特定技能外国人の満足度アップで定着率向上!離職状況と働きやすい職場環境にするポイント

執筆者:Divership編集部|外国人雇用担当部門

特定技能外国人を雇用することで、企業は重要な戦力が得られます。しかし、離職状況も気になるのではないでしょうか。この記事では、特定技能外国人の満足度を向上させ、定着率を高めるためのポイントを解説します。離職状況の現状を把握し、働きやすい職場環境を整備することで、企業と従業員双方にとってメリットを生み出す方法を探りましょう。

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目次

1.特定技能外国人の離職状況

※出典:論点第2の1関連 – 法務省

特定技能の制度施行から令和4年11月までに、自己都合による離職者数は1万9,899人に達しました。これは、特定技能在留外国人数の16.1%に相当する割合です。

分野別では、「宿泊」分野での離職率が32.8%と最も高く、次いで「農業」分野が20.1%でした。離職後の状況としては、帰国が31.4%で最も多く、次いで特定技能での転職が30.3%となっています。

離職率の高い分野では、労働環境やサポート体制に課題があると考えられるでしょう。また帰国や転職している外国人の多さからは、日本の生活や仕事に満足できなかった結果だと読み取れます。

2.特定技能外国人の満足度アップを図るメリット      

特定技能外国人の離職率が高いことに悩んでいる企業にとって、職場環境に対する満足度アップを図るのは重要です。外国人従業員の満足度が高まることで、企業にとって多くのメリットが生まれます。

2-1.従業員の定着率向上・離職率低減につながる

人材不足から特定技能外国人を雇用している企業は、定着率を高く保ちたいと考えるでしょう。特定技能外国人の満足度を向上させることで、従業員の定着率が向上し、離職率が低減します。

例えば、生活面や仕事面でのサポートを充実させることで、外国人労働者の不安を軽減し、長期的な雇用につながります。「ここで働き続けたい」と思える会社を目指して、職場環境を整えましょう。

CS担当|藤内

仕事面でいうと、定着している企業様の特徴として、評価制度がしっかりある企業様が多いと感じます。
例えば、外食であれば、業務内容によって「等級」を設けており、等級が上がるごとに昇給をするという企業様もいらっしゃいます。

2-2.採用コストが削減できる

職場環境に対する満足度が上がると、離職率が下がり、新たな従業員を採用するコストが削減できます。採用活動や研修にかかる時間と費用を節約できるため、企業の経営効率が向上します。

また求職者が就職先を見極めるポイントは、業務内容や職種だけではありません。「サポート体制が整っているか」「働きやすい職場環境か」も吟味されるため、満足度が高い企業は、より多くの応募者を集めやすくなります。

2-3.チームワークの向上と職場の多様性が促進される

特定技能外国人の満足度が高まることで、業務に対して前向きな姿勢を持つ従業員が増えるでしょう。モチベーションの高い外国人労働者は、業務に積極的に取り組み、他のメンバーと協力して効率を高めるため自然にチームワークが向上すると考えられます。

また異なる文化背景を持つ従業員が協力し合うことで、職場の多様性が促進されます。

結果的に創造性や問題解決能力が向上し、企業全体のパフォーマンス向上が見込めるでしょう。

3.特定技能外国人の満足度アップのポイント   

特定技能外国人が働く上での満足度を上げるには、いくつかポイントがあります。職場環境の見直し・改善を図るために、以下3つのポイントを意識してみましょう。

3-1.働きやすい環境を整備する

特定技能外国人が働きやすい環境を整えることが大切です。例えば、労働時間の適正化や休暇制度の充実、住居の手配や日本語学習の支援などが考えられます。日本の文化に不慣れな外国人は「きちんと休みが取れる」「業務内容をやさしい日本語で説明する」など働きやすい環境だと労働に対する不安が軽減できるでしょう。

CS担当|藤内

企業様によっては、操作や作業手順など、イラストを用いた説明書を作成されている企業様もいらっしゃいます。

3-2.コミュニケーションを意識する

特定技能外国人とは、意識してコミュニケーションを取ります。定期的な面談やフィードバックを通じて、外国人労働者の意見や要望を把握し、適切な対応をすることが重要です。文化の違いを理解して、尊重する姿勢を示せば信頼関係を築くことにつながります。

特定技能外国人との円滑なコミュニケーションは定着率向上につながります
「外国人労働者とのコミュニケーションマニュアル」で詳しく解説していますので是非ご参考ください

3-3.文化の違いを理解する

多くの外国人は、宗教的・文化的な背景により、挨拶のしかたや時間感覚、コミュニケーションの方法に違いがあります。文化の違いを理解することで、外国人労働者は「尊重してもらえた」「寄り添ってくれた」と感じて、職場環境に対する満足度が上がるでしょう。

文化の違いを理解するには、以下の取り組みがおすすめです。

 目的方法の一例
異文化トレーニングの実施異文化間で効率的に仕事を進める研修にて異文化間における話し方、情報共有の違い、ミーティングのコツを学習する
多文化交流イベントの実施異なる文化や価値観を持つ人と交流する異国の料理、音楽、言語に触れるイベントを開催する
外国人雇用管理アドバイザーに
相談
外国人従業員の適切な管理・改善最寄りのハローワークに問い合わせる

※参考:外国人雇用管理アドバイザー|厚生労働省

4.特定技能外国人の満足度アップを図る施策 

特定技能外国人が働きやすい環境を整えるために、不安を解消する施策が重要です。ここでは、特定技能外国人の満足度を高めるための具体的な方法を紹介します。

4-1.コミュニケーションの支援を充実させる

日本語学習の支援 

日本での生活や仕事に適応しやすくするために、採用後も日本語学習の支援をすることが重要です。日本語のスキルが向上することで、コミュニケーションが円滑になり、業務連絡もスムーズになります。

具体的には社内で日本語教室を開設したり、オンライン日本語学習プログラムを提供したりなど、支援方法を検討してみましょう。

多言語マニュアルの作成

業務マニュアルや手順書を多言語で作成すれば、特定技能外国人が業務を理解しやすくなります。もしベトナム人を雇用する場合、日本語と英語だけでなくベトナム語のマニュアルを用意するのが最適です。

画像や図解を多用して、視覚的な理解のしやすさにも配慮しましょう。業務への理解度を上げることで、効率化やミスの減少につながります。

多言語マニュアルを作成する方法がわからない場合、以下を参考にしてみてください。

<多言語マニュアルの作成ポイント>

  • 一文を短くする
  • 5W1Hを意識する
  • 主語と述語をわかりやすくする
  • できるだけ具体的な表現にする(例)午後〇時までに〇個用意する
  • 用語や表記を統一する

面談機会の設定

定期的な面談を実施して、特定技能外国人の意見を把握することも大切です。例えば、月に1度上司または人事担当との面談を設定し、外国人労働者の話を聴く機会を設けます。

特に日本での生活や仕事に不慣れな場合、ストレスや孤独を感じている可能性が少なくありません。外国人労働者の声に耳を傾けて適切に対処すれば、信頼関係が築かれ離職率の低減につながります。

日本語理解が苦手な外国人労働者に対しては、面談時に通訳を手配するのもおすすめです。可能な限り、お互いが伝えたいことを理解できるように配慮しましょう。

CS担当|藤内

何かを心配する際に「大丈夫?」と聞いてしまいがちですが、そうすると「大丈夫」しか返ってこないことが多いです。
そのため、心配なことを聞く場合には、「○○については、どうしている?」などと、YES/NOで答えられない形での質問が良いです!

4-2.キャリアアップの機会を提供する

資格取得の支援をする

特定技能外国人がスキルを向上させるために、資格取得の支援をすることが重要です。資格取得をサポートすることで、外国人労働者のモチベーションが高まり、長期的なキャリア形成も可能になります。

例えば介護現場で雇用する場合には、「介護福祉士国家資格」の資格取得が考えられるでしょう。企業は教材購入や講座受講料の費用を負担する、または試験勉強時間の確保のため勤務シフトに配慮するといったサポートを検討してみてください。

昇進基準を明確にする

昇進の基準を明確に説明することで、特定技能外国人が将来の展望を持ちやすくなります。透明性のある評価制度を導入して、信頼を得られるように働きかけましょう。

特定技能外国人に対して昇進基準を示す際には、工夫が必要です。英訳または母国語で翻訳した評価シートを配布する、多言語で昇進試験を実施するなど日本語が不得意な外国人に配慮しましょう。

キャリアアップ助成金については、以下で詳しく解説しています。

4-3.労働環境を整備する

相談・指導係を決める(メンター制度)

特定技能外国人が業務に適応しやすくするために、相談・指導係を決めることが重要です。労働者が安心して質問・相談ができるように、外国人労働者と同じ国籍または年齢の近い先輩上司、社歴が近い者などが適しています。

メンター制度ともいい、先輩社員(メンター)は後輩社員(メンティ)をサポートして、業務上の課題解決や悩み解消を助けて成長を促します。

業務指示をわかりやすく伝える

業務指示を明確かつわかりやすく伝えることで、特定技能外国人が業務をスムーズに遂行できるようになります。具体的には、やさしい日本語で説明する多言語マニュアルを導入する5W1Hを意識して伝えるようにするのが有効です。

4-4.住宅サポートをする

特定技能外国人が安心して生活できるように、住宅サポートを提供しましょう。住居の手配や家賃補助を導入することで、外国人労働者の生活の安定を図り、仕事に集中できる環境を整えます。

4-5.ビザ申請手続きを代行する

ビザ申請手続きは複雑で時間がかかるため、企業が代行することで特定技能外国人の負担を軽減します。手続きの説明書は難しい日本語の場合があり、外国人にとって理解するのに時間がかかるかもしれません。また複雑な手続きが生じるケースもあるため、代行すると、特定技能外国人は安心して働き始めることができます。

5.特定技能外国人の満足度アップ!登録支援機関の役割

企業だけで手が回らない支援は、「登録支援機関」に任せるのも方法のひとつです。ここでは登録支援機関の役割を理解して、特定技能外国人の満足度アップに役立てましょう。

CS担当|藤内

特定技能の方々を受け入れているほとんどの企業様が、登録支援機関に委託をしています。
企業様自身での支援も可能ですが、自社支援をするには、様々な条件があり、条件をクリアできる企業様は少ないです。

登録支援機関については、以下でも解説しています。

5-1.就労サポート

職場での翻訳・通訳サポート

自社のみで翻訳・通訳のサポートが難しい場合には、登録支援機関のサポートを受けるのもおすすめです。多言語マニュアルの整備やネイティブチェックなど、登録支援機関の翻訳サービスを利用しましょう。

我々JJSでは外国人社員による通訳・翻訳サポートも充実しています

カウンセリング・面談の実施

特定技能外国人が抱える悩みやストレスを軽減するために、定期的なカウンセリングが必要です。しかし自社での対応が難しい場合には、登録支援機関にカウンセリングを依頼して、特定技能外国人の精神的なサポートをしましょう。

それぞれの国の情勢等によって、同じ国の方だからこそ理解、共感のできるセンシティブなお話もあります。

そういった内容を母国語で相談できる場所があることは、ベストな状態での勤務を実現することにもつながります。

5-2.継続的な支援とフォローアップ

生活に関するアドバイス

特定技能外国人が日本での生活に適応しやすくするために、生活に関するアドバイスが必要です。これには、住居の手配や金融機関・医療機関の利用方法、交通ルール、日用品の購入方法といったサポートが含まれます。

外国人労働者の受け入れに不慣れ、もしくは生活相談担当がいない企業は、登録支援機関への委託を検討しましょう。

ビザ支援

在留資格や就労許可に関する手続きは、制度を理解して必要書類を提出しなければなりません。複雑な手続きもあるため、ビザ申請のサポートを受けることで、企業の負担を軽減します。

外国人本人がする手続きの方法を、企業に質問してくるケースも少なくありません。何かあったとき気軽に相談できる窓口があるだけで、企業も特定技能外国人も安心できるでしょう。

6.まとめ

特定技能外国人の満足度をアップさせることは、企業にとって重要です。特定技能外国人が安心して働ける環境を整えることで、彼らの満足度が向上し、早期離職を防ぎます。

満足度をアップさせるには、適切な労働環境の整備や従業員の意思を尊重する試みが必要です。具体的にいうと多言語マニュアルの作成や、定期面談の実施などが挙げられます。

特定技能外国人の満足度アップに関するご質問や、具体的な施策についてのアドバイスが必要な場合は、ぜひ弊社(JJS)にご相談ください。無料相談も受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせいただけます。

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