農業の人手不足を解決!採用方法やメリット・デメリット、助成金についても解説!

執筆者:Divership編集部|外国人雇用担当部門

少子高齢化と人口減少が進む日本の農業では、深刻な人手不足が問題となっています。特に中小規模の農家にとっては、必要な労働力を確保することが難しく、生産性の低下や経営の厳しさを感じているのではないでしょうか。

農業の人手不足解消に、ベトナム人労働者が注目されています。この記事では、農業で働くベトナム人の状況や採用方法についてまとめました。採用するメリット・デメリット、さらには助成金制度について詳しく解説します。

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目次

1.農業に従事する外国人の状況

ここでは農業に従事する外国人の人数や、ベトナム人の割合について紹介します。

1ー1.農業で外国人労働者の増加

※出典:農業分野における外国人材の受入れ|農林水産省

人手不足が深刻化している農業では、外国人の雇用が進んでいる状況です。農林水産省から発表されたデータによると、ここ5年で1.65倍も増加しています。

新型コロナウイルスの影響により、新規の受入れが減少した時期はありました。しかし令和3年から令和5年にかけて、12,891人増加しています。

1ー2.国籍別だとベトナム人が1位

※令和5年10月末現在
※参考:農業分野における外国人材の受入れ|農林水産省

国籍別に日本で働く外国人労働者の割合を見ると、ベトナム人は最も多く全体の30パーセントです。母数の多さから、外国人の受入れにあたり、ベトナム人の採用を検討するのは自然なことだといえます。

※出典:農業分野における外国人の受入れについて|農林水産省

「特定技能ビザ」で農業に従事する外国人に注目すると、ベトナム人が3分の1を占めています。日本の農業で、多くのベトナム人が活躍している証拠です。次いで多いのはインドネシア人、フィリピン人、カンボジア人、中国人という結果でした。

上位4か国は、日本と二国間協力覚書を締結している国です。二国間協定では雇用方法の取り決めが定められているため、スムーズかつ適切な手順で協定国から外国人材を受入れられます。ベトナムも協定国のひとつです。

二国間協定については、以下で詳しく解説しています。↓

2.農業でベトナム人を採用する方

日本の農業でベトナム人を採用するためには、就労ビザが必要です。具体的には「技能実習」「特定技能」ビザの活用が挙げられます。就労ビザを取得したベトナム人なら、農業で採用が可能です。または就労制限がない「永住者」「定住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」といったビザでも採用できます。

ベトナム人労働者が安心して働ける環境を整えるために、言語サポートや文化理解の促進が求められます。例えば、日本語研修の実施や、異文化交流イベントを開催するのも方法のひとつです。

詳しい採用方法については以下の記事をご覧ください↓

【2025年最新版】特定技能まるわかり資料

この資料では特定技能とは何なのか、どのように外国人を採用できるかについて解説しています。

3.ベトナム人の特徴

3-1.助け合いの精神を大事にする

ベトナム人は家族を非常に大切にし、故郷が遠くても正月には必ず帰省します。家族を重んじる価値観は、農業でも同僚への協力的な姿勢に現れます。ベトナムの伝統的な価値観では、友人や知人も「拡大家族」として重要な存在とされ、互いに助け合う文化があるからです。具体的な例として、ベトナムの農村部ではコミュニティ全体が協力して農作業をする習慣があり、助け合いの精神が根付いています。

ベトナムには中国による支配や干渉、フランスによる統治、日本による占領、ベトナム戦争と、苦難の歴史がありました。困難を乗り越えてきた背景から、創意工夫する能力が育まれています。

3-2.勉強熱心

また教育の普及にも力を入れており、基礎学力は優れているのが特徴的です。新しい技術や方法を取り入れることに抵抗が少なく、農業の効率化や生産性の向上を図る上で重要な役割を果たします。特にITや機械を用いた現代農業においても、活躍が期待できます。

ベトナム人の文化や価値観についてはこちらの記事もご覧ください↓

4.農業でベトナム人を採用するメリット・デメリット

ベトナム人労働者は勤勉な性格や器用さから、多くの日本企業にとって魅力的な存在です。しかし、彼らを採用するにはメリットとデメリットの両面を理解する必要があります。

4-1.メリット

多くのベトナム人は、手先が器用です。そのため収穫作業や農作物の選別作業など、細かな作業を任せられます。

一般的に、日本人と似て協力的な性格です。農業チーム内でコミュニケーションを取りながら、作業が進められるでしょう。日本語の学習意欲が高く、日本での生活に溶け込むため積極的にコミュニケーションを図ろうとする姿勢も見受けられます。

また勤勉な姿勢で取り組むため、農業の厳しい労働条件にも適応しやすく、定められたルールにしっかりと従います。継続的に努力する姿勢が多く見られるため、長期間働いてもらいやすいのもポイントです。

4-2.デメリット

ベトナム人はプライドが高く、官僚的で年功序列を重んじる文化が見られます。接し方としては文化背景に考慮して、人前での注意や強い口調を控えましょう。

日本とベトナムの文化や習慣の違いから、初めはコミュニケーションや理解に時間がかかることがあります。特に、農業の慣習や技術に対するアプローチの違いが生じるかもしれません。 ベトナム人を採用する場合、新しい環境に適応してもらうための期間が必要です。季節や天候による農業の変動にも慣れてもらうため、長期的な視点で経験を積んでもらうようにしましょう。

5.外国人雇用で受け取れる助成金

ベトナム人に関わらず、外国人雇用において主に以下5つの助成金が存在します。

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名称特徴助成額
1.人材確保等支援助成金(外国人労働者就労支援環境整備助成コース)就労環境の整備による職場定着やトラブル防止賃金要件を満たす場合→支給対象経費の3分の2(上限72万円まで)
賃金要件を満たさない場合→支給対象経費の2分の1(上限57万円まで)  
2.人材開発支援助成金(特定訓練コース)訓練効果が高いとされる訓練を行うことで得られる5つの手当が対象です
部外講師への謝金・手当部外講師の旅費施設・設備の借上費訓練を行う場合に必要な教科書・教材の購入費訓練コースの開発費  
  ※詳しくは下記画像Aをご覧ください
3.キャリアアップ助成金正規労働者を正社員化するか、非正規労働者の処遇改善をすると得られる<正社員化>
・正社員化コース→有期から正規雇用最大57万円
・正社員化コース→無期から正規雇用最大28.5万円
・障害者正社員化コース→有期から正規雇用最大90万円
・障害者正社員化コース→有期から無期雇用最大45万円
・障害者正社員化コース→有期から正規雇用最大45万円
<処遇改善>
賃金規定等改定コース→一人当たり最大6.5万円 1事業所あたり最大15万円(中小企業は最大20万円)
賃金規定等共通化コース→1事業所あたり最大60万円賞与
退職金制度導入コース→1事業所あたり最大40万円
短時間労働者労働時間延長コース最大23.7万円
4.業務改善助成金設備投資や教育訓練により、最低賃金を一定額以上引き上げた場合に、かかった費用の一部が助成される賃金の引き上げ率・労働者数・事業規模によって決まります  
(例) 事業所内最低賃金引き上げ額が30円以上で労働者1人、事業規模30人以上の場合→30万円  
5.雇用調整助成金雇用調整助成金は景気変動などの要因で雇用調整により雇用維持を図ると得られる中小企業→休業手当・賃金相当額などの2/3
中小企業以外→休業手当・賃金相当額などの1/2  

※参考:業務改善助成金|厚生労働省

外国人雇用における助成金は、以下で詳しく解説しました。

※出典:外国人雇用するともらえる助成金について徹底解説!いくらもらえる?受け取る条件は?

6.まとめ

いかがでしたか。ベトナム人の採用では、ビザの手続きや受入れ体制の整備をしっかり行うことが重要です。外国人が日本で働くには、就労ビザ(例.特定技能)または身分系ビザ(例.永住者)などの在留資格が必要となるからです。また日本に不慣れなベトナム人に対して、日本文化に慣れてもらうための働きかけも大切です。

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この記事を書いた人

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