製造業や工場で外国人を雇用する際に、業務ごとにどの在留資格が適しているか、そしてその在留資格の特徴を詳しく説明していきます。
製造業での外国人雇用はすでに4割以上?
東京商工リサーチは「外国人雇用に関するアンケート」を実施し、10353社のうち外国人を雇用している企業は3割以上で、製造業ではなんと42.1%に及ぶと発表しています。
そんな外国人の雇用当たり前になりつつある中、2019年4月に「特定技能」という新しい在留資格ができました。この在留資格は日本の人手不足を解消するため作られたものです。今まで技能実習しか外国人の現場での業務はできませんでしたが、特定技能の誕生で外国人雇用の幅はより一層広がり、活発になっていくことが予想されています。
どの在留資格を用いるのか
製造業で外国人を雇用するには、「どの業務を任せるか」が重要になってきます。なぜなら定住者やアルバイトなどを除くと、在留資格によって従事可能な業務が変わってくるからです。
①事務部門 ②技術部門 ③現場部門
大まかにはこの3つに分かれます。では一つずつ説明していきましょう。
事務部門
- 通訳翻訳
- 総務・経理
- マーケティング
このような場合は技術・人文知識・国際業務ビザが当てはまります。この在留資格は専門知識や外国人の感受性を使うことができる業務のみ従事することが可能です。
こちらは高度人材向けのビザで、多くの日本に来る外国人が目標とするものです。なので人材を見つけるのは多少難しくなります。しかし通訳や外国人の感性を用いた業務を任せることで、インバウンド対策や職場に新たな刺激を生むなどメリットはかなり多いです。
技術・人文知識・国際業務ビザでは現場業務(単純労働)は基本的にはできないので注意しましょう。
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技術部門
- 開発
- 品質管理
このような業務も専門知識を有した外国人のみが取得できる技術・人文知識・国際業務ビザになります。母国や日本での学歴が必要になってくるケースがほとんどです。
ベトナムでは工業が比較的盛んで、ハノイ工科大学は技術系の名門大学として有名です。現地の大学を卒業したエンジニアは多く来日しているため、不足した人材の足しになるでしょう。
現場部門
- 工場でのライン作業
- 製造・加工
製造業での外国人雇用を検討する場合、この業務を任せることが大半でしょう。このような業務では特定技能 or 技能実習での雇用になります。
技能実習から特定技能の更新も可能です。就労可能期間はうまくいけば技能実習は最大5年、特定技能も最大5年になります。なので切り替えによって最大5年就労することが可能です。そして同じ業種での切り替えの場合、特定技能を取得する際に必要な試験も免除されます。
どちらの採用が良いか、もしくは違いが気になる方はこちらをご参照ください。
特定技能
特定技能で就労可能な14業種の中でも製造業に当てはまるのは
①素形材産業 , ②電子・電子情報関連産業 , ③産業機械製造業 , ④飲食料品製造業
でしょう。
①素形材産業 , ②電子・電子情報関連産業 , ③産業機械製造業の3つは業務内容に共通点が多いため試験が統一されています。取得する場合は
製造分野特定技能1号評価試験
日本語能力試験N4以上 or 国際交流基金日本語基礎テスト
が必要になります。
④の飲食料品製造業は
飲食料品製造業技能測定試験
日本語能力試験N4以上 or 国際交流基金日本語基礎テスト
が必要になります。
技能実習
技能実習生で採用する場合は
「機械・金属関係 15種29作業」「食品製造関係 11種16作業」
が今のところ当てはまります。
2号もしくは3号が修了した場合、同じ業務内容なら技能測定試験なしで特定技能への移行も可能です。
まとめ
いかがでしょうか。
製造業・工場で採用する場合はどの業務やポジションで採用するのかを基準に在留資格を考えるべきです。
通訳や経理、開発などの知識や技術・言語能力を求めるなら外国人の学歴を考慮して技術・人文知識・国際業務での採用を検討し、
現場業務(単純労働)を任せる場合は特定技能か技能実習を検討しましょう。
竹村 友希
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