カンボジア人介護士の採用を検討している方必見|カンボジア人の特徴や採用の方法などを詳しく解説
どの産業も慢性的な人手不足の状態となっている中で、介護・福祉の業界はより人手不足に悩まされています。一方で2022年度には介護職員の必要数が215万人だったものが、2026年度には240万人、2040年度には272万人と多くの介護職員が必要な状況にあるのです。※
※:厚生労働省:「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」
離職率も高く、なかなか人材の定着が厳しい中で、外国人労働者を活用することにより人材不足を補おうとする動きが強まりつつあります。中でもカンボジア人の介護士を雇用し、来るべき時に備えようとする動きも見られつつある状況です。今回はカンボジア人介護士を採用するメリットや注意点などを解説します。
本記事を読むことで、カンボジア人介護士を採用する際の情報などがわかりますので、ぜひ最後までご覧ください。
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1.カンボジアってどんな国?
まず最初にご紹介するのは、カンボジアとはどのような国なのかについてです。本項目では、カンボジアの基本情報から経済状況などを解説します。
1-1.カンボジアの基本情報
カンボジアは世界遺産であるアンコールワットがあることで知られる東南アジアの国です。人口は1,700万人程度で、公用語はクメール語となっています。1975年から数年間、ポル・ポト政権が自国民を大量に虐殺したほか、90年代に入るまで内戦が続くなど、厳しい状況が続きました。21世紀に入ってからは民主主義が次第に根付くようになり、段々と民主的な国家としての色合いが出始めています。
カンボジアにはメコン川や東南アジアでは最も大きい湖である最大トンレサップ湖があり、自然に恵まれ、別名「森林の国」とも言われる環境にあります。立地的には東南アジアの中心にあるため、流通における重要な拠点です。日本との交流も深く、アンコールワットを通じたやり取りも盛んにおこなわれてきました。
1-2.平均年齢は約26歳
カンボジアの平均年齢はおよそ26歳とかなり低めです。1970年代後半にポル・ポト政権が大量虐殺をしたために、40代より上の人口が少なく、若い人が多い状況になっています。人口のピラミッドでも特定の年代が急に細くなり始めるため、ピラミッドが異様な形を見せているのです。
出典:アジア経済研究所 カンボジアの人口ピラミッド(2019)
平均年齢が低いということは、老人たちを若者がしっかりと支えられる環境にあることを意味します。ポル・ポト政権の大量虐殺から逃れて長く生きてきた老人たちを労うように、若者たちが力強く支える状況にあると言えるでしょう。
1-3.経済状況
カンボジアは主にサービス業、工業、農業が主要産業であり、貿易相手国は主にアメリカや中国、ベトナムです。日本は輸出入ともに大きな比重を占めていない状況と言えます。ただ経済協力は積極的に行っており、有償・無償に関係なく行った資金協力の額は5000億円を超えている状況です。ドルベースで見た支援額のランキングでは中国に次いで2番目に多い状況となっています。
2000年代には毎年10%以上の経済成長率をマークし、その後も安定した経済成長を続けている状況です。
1-4.日本との深いつながり
日本とは90年代に入るまで深い結びつきはありませんでしたが、1992年にカンボジアの駐在大使を任命し、大使館をカンボジアに設置してから深いつながりが始まっています。2023年に入り、包括的戦略的パートナーシップを結ぶなど、ここ数年で関係はより強化されている形です。
1993年、アンコール遺跡救済国際会議が開催されると、アンコールワットの修復に向けた事業を毎年のように展開します。30年近い活動の結果、2023年にはアンコールワットの西参道の修復事業が完了し、一定の成果を出しました。
カンボジアがどんな国なのかについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
2.カンボジア人の特徴
カンボジア人の介護士を受入れるにあたって、事前に知っておきたいのがカンボジア人の特徴です。本項目では主に3つの特徴についてまとめました。
2-1.穏やかで純朴
カンボジア人は穏やかな性格の人が多く、純朴とされています。後ほど解説する仏教の影響が大きく、結果として穏やかな国民が多い状況です。一方で、急速な経済発展をしているとはいえ、まだまだ昔ながらの雰囲気がさまざまな場所に残っており、昔の日本のような雰囲気が残っていると言われています。
決して争いを好まず、和を保つことを是としていることもあり、人柄としても穏やかで純朴な国民が多いと言えるでしょう。
2-2.仏教に影響された価値観を持つ
カンボジアでは9割以上の国民が仏教徒であるため、仏教に影響された価値観を持つ国民が多めです。正式な名前は「テーラワーダ仏教」で、長老の教えという意味合いがあります。スリランカやミャンマーなど東南アジアを中心に広まる仏教で、お釈迦様からの教えを厳格に伝えていくことや戒律・伝統をしっかりと守る傾向にあるとされています。
長老の教えという意味があるように、僧侶に対して敬意を払うことは当然であり、僧侶にあった際には丁寧なあいさつを行います。礼儀正しいことでも知られ、サムペアと呼ばれる手を合わせて行う挨拶は相手に敬意を払う際に欠かせない挨拶の方法です。
2-3.家族や仲間を大切にする
カンボジアの人々は家族や仲間を大切にする傾向にあります。家族のほか、地域の絆が最重要視されており、地域のお祭りなども盛んに行われます。地域の仲間同士がそれぞれ支え合うような強固な結びつきが特徴です。
家族を大切にすることも仏教の教えとして浸透した考え方であり、仏教を信仰していく中で家族や仲間を大切にする考え方になるのはある意味で当然と言えます。
私はカンボジアのシェムリアップという地域で生活していたことがあります。 シェムリアップの人々は本当に穏やかで和やかな人が多く居心地がすごくよかったです。 また、人見知りな人が多い印象もあります。 コミュニケーションを通して親しくなるとずっと笑顔で明るく接してくれます!
3.カンボジア人を介護業界で採用するメリット
カンボジア人を介護士として雇入れるメリットは大きく分けて2つあります。本項目では、介護業界で採用するメリットをまとめました。
3-1.年長者を敬う文化が介護職に合っている
テーラワーダ仏教に長老の教えという意味があるように、年長者を敬う文化がカンボジアには浸透しています。高齢者への介護が中心となる介護職はカンボジア人の国民性にピタリと当てはまる職業であると言えるでしょう。
カンボジアでは年上を敬う文化が根強いため、自然と高齢者に対しては敬意を払う傾向にあります。高齢者を大切に扱わなければならない介護職にカンボジア人を採用することはベストな選択です。
3-2.勤勉で協調性があり、職場になじみやすい
カンボジア人は勤勉であり、協調性があります。コミュニティを大切にして仲間との絆を深めていくことを念頭に置いているためで、おのずと職場になじみやすくなります。介護職はチームプレーがさまざまな場で求められるため、カンボジア人の国民性は介護職にぴったりです。
前述の通り、カンボジアは歴史的な出来事から若い方が非常に多いです。 そのこともあり、年長者や身体的な障害を持った方々に優しく協力し合っている印象があります。 生活の中で、近隣住民同士協力し合って子どもたちと接するなど地域のコミュニティが非常に強いのも特徴だと思ってます。 子どもたちは、私のような外国人にも興味を持ってニコニコと話しかけてくれて、一緒に遊んだことを思い出します。
4.カンボジア人が介護職に従事できる在留資格
カンボジア人を介護職に従事させていくには、複数の在留資格があり、いずれかの資格を得る必要があります。本項目では、介護職に従事できる在留資格についてまとめました。
4-1.特定技能「介護」
在留資格「特定技能」は、人材不足が著しく人手の確保が難しいジャンルを対象に、外国人を受け入れるために新設された制度です。令和5年12月末時点では介護分野で28,400人の外国人が働いています。最も多いのがベトナムで7,937人、インドネシア7,411人、フィリピン3,497人と続き、カンボジアは290人でした。※
※:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和5年12月末現在)」
令和6年4月からの5年間の受け入れ見込み数は135,000人とされており、まだまだ余裕があります。そのため、今後特定技能を活用して外国人材を登用するケースは増えることが予想されます。※
※:出入国在留管理庁「特定技能の受入れ見込数の再設定及び対象分野等の追加について(令和6年3月29日閣議決定)」
特定技能「介護」については以下の記事で詳しく解説しています。
4-2.技能実習「介護」
平成29年から技能実習制度に介護職が追加されています。技能実習制度を利用して介護職に携わる外国人は2023年度6月時点で15,909人です。※
※:独立行政法人労働政策研究・研修機構「外国人労働者の受入れ制度と実態-介護分野を中心に-」
技能実習制度は育成就労制度に移行することが決まっており、特定技能「介護」の水準を確保するためのシステム作りが進められていきます。
4-3.在留資格「介護」
在留資格「介護」で在留する人数は年々増えており、2023年の年末には8,093人と2019年の592人と比べ10倍以上に増えています。内訳は、ベトナムが3,570人、ネパールが1,075人、インドネシアが951人と続き、カンボジアは上位に入っていません。※
※:公益社団法人 日本介護福祉士会「在留資格「介護」の実態把握等に関する調査研究事業報告書 」
在留資格「介護」の最大の特徴は在留できる年数です。技能実習や特定技能では原則5年とされていますが、在留資格「介護」であれば在留年数の制限がありません。また他の在留資格だと訪問系サービスに従事できないデメリットがある中、こちらも制限がないため、自由度が高いです。
一方で、在留資格のハードルが高いのも特徴です。最初に留学生として介護福祉士養成施設に入ったのちに介護福祉士の資格を取得するルート、もしくは特定技能「介護」で介護施設で働きながら介護福祉士の資格を取得するルートを辿る必要があります。
5.カンボジア人を特定技能で採用する流れ
カンボジア人を特定技能で採用する際にはいくつかの流れがあります。本項目では採用する流れをまとめました。
5-1.人材募集、面接
最初に人材募集や面接を行います。カンボジアの場合、カンボジアで認定を受けている送出機関によって日本に送り出すことができます。そのため、カンボジア国内で所定の手続きを踏む必要があるのです。
カンボジアの現地で人材を見つける場合、人材募集や面接はカンボジアの送出機関を通して行われます。一方、日本国内にいるカンボジア人であれば送出機関を通す必要はなく、企業がそのまま雇用することが可能です。
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5-2.雇用契約の締結
送出機関などを通じて面接などを行い、雇用することを決めた場合には雇用契約の締結を行います。雇用契約は送出機関を通じて行う形となります。
雇用契約書の作成方法については以下の記事で詳しく解説しています。
5-3.ビザ申請
ビザ申請の前に、カンボジア労働職業訓練省に対して登録証明書の申請を行います。この証明書がないとビザの発行まで至りません。申請も送出機関を通じて行うことになり、不備がなければおよそ数日で発行されます。発行された登録証明書は外国人に送付してもらいます。
その後登録証明書が発行されたら、入管に対してビザの申請を行い、所定の手続きを踏んでビザが発行される流れです。
特定技能のビザ申請に関しては以下の記事で詳しく解説しています。
5-4.就業開始
ビザが発行されたらいよいよ就業開始です。本格的な就業の前に研修を受けるケースもありますが、在留資格によって若干流れは異なります。
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6.カンボジア人を採用する際の注意点
最後にカンボジア人を採用する際の注意点をまとめました。
6-1.プライドが高く、面子を重視する
カンボジア人は穏やかで純朴ですが、厳しい言動で叱責されることを嫌がるなど、プライドが高い部分が見られます。人前で怒鳴られるなどの行為はプライドを傷つけるため、注意しなければならない場合は別室に呼び出して指摘を行う必要があります。
また穏やかな性格で怒りを見せる機会は少ない人が多い中で、プライドを傷つけられるような事態に直面すると怒りの感情を爆発させてとことん戦う傾向にあるとされています。ですので、穏やかな性格だからといって高圧的な態度に出ることは得策とは言えません。
6-2.あまり自己主張をしない
カンボジア人はあまり自己主張をしないとされています。仕事には熱心に取り組み、出された指示には従順に対応する一方、それ以上の対応はせず、言われたことをこなす傾向にあります。例えば、仕事をする中で改善点を見つけたとしても、その改善点を伝えるようなことはしません。
ですので、疑問点や改善点などを示してほしい場合には、前もってその旨を伝えて、疑問点や改善点を見つけることも仕事の一環であることを示した方が言ってもらいやすいと言えます。
6-3.プライバシーへの尊重
カンボジアではプライバシーへの尊重が重視されており、その点に注意が必要です。例えば、個人情報の扱いに関して、なんでもかんでも晒す形をとってしまうとカンボジア人は嫌がります。ちょっとした情報共有でも嫌がる可能性があるので、少なくとも無許可で個人情報の共有を行うことは避けなければなりません。
また仕事とプライベートははっきりと分けるのもカンボジア人の特徴です。このラインが曖昧であることをカンボジア人は嫌がります。ですので、仕事は仕事、プライベートはプライベートという形で線引きを行うこともとても大切なのです。
6-4.タブーへの注意
カンボジアではさまざまなタブーがあります。人前で怒ることもタブーの1つですが、カンボジアの王族の中傷やカンボジア人の頭をむやみに触ることなどもカンボジア人が抱えるタブーです。仏教のため、食事に関するタブーは他の国と比べれば少ないものの、戒律を守る日とされるトゥガイ・サルでは午前中にご飯を済ませ、午後はご飯を食べないというルールがあります。
女性が僧侶に触れることもタブーとされていますが、日本においてそのような機会はほとんどないのが実情です。ですので、タブーで気を付けるべきことは、人前で怒らないことや政治的な話題をできるだけ避けること、頭を触らないようにすることです。
他の国では食事面でのタブーや宗教面でのタブーが多いとされている一方、カンボジアでのタブーはやや少なめです。気を付けるべきところも少なく、そこさえ守ればカンボジア人特有の穏やかで純朴、素直で高齢者を敬う姿勢を引き出しながら、周囲と強調しながら仕事をしてもらえるようになるでしょう。
カンボジアのタブーについては以下の記事で詳しく解説しています。
私の経験上は、怒りの感情を爆発させる人はかなり少ないです。 (というよりも見たことがないです。日本人の方が多いと思います…) 人前で怒鳴られてプライドが傷つくのは日本人や他の国の人も同様なはず。 たしかに自己主張をする人は少ないかもしれません。 それは、今は穏やかに平和に暮らしているため競争心が少ないからだと思ってます。 ただし、日本で働きたいという夢を持つ人たちは非常に熱心な人が多いです。 日本語を一生懸命学び、自分が先生となり小さい子たちに教えている人を何人も見てきました。
7.まとめ
介護職においては以前から慢性的な人手不足に悩まされています。常に働き手を探しているような状況の中で、カンボジア人を始め、外国人労働者を採用することで人手不足の改善を図ることが可能です。中でも温和で純朴な人が多いカンボジア人は協調性が高いために職場に溶け込みやすいでしょう。
今回ご紹介した内容を踏まえて、介護職で働きたいと考えるカンボジア人を積極的に採用し、人手不足の苦しみを脱しましょう。
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