対象となります。また、日本国内で採用する際も、ビザ申請の際に駐日ベトナム大使館からの「推薦者表」が必須となります。
国内採用の注意点
国内採用の場合は技能実習生を特定技能で採用する場合は特に問題ありませんが、留学生を採用する場合に問題が起こりやすいので注意が必要です。
留学生を採用する場合の注意点は以下の2つです。
- オーバーワークをしていないこと
オーバーワークをしている場合は特定技能ビザの取得ができない可能性があります。留学生の場合は、週28時間アルバイト勤務が可能となる資格外活動許可を受けアルバイトを行います。
しかし、学費の納付や仕送りのために週28時間以上アルバイトをしている留学生も少なくはありません。この働きすぎの状態をオーバーワークといい、あまりにもオーバーワークをしている場合は特定技能ビザが取得できない可能性があるので事前に課税証明書や納税証明書のチェックをおすすめします。 - 税金や保険、年金等の未納
税金等に未納がある場合は特定技能ビザの取得ができません。留学生の場合は、税金等に未納があるケースも少なくはありません。税金等が未納の場合は特定技能ビザの取得ができないため、ビザ申請前に納付するよう伝えましょう。
4.特定技能でベトナム人を雇用する際の費用
4-1.海外(ベトナム現地)からの採用の場合
海外からの採用の場合、送り出し機関が間に入るため、国内採用よりも割高になる傾向があります。
海外から採用する場合の初期費用の相場
- 在留資格(ビザ)変更申請代行費用|1名あたり10万円〜20万円
在留資格(ビザ)申請書類作成代行を行政書士に依頼する場合に発生する料金です。特定技能ビザの申請書類は計100ページ以上となり煩雑であるため初めての申請の場合は行政書士に依頼するのが無難でしょう。 - 送り出し機関への紹介料及び推薦者表交付申請代行費用|1名あたり15万円〜60万円
こちらの費用には教育費用とDULAB申請代行費用が含まれます。送り出し機関がベトナム現地で特定技能外国人に対して日本語や技能を教育するために発生する費用が発生します。教育費用についてはベトナム人に負担されることができない点に注意が必要です。また、教育費用はベトナムと日本は、二国間の協力覚書(MOC)により特定技能ベトナム人の基本給の1ヶ月分以上3ヶ月分以下という定めがあります。 - ベトナム現地から日本までの渡航費用|1名あたり3~6万円
渡航費についてもベトナムと日本は、二国間の協力覚書(MOC)によりベトナム人に負担をさせてはいけないというルールがあります。 - 空港から寮までの移動費用|1名あたり1万円〜2万円
特定技能制度では空港から住居までの移動費用について、受入企業等が負担しなければならないというルールがあるので、空港から住居までの移動費用についても企業が負担しなければならない点に注意が必要です。 - 紹介料|1名あたり20万円〜40万円
人材紹介会社を通じて人材を採用する場合に発生する費用です。
特定技能雇用後のランニングコストの相場
ランニングコストとしては月々の支援料、1年に1回のビザ更新費用が発生します。
その相場は以下の通りです。
- 支援料|1名あたり2万円〜3万円/月
特定技能外国人の日常生活等の支援を登録支援機関に委託する場合に発生する費用です。支援を委託しない場合は費用はかかりません。 - 在留資格(ビザ)更新申請代行料|1名あたり6万円〜10万円
特定技能ビザは最大5年ですが、基本的に1年毎の更新となり、最大で5年間ビザが発給されます。このビザ更新を行政書士に依頼する場合は費用が発生いたします。
4-2.国内からの採用の場合
日本国内での採用の場合、送り出し機関が関与することはないため、ベトナム現地からの採用よりも割安になる傾向があります。
日本国内から採用する場合の初期費用の相場
日本国内に住むベトナム人を採用する場合は、渡航費用などはかからないため、初期費用が低くなることが多いです。
- 在留資格(ビザ)変更申請代行費用|1名あたり10万円〜20万円
国内採用の場合でも海外と同じく、在留資格(ビザ)の変更が必要となります。申請書類作成代行を行政書士に依頼する場合に発生します。 - 紹介料|1名あたり30万円〜60万円
こちらも海外と同じく、人材紹介会社を通じて人材を採用する場合に発生します。
特定技能雇用後のランニングコストの相場
ランニングコストは海外から採用した場合と同額の場合がほとんどです。
- 支援料|1名あたり2万円〜3万円/月
日本国内からの採用の場合でも、特定技能外国人の日常生活等の支援は必要です。支援を登録支援機関に委託する場合には費用が発生します。支援を委託しない場合は費用はかかりません。 - 在留資格(ビザ)更新申請代行料|1名あたり6万円〜10万円
特定技能ビザは最大5年ですが、基本的に1年毎の更新となり、最大で5年間ビザが発給されます。このビザ更新を行政書士に依頼する場合は費用が発生いたします。
それぞれの費用について詳しく知りたい方は「特定技能外国人コスト一覧表」をご覧ください
4-3.海外採用と国内採用どちらがいいのか?
海外採用と国内採用にはどちらもメリットデメリットがあり、どんな人物を採用したいのかによって変わってきます。
給与や立地条件に自信がある企業の場合
おすすめ方法は、日本国内からの採用です。
ベトナム人は日本でお金を稼ぐことを目的にしており、生活が便利な都市部での就職を希望する方が多いです。そのため、給与や立地条件に自信がある企業の場合であれば日本国内に住むベトナム人でも採用できる可能性があるでしょう。
日本国内に住むベトナム人を採用する場合、送り出し機関を経由することなく採用が可能であるため採用にあたって比較的コストがかかりにくく、採用にあたっての手続きも少ないため比較的早期で勤務開始をしてもらうことが可能です。
給与や立地条件に自信がない企業の場合
おすすめ方法は、ベトナム現地からの採用です。
先述の通り、ベトナム人は給与と立地で就職先を選ぶ傾向があります。そのため、給与や立地条件に自信がない企業の場合は日本国内で人材を集めることが困難であり、確実に人材を確保できる方法ではありません。
仮に日本国内からベトナム人を採用できたとしても、給与と立地を重視する特性から早期離職につながる可能性が高いです。
一方で、ベトナム現地からの採用であれば立地を気にするベトナム人は少ない傾向にあります。そのため、確実に人材を確保することができます。
5.特定技能でベトナム人を雇用するための要件
特定技能でベトナム人を雇用するためには企業側もベトナム人側も要件を満たしている必要があります。
5-1.企業側の要件
企業側の要件は大きく7つあり、下記の要件を全て満たす必要があります。
- 同様の業務に従事する日本人と同等以上の給料を支払うこと
日本語が不自由など外国人であることを理由に不当に給与に差別的な待遇をすることはできません。出入国在留管理局にビザ申請を行う際に比較対象となる日本人の給与を提示する必要があります。万が一、比較対象者が不在で、特定技能外国人の給与と日本人従業員との間に差が生じる場合には合理的な説明をする必要があります。
- 一時帰国を希望した場合、休暇を取得させること
外国人本人が一時帰国を希望した場合は、休暇を取得される必要があります。ベトナム人の場合は旧正月(1月後半から2月ごろ)に帰国を要求するケースが多く、数年に一度2週間〜1ヶ月程度の帰国を希望されるケースが多いです。
- 労働保険や社会保険、租税に関する法令を遵守していること
保険や税金についてはもちろん、労働基準法に則りベトナム人の雇用を行う必要があります。 - 契約終了後、外国人本人が帰国費用を負担できない場合は受入企業が渡航費を負担し帰国が円滑になされうよう措置を行うこと
原則、帰国費用は本人負担です。しかし、万が一雇用契約終了後に外国人本人が帰国費用を持ち合わせていない場合は、受入企業がその費用を負担し責任を持って帰国の支援をする必要があります。これには対策も可能で、本人の同意を得ることができれば帰国費用から逆算をし、計画的に帰国費用を給料からプールをすることも可能です。
- 過去1年以内に解雇等の会社都合の退職者や行方不明者がいないこと
日本人を含め、過去1年以内に解雇等の会社都合で退職者を出してしまった場合は、特定技能ベトナム人を雇用することができません。また、会社の事情で行方不明者、失踪者を出してしまった場合も同様です。
- 外国人が日常生活に不便なく就労できるよう支援を自社もしくは委託機関を通じて行うこと
特定技能の受け入れにあたってはベトナム人の日常生活等の支援を行うことが受け入れ条件として定められています。ベトナム語での支援が必須となるので専門の登録支援機関にご委託されることをお勧めします。もし自社にて支援を行いたい場合は、登録支援機関になるための要件等もありますので、詳しくは以下のページをご参照ください。
- 該当する分野・業種の協議会に加入すること
該当分野の協議会に加入する必要があります。協議会は、適切な特定技能外国人受け入れ実施を目的に設置されており、定期的に特定技能の制度変更案内や成功事例の案内等があります。協議会は会費無料の分野が多いのですが、建設分野のみ一般社団法人 建設技能人材機構(JAC)に対し、会費が発生するので注意が必要です。基本的には特定技能雇用後4ヶ月以内に加入をする必要がありますが、建設業や製造業、自動車整備業など雇用前に加入が必要な分野もありますので注意が必要です。
ベトナム語対応は必須なのか?
特定技能ベトナム人雇用にあたって、ベトナム語は必須ではありません。
ただし、自社で支援を行う場合はベトナム語で日常生活のサポートができる体制を整える必要があります。
5-2.ベトナム人側の要件
大きくは2つの要件があります。この要件は日本国内に住んでいるベトナム人とベトナム現地に住んでいるベトナム人の両方に適応されます。
- 日本語試験に合格をしていること
特定技能で働くためには、日本語試験に合格をしている必要があります。その水準としては、「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語能力」とされています。
日本語試験には2種類あり、日本語能力試験(JLPT)の4級以上と国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)のA2以上に合格する必要があります。また、今からベトナム人に受験をしてもらうのであれば、開催頻度が高いためJFTがおすすめです。
参考:国際交流基金日本語基礎テスト - 技能試験に合格をしていること
特定技能で働くためには、技能試験に合格をする必要があります。ただし、同業種の技能実習2号を良好に修了している場合は技能試験は免除されます。また、介護業においては注意が必要で、介護技能評価試験の他に介護日本語評価試験という介護専門の日本語試験に合格をする必要があります。
6.雇用するまでのステップ
ベトナム人を雇用するまでの流れをお伝えいたします。海外と国内で流れが大きく異なるので、注意してください。
6-1.海外採用の場合の雇用までの流れ
海外からベトナム人を採用することを決定してから雇用するまでの流れは以下の通りです。
受け入れ企業と送り出し機関の間で労働者提供契約の締結をします。
送り出し機関がDOLABに対して、労働者提供契約の承認申請を行います。
DOLABが受入企業と送り出し機関との労働者提供契約の承認を行います。
送り出し機関が受け入れ企業に労働者の斡旋を行います。
送り出し機関により斡旋を受けたベトナム人採用者と受入企業の間で雇用契約を締結します。
送り出し機関がDOLABに斡旋予定のベトナム人採用者の推薦者表の申請を行います。
DOLABが推薦者表を発行し、送り出し機関に送付します。
送り出し機関は受入企業に推薦者表を送付します。
受入企業は最寄りの出入国在留管理局に在留資格(ビザ)変更申請を行います。
出入国在留管理局の審査を経てビザ許可が降りた場合、受入企業に対して在留資格認定証明書交付申請(COE)が送付されます。
受け入れ企業がベトナム人採用者にCOEを送付します。
ベトナム人採用者が在ベトナム日本国大使館に出国許可申請をします。
在ベトナム日本国大使館がベトナム人採用者に出国許可を出し、日本への入国が可能となります。
入国後、空港へ送迎に行き、入社となります。
6-2.国内採用の場合の雇用までの流れ
日本国内に住むベトナム人を採用を決定してから雇用するまでの流れは以下の通りです。
ベトナム人採用者と受入企業の間で雇用契約を締結します。
ベトナム人採用者が在日ベトナム大使館に推薦者表の申請を行います。
在日ベトナム大使館がベトナム人採用者に推薦者表の発行をします。
ベトナム人採用者が出入国在留管理局に在留資格(ビザ)変更申請を行います。この際、送り出し機関から送付された推薦者表についても提出をします。
出入国在留管理局の審査の後、ビザの発行がされます。
引越し等ができたら、入社となります。
7.まとめ
今回は、ベトナム人を特定技能で雇用するメリットや採用にかかる費用、具体的な採用方法や採用について解説しました。
日本国内に在住するベトナム人は、中国に次ぐ第2位です。
圧倒的母数から考えても、ベトナム人を特定技能で雇用することは、今後の長期的な人材採用戦略においても、有効な手段になると思います。 初めて特定技能で採用を行う企業も、まずはベトナムから始めるケースが多いです。
もしベトナム人採用についてわからないことなどあれば、無料相談を行なっているので、まずはお気軽にJapan Job Schoolにお問い合わせください。