台湾人を雇用する前に知っておきたい|国民性・仕事観について解説!
「台湾人の国民性や日本人との相性が知りたい」
「台湾人を採用したいので仕事観が気になる」
人手不足に悩む企業様は、台湾人の採用も視野に入るかもしれません。台湾人は日本人と気質が似ており、日本語や日本文化にも親しみを持っています。本記事では、台湾の基本情報・日本との関係性や国民性・就労ビザや採用における注意点についてまとめました。
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1.台湾人の国民性・性格・特徴7つ
ここでは、台湾人の国民性や性格、特徴を紹介します。台湾人採用を検討している企業や、台湾について理解を深めたい方は参考にしてください。
1-1.明るくフレンドリーな性格
台湾人は明るくフレンドリーな性格をしています。初対面でも、笑顔で気さくに話しかけてくるケースが多いでしょう。
また親切で助け合いの精神が強く、困っている人を見かけるとすぐに手を差し伸べる傾向にあります。外国人に対しても好奇心旺盛で、特に日本人には親しみや憧れを持っています。
1-2.家族を大切にする
台湾人は家族を大切にする国民です。家族は血縁だけでなく、親戚や友人なども含めて広い意味でとらえられます。絆を重んじるため、一緒に過ごす時間を取ったり、家族の意見を尊重したりします。
また、家族との行事も欠かしません。例えば旧暦の正月や中秋節(代表的な節句のひとつ)では、家族と集まって食事やお祝いをします。
1-3.時間にルーズ
台湾人は、日本に比べると時間にルーズな傾向があります。約束の時間より遅れて来たり、キャンセルしたりすることが多いと感じるでしょう。楽観的に考えたり計画性がなかったりするので、時間厳守は難しいかもしれません。
1-4.自分が好き
台湾人は自分が好きで、主張も強めです。自分の容姿や能力、趣味などに自信を持っています。また興味があることに積極的に挑戦したり、楽しんだりします。
そのため台湾では、自撮り写真や動画をSNSに投稿するのが流行っています。美容やファッション、グルメ、旅行にも強い関心を示し、好奇心旺盛な国民性です。
1-5.ストレートで自己主張が強い
台湾人はストレートで、しっかりと自己主張します。自分の考えや感情や意見をはっきりと口にしたり、表現したりするでしょう。
相手に対して率直に褒めたり、批判したり、アドバイスしたりするので、日本人の感覚だと驚いてしまうかもしれません。しかし台湾人は素直に表現することで、コミュニケーションを大切にしています。
1-6.世話焼きで優しい
世話焼きで優しいのも、台湾人の特徴です。自分の家族や友人だけでなく、知らない人や外国人に対しても気遣いや配慮をします。
例えば、台湾では食事の際に「吃飽了沒?」(お腹いっぱいになった?)と聞くのが一般的です。これは、相手の健康や幸せを気にかける表現です。また道に迷っている人や困っている人を見かけると、自ら声をかけて助ける国民性です。
1-7.親日派が多い
台湾は親日派が多い国です。日本と台湾は歴史的にも経済的にも深い関係にありますが、それだけではなく、文化的にも親近感を持っています。
多くの台湾人は、日本のアニメやドラマ、音楽などのポップカルチャーに興味があります。そのため日本語を学ぶ台湾人も多く、日本へ旅行する台湾人も少なくありません。日本語が話せる台湾人も多く、日本文化や日本の観光地にも詳しい一面もあります。
2.意外と知らない台湾の基本情報
2-1.台湾の基本情報
出典:外務省|台湾
台湾、正式名称「中華民国(台湾)」は日本から飛行機で3〜4時間で行ける近くて便利な国です。
沖縄の石垣島・宮古島と同じくらいの緯度にあり、1年を通して比較的温かい地域です。夏が長く冬は短く、明確な四季はあまりありません。
台湾は約3.6万平方キロメートルで、九州よりやや小さい国土面積。約2,300万人が暮らしており、日本の約5分の1に該当します。主要な都市は、首都の台北市や港湾都市の高雄市です。
台湾の公用語は中国語ですが、日常的に「台湾語」や「客家語」も使われます。仏教や道教を信仰している人が多く、キリスト教徒もいます。中華料理をベースにした食文化で、小籠包や魯肉飯などが有名です。
2-2.台湾の歴史
台湾の歴史は長くて複雑です。古くは原住民が住んでいましたが、16世紀にポルトガルやオランダなどのヨーロッパ人に占領されていました。その後、中国の明や清の支配を受けたり、日本に統治されたりしました。
第二次世界大戦後は中国に返還されましたが、1949年に中国大陸で中国共産党が勝利したため、中国国民党が台湾に逃れてきました。それ以来、中国と台湾は対立しています。
2-3.台湾の情勢
台湾は日本と歴史や文化が深くつながっている国ですが、中国との関係は常に緊張しています。政治や経済の情勢を知ることで、台湾への理解を深めましょう。
政治について
台湾は民主共和制で、直接選挙により総統や議会が選ばれます。国民党と民進党が2大政党で、与党は親台派の民進党です。台湾と中国は対立しており、中国は台湾を自分の領土だと主張しています。台湾は国際的にも孤立していますが、日本や米国などと非公式に協力しています。
経済について
出典:台湾行政院主計処(2008年~2023年までの台湾のGDP推移)
台湾はアジアの四小龍(香港、シンガポール、韓国と共に)と呼ばれる経済成長を遂げた国です。国内総生産を示す名目GDPは、7,626億ドルで世界第21位と高順位に入っています(2022年、台湾行政院主計処)。
台湾の平均給与水準は約5万4千台湾元(約23万7千円)です。ただし、業種や地域によって差があります。例えば金融業や情報通信業では平均給与が高く、農林水産業や住宅サービス業では平均給与が低い傾向に。また都市部では平均給与が高く、農村部では平均給与が低めです。
2-4.台湾人の在留人数
「令和4年末現在における在留外国人数について」によると、台湾人の在留数は57,294人で、前年の51,191人より増加しています。台湾は、国籍・地域別のランキングでは9位にランクインしている国です。
日本に在留する台湾人が増えている現状から、働き手として活躍してもらえる可能性が高いといえるでしょう。人手不足に悩んでいる企業様の一部では、台湾人の採用を始めています。
※令和3年末現在における在留外国人数について|出入国管理庁
令和4年末現在における在留外国人数について|出入国管理庁
3.台湾と日本の関係
台湾と日本は、歴史的にも経済的にも深い関係にあります。日本は1895年から1945年まで台湾を統治していましたが、その間に台湾の近代化や文化の発展に大きな影響を与えました。台湾の高齢者の多くは日本語を話せますし、親日的な感情を持っています。一方、日本も台湾の食文化や観光地に魅力を感じています。
1972年、日本と中国の国交が正常化したことで、台湾との外交関係が断たれました。しかし断交後も、民間レベルで交流を続けています。例えば2016年2月には台湾で発生した地震被害に対して、日本から120万ドルの緊急無償資金協力をしています。また同年の4月には、熊本地震に対する台湾からの支援として義援金とメッセージを受けとりました。
【台湾に対する日本の立場】 外務省の回答 台湾との関係に関する日本の基本的立場は、日中共同声明にあるとおりであり、台湾との関係について非政府間の実務関係として維持してきています。政府としては、台湾をめぐる問題が両岸の当事者間の直接の話し合いを通じて平和的に解決されることを希望しています。 ※引用:アジア|よくある質問集|外務省 |
4.台湾人の仕事観
4-1.真面目に働く
台湾人は、仕事に対して真面目に取り組みます。自分に与えられた業務をきちんとこなすだけでなく、積極的に行動します。ただし日本人と比べると、慎重さに欠けるかもしれません。確認せずに間違えたり、リスクヘッジが苦手だったりするでしょう。そのため仕事をお願いするときは、ルールや期待値を明確に伝える必要があります。
4-2.プロセスより成果主義
台湾では、仕事の進捗を逐一報告する文化がありません。結果さえ出ていれば、プロセスはあまり重視されないからです。効率重視のため、退勤時間になればすぐに帰ります。その代わりに、スピード感を持って仕事に取り組みます。
4-3.自分の役割への担当意識が強い
台湾人は自分の決められた範囲の仕事に対して責任感が強く、中途半端にはしません。また店の客入りをよくするためのアイデアも積極的に出すでしょう。
一方で自分の業務以外のことには、あまり関心がなく、報告や相談も少なめです。もし他部署や上司との連携が必要な場合は、コミュニケーションを積極的に取るよう促しましょう。
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5.台湾人の雇用が可能な就労ビザ
台湾人を日本で雇用するには、就労ビザが必要です。就労ビザとは、外国人が日本で働くために必要な在留資格を差します。就労ビザには、活動内容や期間によっていくつかの種類があります。台湾人の雇用が可能なビザは、以下の4つです。
5-1.技術・人文知識・国際業務ビザ
技術・人文知識・国際業務ビザは、大学で学んだ知識や仕事経験を活かして技術・文化・国際業務に関連する業務に従事できるビザです。このビザを取得するには、日本または台湾本国の大学卒業の学位(もしくは大学に準ずる学校を卒業していること)が必要になります。在留期間は最長5年です。
【職種の一例】
技術 | システムエンジニア、プログラマー |
人文知識 | 人事、企画、営業、広報、マーケティング |
国際業務 | 通訳、語学学校の教師、ホテルマン |
5-2.特定活動
特定活動とは、日本と台湾が結んでいるワーキングホリデー協定に基づいて、日本文化を体験しながらアルバイトをするためのビザです。他にもインターンシップやサマージョブも対象になります。ビザを取得できるのは、1年間を限度に日本で休暇目的の滞在をする18歳から30歳までの台湾人です。
5-3.留学
日本の大学や専門学校で学んでいる台湾からの留学生は、留学の在留資格があります。基本的に、留学生は仕事をしてはいけません。ただし1週間に28時間以内、学校の長期休暇の場合は1日に8時間以内までアルバイトが許可されます。このビザの在留期間は最長4年3か月です。
5-4.永住者
台湾人は永住者ビザで日本に滞在する人が最も多いです。永住者ビザではアルバイトでも正社員でも日本人と同じように雇用ができるのでお勧めです。
6.台湾人採用における注意点・ポイント
日本に親しみを持っている台湾人が多い一方で、文化や習慣の違いによるトラブルやミスを防ぐために、注意しなければならない点もあります。台湾人採用に向けて、注意点・ポイントをチェックしておきましょう。
6-1.指示を明確にする(時間やルールについて)
仕事のスピードが速い台湾人は、即断即決する傾向があります。その反面、計画性や応用力に欠けている面もあるでしょう。指示を出す際には、時間やルールなど細かい部分まで明確に伝えなければなりません。 例えば「納期」「報告方法」「連絡先」などを具体的に指示し、書面で残しておくのも方法のひとつです。さらに指示した内容を理解しているか、確認することも重要です。
6-2.人前でミスを指摘しない
台湾人は面子を非常に大切にする文化があります。人前でミスを指摘してしまうと、恥をかかされたと感じたり、自尊心も傷ついたりするでしょう。ミスの指摘ひとつで、モチベーションが下がり、仕事の質も低下する可能性があります。
もし台湾人にミスを指摘するなら、人目につかない場所でやさしく伝えましょう。また日本社会のマナーやルールに慣れていない分、ミスが多くなるかもしれません。日本で働くことに不安を感じているケースもあるので、寄り添う気持ちで接することが大切です。
6-3.「ホウ・レン・ソウ」の文化を教える
日本企業で働くマナーとして、「報告(ホウ)・連絡(レン)・相談(ソウ)」があります。しかし、台湾人はこの「ホウ・レン・ソウ」の文化にあまり慣れていません。
「台湾人はどうして報告してくれないんだろう」「いつも連絡がない」と感じる場合は、「ホウ・レン・ソウ」の必要性や方法を教えましょう。また仕事の進捗やトラブルを共有できるといった、メリットを伝えると理解を得やすくなります。
7.まとめ
台湾人を採用する場合、仕事に役立つ技能や日本語、ビジネスマナーを学んだ人材がほしいでしょう。
しかし人手不足の状況で、外国人を指導する余裕がないかもしれません。また在留資格の所持や期間を確認するのも、面倒に感じるでしょう。
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