【完全版】外国人のビザ更新方法!必要書類や申請の手順、審査に通る要件までわかりやすく解説

執筆者:趙(外国人就労アドバイザー)

外国人が日本に滞在し続けるには、ほとんどの在留資格でビザの更新が必要です。今回は特に「技術・人文知識・国際業務」と「特定技能」のビザの更新の仕方を解説します

特定技能ビザ更新はJJSがサポートします

目次

1.ビザ更新とは

ビザ更新の正式な呼び方は、「在留期間更新許可申請」です。外国人は日本に入国する際、必ずビザを取得しなければなりません。また、日本に滞在している間、外国人はビザを所持していなければならず、ビザ種類の変更も申請できます。

ところが、「永住者」などのごく一部のビザを除き、ほとんどのビザは「在留期間」がついています。所持のビザをもって外国人が日本で長くいたい場合、期間が切れる前に、その更新の許可を出入国在留管理庁に申請しなければなりません。この申請は、普通、ビザ更新と呼ばれています。

2.ビザ更新の申請方法

2-1.申請期間

ビザ更新は、在留期間が切れる前に申請できます。また、在留期間の期間が切れる3か月前に、ビザの更新を申請できます。なお、長期出張や入院などの特別な事情がある場合、事前に申請提出先の地方出入国在留管理局(後述)と相談し、許可を得れば、3か月以上前からも、ビザの更新申請ができます。

後述のように、ビザ更新申請の審査は、相当の時間がかかる可能性があります。就労ビザの在留期間が基本的に6か月以上ですので、少なくとも期間が切れる1か月前に申請を行うことをお勧めします

2-2.申請者

以下のものは、ビザ更新申請を行うことができます。

  • 申請したい外国人=申請人本人
  • 申請人の親権者・後見人
  • 「申請等取次者」の資格を有し、申請人本人の依頼を受ける取次者

申請人の依頼があっても、すべてのものがその代理人として、ビザ更新を申請できるわけではないことに、ご注意ください。

2-3.提出先

ビザ更新申請の提出先は、申請人、あるいはその代理人・取次者の居住地を管轄する地方出入国在留管理局です。主な出入国在留管理局の名称及びその管轄区域は、以下の通りです。

出入国在留管理局の名称                  管轄区域
札幌出入国在留管理局北海道
仙台出入国在留管理局青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県
東京出入国在留管理局茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県
名古屋出入国在留管理局富山県、石川県、福井県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県
大阪出入国在留管理局滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県
広島出入国在留管理局鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県
高松出入国在留管理局徳島県、香川県、愛媛県、高知県
福岡出入国在留管理局福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

また、ほとんどの地方出入国在留管理局は、その所在地以外の各管轄区域に、支局・出張所を設けています。支局・出張所に向けても、ビザ更新申請の書類を提出できます。

出入国在留管理局の名称                       支局・出張所                
札幌出入国在留管理局函館出張所・旭川出張所・釧路港出張所・稚内港出張所・千歳苫小牧出張所
仙台出入国在留管理局青森出張所・盛岡出張所・仙台空港出張所・秋田出張所・酒田港出張所・郡山出張所
東京出入国在留管理局水戸出張所・宇都宮出張所・高崎出張所・さいたま出張所・千葉出張所・松戸出張所・立川出張所・新潟出張所・甲府出張所・長野出張所・新宿出張所・東部出張所・成田空港支局・羽田空港支局・横浜支局・川崎出張所
名古屋出入国在留管理局富山出張所・金沢出張所・福井出張所・岐阜出張所・静岡出張所・浜松出張所
豊橋出張所・四日市港出張所・中部空港出張所
大阪出入国在留管理局大津出張所・京都出張所・舞鶴港出張所・奈良出張所・和歌山出張所・関西空港支局
神戸支局・姫路港出張所
広島出入国在留管理局境港出張所・松江出張所・岡山出張所・福山出張所・広島空港出張所・下関出張所
周南出張所
高松出入国在留管理局小松島港出張所・松山出張所・高知出張所
福岡出入国在留管理局北九州出張所・博多港出張所・福岡空港出張所・佐賀出張所・長崎出張所
対馬出張所・熊本出張所・大分出張所・宮崎出張所・鹿児島出張所・那覇支局
那覇空港出張所・宮古島出張所・石垣港出張所・嘉手納出張所

参考:地方出入国在留管理官署|出入国在留管理庁

2-4.手数料

ビザ更新申請を提出する際は手数料がかかりません。

一方、更新が許可され、出入国在留管理局から新しいビザを受領するとき、4000円の手数料がかかります。この手数料は、現金ではなく収入印紙で納付されます。

参考:手数料納付書

収入印紙は、郵便局や一部のコンビニから購入できます。出入国在留管理局では基本的に収入印紙が販売されていませんので、ビザ受領に行く前に、印紙を購入しておいたほうがよいでしょう。

3.ビザ更新の必要書類

ビザ更新には申請人と企業の両方の証明書類が必要です。ビザの種類及び外国人の職歴により、必要な書類が違います。

就労ビザを中心にご紹介します。具体的には、「技術・人文知識・国際業務」「特定技能1号」のビザのそれぞれの更新に、必要な書類をご紹介します。

3-1.「技術・人文知識・国際業務」の更新の必要書類

「技術・人文知識・国際業務」の場合、外国人は前回のビザ更新の後、転職したことがなければ、必要な書類は非常に少なく、概ね以下の通りです。

外国人本人に関する書類

  1. 入管様式の「在留期間申請許可申請書」
  2. 申請人の証明写真
  3. 申請人の直近年度の住民税課税証明書
  4. 申請人の直近年度の住民税納税証明書

企業に関する書類

  1. 会社の前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるもののコピー)

外国人は前回のビザ更新の後に転職して現在の職場に入った場合、ビザ更新に必要な書類が増えます。以上の5点の書類のほか、外国人自らの履歴書、最終学歴の卒業証明書のコピーや、企業の登記事項証明書、事業内容を明らかにする資料、当初外国人に交付した労働条件通知書のコピーなども必要になります(必要となる書類は、企業の規模により変わります)。

技術・人文知識・国際業務の「ビザ更新書類作成マニュアル」のダウンロードはこちら

3-2.「特定技能1号」の更新の必要書類

 一方、もう一つの重要な就労ビザの「特定技能1号」の場合、ビザ更新に必要な書類は20点以上になる可能性があり、概ね以下の通りです。

外国人本人に関する書類

  1. 入管様式の「在留期間申請許可申請書」
  2. 申請人の証明写真
  3. 特定技能外国人の報酬に関する説明書
  4. 特定技能雇用契約書・雇用条件書・賃金の支払のコピー
  5. 申請人の直近年度の住民税課税証明書
  6. 申請人の直近年度の住民税納税証明書
  7. ⑤の対応年度の申請人源泉徴収票のコピー
  8. 申請人の国民健康保険被保険者証のコピー・国民健康保険料(税)納付証明書(申請時に国民健康保険に加入している場合のみ必要)
  9. 申請人の国民年金の支払状況の証明書類(申請時に国民健康保険に加入している場合のみ必要)
  10. 公的義務履行に関する誓約書(申請時に税金などに滞納がある場合のみ必要)
  11. 前回申請時に履行すべきであった公的義務に係る書類(前回の申請時に⑩を提出した場合のみ必要)

企業に関する書類

企業が法人である場合。企業が個人事業主であれば、必要書類が変わりますこちらを参考にしてください。

  1. 特定技能所属機関概要書
  2. 登記事項証明書
  3. 業務執行に関与する役員の住民票のコピー
  4. 特定技能所属機関の役員に関する誓約書(業務執行に関与しない役員がいる場合のみ必要)
  5. 労働保険料の支払状況の証明書類
  6. 社会保険料の納入状況の証明書類
  7. 税務署発行の納税証明書(その3)
  8. 直近2年分の法人住民税の納税証明書
  9. 公的義務履行に関する説明書(以前の申請情報を以って①~⑧の提出を省略したい場合のみ必要)

特定技能分野に関する書類

  1. 企業の特定技能協議会の構成員の証明書
  2. そのほか(分野によって異なります)

分野ごとの必要書類はこちらを参考にしてください。※建設は分野ごとの必要書類の提出は不要です

4.ビザ更新の流れ

それでは、ビザ更新の流れをご解説します。ビザ更新は大きくいえば、5つのステップがあります。

STEP
申請書類の作成

ビザ更新の第1ステップは申請書類の作成です。出入国在留管理庁のホームページでは、各種のビザのそれぞれの更新に必要な書類のリスト、書類作成のための「参考様式」が掲載されています。これを活用して、書類を準備しましょう。

・参考(第2章でも掲載):「在留期間更新許可申請|出入国在留管理庁

ここで注意すべきなのは、一部の必要書類は発行に時間を要する、ということです。就労ビザに絞って例をあげれば、ほとんどの就労ビザの更新申請に必要な課税証明書、納税証明書は、自治体の役所から発行されるもので、必ずしもすぐに取得できるわけではありません。そのため、おおよそ在留期間が切れる2か月前に、書類を準備し始めたほうがよいと思われます。

STEP
窓口・オンラインで申請

書類の準備が終われば、次のステップはその提出です。既述のように、窓口提出の場合、提出先が申請人、あるいはその代理人・取次者の居住地を管轄する地方出入国在留管理局です。地方出入国在留管理局の下で支局・出張所が設けられれば、支局・出張所に向けても書類を提出できます。

ところで、2022年3月から出入国在留管理庁は、「在留申請オンラインシステム」を始めました。文字通りに申請人、その代理人・取次者が、このシステムを通じてオンラインでもビザ更新を申請できます。オンライン申請の場合、地方出入国在留管理局の窓口に行き、また長い時間を待つ必要がなくなり、申請がだいぶ楽になります。

但し、オンラインシステムを利用するため、事前に申し込む必要があります。また利用開始の手続きに1~2か月がかかります。オンラインで申請を行いたい場合、少なくとも申請書類自体の準備と同時に、オンラインシステムの利用申込を行う必要があります。

・参考:在留申請のオンライン手続|出入国在留管理庁

STEP
3-3.地方出入国在留管理局の審査

ビザ更新の第3ステップは、地方出入国在留管理局の審査です。審査の着目点について、次節でご説明します。

審査の所要期間はビザ種類によって違います。最新のデータからみると、就労ビザの中で「教授」ビザの更新審査所要期間が最も短く、平均31日です。一方、「特定技能1号」ビザの更新審査には、平均42日もかかります(弊社の経験では、2か月かかることもまれではありません)。

主な就労ビザ更新申請審査所要期間(通知までの日数)           
教授30.8
経営・管理38.3
教育31.1
技術・人文知識・国際業務37
特定技能1号42.2
・参考:令和5年度第1四半期在留審査処理期間|出入国在留管理庁
STEP
通知書の送付

ビザ更新申請が許可されると、その旨の通知書が郵送・メール送信(当初はオンライン提出の場合)で送付されます。通知書では、新しいビザの受領のための書類、手数料、受領場所、受領締切などの説明があります。説明に従って新しいビザをもらえます。

ここで、2点要注意のことがあります。第一に、通知書が送付の途中で紛失されることがたまにあります。1か月半以上、通知書が来ない場合、申請を受け付けた地方出入国在留管理局と連絡し、審査の進捗状況を確認したほうがよいです。

第二に、通知書で新しいビザの受領締切が記載されていますが、締切が過ぎても、在留期限自体さえ切れていなければ、新しいビザを受領できます。締切オーバーだけでは、心配する・諦める必要がありません。

STEP
新しいビザの受領

ビザ更新の最後のステップは、申請人あるいはその代理人・取次者による更新後のビザ、具体的にいえば在留カード(日本で中長期滞在する外国人の身分証明書)の受領です。

当初は窓口提出で申請を行った場合、新しいビザ・在留カードも窓口で受領することになります。

受領に必要なのは、

  • 申請人の古い在留カード
  • パスポート
  • 申請提出の際に地方出入国在留管理局からもらった「申請受付票」
  • 許可通知書
  • 4000円の収入印紙
    です。

一方、当初はオンラインで申請を行った場合、窓口のほか、郵送による新しいビザ・在留カードの受領もできます。申請人の古い在留カード、パスポートの身分事項ページのコピー、収入印紙、返送用封筒を簡易書留で地方出入国在留管理局に郵送すれば、後日、新しいビザ・在留カードが返送用封筒で送付されるのです。

5.ビザ更新が許可されるポイント

最後に、ビザ更新申請が許可されるポイントをご説明します。

ビザ更新申請を許可するかどうかについて、法務大臣(審査を担当する地方出入国在留管理局の審査官)が広い裁量権をもっています。しかし、申請の可否が恣意的に判断されているわけではありません。

出入国在留管理庁の資料及び弊社のこれまでの経験からすれば、審査官は主に以下の4点に着目し、ビザ更新申請を審査・可否判断しています。

  • 申請人の活動状況
  • 申請人の素行
  • (就労ビザの場合)申請人の雇用・労働条件の適正性
  • 申請人の公的義務履行状況

以下、各ポイントを詳しくご説明します。

参考:在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン(日本語)(令和2年2月改正)|出入国在留管理庁
   不許可事例|出入国在留管理庁

5-1.申請人の活動状況

審査のポイントの1つは、申請人の活動が現在のビザに対応しているかどうか、ということです。

それぞれのビザに、このビザで行える活動が指定されています。外国人は所持のビザに指定されている活動しか行えません。外国人はこれまでビザに指定されていない活動を大きく行ってきていることが判明すれば(たとえばビザが「技術・人文知識・国際業務」であるにもかかわらず主に学校を通い、勉強をしています)、勿論、ビザの更新が許可されません。

5-2.申請人の素行

また、申請人の素行がよいかどうか、具体的にいえば不正・違法行為の有無及びそのために処分を受けた経験の有無が、審査のポイントの1つです。この点について、出入国在留管理庁は、次のような不許可事例を公表しています。

申請人は、「技術・人文知識・国際業務」ビザをもち、3回ほど在留期間の更新が許可された経験もありますが、児童売春などに関する法律違反で罰金50万円の処分を受けました。その結果、第4回目のビザ更新申請が不許可になってしまいました。

5-3.申請人の雇用・労働条件の適正性

就労ビザの更新申請の審査に際し、申請人の雇用・労働条件、具体的にいえば雇用契約書や労働条件通知書の内容も審査のポイントです。雇用・労働条件が労働基準法に違反すれば、申請人に問題がなくとも、ビザ更新が許可されません。

但し、雇用・労働条件に問題があれば、審査官はそれを理由に直ちに申請を不許可とするのではなく、条件の修正を指示するケースが多いです。審査官からこのような指示がありましたら、企業の担当者はくれぐれも真剣にご対応ください。

5-4.申請人の公的義務履行状況

最後に、申請人の納税などの公的義務の履行状況が、審査のポイントです。税の滞納や、役所に提出すべき届出書類を提出しないことがある場合、ビザ更新申請が不許可になる可能性があるのです。

そのため、ビザ更新のための書類の準備と同時に、これまでの公的義務の履行状況を確認し、未履行の分を追完したほうがよいです。

但し、公的義務不履行の経験があっても、理由書などを作成して状況を説明し、またこれから確実に義務を履行することを誓約すれば、ビザ更新が許可される可能性があります

実際、既述の「特定技能1号」ビザの更新書類に、「公的義務履行に関する誓約書」が含まれています(2‐5ご参照)。公的義務を履行しておらず、追完も不可能であれば、ビザ更新を諦めるのではなく、弁護士や行政書士と相談し、理由書などを用意することをお勧めします。

「公的義務履行に関する誓約書」のイメージ

6.おわりに

以上、ビザ更新のやり方や審査要件をご説明しましたが、いかがでしょうか。

ビザの更新は勿論、更新を希望する外国人自身の義務です。しかし、とりわけ外国人労働者の場合、その就労ビザがうまく更新できなければ、労働者は日本から出なければならず、結局、企業にとっても損しかありません。また、4‐3で述べたように、就労ビザ更新のための書類の準備には、企業の協力が必要です。

企業の関係者の方々はぜひ、本記事をご活用いただき、弊社の外国人材のビザ更新をサポートしていただければと思います。

まずはお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

株式会社JJS(JapanJobSchool)のビザ担当

中国・北京出身、2012年来日。法学・政治学の大学院を修了した後で教師に就職し、高度人材として永住権も取得。10年間日本で生活・仕事してきた経験から「日本で努力している外国人を助けたい」と強く希望し、教育業界から転職し、株式会社JJSに入社。現在、法学の専門知識を生かして外国人のビザ申請・更新をサポート。

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