【最新情報】鉄道分野が特定技能に追加された │ 従事できる職種や受け入れ方法について解説
特定技能で、新たに複数の分野が追加されることになりました。その中の1つに鉄道分野があります。鉄道分野も慢性的な人手不足の状態にあり、外国人を活用することにより、慢性的な人手不足を改善したいと考えている方もいるのではないでしょうか。
本記事では鉄道分野において、実際に従事できる職種や受け入れ方法などを解説します。
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1.特定技能に鉄道分野が追加されました
まずご紹介するのは、特定技能に鉄道分野が追加されたことに関する基本的な情報です。鉄道分野に関する基本的な情報について以下にまとめました。
・対象となる業務内容
・追加された背景
・いつから開始?
1-1.対象となる業務内容
鉄道分野では、以下の業務が対象となります。
- 軌道整備
- 電気設備整備
- 車両整備
- 車両製造
- 運輸係員
いずれの業務も「指導者の指導・監督」の下で「適切かつ安全にできる」レベルであることが求められます。
軌道整備では、軌道などの整備に関する業務を行います。軌道は線路を指し、線路を新しく敷く、点検を行う、修理するなど一連の整備を行っていくのが軌道整備です。枕木の交換なども軌道整備の仕事です。車両整備は鉄道車両におけるメンテナンスなどを担います。実は軌道整備と車両整備に関しては技能実習制度からの移行が行える特徴があります。
※:国土交通省「特定技能制度への 鉄道分野の追加に関する説明会」
電気設備整備では、電路設備や変電所、信号保安設備などの新設や改良などの仕事を担います。
1-2.追加された背景
特定技能に鉄道分野が追加された背景として、鉄道分野における人手不足が深刻化していることがあげられます。
鉄道事業者の職員数の推移をみると、平成初期は27万人ほどいた職員は令和に入り、およそ19万人まで減っています。そして、鉄道分野における有効求人倍率は3.59倍で、全ての産業の平均倍率1.19倍と比べてもその差は歴然です。
※:国土交通省「特定技能制度への 鉄道分野の追加に関する説明会」
特に軌道整備など土木系の有効求人倍率は年々上昇しています。平成24年度は2倍を切っていたところ、現在では6倍にまで増えています。6倍は相当な人手不足の状態にあり、なかなか求人が集まらないような状態と言えるでしょう。平成27年と比べてもおよそ8%ほど減らしており、人気はあまり高くありません。
※:国土交通省「特定技能制度への 鉄道分野の追加に関する説明会」
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1-3.いつから開始?
特定技能に鉄道分野が追加されることが発表されたのは2024年3月で、政府は2028年度までの5年間で3,800人の受け入れを考えています。令和6年度からの受入れ見込となっており、令和6年度から開始されることになります。
※:法務省「鉄道分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」
一方で、試験が行われる時期などは明らかになっていません。技能実習生としてJRで働く外国人が増えてきており、試験を通して受け入れるケースよりも、技能実習生として活動してから特定技能1号への切り替えを検討する場合も考えられます。
2.「特定技能 鉄道」 受け入れ企業の要件
特定技能「鉄道」を活用していくには、「鉄道分野特定技能協議会」への加入が必要となります。鉄道分野特定技能協議会は国土交通省が設置する協議会であり、各分野に特定技能協議会が存在し、加入が求められる状況です。
特定技能協議会は、特定技能外国人の適正な管理と権利保護に努めると同時に、人手不足が深刻な各分野の状況把握とその解消に注力する、という役割を担っています。
こうした特定技能協議会に対し、業界によっては加入しなくていいと義務化にしていない産業もあれば、必須にしている産業もあり、鉄道は加入が必須となっています。そして、「鉄道分野特定技能協議会」に対して必要な協力を行うことが求められています。
また、その他の要件として、「国土交通省又はその委託を受けた者が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行う」ことも求められています。
3.「特定技能 鉄道」 外国人の要件
特定技能を活用する場合、業務区分に応じた試験をクリアすることが求められます。試験区分は以下の通りです。
各業務区分における鉄道分野特定技能1号評価試験があり、この試験をクリアする必要があります。車両製造に関する技能検定は、労働者が持っている技能に関して、どの程度のスキルを持ち合わせているかを示す国家検定制度となっています。
車両製造の業務区分において、技能検定3級の対象となっているのは、「機械加工」・「仕上げ」・「電子機器組立て」・「電気機器組立て」・「塗装」です。これらに合格をすれば、業務区分に応じた試験をクリアしたことになります。
一方、特定技能では日本語能力も問われることになります。一般的な特定技能では、日本語能力試験においてN4以上であることが必要です。しかし、鉄道分野で運輸係員に関してはN3レベルが必要です。
運輸係員だけN3レベルの日本語能力が求められる背景には、運輸係員の仕事内容が大きく関係します。運輸係員は駅の係員や車掌、運転士など乗客とのコミュニケーションを要する仕事です。また、万が一の事態において運輸司令とスピーディーなやり取りが求められるだけでなく、何かしら異常が起きた際に速やかな対応が必要とされます。
一方、軌道整備と車両整備は技能実習制度からの移行ができ、技能実習2号を良好に修了した場合には日本語能力試験が免除されます。
4.「特定技能 鉄道」で外国人を雇う際の注意点
特定技能「鉄道」において外国人を雇い入れる際には、法令の順守や適切な労働環境の確保など、さまざまな課題に対応する必要があります。
4-1.安全対策の強化
例えば、安全対策の強化が重要となってきます。
特定技能外国人は労働災害を経験しやすい点が挙げられるためです。労働災害の割合は労働者全体で1,000人につき2.36人ですが、特定技能だと4.31人まで急増してしまいます。また、その大半は製造業・建設業ですが、3番目には「陸上貨物運送事業」が入ります。鉄道分野は、運輸という観点で「陸上貨物運送事業」と近しいものがあり、労働災害が発生しやすいジャンルと考えておくべきでしょう。そのためより一層の安全対策強化が必要です。
4-2.日本人と同等以上の給料
また、日本人と同等もしくは高い給料を用意することも大事です。基本的に特定技能は一部の産業以外は正社員採用を行い、正社員として扱い続けます。給料は日本人と同等もしくはそれより高い給料でなければならず、注意が必要です。単純労働もできるからといって安い賃金で働き口として利用しようとすることはできません。
↓特定技能外国人の給料についての詳しい内容はこちらの記事をご覧ください↓
特定技能外国人を受け入れる際には、さまざまな準備が必要ですし、文化や言語の違う外国人の採用に関して留意するべきことも多々あります。安心して特定技能外国人の採用を行うためには、外国人人材紹介会社を活用したり、きちんとした登録支援機関を選んだりすることにより、質の高い人材を確保し、充実した支援を受けることが大切です。
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5.「特定技能 鉄道」ならJJSにおまかせ!
慢性的な人手不足で悩まされている鉄道分野において、新たに今回導入された「特定技能 鉄道」という形での外国人採用は人材確保のための有効な手段として活用できるでしょう。
しかし、外国人の受け入れや特定技能での受け入れが初めての企業様は、「特定技能 鉄道」での外国人採用にハードルを感じるかもしれません。