物流業界の救世主になる|外国人採用の要件と物流現場の活用術
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物流業界での人手不足や高齢化が進むなか、外国人労働者の雇用が注目されています。
臨時派遣や短期採用で一時的に人手不足が解消することがあっても、中長期的に活躍できる人材がいないと、現場の疲弊を根本的に解消することはできません。
この記事では、物流業界における外国人雇用について詳しく解説します。
任せられる仕事内容や外国人労働者に必要な在留資格、雇用の流れが確認できる内容です。メリットだけでなく注意点も解説しているので、実現に向けたヒントを得るのにお役立てください。

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この資料では特定技能とは何なのか、どのように外国人を採用できるかについて解説しています。ゼロからでもわかる図解付き。
1. 物流業界で外国人を雇用できる仕事
物流業界で外国人に任せられる業務は主に以下の3つです。
① トラックドライバー
② 配送ドライバー
③ 倉庫内作業
それぞれの具体的な仕事内容について解説します。
1-1. トラックドライバー
トラックドライバーは日本の物流の要であるにもかかわらず、慢性的な人手不足に陥っています。
主な仕事内容は
- 企業間の貨物輸送や集荷、配送センターへの運搬
- 運行前後の車両点検、荷物の積み下ろしや荷崩れ防止の確認
です。
担当する車両は、小型・中型・大型トラックなど業務内容によって異なります。なお、大型トラックの運転を任せる場合は、大型免許を取得していることが条件となります。
また、業務に就く前には、日本の交通ルールや運転時のマナー、安全を最優先とした運転方法、荷物の適切な取り扱いについて研修を行います。
2024年に特定技能に「自動車運送業」が追加されたことで、外国人トラックドライバーの受け入れが正式に可能となりました。
↓特定技能「自動車運送業」について詳しく知りたい方はこちらの記事をご確認ください↓

1-2. 配送ドライバー
配送ドライバーは、ネットショップなどのEC市場の成長とともにニーズが拡大している職種です。主に個人宅や企業へ商品を届けます。
トラックドライバーと違い、使用する車両は軽自動車やバンが主流で、大型免許は不要なため、日本の普通自動車運転免許があれば就業できます。
外国人を採用する場合は、在留資格として特定技能「自動車運送業」を取得していることが条件となります。
特に必要となる能力が、時間指定配達をこなす効率的なスケジュール管理です。再配達も考慮に入れながら、既存の時間指定配送物を届けなければなりません。
1-3. 倉庫内作業
倉庫内作業は、商品の仕分けやピッキング、検品、梱包、在庫管理などを行う業務で、物流全体の効率を支える重要な役割を担っています。
外国人を採用する場合に必要な在留資格は、特定活動46号・技能実習1号です。
ただしフォークリフトを使う場合は別途資格が必要です。
倉庫内作業は、高度な日本語力を必要としない業務が多く、外国人材が比較的活躍しやすい点が特徴です。体力を使う工程もありますが、近年はIT化や自動化が進み、作業負担の軽減も図られています。
さらに、2027年頃には特定技能「物流倉庫」分野の新設が予定されており、今後は外国人材の受け入れが一層進むことが期待されています。
参考:出入国在留管理庁・厚生労働省「特定技能制度及び育成就労制度の受入れ対象分野(新たに追加等を行う分野等)の詳細(案)」
1-4. その他業務
物流現場を支える業務でも外国人採用が進んでいます。
例えば以下のような業務内容があります。
- 電話やメールによる問い合わせ対応
- 受発注処理
- 伝票作成・各種データ入力
- 海外拠点や取引先との連絡調整
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これらの業務は配送現場とは異なり、オフィス内のデスクワークが中心であるため、ビジネスレベルの日本語を流暢に運用できる高い日本語能力が求められます。
必要な在留資格は「技術・人文知識・国際業務」です。
大学での専攻やそれまでの業務との関連性が認められる場合に許可される在留資格なので、それまでに事務経験がある外国人の場合、許可がおりやすいです。
2. 必要な在留資格
運送業で外国人を採用したいときに必要な在留資格を紹介します。
2-1. 特定技能「自動車運送業」
特定技能「自動車運送業」は、物流業界における深刻な人手不足を背景に、2024年に新設された在留資格です。トラックドライバーなど、即戦力人材の確保を目的としています。
2-1-1. 特定技能「自動車運送業」が追加された背景
物流需要の増加に対し、国内のドライバー不足が慢性化していることから、外国人材の受け入れを制度として認める必要性が高まりました。
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これにより、一定の技能と日本語能力を持つ外国人が、正式にドライバーとして就労できるようになり、人手不足の解消に期待が高まっています。
2-1-2. 受け入れ企業の要件
外国人を特定技能ドライバーとして雇用する企業には以下の要件が求められます。
- 運転者職場環境良好度認証制度の認証取得
・運転者職場環境良好度認証制度の認証項目を満たす - 新任運転者研修の実施
・旅客自動車運送事業運輸規則 第38条第1項、第2項及び第5項並びに第39条に規定する事項に基づいた指導・
監督の実施
・記録を3年間保持する - 特定技能協議会
・国土交通省が設置する
・トラック運送業の場合、全国貨物自動車運送適正化事業実施機関が認定する「安全性優良事業所」の取得
2-1-3. 外国人の要件
外国人に求められる要件は他の分野の特定技能と同じく、基礎的な日本語能力と分野に関する知識・技能を試験で証明することです。
それに加えて、ドライバーに必須な第一種運転免許も必要です。
自動車運送業分野特定技能1号評価試験への合格日本の第一種運転免許の取得日本語能力試験N4以上
技能評価試験は
- トラック運送業
- タクシー運送業
- バス運送業
で分けられています。
↓自動車運送業の技能試験についてはこちらの記事もお読みください↓

2-2. 特定活動
在留資格「特定活動」は、他の就労ビザに当てはまらない活動を個別に認める制度です。
中でも「告示46号」は、日本の大学などを卒業した留学生が対象となります。物流業界では、現場作業に加え、通訳や外国人対応などを組み合わせた業務で活用されるケースがあります。
ただし、特定活動46号の要件は非常に厳しく、当てはまる人を探すのは簡単ではありません。
- 日本の4年制大学以上を卒業
- 高い日本語能力を持つ(日本語能力試験N1、BJT480点以上等)
2-3. 技能実習
技能実習は、日本の技術を海外へ伝える国際貢献を目的とした制度です。物流業界では技能実習1号のみ就労可能ですが、単純作業のみの従事は認められていません。
今後は「育成就労制度」への移行が予定されています。
↓育成就労制度について知りたい方はこちらをご覧ください↓

2-4. 技術・人文知識・国際業務
大学での専攻や、それまでの職務経験を活かして、日本のホワイトカラーの職種に従事できる在留資格です。
物流業界では貿易事務、IT、企画・管理部門などで活用されています。現場作業を主とした業務は対象外となります。
↓在留資格「技術・人文知識・国際業務」の要件・従事できる業務についてはこちらをご覧ください↓

2-5. 留学生
永住者や日本人の配偶者等といった在留資格は、就労時間や職種に制限なく働くことができます。
なぜなら、これらの在留資格は就労を主目的として制限するものではなく、日本での安定した生活を前提とした身分系の在留資格だからです。
留学生ビザや家族滞在ビザのように「週28時間以内」といった就労時間の制限がないため、フルタイム勤務や業種を問わない就労が可能です。
また、長期間日本で生活している人が多いため、日本語が堪能なケースも多いです。
2-6. 身分系(永住者・定住者・配偶者)
永住者や定住者、日本人の配偶者等の身分系在留資格は就労制限がありません。そのためどんな業種でも、フルタイムで、日本人と同様に採用できます。
物流現場から管理部門まで幅広く従事でき、長期雇用しやすい点が特徴です。
長期で日本に住んでいる場合も多く、日本語の運用能力が高い方が多いです。
2-7. 特定技能「物流倉庫」の検討
特定技能制度では、将来的に「物流倉庫」分野の追加が検討されています。(2027年予定)
ネットショッピングなどのEC市場の拡大により倉庫作業・運送の人手不足が深刻化しており、安定的な人材確保を目的とした制度導入が期待されています。
3.外国人を雇用する流れ
物流業界で特定技能外国人雇用をする場合、求人の募集や選考に加えて各種手続きが必要です。

↓各ステップの詳細については、こちらの記事をご確認ください↓

4. 外国人を採用する際の注意点
物流業界で働く外国人は、特に日本の交通ルールをしっかり理解し、遵守する必要があります。
この章では、物流業界で外国人を採用する際の注意点を3つ解説します。
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4-1. 日本の交通ルール・マナーの理解
海外では交通ルールが形骸化している地域も少なくないです。スピード違反や駐車禁止を特に意識せずに運転している人もいます。
そのような意識で日本の道路を走ると、悪気もなく違反をしてしまう可能性が高いです。
そのようなことを防ぐために日本の交通ルールやマナーを理解してもらうための研修を実施します。具体的には、交通標識の意味や運転マナー、緊急時の対応方法などを教えます。
4-2. 多言語マニュアルの準備
特定技能外国人は入国当初は日本語能力試験N4レベルの日本語運用能力しかありません。最低限の日常生活ができる程度で、業務内容を日本語だけで理解するのは難しいです。
そのため、業務手順を多言語で示したマニュアルを提供し、理解を深めてもらう必要があります。例えば、英語や母国語で書かれたマニュアルを用意し、業務の流れや注意点を明確に伝えます。
4-3. 在留資格の理解
採用される外国人だけでなく、企業側も在留資格についての理解を深めておかなければなりません。
例えば、特定技能外国人を受け入れることができる企業にも要件があります。
さらに定期的な面談や、入管に提出しなければならない書類があり、これらに不備があると、今後外国人を採用できなくなるかもしれません。
特定技能外国人の支援は、登録支援機関に委託している企業が多いです。
↓登録支援機関については以下の記事もご確認ください↓

5. 物流業界の現状
物流業界の人手不足及び高齢化は、他の業界と比べても深刻です。
物流業界の現状について重要なポイントを解説します。
5-1. 従業員の高齢化
トラックドライバーの年代は、40~50代の占める割合が高く、2,30代の若年層が少ないことが課題です。

5-2. 物流コストインフレ
物流を取り巻く環境にも大きな変化が生じています。直近20年を振り返ると、貨物1件あたりの輸送量はおよそ半分に減少した一方で、物流の取扱件数そのものはほぼ倍増しています。
これは、EC市場の拡大や多頻度・小口配送の増加を背景に、
- 輸送単位の小型化
- 配送件数の増加
が急速に進んでいることを意味します。
件数が増えれば、それに比例してドライバーや倉庫作業員などの人的リソースも多く必要となります。
しかし、担い手の確保が追いついていないため、人件費は上昇し、物流コスト全体の押し上げ要因となっています。結果として、人手不足がさらに深刻化する悪循環に陥っているのが現状です。
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6. 採用後の手続きと運用管理
物流業界で外国人雇用が可能になったとはいえ、なかなかイメージが湧かないかもしれません。どのような業務を任せて、サポート体制はどうしたらよいのかなど、現実的に考えるのが難しい場合には成功事例を参考にするのもおすすめです。
6-1. ヤマト運輸
ヤマト運輸は物流業界の将来的な輸送力を維持・強化するため、外国人材の採用・育成に取り組んでいます。背景には、日本のトラックドライバーの平均年齢が50.9歳と高齢化が進み、今後深刻な人材不足が見込まれている現状があります。
一方で、ベトナムでは海外就労を希望する若年層が増加しており、日本側の人材需要と合致しました。そこで、現地教育機関で日本語や日本文化、安全運転を学んだうえで来日し、追加研修を経て幹線輸送を担う大型トラックドライバーとして育成する仕組みが整えられています。
6-2. SBSホールディングス
物流業界の人手不足に対応するため、SBSホールディングスは外国人ドライバーの本格活用に踏み切っています。
10年以内にトラック運転手の約3割を外国人とする方針を掲げ、最長5年間就労可能な「特定技能」制度を活用し、主にインドネシアから約1,800人を採用する計画です。
7. まとめ
物流業界での外国人労働者の雇用を検討している物流業界の経営者・人事部の皆様、弊社(JJS)にご相談ください。
日本語教育に留まらず、日本独自の働き方・交通マナーなどを教育した人材を紹介することが可能です。
安心して外国人労働者を採用し、人材不足を緩和しましょう。
【この記事を書いた人】
Divership編集部 |外国人雇用担当部門
Divership編集部は、外国人教育スクールJapanJobSchoolの運営や日本企業への外国人材就労支援事業を行う株式会社JJSの講師や社員等で構成しています。日本企業に外国人に関する理解を深めてもらい、外国人雇用を成功に導くための編集部です。

