農業分野でインドネシア人を採用しませんか?インドネシア人の特徴や採用の際の注意点、採用方法まで詳しく解説

執筆者:Divership編集部|外国人雇用担当部門
監修者:デリー(インドネシア担当)

多くの産業で人手不足に悩まされる状況が続いていますが、農業分野においても同じです。基幹的農業従事者は令和6年度で111.4万人と令和2年の調査から25万人減少するほか、基幹的農業従事者111.4万人のうち79.9万人が65歳以上という状況です。※
※:農林水産省:「農業労働力に関する統計」

慢性的な人手不足だけでなく、後継者不足にも悩まされる農家が多い中で、外国人材を活用して人手不足を補うことが注目されています。中でもインドネシア人は本国の人口の伸びが著しいことから、来日して出稼ぎに来るケースも増えている状況です。今回は農業分野でインドネシア人を採用するメリットや注意点などを解説します。

本記事を読むことで、農業分野でインドネシア人を採用する際の情報などがわかりますので、ぜひ最後までご覧ください。

外国人採用についてのご相談は我々JapanJobSchoolでも常時承っております。
まずはお気軽にご相談ください。

特定技能で人材不足を解消しませんか?
特定技能まるわかり資料 初めての外国人採用マニュアル 特定技能外国人コスト一覧表

目次

1.日本で働くインドネシア人は年々増えています!

まず最初に、日本で働くインドネシア人がどれほどの人数で存在するのかについて解説します。結論から言いますと、インドネシア人は年々増えている状況です。背景には、本国インドネシアの人口の増え方に対して仕事が足りていないという事情が関係しています。

本項目では、インドネシア人の具体的な増え方などをまとめました。

1-1.在日インドネシア人概観

令和5年末における在日インドネシア人は149,101人と国籍別では7番目に多い人口を誇ります。10年前の2013年では在日インドネシア人は27,214人しかいませんでしたが、10年で5倍以上に増えた計算です。また、前年と比較すると50,236人増えており、人口の増え方だけで見ればベトナムに次ぐ多さです。ベトナム人の人数の多さを考えると、インドネシア人の増え方は爆発的な増え方と言えます。※

在留資格別で見ると、在日インドネシア人で最も多いのが技能実習で74,387人特定技能が34,255人と続きます。この2つの在留資格だけで10万人を超えており、出稼ぎのために日本に来ていることは明白と言えるでしょう。その証拠に永住者は7,632人と少なく、留学も7,741人です。※

※:出入国在留管理庁「令和5年末現在における在留外国人数について」

1-2.インドネシアの人口

インドネシアの人口は2024年でおよそ2億8350万人とされ、前年と比べて230万人程度増えています。2013年と比べると3000万人近く増えているほか、人口の伸びは一定期間続き、2030年代には3億人を突破する想定です。※
※:セカイハブ「インドネシアの人口推移(国連)|1950年から2100年まで」

15~64際の生産年齢人口は1億9300万人程度と全体の68%を占め、65歳以上の高齢者は2066万人で7.3%ほど、15歳未満は全体の24.6%の6970万人程度と若者が多く、現役世代が力強く高齢者を支えるようなピラミッドとなっています。※
※:セカイハブ「インドネシアの人口ピラミッド(国連)」

一方で問題になっているのが若年層の雇用です。15~24歳において、失業率が2023年2月段階で16.46%と高い数値を残しています。また、若者の2割以上は学習や職業訓練などを受けていないとされ、問題視されています。※

※:独立行政法人労働政策研究・研修機構「インドネシア:2023年2月の失業率は5.45%に低下 ―コロナ禍前の水準に近づく」

人口はどんどん増える一方、若者の失業率は高止まりしているため、インドネシア国内ではなく、日本に活路を見出すケースがさらに増えることが予想されます。

1-3.インドネシアは日本語学習者の数が世界第2位

インドネシアには日本語学習者が多いとされ、その人数は71万1732人と韓国を上回り、世界第2位です。
※:国際交流基金「2021年度 海外日本語教育機関調査」

インドネシアで日本語学習者が多いのは日本語教育の機関が多いためで、東南アジア全体で5,000機関程度ある中、そのうちの6割がインドネシアです。2番目のタイ、3番目のベトナムが600機関台であることを考えると、数の多さが目立ちます。

しかも、日本語教育を行う機関が全体的に減少する中で、インドネシアは増加の一途を辿ります。この背景には技能実習や特定技能で日本へ出稼ぎをしたい人たちが日本語を学ぶケースが増えていることがポイントです。

2.インドネシア人の特徴・性格

人口が急増し、日本へ出稼ぎに来る人も増えているインドネシア人ですが、どのような気質、性質、特徴を持つのか、注目している方も多いのではないでしょうか。以下、詳しく解説していきます。

2-1.宗教

インドネシアでは人口の9割弱がイスラム教徒、1割程度がキリスト教徒に分かれており、残り数%がヒンドゥー教や仏教などが占めています。インドネシアは世界最大のイスラム教徒の国とされていますが、信仰の自由が認められているため、イスラム教徒でなければならないわけではありません。

ただ、圧倒的にイスラム教徒が多いことから、仮にインドネシア人を雇用する際にはラマダンをはじめとするイスラム教ならではのルールを正しく理解し、配慮する姿勢が求められます。

2-2.言語

インドネシアではインドネシア語が公用語となっています。一方で無数の島が存在するインドネシアではそれぞれの地域で用いられている言語もあります。そのため、インドネシア人は公用語としてのインドネシア語とは別に、その地域で用いられている言語の2つを話すのが一般的です

初等教育から英語教育が行われるほか、日本語や中国語などの外国語にも触れているため、英語でのコミュニケーションも可能とされています。

2-3.親日

インドネシアはベトナムと並ぶ親日国です外務省が行った調査では、インドネシアと日本の関係性はとても友好、もしくはどちらかというと友好と答えた割合は96%と非常に高いことがわかります。今日の日本は信頼できるかという問いでも信頼できると答えた割合は96%とこちらもハイアベレージです。※

※:外務省「令和5年度海外における対日世論調査」

信頼できる理由については友好関係が84%と高く、経済的な結びつきや世界経済の安定などを挙げるインドネシア人が目立ちました。インドネシア人が日本に持つイメージでは、最も多いのが「経済力・技術力の高い国」で次に伝統文化を持つ国、生活水準の高い国と続きます。

デリー(インドネシア担当)

インドネシアと日本の関係は非常に友好です。日本の影響はインドネシアにとても大きいです。車の約75%は日本車で、日本のレストランや製品もインドネシアの至るところで見かけます。子供の頃、私はインドネシアのテレビに日本の番組をよく見ていました。例えば、「風雲!たけし城」や「仮装大賞」などです。

2-4.楽観的

インドネシア人は性格が楽観的であると言われています何かトラブルがあっても何とかなるという精神になりやすく、きわめてポジティブです。口癖でも「ティダ・アパアパ(なんとかなるさ)」というフレーズが登場します。

東南アジアは亜熱帯の国であり、楽観的な性格は亜熱帯の国ならではの傾向とされています。インドネシア人も例に漏れず、楽観的な性格を持つ人が多いのです。

デリー(インドネシア担当)

これは宗教の影響でもあると思います。神様はあなたに最良のものを与えてくれるから、うまくいかないことがあれば、それはあなたにとって必要なものではないということです。そして、きっとそれよりも素晴らしいものが待っているはずです。

2-5.寛容

楽観的にもつながるのが寛容な心を持つ国民が多い点です。インドネシアでは多数をイスラム教徒が構築し、そのほかにキリスト教などがある状況です。宗教面においてインドネシアでは寛容的であり、他の宗教に対して敵視をむき出しにするような機会は多くないと言えます。

2-6.スローペース

インドネシア人を語る上で避けては通れないのがスローペースである点です。時間に対する概念がルーズであるため、時間に合わせてきっちり行動することがあまり上手とは言えません。結果として、スローペースになりやすく、仕事をする上においてネックになる場合があるので注意が必要です。

インドネシア人と一緒に働く際のポイントについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

3.インドネシア人を採用するメリット

本項目では、インドネシア人を採用する上で、メリットとなる要素について解説を行います。

3-1.若手人材が豊富

インドネシアには多くの若者がいるなど、若手人材が豊富な点が挙げられます。しばらくは人口が急増する状況が続くため、インドネシアの経済を支える戦力になり得るでしょう。しかしながら、若者を中心に失業率が高いのも事実であり、若者を中心に人が余っている状況にあります。

こうした背景もあるため、技能実習生もしくは特定技能制度を利用して日本へ出稼ぎに出るべく、インドネシアで日本語を学ぶ若者が増えているのです。今後もこの状況が続けば、インドネシア人を人材として確保しやすいと言えるでしょう。

3-2.素直さや明るさで職場を活気づけてくれる

インドネシア人は陽気な性格の人が多く、素直さや明るさがあります。東南アジアの気候が作り出す温厚さも相まって、前向きに、明るさを示しながら仕事に取り組むインドネシア人が少なくありません。コミュニケーションを重ねながら仕事を進めていこうとする姿勢も魅力の1つです。

3-3.勤勉で一生懸命働いてくれる

インドネシア人は勤勉で、一生懸命働いてくれる特徴があります。一方で、与えられた仕事しかせず、残業もあまりしないで帰る傾向にあるため、時間内でしっかりと終わらせるのが目的で一生懸命働くという側面もあると言えるでしょう。

3-4.日本人と親和性がある

勤勉で温和、それでいて周囲との調和を図るというインドネシア人の性質は、日本人と親和性があります。時間にルーズなど相いれない部分もありますが、あくまでも文化の違いです。大部分は日本人と親和性があるので、職場にいても働きやすさを感じられるでしょう。

4.インドネシア人を採用する際の注意点

インドネシア人を採用する際には、メリットのほかにも、デメリット・注意点にも気を付ける必要があります。本項目では、以下の注意点についてまとめました。

4-1.宗教への理解

インドネシア人の9割近くがイスラム教徒であるため、イスラム教はもちろん、キリスト教を含め、宗教への理解を深めていくことが求められます。特にイスラム教はラマダンの時期になると、日中は飲食や喫煙などができません。また、ラマダンの最後の時期は実家に帰省する動きがインドネシア国内で多く見られ、日本に出稼ぎに来るインドネシア人にも同様の傾向がみられる可能性があります。

勤務時間や長期の休暇に対する配慮をすることも重要であり、場合によっては帰省に対する支援を行うのも必要と言えるでしょう。

インドネシアのイスラム教については、以下の記事で詳しく解説しています。

4-2.タブーに気を付ける

インドネシアではさまざまなタブーがあるため、注意が必要です。タブーには種類があり、豚肉やアルコールの禁止のようにイスラム教でアウトになっているものもあれば、「腰に手を当てる」、「過度なスキンシップはしない」といったものもタブーとなります。

日本ではさほど気にならないようなものまでタブーとなるため、どのようなタブーがあるのかを前もって知っておくことが大切です。

インドネシアのタブーについては、以下の記事で詳しく解説しています。

4-3.人前で叱らない

インドネシア人に対するタブーの中で一番やりがちなのが、人前で叱る行為です。日本では「叱る行為自体は期待の裏返し」とされていますが、インドネシアでは屈辱的な行為であり、人前で叱らないことが大前提となります。

仮に指導をしなければならない場合には、人がいない場所で指導を行うほか、叱らない形での指導を目指すことが大切です。

4-4.ゴム時間(ジャム・カレット)の管理

インドネシアではゴム時間(ジャム・カレット)が常態化しています。時間を守る概念に乏しく、平気で約束の時間を破り、全く悪気がない姿勢がみられ、遅刻も普通にあります。遅刻が悪いことであるという常識がないため、日本では遅刻は悪いことであると教えなければなりません。

あくまでも日本の文化として時間の大切さを伝えるようにし、ゴム時間そのものを全否定するような伝え方は避けましょう。

デリー(インドネシア担当)

ゴム時間については、恥ずかしながら認めます(笑)。人によるのですが、インドネシアの人々は約1時間遅れることが多いです。ですので、インドネシアで誰かと約束をする場合は、約束の時間の1時間前に来るように伝えた方が良いです。例えば、5時に会いたいなら、4時に会うように伝えればよいのです。ただし、ビジネスの場面では当てはまりません。

5.農業分野でのインドネシア人の採用方法

最後に農業分野におけるインドネシア人の採用方法について解説していきます。

5-1.技能実習

技能実習の場合は団体監理型と企業単独型の2つの採用方法があります。中でも、団体監理型は技能実習生を受け入れたい実習実施者が監理団体に依頼する形で実習生の取次ぎをしてもらい、現地の送出機関と監理団体がやり取りを行い、外国人を受入れます。

5-2.特定技能

令和元年に在留資格「特定技能」が解禁され、農業分野では令和5年末時点で23,861人が農業に従事しています。そのうち、インドネシア人は6,743人と全体の28%を占め、ベトナムに次いで2番目の多さです。

現状ではまだ技能実習の方が人数は多いですが、割合は段々と半々に近づいており、近い将来には技能実習を逆転する勢いです。※
※:農林水産省「農業分野における外国人材の受入れ 」

特定技能について詳しく知りたい方は、特定技能まるわかり資料をぜひご活用ください。

5-2-1.国内からの採用

国内からの採用の場合、技能実習2号修了者や留学生として来日した外国人が特定技能試験に合格した場合に雇用する形が一般的です。特に技能実習2号の修了者は技能試験・日本語試験が免除され、雇用契約を結び、在留資格を変更するなどの手続きを踏めば就労が可能です。

5-2-2.国外からの採用

国外からの採用では、現地で人材を募集して面接を行う流れになりますが、技能試験・日本語試験を両方パスしていることが条件です。国外からの採用が初めての場合は登録支援機関などに委ねる形で採用を進めていくことになります。

5-2-3.農業分野でのインドネシア人採用は特定技能がおすすめ!

農業分野でインドネシア人を採用する場合、特定技能がおすすめです。特定技能1号の場合、通算5年まで就労が可能となるので、長いスパンで育てていくことができます。また農業分野では特定技能2号への移行もでき、その場合は在留期限を更新し続ける限り、日本での滞在が可能になるほか、永住権取得への道も開かれやすく、家族の帯同も可能となります。

特定技能でのインドネシア人採用については、以下の記事で詳しく解説しています。

6.まとめ

農業分野では慢性的な人手不足のほか、高齢化が著しく、インドネシア人を始め、外国人労働者を雇用することで改善を図ることが大切です。中でも温和でコミュニケーションがとりやすいインドネシア人を活用することで、慢性的な人手不足の改善が可能になるほか、前向きで勤勉な働きによって職場の雰囲気も良くなるでしょう。

今回ご紹介した内容を踏まえて、農業分野で働きたいと考えるインドネシア人を積極的に採用し、人材不足の状況を脱却しましょう。

弊社Japan Job Schoolでは特定技能人材の採用などに関する無料相談も実施しております。
気になる方はぜひともお気軽にお問い合わせください。

  • URLをコピーしました!
外国人専門
日本語・コミュニケーションスクール
スクールの卒業生を採用できます

日本語だけでなく、日本人と良好な人間関係を築くコミュニケーションを教えるスクールで学んだ生徒を採用できます。定着率の高い人材採用なら、今まで1000名以上の紹介実績のあるJapanJobSchoolにお問合せください!

この記事を書いた人

主に「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」「外国人マネジメント」「企業・外国人インタビュー」などの情報をこれから外国人を採用したい企業様向けに発信しています。編集部は外国人の人材紹介と支援を行っているJapanJobSchoolの社員で構成されており、専門家ならではの視点からお届けします。

☆☆☆JapanJobSchool☆☆☆
紹介実績1,500名以上!支援実績250名以上!
主に「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」外国人の人材紹介と支援を行っています。また、入社してからのスキルアップのために日本語授業も提供しています。

目次