【完全版】外国人が銀行口座を開設するのは難しい?おすすめの銀行や手続きの流れ、必要書類など徹底解説!
日本で中長期に渡り滞在される外国人の方が増加している昨今、給与の受け取りの為に日本の銀行口座を開設されている外国人の方は多いかと存じます。当校の生徒でも特に留学生はほぼ100%銀行口座を利用しております。
外国人が銀行口座を開設する際は、在留期間が3か月以上の方から開設できるゆうちょ銀行や大手銀行である三菱UFJ銀行、三井住友銀行などがお勧めです。
本記事では、銀行員の息子である筆者が、外国人が銀行口座を開設する方法や手続きの流れ、必要書類などについて解説していきます。(18歳未満か否かで必要書類が変わるケースがありますが、本記事では対象外国人が18歳以上に限定した内容となっております)
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1.外国人が銀行口座を開設する時におすすめの銀行
本章では外国人が銀行口座を開設するためにおすすめの銀行を挙げていきます。いずれも日本全国に支店があり、皆様も馴染みのある銀行ということで取り上げました。
一般的には来日してからの在留期間が6ヶ月未満の外国人が口座を開設することはできません。法令で非居住者という形に分類され、非居住者円預金のみ開設可能という扱いになります。ですが、一部の銀行では入国後3ヶ月以上あれば口座開設が可能なケースもありますので、下記項目で取り上げていきます。
1-1.ゆうちょ銀行
口座開設可能な在留期間 | 3か月以上 |
口座開設可能場所 | 窓口・アプリ |
必要な本人確認書類 | 窓口の場合は在留カードのみ |
店舗数 | 23,642店 |
2022年に行われた調査で、外国人の個人名義での銀行口座開設率はゆうちょ銀行が7割強と圧倒的多数でした。他の銀行では在留期間が6ヶ月未満の外国人が口座を開設することはできないことが多いですが、ゆうちょ銀行は入国後3ヶ月以上あれば口座開設が可能、店舗数は23,642店舗(全国の他銀行の計13,488店舗より多い)といった点が口座開設のハードルを下げているのかと存じます。
参考:2022 第二回在留外国人総合調査 「在留外国人の金融機関利用
口座を開設される外国人のお客さまへ-ゆうちょ銀行 (japanpost.jp)
ゆうちょ口座開設アプリーゆうちょ銀行 (japanpost.jp)
ゆうちょ銀行強み-ゆうちょ銀行 (japanpost.jp)
1-2.三井住友銀行(SMBC)
口座開設可能な時期 | 入国後6カ月以上経過してから |
口座開設可能場所 | 窓口・ホームページ |
必要な本人確認書類 | 窓口の場合は在留カードのみ |
店舗数 | 455店 |
三井住友銀行は、ホームページからの口座開設が可能となっています。また、窓口の場合は本人確認書類は在留カードのみで口座開設が可能な為、外国人にとって口座開設が楽です。一方、開設に当たって入国後6ヶ月以上経過の制限があり、店舗数は国内455店舗となっています。
参考:【口座開設】外国籍ですが、口座開設できますか? | よくあるご質問 : 三井住友銀行 (smbc.co.jp)
会社概要 : 三井住友銀行 (smbc.co.jp)
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1-3.三菱UFJ銀行
口座開設可能な時期 | 入国後6カ月以上経過してから |
口座開設可能場所 | 窓口のみ |
必要な本人確認書類 | 在留カードのみ |
店舗数 | 421店 |
三菱UFJ銀行は、ホームページ・アプリでの口座開設は日本国籍の方のみとなっております。窓口での口座開設時は三井住友銀行同様、本人確認書類は在留カードのみで口座開設が可能です。開設に当たって入国後6ヶ月以上経過の制限があり、店舗数は国内421店舗となっています。
参考:口座開設時の本人確認書類 | 三菱UFJ銀行 (mufg.jp)
Web(ブラウザ)で口座開設 | 三菱UFJ銀行 (mufg.jp)
会社概要 | 三菱UFJ銀行 (mufg.jp)
1-4.みずほ銀行
口座開設可能な時期 | 入国後3か月以上でも日本企業で働いていれば社員証・雇用証明書のコピーで開設可能 |
口座開設可能場所 | 窓口・ホームページ |
必要な本人確認書類 | 在留カード・社員証・雇用証明書 | 【在留資格が留学・技能実習の場合】
店舗数 | 461店 |
みずほ銀行はホームページからの口座開設が可能となっています。開設に当たって入国後3ヶ月以上でも日本企業で働いていれば、社員証や雇用証明書のコピーの提出で開設可能です。店舗数は国内461店舗となっています。
参考:口座開設のお申込をされる在留カードをお持ちのお客さまへ | みずほ銀行 (mizuhobank.co.jp)
会社概要 | みずほ銀行 (mizuhobank.co.jp)
1-5.新生銀行
口座開設可能な時期 | 入国後6カ月以上経過してから |
口座開設可能場所 | 窓口・ホームページ |
必要な本人確認書類 | 在留カード・本人確認証一点 |
店舗数 | 24店 |
新生銀行はホームページからの口座開設が可能となっています。開設に当たって入国後6ヵ月以上経過の制限があり、店舗数は24店舗となっています。
参考:外国籍のお客さまの本人確認書類 | SBI新生銀行 (sbishinseibank.co.jp)
口座開設の流れ | SBI新生銀行 (sbishinseibank.co.jp)
会社概要 | 企業情報 | SBI新生銀行について | 株式会社SBI新生銀行 (sbishinseibank.co.jp)
2.外国人が銀行口座を開設するための必要書類
続いて、本章では、外国人が銀行口座を開設するための必要書類について述べていきます。主な書類として、以下の4つがあげられます。
2-1.本人確認書類(身分証明書)
どの銀行でも最低限必要となるのが在留カードです。もちろん有効期間内のものが必要になります。また、住所欄も最新のものに更新していないとなりません。
参考:「在留カード」はどういうカード? | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
外国⼈の⽅の預貯⾦⼝座・送⾦利⽤について
口座開設時の本人確認書類-ゆうちょ銀行 (japanpost.jp)
【口座開設】外国籍ですが、口座開設できますか? | よくあるご質問 : 三井住友銀行 (smbc.co.jp)
口座開設時の本人確認書類 | 三菱UFJ銀行 (mufg.jp)
口座開設のお申込をされる在留カードをお持ちのお客さまへ | みずほ銀行 (mizuhobank.co.jp)
外国籍のお客さまの本人確認書類 | SBI新生銀行 (sbishinseibank.co.jp)
2-2.住所確認ができる書類
また、銀行によっては下記のような住所確認ができる書類も一緒に必要になりますので、各金融機関のHPもしくはサポートデスクなどにご確認して頂くことをおすすめします。
- 住民票のコピー
- マイナンバーカード
- パスポート
- 健康保険証
- 学生証、社員証
参考:外国⼈の⽅の預貯⾦⼝座・送⾦利⽤について
口座開設時の本人確認書類-ゆうちょ銀行 (japanpost.jp)
【口座開設】外国籍ですが、口座開設できますか? | よくあるご質問 : 三井住友銀行 (smbc.co.jp)
口座開設時の本人確認書類 | 三菱UFJ銀行 (mufg.jp)
口座開設のお申込をされる在留カードをお持ちのお客さまへ | みずほ銀行 (mizuhobank.co.jp)
外国籍のお客さまの本人確認書類 | SBI新生銀行 (sbishinseibank.co.jp)
2-3.印鑑
口座開設に必要なものとして印鑑も挙げられます。住民票が作成可能な外国人については印鑑登録も可能です。
国によっては印鑑のように判を押すという文化がないところもありますので、初めて来日する外国人を雇用する際には印鑑の重要性を予め説明し、来日に先立ち印鑑を作っておくと良いでしょう。
参考:外国⼈の⽅の預貯⾦⼝座・送⾦利⽤について
[PDF]外国人住民に係る 印鑑登録証明事務の 取扱いについて – 総務省
これから外国人の採用面接をする方へ
⇒聞くべき質問項目をまとめた「外国人採用面接質問シート」をぜひご活用ください
2-4.連絡先(電話番号)
ゆうちょ銀行では、窓口では電話番号を登録しなくても口座開設可能ですが、アプリの場合は電話番号が無いと口座開設ができません。
これも銀行によって対応は異なりますが、在留資格があれば外国人の方も日本で携帯電話の契約が可能ですので、番号を作っておくに越したことはないでしょう。こちらも在留カードやマイナンバーカード、パスポートなどで契約が可能です。住所が記載されているものが必要な為、海外から来日する外国人を雇用する場合、速やかに最寄りの役所で住所欄を記載してもらいましょう。
3.銀行口座開設までの流れ
銀行へ来店する
第2章で解説した必要書類を用意し、各銀行の窓口へ来店しましょう。自社で外国人を雇用する場合、対象となる方の日本語能力が十分でない場合は、企業のご担当者様が同席した方がよりスムーズでしょう。(当校の留学生に聞いても初回は日本語に堪能な先輩が付き添ってあげることが多いそうです)
窓口が混雑している場合なども見越して、時間に余裕を持って行うことをオススメします。
参考:個人名義の口座を開設されるお客さまへ-ゆうちょ銀行 (japanpost.jp)
口座開設 : 三井住友銀行 (smbc.co.jp)
店舗での口座開設 | 三菱UFJ銀行 (mufg.jp)
口座開設 | みずほ銀行 (mizuhobank.co.jp)
店頭で口座開設 | SBI新生銀行 (sbishinseibank.co.jp)
銀行のホームページ・アプリで申し込み手続きを行う
ホームページ・アプリでの申し込みの可否は銀行によって対応が異なります。
- 外国人でも可能⇒ゆうちょ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、新生銀行など
- 外国人は不可能⇒三菱UFJ銀行など
銀行窓口とホームページ・アプリでは申し込み時の必要書類が変わってきます。例えば、三井住友銀行の例を挙げますと下記のようになります。
三井住友銀行の場合
- 銀行窓口⇒在留カードのみで可
- ホームページ⇒在留カードに加えて、下記の内2点必要
運転免許証、運転経歴証明書、マイナンバーカード、健康保険証
下記にリンクを貼りますので、もしホームページ・アプリでの申し込みを希望の場合はご参照ください。
参考:ゆうちょ口座開設アプリーゆうちょ銀行 (japanpost.jp)
【口座開設】外国籍ですが、口座開設できますか? | よくあるご質問 : 三井住友銀行 (smbc.co.jp)
口座開設 | みずほ銀行 (mizuhobank.co.jp)
口座開設の流れ | SBI新生銀行 (sbishinseibank.co.jp)
後日、外国人本人宅にキャッシュカードが郵送されてきますので受け取りましょう。社員寮に住んでいる場合は、受け取り漏れを防ぐ為に郵便物は企業側で管理しているケースもございます。
4.外国人が住所、在留資格、在留期間などを変更(更新)した場合
本章では、外国人が住所、在留資格、在留期間などを変更(更新)した場合の手続きについて述べていきます。基本的には更新後の在留カードを速やかに銀行窓口に提出する必要があります。
4-1.在留カードを持って速やかに銀行窓口に
外国人が住所、在留資格、在留期間などを変更(更新)した場合、最新の在留カードを銀行窓口に提出する必要があります。
参考:外国⼈の⽅の預貯⾦⼝座・送⾦利⽤について
ゆうちょ銀行とお取引をされる外国人のお客さまへ(日本語版)(PDF/281KB)
(PDFファイル)
4-2.もし銀行窓口に届出をしなかった場合
もし住所、在留資格、在留期間などを変更(更新)後に新しい在留カードの提出を忘れてしまった場合、口座取引などの利用に制限がかかる可能性があります。
実際に当校卒業生で在留期間の更新後に上記手続きを忘れてしまった為、給料の振り込みが一時的にできなくなってしまったケースがありました。その際は本人が銀行窓口で手続きを行ったことで無事振り込みができるようになりました。予めそのようなケースがあることを外国人本人に説明しておいた方が良いでしょう。
参考:ゆうちょ銀行とお取引をされる外国人のお客さまへ(日本語版)(PDF/281KB)
(PDFファイル)
口座開設のお申込をされる在留カードをお持ちのお客さまへ | みずほ銀行 (mizuhobank.co.jp)
ビザ(在留資格)の更新方法についてはこちらの記事をご覧ください。
5.注意点:帰国時は解約することを忘れずに!
本章では、口座の解約について解説していきます。特に気をつけたいのは、帰国することになった際に解約を忘れないことです。
5-1.解約を忘れることで起こり得るトラブル
金融庁のHP上でも下記のようなトラブルの可能性について注意喚起されています。
※⼩遣い稼ぎ等を⽬的として帰国時に⼝座を売却してしまった結果、振り込め詐欺等の犯罪収益の受渡しに使用されてしまい、法令による処罰や、国外退去 処分・⼊国禁止となってしまう。
このようなことを未然に防ぐ為にも、帰国する際は口座を解約すべきでしょう。また、受け入れた企業も⼝座解約の働きかけ(⾦融犯罪に係る注意喚起を含む)、⾦融機関と相談するよう助⾔、⾦融機関への連絡、⼝座解約⼿続きへの同席などを行うことが金融庁から推奨されています。
また、受け入れた外国人がマネー・ローンダリングや闇金などに関わらないように注意喚起を行うことも同様に金融庁から推奨されています。
参考:外国⼈の⽅の預貯⾦⼝座・送⾦利⽤について
特殊詐欺で外国人名義の口座が悪用されるケース急増 その背景は? | NHK | WEB特集 | 事件
6.外国人の銀行口座開設には日本人のサポートが大切
以上、外国人が銀行口座を開設する方法や手続きの流れ、必要書類などについて解説して参りました。
金融庁のHP上でも口座開設時や帰国時の受け入れ企業のサポートとして、口座開設手続きへの同伴、口座開設手続きのサポート、金融機関との会話のサポート(通訳等)、勤務の証明)が推奨されています。
2022年の調査でも外国人が銀行口座の開設時に困ったことの割合として『書類記入・説明の日本語対応』3割弱、『印鑑』3割弱が挙げられているように、来日したばかりの外国人には口座開設は不慣れなことなのでしょう。
特定技能1号で外国人を受け入れる場合、もし自社の支援が難しい場合は、登録支援機関などに代行してもらうこともおすすめしております。特定技能1号の場合は支援内容も銀行口座開設だけでなく多岐に渡る為、自社支援ではなく登録支援機関に依頼している企業様が多いです。
弊社も特定技能1号での支援実績は250名以上、技術・人文知識・国際業務の在留資格での認定申請(海外から呼び寄せ)の実績も100名以上ありますので、外国人の口座開設を含め、外国人雇用や支援でお困りの際は是非お問合せください!
参考:外国⼈の⽅の預貯⾦⼝座・送⾦利⽤について
2022 第二回在留外国人総合調査 「在留外国人の金融機関利用
登録支援機関(Registered Support Organization) | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)