外国人雇用|外国人の「マイナンバー」について知っていますか?
実は住民票を持っている外国人はマイナンバーカードを取得することができます。
マイナンバーカードは1枚で公的な証明書になるだけでなく、行政手続きや健康保険証としても利用することができます。これから日本で生活する外国人にとっても、必要不可欠なカードになるでしょう。
この記事では、日本在住の外国人のマイナンバーカードの取得方法と、取得時の注意点を解説します。
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1.外国人のマイナンバー
外国人であっても、日本の住民票を持っていればマイナンバーは交付されます。
1-1. マイナンバーとは
個人番号(マイナンバー)とは、日本国内での行政手続き(税、社会保障など)で利用される12桁の番号のことです。外国人へのマイナンバーの付与は、来日後、初めて住民票が作成される際に行われます。マイナンバーは、住民票取得後2~3週間程度で簡易書留で郵送される個人番号通知カードに記載されています。
マイナンバーには、社会保障分野・税分野・災害分野の情報が紐づいています。例えば年金の給付を受ける際や、災害時に被災者生活再建支援金の支給を受ける際に使われます。
さらに、日本で病院にかかる際の保険証としても利用できるよう情報が紐づけされています。
これからマイナンバーカードを利用する場面はますます増えていくと予想されます。そのため、日本で生活する外国人もマイナンバーカードを取得しておいた方がいい場面が増えていきます。
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1-2. 住民票を取得できる外国人は?
住民票は日本に滞在するすべての外国人が取得できるわけではありません。
住民票を取得できるのは、日本に90日以上滞在する中長期在留者に限られます。在留カードが交付されるのも中長期在留者に限られます。
90日以上で目的(留学、就労、家族滞在など)を持って日本に来た外国人は、来日後速やかに住所がある市区町村で住民登録をしなければなりません。住民登録にはパスポートと在留カードなどが必要です。
[出典:総務省「通知カード」]
[出典;地方公共団体情報システム機構「マイナンバーカード総合サイト」]
以下の記事では、新たに海外から外国人従業員を雇用するときに必要になる、在留資格認定証明書(COE申請)について解説しています。
我々JapanJobSchoolはビザ申請のサポートも行っています
2.外国人のマイナンバーにおける注意点
外国人のマイナンバーにおける注意は主に以下の3点です。
マイナンバーがあっても雇用できない場合もある
在留カードと合わせて現物を確認
それぞれ詳しく説明します。
2-1. マイナンバーがない外国人は雇用できない
マイナンバーがない外国人は住民票と在留カードを持たない外国人です。例えば、「短期滞在」、「公用」、「外交」などの在留資格で来日している場合や、在留資格がない場合です。
在留カードを持たない外国人は日本で就労することはできません。非正規雇用(アルバイト、パート)であっても、できないとされています。
面接に来た外国人の身分を確認する際は、マイナンバーカードを取得している外国人は多くはないので、マイナンバーではなく、在留カードや住民票の実物を確認するほうが確実です。
2-2. マイナンバーがあっても雇用できない場合もある
マイナンバーを持っている外国人(=在留カードを持つ中長期在留者)であっても、雇用できない場合があります。
それは以下の通りです。
2-2-1.「留学」、「家族滞在」、「文化活動」、「研修」、「就学」等の在留資格を持っている場合
在留資格「留学」、「家族滞在」、「文化活動」、「研修」、「就学」は、就労不可とされている在留資格です。そのため正社員雇用はできません。
ただし、資格外活動許可を取れば週28時間以内のアルバイトをすることができます。
資格外活動許可は外国人本人が地方出入国在留管理官署に申請します。資格外活動許可を得ている場合、在留カードの裏面に「許可:原則週28時間以内、風俗営業等の従事を除く」と書かれています。
資格外活動許可を得ている外国人をアルバイトで雇用する場合、週28時間以上働いていないことを、確実に外国人従業員に守らせる必要があります。残業時間も週28時間に含まれます。複数のアルバイトを掛け持ちしている場合、他のアルバイトの時間と合算して週28時間以内となるので、特に注意が必要です。
週28時間を超えて外国人従業員を働かせてしまった場合、雇用した側も不法就労助長罪で罰せられることになります。
2-2-2.「特定技能」、「技能実習」の在留資格を持っている場合
「特定技能」は原則正社員雇用のみなので、アルバイトで雇用することはできません。(ただし、漁業と農業は派遣が認められています。)
また、外国人が従事できる業務が定められているため、在留資格「特定技能」を持っているからといって、どんな仕事でもできるというわけではありません。特定技能外国人を採用する際には、自社の業務と外国人が従事できる業務が一致しているか確かめなければなりません。
在留資格「特定技能」について詳しく知りたい方は、こちらの資料をご活用ください。
「技能実習」もアルバイトは認められていません。技能実習制度は日本の技術、又は技能を海外の発展途上国に移転することで、発展途上国の経済発展に寄与するための制度であるためです。
また、技能実習生は契約を交わした実習先の企業でしか働くことができないため、転職も原則認められていません。
2-3.在留カードと合わせて現物を確認
電話や企業のHPから応募してきた外国人が、実際には全くの別人だったというケースも少なくありません。
応募した外国人と面接する際には、必ずマイナンバーカードと在留カードの現物を提出してもらいましょう。
3.外国人のマイナンバー・マイナンバーカード取得方法
来日した外国人が在留カードを持っているだけでは、マイナンバーは取得できません。
ここから、マイナンバー及びマイナンバーカードの取得方法について解説します。
3-1.マイナンバーの取得方法
マイナンバーを取得手順は以下の通りです。
マイナンバーを取得するためには、日本での住所が必要です。来日した外国人は居住地を決めてから14日以内に、住所のある市区町村で住民登録を行わなければなりません。
住民登録に必要な書類は主に以下の3点です。(自治体によって追加で必要なものもあるので、必ず住民登録をする自治体のHPを確認してください。)
在留カード
本人が確認できる書類
住民登録ができるのは、本人または世帯主のみです。
住民登録が完了したら、個人番号通知カードと個人番号カード交付申請書が郵送されるのを待つだけです。
これらはマイナンバーカードを申請する際に必要になるので、なくさないように丁寧に保管してください。
3-2.マイナンバーカードの取得方法
マイナンバーの申請・交付手順は以下の通りです。
自治体によって手順が異なる場合もあるので、詳しくは申請する外国人が住んでいる自治体のHPをご確認ください。
それぞれ詳しく解説します。
3-2-1.【Step.1】個人番号通知カードと個人番号カード交付申請書が郵送される
個人番号通知カードと個人番号カード交付申請書が、簡易書留にて郵送されます。
配達時に不在だった場合は、郵便局に再配達を依頼するか、郵便局窓口で受け取ることができます。
受取人が不在の場合の郵便局での保管期限は、原則1週間です。保管期限が過ぎてしまったら市町村へ返還されてしまうので、不在配達通知書を受け取ったときはなるべく早く再配達を依頼するようにしてください。
3-2-2.【Step.2】オンライン、又は郵送で申請する
オンライン申請は、オンライン申請サイトにメールアドレスを登録するとできるようになります。
オンライン申請の手順はこのようになっています。
郵便による申請は、郵送された個人番号カード交付申請書に記入して申請します。
郵便による申請の手順はこのようになっています。
個人番号通知カードをなくした場合でも、マイナンバーカード総合サイトからダウンロードできます。
外国人がオンライン申請・郵便による申請をする際に注意すべき点が2点あります。
1点目は、氏名です。在留カードに記載された氏名とアルファベットのスペルが異なっていないか、入念に確認してください。
2点目は、外国人住民の区分、在留期間等満了日の有無、在留期間等満了日です。
区分は以下の中から選択して記入します。
特別永住者
一次庇護許可者
仮滞在許可者
国籍喪失による経過滞在者
マイナンバーカードを取得する多くの外国人は「中長期在留者」を選択します。
在留期間等満了日の有無、在留期間等満了日は、外国人が持っている在留カードを参考に記入してください。
3-2-3.【Step.3】申請完了後、約1か月で交付通知書が郵送される
オンライン・又は郵便で交付申請が終わったら、交付通知書が郵送されるまで待っていてください。約1か月から1か月半程度かかります。
交付通知書は青色の封筒です。予約番号・個人ごとのID番号が書かれた交付通知書と、受取の手順が書かれた案内書が入っています。
3-2-4.【Step.4】オンライン、又は電話でマイナンバーカードの受取予約をする
マイナンバーカードの受取には事前予約が必要です。オンライン、又は電話で予約することができます。
オンラインで予約する場合、窓口予約システムにアクセスし、必要事項を記入してから、希望の日時を選択します。
記入事項は以下の通りです。
誕生日
連絡先メールアドレス
連絡先メールアドレス(確認用)
電話で予約する場合、住所のある自治体の専用電話番号へ電話してください。
電話の際、交付通知書に記載されている9桁の番号が必要です。
3-2-5.【Step.5】住所がある自治体の市役所などで、マイナンバーカードを受け取る
住所がある自治体の窓口に予約した日時に行き、マイナンバーカードを受け取ってください。
受取には原則本人が行かなければなりません。本人が病気、障害などのやむを得ない事情で窓口に行けない場合のみ、代理人にカードの受取を委任することができます。
マイナンバーカードの受取に必要な書類は以下の通りです。
本人確認書類(有効期間内のもの)
※顔写真付きの本人書類は1点、その他は2点必要。
外国人は在留カードとパスポートを持参すれば問題ありません。
代理人が申請する場合は、上記書類に加えて
- 代理人の本人確認書類(戸籍謄本など)
- 代理権者の確認書類
が必要です。
[出典;地方公共団体情報システム機構「マイナンバーカード総合サイト マイナンバーカードを申請する」]
4.マイナンバーについて外国人が注意すべきこと
マイナンバーは日本における重要な身分証明書となります。
外国人がマイナンバーカードを得る場合、注意すべきことが2点あります。
マイナンバーカードを紛失した場合、すぐに届け出る
4-1.みだりに他人にマイナンバーを教えない
マイナンバーは原則一生同じ番号を使います。在留カードの期限が切れて帰国し、再び来日した場合でも同じ番号を使うことになります。
勤務先や行政機関の手続きを除き、自分のマイナンバーを他人に教えたり、他人のマイナンバーを聞き取ったり書き留めたりすることは法律で禁止されています。
自分のマイナンバーを悪用されないように、外国人従業員に注意を促してください。
4-2.マイナンバーカードを紛失した場合、すぐに届け出る
マイナンバーカードや通知カードを紛失した時はすぐに警察と自治体の窓口に届け出てください。
マイナンバーカードをなくした場合は加えて、下記番号に電話し、至急マイナンバーカードの機能を停止させてください。
日本語:0120-95-0178
上記番号は、マイナンバーカードの紛失、盗難などによる一時利用停止の届け出は24時間受け付けています。
[出典:地方公共団体情報システム機構「マイナンバーカード総合サイト 外国人住民の方へ マイナンバー制度について」]
5.まとめ
マイナンバーカードでできることは年々増えています。税金や健康保険関連の行政手続きや、住民票などをコンビニで発行できるだけでなく、健康保険証としても利用できます。雇用している外国人従業員でまだ取得していない人がいれば、ぜひ早めの取得を勧めてください。
もし外国人従業員のマイナンバーカード関連で、ご不明な点等ございましたら、当スクールへご相談ください。