【2025年11月最新版】コンビニで外国人を採用するには?ビザ、日本語能力、ポイントを解説

執筆者:Divership編集部|外国人雇用担当部門

コンビニも人手不足が深刻な業界の1つです

2020年10月に経済産業省で行われた「新たなコンビニのあり方検討会 フォローアップ会合」では、約59%の店舗で人手不足を感じているとの調査結果も明らかになっています。

このような背景のもと、外国人従業員を採用している店舗が増えてきています。コンビニ従業員の1割以上が外国人従業員です。

この記事では、コンビニで外国人を採用できる在留資格・必要な日本語能力・正社員で雇用する方法を解説しています。

コンビニでの外国人従業員の雇用を考えている、アルバイトの留学生に正社員になってもらいたい、ということを考えているコンビニの採用担当の方はぜひ最後までお読みください。

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目次

1. 【2025現在】外国人がコンビニで働くことができる在留資格    

現在、外国人がコンビニで働くことができる在留資格は4つあります。

・特定活動46号技術
・人文知識
・国際業務留学永住者
・定住者、日本人の配偶者等

この4つの中で最も割合が多いのは「留学」ですが、留学生は正社員として雇用することはできません。

それぞれについて解説します。

1-1. 特定活動46号

在留資格「特定活動46号」とは、JLPTN1以上の高い日本語能力を有し日本の4年制大学以上を卒業した外国人に与えられる在留資格です。

コンビニで正社員の外国人を採用したいときに必要な在留資格です。

創設の背景として、在留資格「技術・人文知識・国際業務」では従事できない現場作業で高い日本語能力を有する外国人を採用したい、ということがありました。

例えば、コンビニでアルバイトを行っていた留学生が、卒業後もそのコンビニで正社員として働きたいと希望し、オーナーもぜひ正社員として採用したいと思っていても、コンビニ業務が可能な在留資格がありませんでした。

このような背景から在留資格「特定活動46号」が創設され、所定の要件を満たすことでコンビニ業務などが可能となりました。

1-1-1. 特定活動46号で可能な業務

特定活動46号で可能な業務の例は以下の通りです。

・外国人客への通訳を兼ねた接客
・仕入れ、在庫管理業務
・商品企画

逆に、皿洗い・清掃など単純作業や、日本語を使用しない業務のみに従事することはできません。

在留資格「特定活動」についてはこちらの記事をご参照ください。

1-2. 技術・人文知識・国際業務

在留資格「技術・人文知識・国際業務」(通称、技人国)は、特定活動46号と同様、大学以上を卒業した外国人が日本で働く際に必要な在留資格です。

コンビニで正社員の外国人を採用したいときに必要な在留資格です。

コンビニで外国人を採用したい場合に利用できる場合もありますが、その場合大学で勉強した外国人自身の専門と関連する業務にのみ従事するということを、入管に示す必要があります。

【技人国の取得要件(外国人本人)】
海外か日本の大学卒業、または日本の専門学校以上を卒業している学歴(職歴)と業務内容の関連性がある

多店舗の運営・外国人客への対応・マーケティング・販促企画 など、専門性を伴う業務を組み合わせることで、コンビニ運営においても技人国の要件を満たすことができます。


在留資格「技術・人文知識・国際業務」について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。

1-3. 留学

外国人留学生は「資格外活動許可」を申請・取得できた場合、アルバイトとして就労が可能です。ただし、他のアルバイトと合わせて週28時間以内にしなければなりません

日本人のアルバイトスタッフ同様の業務に従事することができます。

1-4. 永住者・定住者・日本人の配偶者等

これらは技人国、特定活動46号などの就労系在留資格とは異なり、身分系在留資格と呼ばれています。

身分系在留資格には就労制限がありません。正社員で採用することも、アルバイトとして採用することも可能です。

そのため、レジ打ち・清掃・商品の陳列などの単純作業に従事させることも可能ですし、店舗経営や商品管理などの専門性のある業務に従事させてもらっても構いません。

<身分系在留資格の種類>

永住者・日本に10年以上滞在する・素行が善良などの要件を満たす
・在留期限がない
定住者・法務大臣が「日本で生活を続ける特別な配慮が必要」と判断した外国人
・日系人、第三国定住難民、中国残留邦人等が該当
日本人(永住者)の配偶者等・外国人が日本人又は永住者と結婚した際に取得
・無期限に滞在が認められない
 →離婚などで配偶者が存在しなくなると在留資格を喪失し、帰国しなければならない

2. 各在留資格で採用する際の注意点

従事できる業務や就労時間について、在留資格ごとに気を付けなければならない点があります。

2-1. 特定活動46号

「1. 【2025現在】外国人がコンビニで働くことができる在留資格」でも述べた通り、特定活動46号を持つ外国人を単純作業にのみ従事させることはできません

つまり、アルバイトがするようなレジ打ち・品出しのみに従事させることはできません。

4年制大学以上を卒業した外国人の専門性や、高い日本語能力を活かした業務をさせることが求められます。

しかし実際に、管理業務をさせると偽って入管に申請し、現実には単純作業ばかりさせていたという事例が多数あったことで、入管もチェックを強化しています。

仮に入管の摘発を受けると、将来的にコンビニでの特定技能が解禁されたときに、特定技能の受入れもできなくなるおそれがあります。不法就労助長罪に該当するおそれもありますので、特定活動46号で単純作業のみにさせることは絶対にやめましょう

また、特定活動46号を取得する要件は、外国人が「4年制大学以上を卒業していること」、「日本語能力試験N1に合格していること」ですが、近年大学の卒業書類やJLPTの合格証明書を偽造する事例がありました。

日本の4年制大学以上を卒業し、N1を持っている外国人は、日本人と同等に日本語を操れますし、かなり専門的な内容を日本語で説明することができます。

本人と話してみて「あまり日本語レベルが高くないように見える」と感じた場合は、もらった証明書類が本物か確認することをお勧めします。

2-2. 技術・人文知識・国際業務

技人国も特定活動46号と同様、単純作業が認められていません。

特定活動46号は外国人に現場作業をすることを認めていますが、技人国は現場作業も認めていない点に注意が必要です

2-3. 留学

在留資格「留学」は本来、日本で働くことが認められていません。入管に「資格外活動許可」を申請し、許可された場合に限り、週28時間まで働くことができます。

そのため、留学生の採用面接をする際に必ず在留カードの裏に資格外活動許可が書かれているか確認してください。

また、週28時間の就労時間制限は、複数のアルバイトを掛け持ちしている場合、合計で週28時間以下です。そのため他のアルバイトを掛け持ちしている留学生の場合は、他のアルバイトの時間も含め28時間以下になっているかを確認しなければなりません

2-4. 永住者・定住者・日本人の配偶者等

永住者・定住者・日本人の配偶者のビザを持つ方でコンビニに応募してくる人は、一昔前の日本人の主婦層と同じで、子どもが学校に行っている間に短時間で働きたいという場合が多いでしょう。

コンビニ側が必要としている時間・曜日にシフトに入ることができるか、事前のすり合わせが必要です。

3.コンビニ業界で特定技能採用があるか?

2025年現在、特定技能の分野にコンビニ業界は含まれていません

しかし、日本語学校、その後専門学校や大学を卒業した留学生が、各コンビニの店舗のリーダーとして働くことが期待され、かねてよりコンビニ業界の特定技能解禁について議論が行われております。

2020年には自民党が特定技能の対象業種に「コンビニエンスストア」を追加するように提言しましたが、実現には至っていません。

3-1. 特定技能とは

「特定技能」とは、特に人手不足が深刻な産業において外国人材に単純作業を含めた労働を認める在留資格です。

2019年から始まり、現在33万人以上の特定技能外国人が日本で働いています。国籍別にはベトナムが最も多く、約15万人です。

ただし、特定技能外国人を受け入れられる産業は指定されており、現在ではコンビニは含まれていないため、特定技能制度を活用した外国人の雇用は現時点ではできません。

特定産業分野についてはこちら

3-2. 特定技能で働くとできること

コンビニでも特定技能外国人が雇用できるようになると、人材確保の選択肢が大きく広がります。日本での就労を希望する外国人は多く、求人を出すと必ず応募があると考えていいでしょう。

現在コンビニで正社員として働くことができる在留資格として、特定活動46号がありますが、取得要件に日本語能力試験N1があり、実際N1を取得している外国人は非常に少ないです。

特定技能1号で求められる日本語能力はN4以上なので、特定活動46号に比べて、母数が圧倒的に多いです。

日本語能力試験(JLPT)と日本語レベルについてはこちらの記事をご参照ください。

4. 外国人の正社員化

留学生のバイト先としてもっともよく選ばれるのがコンビニです。

コンビニ側としても、1年以上アルバイトとして経験を積みリーダーも任せられるようになってきた留学生を、卒業後に正社員として雇いたいと考える場合があるのではないかと思います。

結論として、コンビニで外国人を正社員として雇用する直接的な在留資格はありません。

しかし、特定活動46号」、「技術・人文知識・国際業務の2つの在留資格で許可が下りる可能性があります。

4-1. 求められる在留資格

1つ目は「特定活動46号」です。

前述のとおり、日本の大学以上を卒業した高い日本語能力を持つ外国人が、習得した知識技能や高い日本語能力を活用することを要件として、幅広い業務に従事する活動を認める在留資格です。

2つ目は「技術・人文知識・国際業務」です。

こちらも、日本または大学の大学以上、または日本の専門学校を卒業した高い日本語能力を持つ外国人が、大学等で学んだ内容と関連する業務に従事できる在留資格です。

4-2. 注意すべきこと

上記2つの在留資格を使ってコンビニで外国人を正社員として採用しようとするとき、注意すべきことは、外国人の日本語能力と、従事する業務内容です。

まず外国人の日本語能力についてです。

特定活動46号では、日本語能力試験N1が必要です

技人国では証明書は求められていませんが、日本企業で円滑に業務をするためには最低でもN2が必要でしょう。

続いて従事する業務内容です。

大卒以上で日本語能力が卓越した外国人を正社員として採用するわけですから、アルバイトでもできるようなレジ打ち・陳列ではなく、外国人客への通訳を兼ねた接客・仕入れ、在庫管理業務・商品企画などの業務を行うことを入管に示さなければなりません

5. コンビニで働く外国人の日本語能力

コンビニで働く外国人に求められる日本語能力を、正社員とアルバイトに分けて解説します。

5-1. アルバイト

アルバイトの場合、主に従事する業務はレジ打ち・商品の陳列・掃除です。

レジ打ちではお客様とやり取りするため、最低でもJLPT N4、できればN3レベルの日本語能力があるといいです。

JLPT N4とは簡単な一問一答ができるレベルです。短い文章で基本的な語彙を使った質問(○○はどこにありますか。温めたいのですが、どうすればいいですか。)に答えることができます。

JLPT N3とは、ある程度まとまった文章を聞き取り、話すことができるレベルです。お客様からの長めの質問(○○という商品があると聞いたのですが、商品棚に見当たらなくて…。こちらの店舗では取り扱っていませんか。)から情報を聞き取り、それに対して論理的にまとまった文章で返すことができます。

また、商品の陳列やレジの画面では漢字を読まなければならないため、会話能力とは別に漢字が読めるか、またはアルバイトでよく見る漢字を覚える努力ができそうかを面接時に確認するといいでしょう。

5-2.正社員

コンビニの正社員の業務は、商品受注・シフト管理・商品企画・売上計画の作成など、コンビニの運営に関わる内容です。

これらに対応するには、JLPT N2以上の日本語能力が望ましいです。

N2レベルでは、日常的な場面に加えて職場・公共施設でのやり取りなど、自分の身近にはない話題についても情報を受け取り、話すことができます。

企業が技人国で外国人を正社員として採用する場合の1つの目安がN2です。



外国人の日本語能力と日本語能力試験(JLPT)の関係についてはこちらの記事をご参照ください。

6. コンビニで働く外国人の増加

では実際にコンビニで働く外国人数がどの程度増加しているのか、データと共に解説します。

6-1. 外国人労働者の数

厚生労働省が出している「外国人雇用届け出状況まとめ」によると、外国人労働者数は230万人を超え、届出が義務化された2007年以降で過去最多です

6-2. 外国人労働者増加の理由

少子高齢化による深刻な人手不足を背景に、企業が積極的に外国人労働者を受け入れているために、外国人労働者は増加し続けています。

国としても、特定技能外国人や高度外国人材を受け入れるための支援を強化しています。

特にコンビニは深夜の高時給で働くことができ、さらに日本語も学べるため、日本語学校や専門学校で勉強している留学生に人気のアルバイトの1つとなっています。

[出典:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)]

[出典:厚生労働省「在留資格別外国人労働者数の推移」]

7. コンビニで外国人採用をする際のポイント

最後に、コンビニで外国人を採用する際のポイントを再確認します。

ポイントは2つです。

・在留資格の確認
・労働環境の整備

7-1. 在留資格の確認

正社員で雇用する場合は、特定活動46号を申請できる要件(日本の大卒以上、N1保持)は揃っているか、技人国で申請が許可されるような業務内容を入管に示すことができるかの確認が必要です。

留学生をアルバイトで雇用する場合は、資格外活動許可をもらっているか確認してください。

在留資格の確認を怠り、もし要件に適していない外国人を採用してしまった場合、不法就労となり、企業側も不法就労助長罪に問われてしまいます。


不法就労を防ぐために!「在留カード」の確認についてはこちらの記事もお読みください。

7-2. 労働環境の整備

初めて外国人を採用する場合、外国人スタッフが働きやすい労働環境を整え、日本人スタッフにも理解を得ることが非常に重要です。

留学生の場合、柔軟なシフト対応や、日本語が分からないときに手助けをしてくれる日本人スタッフが欠かせません。

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この記事を書いた人

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