【2024年4月更新】ベトナム人は高齢者を大切にする?介護で採用する方法をわかりやすく解説

執筆者:Divership編集部|外国人雇用担当部門

日本の各業界は今、慢性的な人手不足に陥っています。特に介護職での人材不足は深刻と言われており、外国人労働者を頼っていることも少なくないです。また外国人人材の中でも、ベトナム人の採用が注目されており、ベトナム人労働者の中でも、介護職は注目されています。

そこで今回は、介護職で外国人採用を検討している施設や組織を対象に、ベトナム人雇用におけるメリットや手順、注意点を詳しくご説明していきます。

これから特定技能外国人を介護で雇用したい方へ
現在、特定技能介護で働いているベトナム人にインタビューをしました

目次

1. ベトナム人の性格・特徴

ではまず、日本の介護業界におけるベトナム人雇用する際に把握しておきたい、ベトナム人労働者の性格や特徴を見ていきましょう。この特性を参考に介護職でベトナム人人材の採用を進めてみてください。

若い人材が多い

日本が長期的な少子化で若い人材を確保するのに苦戦している中、ベトナム国民の平均年齢は32.5歳と働き盛りの若者がそもそも多いのが特徴です。さらに、収入面や文化、生活面において日本で働きたいと考える若者も多くなっています。

そこで募集をベトナム人まで広げることによって、応募者の母数が広がる可能性が大きくなります。そうすることで人材不足が解消されるだけでなく、自身の企業が望む優秀な人材と出会える可能性が増えることも外国人雇用のメリットです。

また、若いベトナム人労働者の中でも「新しい技術を身につけたい」「専門性のある仕事につきたい」という、これからキャリアを築き安定を求める若者も多く、意欲に溢れた若い優秀な人材に出会えることも期待されています。

お年寄り、家族を大事にする

ベトナム人といっても出身地域や環境によって一括りにはできませんが、ほとんどのベトナム人に共通する特徴の一つが「家族第一主義」ということです。

例えば、家族にイベントがある時や病気になったときは日本では、仕事のことも考慮に入れた時には多くの人が仕事を優先する傾向にあるかと思います。しかしベトナム人は、病気はもちろん、イベントがある時には仕事を休んでお祝いや出席をすることがごく普通とされています。

さらに家族側も休みがもらえるのを期待している、普通だと考える人も多くおり、休み希望等シフトにおいて、考慮が必要な部分も出てくることも念頭に置いておく必要がありそうです。

また自身の家族はもちろん、知り合いでもお年寄りを大切にし尊敬する傾向、また日本人に似た真面目さや勤勉な部分もあるため、日本のお年寄りとの良い相性も期待できるのも特徴です。

真面目

一般的にベトナム人は日本人に似てまじめで勤勉な性格だといわれており、かつ責任感もあるので、任されたことは最初から最後までしっかり取り組みます。

また日本人と似て謙虚でもあるので、仕事面でもプライベート面でもベトナム人は日本人の良いパートナーとなるでしょう。

時間にルーズ

ベトナム人と日本人の性格は似ているところもあれば、日本人の感覚とはどうしても違う場面もあります。ベトナム人に限ったことではありませんが、時間への感覚がその1つです。

日本では、遅刻がよくないのはもちろん、集合の5~10分前には到着しているということが当たり前。交通渋滞などのトラブルでも、遅刻してしまうということだけで焦ってしまうものです。しかし、元々おおらかだったり、バイク大国で交通渋滞が日常のベトナムでは、時間に遅れるということもしばしばある光景です。

そのため、時間に対して許容が広く遅刻することも考慮に入れて時間の約束をする際は、少し早めに設定する、または事前に早めにくるように伝えておくことが必要になってくるでしょう。

プライドが高い

ベトナム人は、向上心が高く、勉強熱心な人が多いとも言われています。そのため、お願いした仕事に対してもきちんと熱心にこなす気力や語学の上達も早い人も多いため、仕事がしやすい人が多いと言われています。

しかし向上心が高い分、プライドも高いため、他の人から怒られるのを好まないという特徴もあります。少しでも自信やできると思ったら、完璧でなくてもできるという傾向にあるのも特徴なので、評価をしつつミスがないかどうかさりげなくフォローと確認をしながら指導していく必要もあります。

ベトナム人の特徴や仕事観についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

2. ベトナム人が日本で働く理由

なぜベトナム人が日本で働きたいと思うのか。ここからは、その理由を説明していきます。ベトナム人が日本で働きたい理由を知って、採用や雇用する際の参考にしてみてください。

給与水準が高い

ベトナム人が日本で働きたいと思う理由の1つに「給与水準が高い」という理由があります。

日本では、新卒でも平均月給は約18万〜25万ですが、ベトナムでは3万円前後となっています。さらに給与にプラスして社会保険制度や福利厚生もベトナムに比べて充実しているので、自国の給与で働くよりも安定的に収入を得ることができることが魅力なようです。

しかし、これまで低賃金・過重労働で外国人労働者が、被害を受けていたこともあります。そうしたことを防ぐため、日本の法律では日本人と同様の賃金を支給することが定められているため、しっかりその辺りも念頭に入れておく必要もあります。

出典:ジェトロ「ビジネス短信」

親日国

ベトナムはアジアの中でも特に親日国と言われています。例えば、ベトナム人の足と言われるバイクも日本製のものを使う人がほとんどです。家電製品から化粧品まで日本の製品は品質がいいとベトナム人の中で多くの人に支持されているのも親日である理由の1つです。また製品だけでなく、日本の漫画やアニメも実はベトナムで浸透しており、アニメや漫画をみて育った若者も多く、日本への憧れや親しみも親日である理由の1つとなっています。

さらに、日本からベトナムへODAといった国際援助も多く、助けてくれた国という印象を持つ人がいるのも新日の理由でもあります。

治安がいい

治安や生活環境の良さもベトナム人が日本で働きたいと思う理由の1つと言われています。世界的にみても日本は犯罪率などが先進国の中でも低く、生活環境の綺麗さなどで治安が良いという印象を持っているようです。

3. 介護でベトナム人を採用できる在留資格

介護職での外国人、ベトナム人を採用する施設や企業が増えてきている中で、さまざまなベトナム人を採用する方法が出てきています。その中でも介護職で採用するのにあった在留資格等、ベトナム人を採用する方法をご紹介していきます。

特定技能「介護」

外国人およびベトナム人採用で今最もといっても過言ではないくらい注目を集めているのが、この特定技能「介護」という資格です。介護分野において人手不足を補うために2019年に施行された、就労を目的にした在留資格の1つです。

更新期限は6ヶ月または4ヶ月・1年となっており、通算5年と比較的長く働くことができる資格となっています。この在留資格の取得には規定の試験に合格する必要はあるが、介護福祉の資格も不要のため、資格取得者に採用を絞る必要がなく、採用の幅が広がるのもこの資格のポイントです。

また、技能実習生では行えない1人夜勤も可能であり、今まで対象業務でなかった訪問介護も可能になるため、1人をある程度業務が補えるほどまで育て上げることが可能です。

特定技能介護で働くベトナム人に実施した「外国人インタビュー」はこちら

我々JJSには特定技能介護を志望するベトナム人が多数在籍しています
▶お気軽にお問合せください

技能実習(育成就労)

日本から諸外国およびベトナムへの国際貢献を目的とした制度。1年目は「技能実習1号」、2~3年目は「技能実習2号」、4~5年目は「技能実習3号」と別れており、合計で最長5年の就労・滞在が可能です。

こちらも特定技能「介護」と同様、訪問系サービスはできませんが、学歴や資格などの要件は基本的に関係なく、採用の幅が広いのが特徴です。また、母数も増えてきており、成熟してきている制度で一番採用がしやすい就労資格となっています。そのため、できるだけ早く人材を確保したいという施設などは特に注目の制度となっています。

しかし、全く何も知らないという状態からの育成というパターンも多いため、育成制度を整えたり業務がスムーズにできるようになるなど高い技術を求めるとなると時間がかかるのも視野に入れておく必要があります。

ただ、2023年11月、技能実習の人権上の問題が指摘され続けた結果、政府は技能実習制度を廃止し、新たな制度として「育成就労制度」を開設することを決定しました。

参考:技能実習生制度を廃止 「育成就労制度」に名称変更 最終報告書

育成就労の詳細はこの記事をご覧ください。

在留資格「介護」

2017年からはじまった在留資格で、介護福祉養成学校を卒業した人のみ受け取ることができます。さらに、介護福祉士の資格に合格することもこの在留資格がもらえる条件となっており、日本語能力が高い人かつ国家資格合格者しか取得できない資格でもあるため、他の在留資格よりも採用のハードルは高くなってきます。

しかし、在留期間の上限がないので更新すれば永久的に日本で働くことができる他、従事して良い業務の制限もないので、採用することができれば、より幅広く長期的な人材を確保できます。

EPA

経済協定に基づいた在留資格であり、インドネシア、フィリピン、ベトナムに送り出し国が限定されているため、こちらも母数が少ないのが現状です。

また、国家間の経済的な連携強化と介護福祉士の国家資格取得を目的とした制度であるため、資格取得までに期間が定められています。そのため、いくら資格なしで働いて良いという企業・施設でも限られた期間内に資格を取得しないと、業務ができるようになっていても帰国しなければならないという特徴があります。

しかし、期限内に資格を取得することができれば、その後は在留資格の上限がなくなるため、更新すれば永久的に日本で働くことができるのもメリットです。そのため、資格取得までは資格のための勉強等のサポートや時間を与えられるように業務量を調節することが必要になるでしょう。

従事できる業務には制限があり、「介護保険3施設、認知症グループホーム、特定施設、通所介護、通所リハ、認知症デイ、ショートステイ」が従事できる業務となっています。また、介護福祉士の資格を取得後は、一定条件を満たした事業所の訪問系サービスが可能ですが、制限がかかることも出てくるようなので注意が必要です。

4. 4つの在留資格のメリット・デメリット

それぞれの在留資格のメリット・デメリットをまとめました。やはり一番即戦力となるのは在留資格「介護」ですが人材を見つけることが難しいです。

即戦力となる人材を早く確保し、人手不足を解消したいなら特定技能がおすすめです。

特定技能についてさらに詳しく知りたい方は「特定技能まるわかり資料」をダウンロードください

5.採用までの流れ

ここまで、ベトナム人の特徴や介護職で働く際の在留資格についてご説明してきました。では、実際に採用するとなった際にどのような手順が必要になってくるのか?ここからは、そういったベトナム人を介護職で採用する際の必要な手続きや書類等をご説明していきます。

STEP
雇用契約を締結する

ベトナム人人材や外国人人材に限らず雇用するには、そもそも受け入れ機関や企業と雇用を締結する必要があります。それはベトナム人人材、外国人人材も同じです。海外から直接受け入れる、日本国内に既に滞在している人材に関わらず、事業所独自のものではなく、労働基準に定められた基準を満たした雇用契約書での雇用の締結が求められています

STEP
在留資格の申請をする

雇用契約の締結のほか、外国人人材の雇用で重要となってくるのが、在留資格の申請または更新です。海外から来日する人材を直接受け入れる場合は、「在留資格認定証明書」の交付申請が必要になってきます。

申請にはまず、地方出入国在留管理局に申請書を提出し、審査に通らなければいけません(原則、在留資格を必要とする本人が申請する必要になるが、地方局長に申請等取次者として承認を受けた場合、取次ぎが可能)。その後、審査に通ったら受け入れ機関に「在留資格認定証明書」が送付され、その受け取った在留資格認定証明書を本人へ送付し、在外公館へ提出し査証(ビザ)を申請することで働くことが可能となります。

次に既に日本に在住しているベトナム人・外国人を採用する場合です。既に日本に在住している場合は、現在持っている在留資格の変更許可を得る必要があります。その際は、海外から受け入れる場合と同じ地方出入国在留管理局へ申請書を提出しなければいけません(原則、在留資格を必要とする本人が申請する必要になるが、地方局長に申請等取次者として承認を受けた場合、取次ぎが可能)。ここで在留資格の変更が許可されると「特定技能1号」へと在留資格が変更され、介護則としての採用・雇用が可能となります。

6. 採用する際の注意点

採用までの流れをご説明した後は、ベトナム人を採用する際の注意点をご紹介していきます。雇用後、円滑に関係を築いていくにはそうしたら良いか、こちらもベトナム人を採用する際の参考にしてみてください。

人の前で叱らない

ベトナム人には、おっとりしているという特徴がある反面、プライドが高いといった面もあるのが特徴です。そのため、人前で怒られることやそもそも怒られるといったことが好きではないといった面もあります。

そのため、相手がやってことが間違っていても人前で怒ることはもってのほか、いきなり叱るのではなく肯定しつつ修正するといった、現在の日本の教育にも求められているような教育と接し方が求められるでしょう。

仕事内容ははっきりと伝える

ベトナム人を雇用する上で、仕事内容はもちろん、給料や契約内容をはっきり伝えておく必要があります。曖昧なままにしておくと、これはやってくれているものだと当然のように思っている”勘違い”が発生している場合もあるため、後々トラブルに発展するケースも考えられます。

こうした点から、給与内容や仕事内容など、細かい部分をわかってくれているだろうと曖昧にしたまま放置せず、細かく事前に伝えておいた方が良いと考えられます。

国別の外国人の特徴をまとめた「外国人理解ブック」のダウンロードはこちらから

7. まとめ

今回は、介護職でベトナム人人材を採用する際の注意点や雇用方法を解説してきました。性格面では、日本人にも近い特徴を思っているため、日本の介護業界に馴染みやすいのが大きな特徴です。

雇用方法もいくつか用意されているため、自身の事業所・企業の状況に合わせて、雇用を検討、採用を進めていくのがおすすめです。

ものしりシップ<br>くん

ベトナム人を介護分野で採用しようと考えている方,または外国人の採用についてご不明点があるようでしたら、無料相談を行っておりますので、まずはお気軽にJapan Job Schoolにお問合せください!

  • URLをコピーしました!
外国人専門
日本語・コミュニケーションスクール
スクールの卒業生を採用できます

日本語だけでなく、日本人と良好な人間関係を築くコミュニケーションを教えるスクールで学んだ生徒を採用できます。定着率の高い人材採用なら、今まで1000名以上の紹介実績のあるJapanJobSchoolにお問合せください!

この記事を書いた人

主に「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」「外国人マネジメント」「企業・外国人インタビュー」などの情報をこれから外国人を採用したい企業様向けに発信しています。編集部は外国人の人材紹介と支援を行っているJapanJobSchoolの社員で構成されており、専門家ならではの視点からお届けします。

☆☆☆JapanJobSchool☆☆☆
紹介実績1,500名以上!支援実績250名以上!
主に「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」外国人の人材紹介と支援を行っています。また、入社してからのスキルアップのために日本語授業も提供しています。

目次