飲食店でタイ人を雇いませんか? 「微笑みの国」タイの国民性や採用の際のポイントについて解説!
ほとんどの産業で人手不足の状態にあり、飲食業界においてもその状況は同じです。2023年は飲食業界全体で売り上げが伸びてコロナ禍以前の状況に戻った一方、飲食店の非正社員における人手不足の割合は67.5%と依然として深刻です。
※:TDB景気動向調査「人手不足に対する企業の動向調査(2024年7月)」
飲食業界での慢性的な人手不足を改善するために活用が求められるのが、外国人労働者です。中でも戦力となり得そうなのがタイ人です。「微笑みの国」と称されるタイの国民を採用することで、人手不足の改善やプラスアルファの効果に期待が持てます。今回は飲食業界で退陣を採用するメリットなどを中心に解説します。
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1.日本で働く外国人は年々増加しています
まず初めに日本で働くタイ人がどれほどいるのかを解説します。結論から言うと、日本で働くタイ人の数は以前から着実に増えています。
日本に在留するタイ人は年々増えています。2013年末では41,208人でしたが、2023年末時点では61,771人まで増えており、国籍・地域別で見ると11番目です。
※:出入国在留管理庁「令和5年末現在における在留外国人数について」
在留資格で細かく見ると、最も多いのが永住者で21,738人、次に技能実習が11,287人、日本人の配偶者等が7,552人と続きます。定住者を含めると、身分に基づく在留資格で日本にいるタイ人が多い傾向にあります。
身分に基づく資格の場合には、働く際の制限がなく、日本人と同様に働かせることが可能です。一方で技能実習や特定技能、「技術・人文知識・国際業務」、留学も一定数存在しており、特定の在留資格に偏っているわけではないのが特徴です。
1-2.なぜタイ人は日本で働きたいのか?
タイ人が日本で働く背景には以下のような要因が考えられます。
・日本での方が多く稼げる
・親日国である
・日本の文化が好き
・生活がしやすい
タイの地方に住む方にとって日本への出稼ぎは魅力的と言えるでしょう。タイでの若者の失業率は年々高くなっており、タイではなく日本に活路を見出すケースも十分に考えられます。
首都バンコクや周辺の観光地は発展を遂げ比較的裕福にはなってきていますが、全体的に見てみると、一人当たりのGDPはタイが7,171.8億ドルに対し日本は33,834.4億ドルと、やはり経済力的に日本の方が優勢であり、日本での方が稼げるという傾向にあります。(2023の値)
※WORLD BANK GROUPデータ
「生活がしやすい」という点については、日本は治安の良さが特徴的であり、しかも衛生的な面があります。また昔から日本で暮らすタイ人も多く、タイ料理のお店も各地にあるため、故郷の味が恋しくなっても駆け込めるような場所がある状況です。
実はタイの治安は決していいとはいえず、日本と比べても物騒な事件が多いとされています。タイでは一時期まで自由に銃を購入できたため、各地で銃撃事件が起きるなど大問題となっていました。当然日本は簡単に銃が持てない社会であり、治安の面ではタイよりかなり上と言えます。このような環境もタイ人からすれば安心できる要素であるとともに、生活がしやすいと感じる点です。
以上の点からも、日本で働き、できれば日本で暮らし続けたいと考えるタイ人が着実に増えていると言えるでしょう。日本におけるタイ人のコミュニティも広がっており、タイ人にとって暮らしやすい環境が着実に形成されています。
2.「微笑みの国」タイってどんな国?
「微笑みの国」と称されるタイですが、どのような特徴を持つのか、気になる方も多いのではないでしょうか。タイの主な特徴は以下の通りです。
タイに行くと、僧侶たちが容器を手にして街中を練り歩き、食べ物をもらっていく「托鉢」の光景が見られます。これらはタンブンと呼ばれ、その中には過ちを起こした人を憎まないなどの教えがあるのです。こうした教えを大事にした結果、笑顔を浮かべる人が増え、「微笑みの国」としてのイメージが浸透したのです。
また、タイは「東南アジアの中で最も安定した国の1つ」とされています。東南アジアでは各地に独裁政権が生まれ、民主化の動きがストップするケースや経済的な発展が見込めないケースが多くみられる中、タイは民主化に向けた動きが進み、着実に発展を遂げており、東南アジアの中では安定した成長を続ける国の1つです。
タイの成長率はコロナ禍の2020年を除き、プラスの成長率を続けており、観光客が再び訪れるようになったことでコロナ禍前の状況に戻りつつあります。輸出入の相手国として日本・中国・アメリカがトップ3を独占しており、経済的な観点からも日本との関係性の深さを感じさせます。
※:外務省「タイ王国(Kingdom of Thailand)基礎データ」
何より「日本の皇室とタイの王室の関係性が緊密」である点も特徴的です。日本とタイの関係性は600年前から始まっており、皇室・王室の結びつきはきわめて緊密です。こうした緊密な関係性をベースに、政治・民間それぞれで活発な交流が続き、日本に訪れるタイ人はもちろん、日本からタイへ移住する日本人の多さにもつながっています。
3.タイ人の性格・国民性
タイ人を採用する中でぜひとも知っておきたいのがタイ人の性格、国民性です。タイ人の性格・国民性について主なものを5つまとめました。
温和で優しい・学習意欲ある・ミスに寛容
個人主義な面がある・時間にルーズな面も
それぞれ見ていきましょう。
温和で優しい
こちらは、仏教徒が90%以上を占めるタイならではの国民性と言えます。タンブンによって、常に笑みを浮かべることで徳を積んでいくという習慣が根付いているため、おのずと「温和で優しい」面が強調されます。いわばタイ人の性格・国民性はタンブンなどの要素が色濃く反映されていると言っても過言ではありません。
学習意欲がある
次にタイ人は「学習意欲が高い」事でも知られています。その象徴と言えるのが大学進学率です。タイの大学進学率は49.14%で世界40番目ですが、世界平均41.84%と比べると高いことがわかります。また東南アジアの中で見ても高い数字を誇ります。義務教育が15歳まであり、日本と同じような教育システムがあるのも特徴的です。
※:セカイハブ「【2022年】世界の大学進学率ランキング(UNESCO)」
ミスに寛容
ミスに寛容な考えなのはタイ人に「マイペンライ」の精神があるためです。マイペンライとはタイ語で大丈夫などを意味する言葉で、何か問題が生じても「大丈夫」と言い聞かせて、物事を深刻に受け止めようとしない考え方です。
そのため、同僚がミスを犯しても「マイペンライ」の精神で対応し、どうにかなるさという気持ちで臨む人が少なくありません。温暖な気候ならではの大らかな国民性・性格もタイ人を示す特徴と言えるでしょう。
個人主義な面がある
一方でタイ人には「個人主義」の面があると言われています。人から束縛されることなどを好まず、自分のことは自分で決めたいと考える人が多いのが特徴です。相手のことを最大限尊重する代わりに、自分のことは自分で決めさせてほしいという考えが根底にあります。
時間にルーズな面も
もう1つのポイントは「時間にルーズ」な面もある点です。これはタイ人に関係なく、温暖な気候の地域ではよく見られる傾向と言えます。日本では1分1秒を大切にする動きがありますが、タイではそのあたりが希薄なので、多少の時間の遅れはやむを得ない部分があります。
時間のルーズさに関しては、タイに多くの企業が進出したことで、企業文化の浸透に伴い、時間の大切さを理解するタイ人が増えてきたと言われています。しかしながら、全員が全員、そのような理解を持っているわけではないため、注意が必要です。
↓タイ人の性格についてはこちらの記事でも詳しく解説しています↓
4.タイ人を採用するメリット
タイ人を採用するメリットですが、タイ人の性格や国民性を踏まえたメリットとして5つあります。
それぞれ見ていきましょう。
能動的に働いてくれる
タイ人を採用するメリットとして「能動的に働いてくれる」点が挙げられます。タイ人は学習意欲が高く、基本的にマジメな人が多いため、色々な指示を行えば、積極的に動こうとします。また前向きな姿勢で働くタイ人も多いため、勤勉性を求めたい場合におすすめです。
職場の雰囲気が良くなる
タイ人は明るく楽しく働こうと心掛けるため、おのずと「職場の雰囲気が良くなる」傾向にあります。誰かがミスをしてもマイペンライの精神を発揮し、微笑みを浮かべて相手を許そうとします。飲食業界は時間帯によってかなり忙しくハードになりますが、そんな時でも明るさを見せてくれるので、頼りになるでしょう。
コミュニケーションがとりやすい
「コミュニケーションがとりやすい」のもタイ人の特徴です。微笑みを浮かべ、楽しい会話が多いタイ人との会話はコミュニケーションがとりやすい傾向にあります。一方で、タイ人は気遣いもできるため、まだ親しくはない状況においてむやみやたらに話しかけてくるわけではありません。こちらから話しかけて交流を深めていくと、関係性が築きやすくなる部分も魅力と言えます。
日本人との親和性がある
タイは親日国であり、日本のことが大好きなタイ人が非常に多いことから、「日本人との親和性」が高めです。日本の自然や日本食、歴史やマンガ、アニメなど色々なものを好こうとしてくれます。常にウェルカムの姿勢でいてくれる分、やりやすい部分が多いと言えるでしょう。
タイ人の気質が飲食業とマッチしやすい
飲食業界は接客がメインとなる部分が大きく、タイ人の人懐っこさや忙しい時間帯でも「マイペンライ」の精神を発揮するスタンスなどは頼りになりやすい要素です。
5.タイ人と一緒に働く際の注意点
最後にタイ人と一緒に働く際の注意点についてもまとめました。
頭ごなしに怒鳴るなどの対応に注意
タイではマイペンライの精神をはじめ、失敗を許容し、寛容的な態度で接する傾向にあります。裏を返せば、相手をできるだけ怒らせない、もしくはメンツを守ってあげることを意味します。
その状況において、公衆の面前で怒鳴りつける、第三者がいる中で叱り飛ばす行為はタイ人からすれば屈辱であり、自らのメンツを傷つけられる行為でしかありません。ゆえに叱られても、「気にしない」、「大丈夫」といった言葉が出てきます。日本人からすれば火に油を注ぐような行為に見えますが、タイ人にとってはメンツを保つ意味で必要な行為なのです。
ジョブホップに注意
ジョブポップとは、いい待遇を求めて転職を繰り返すことを指します。タイ人にとって1バーツでも多くもらえるところで働くことが重要であり、同じような労働環境であれば、重視されるのは給料です。そのため、給与面・評価面をシビアにチェックし、これ以上の昇給・昇格が見込めないと判断すれば、あっさりと辞めてしまいます。
ですので、明確な評価システム・給与体系をはっきりと示してタイ人を食い止めていくことが求められます。またボーナスを受け取ってから辞めるケースも多く、日本における労働者の考え方・意識とは多少異なる部分です。
外国人労働者への給与については以下の記事で詳しく説明しています↓
タイ人へのタブーに注意
また、「タイ人へのタブー」にも注意が必要です。例えば、「タイ人の頭を触ってはいけない」といったものや「むやみに身体に触れない」、「食事の際には食器を持たず音を立てない」などがあります。
特に食事の際に音を立てないというケースでは、ラーメンやそばなど麺をすする際に発せられる音もNGとなります。近年ヌードルハラスメント、通称「ヌーハラ」が話題となっており、外国人が麺をすする音に不快感を示すケースが出ていますが、タイ人も同様のことを感じているのです。
他にもタイ人が不快に思うタブーは数多く、無意識でやってしまった行動をきっかけにタイ人が怒り出す、もしくは突如退職を言い出す可能性もあるため、気をつけましょう。詳しくは以下の記事をご覧ください!
干渉のし過ぎに注意
タイ人は他人に対して干渉しません。自らも他人から干渉をされるのが嫌いだからであり、個人の自由を好む傾向にあります。そのため、タイ人に対して干渉をしようとすると、不快感を示される可能性が高いと言えるでしょう。
そもそも「タイ」という言葉の意味は「自由」であり、自由を好むのは国名からも明らかです。例えば、飲み会への参加を強要する、残業をするよう強く求めるといったことをしてしまうと、タイ人が過度に嫌がる可能性が考えられます。
5.まとめ
飲食業界ではコロナ禍以降も、慢性的な人手不足の状況が続いており、外国人労働者の活用は急務と言えます。その中で「微笑みの国」でおなじみのタイ人を活用することで、人材不足の改善が行えるほか、明るく楽しい雰囲気を作り出していくことも可能となるでしょう。
今回ご紹介した内容を踏まえて、飲食業界で働きたいと考えているタイ人労働者を積極的に採用し、慢性的な人材不足からの脱却を目指していきましょう。
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