北部は東京で南部は大阪?ベトナム北部・中部・南部の違いを徹底解説!

執筆者:Divership編集部|外国人雇用担当部門

「ベトナム人を採用したいが、北部と南部で国民性が違うと聞いた。北部と南部を採用する上で知っておくべき違いや特徴らなんだろうか?」

という疑問をお持ちの人事担当者様も多いのではないでしょうか。

今回は、計3,000名以上のベトナム人と面談を行い、300名以上のベトナム人の就職を成功させた筆者が弊社ベトナム国籍のスタッフであるルインへのインタビューを基に、ベトナム北部・中部・南部の国民性やそれぞれの地域の特色について、わかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

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ベトナム国籍支援担当|ルイン

株式会社JJS ベトナム国籍支援担当 グエンティヒュンルイン
ベトナム ミトー市出身(ベトナム南部ホーチミン市から車で1時間半ほどのメコンデルタ地帯にある都市)
日本在住歴5年目。日本での生活に困難を感じるベトナム人を助けたいと思い、ベトナム人側の支援担当としてJJSに入社。現在100人以上のベトナム人を支援。

目次

1. 実は全然違う!?ベトナム北部・中部・南部の地域的特徴

ベトナムは南北に長い地形を持つため地域によって気候が大きく異なります。
また、そのような気候や歴史的背景の違いからそれぞれの地域的特徴も大きく異なります。
本章ではそのようなベトナムの地域的特徴について解説いたします。

1-1. ベトナム北部・中部・南部の気候

本章ではベトナム北部・中部・南部に分けて、それぞれの気候的な特徴について解説します。

四季がある北部

ハノイのある北部は日本のように四季があるのが特徴的です。夏の平均気温は27度〜34度で、冬は雪は降りませんが15度程度まで冷え込みます。

厳しい自然環境の中部

中部の気候は北部および南部と比べて自然災害が多く厳しい環境と言えます。特に南中部では乾季は干ばつが起こりやすい一方で、雨季は平均降水量は2,500mmで頻繁に洪水が多い地域です。

一年中熱い南部

ホーチミンのある南部は一年中熱帯気候で、年間の最低気温はおよそ24度で最高気温は40度を上回ることもあります。また、年間の平均湿度は 80%〜82%で、東京の年間平均湿度が69%であることからも蒸し暑い気候と言えるでしょう。

参考:気象庁「東京(東京都) 相対湿度の月平均値(%)」
参考:キャピタル アセットマネジメント株式会社「ベトナム通信 〜当社グループ現地スタッフによる最新情報〜」
参考:岡山県ベトナムビジネスサポートデスクレポート Vol.29「ベトナム各地域(北部・中部・南部)の地理的、風土的、人材的特色について」

1-2. ベトナム北部・中部・南部の地域性

ベトナムは北部・中部・南部で地域性も異なります。こちらの章ではそれぞれの地域性について解説します。

政治の中心の北部

ベトナムの首都ハノイのある北部は政治の中心地、ベトナム文化発祥の地というイメージです。実際に、過去に多くの王朝がベトナム北部に集まりました。現在も政治機関の多くがベトナム北部に集まっています。

ハノイ

観光地で有名な中部

ダナンのある中部は世界遺産が4つもあり観光資源が豊富です。これまで北部や南部と比較すると経済発展が遅れていましたが、近年ベトナム政府の方針により開発が進められています。一方でその厳しい自然環境からダナン以外のほとんどの中部の地域は貧しい田舎が多いです。

ダナン

経済中心の南部

ホーチミンのある南部は、ベトナム経済の中心地というイメージです。
外資系企業の進出も盛んであり、商業が盛んであるため大阪に似ていると言われることも多いです。

ホーチミン

参考:キャピタル アセットマネジメント株式会社「ベトナム通信 〜当社グループ現地スタッフによる最新情報〜」
参考:岡山県ベトナムビジネスサポートデスクレポート Vol.29「ベトナム各地域(北部・中部・南部)の地理的、風土的、人材的特色について」

2. 北部と中部と南部では国民性に大きな差が

気候や歴史的背景から北部と中部と南部では国民性に大きな違いがあります。
こちらの章ではそれぞれの地域の国民性について解説します。

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2-1. 北部(ハノイ)

北部のベトナム人の特徴は「堅実的・他人と慎重に接する人が多い・支出に積極的でない人が多い」です。以下にて詳しく解説します。

堅実的

ベトナム北部の人は堅実的な人が多いです。
ベトナム北部はベトナムの農業生産高の約5割を占める穀物地域であり、農民の特徴が地域の人々の気質に影響を与えていると言われており、我慢強く堅実的な性格の人が多いと言われています。

参考:国際協力銀行「ベトナムの投資環境 第24章地域ごとの特徴 」
参考:キャピタル アセットマネジメント株式会社「ベトナム通信 〜当社グループ現地スタッフによる最新情報〜」
参考:岡山県ベトナムビジネスサポートデスクレポート Vol.29「ベトナム各地域(北部・中部・南部)の地理的、風土的、人材的特色について」

他人と慎重に接する人が多い

ベトナム北部の人は他人と慎重に接する人が多いのも一つの特徴です。
ベトナム北部は日本と同じように四季があり、資源が豊富な地域ではないため昔から厳しい冬を乗り越えるために食料を備蓄していました。
そのような、地域的背景から先のことを考えて慎重に動くという考えを持っている人が多く、他人との交流も慎重な人が多いです。

支出に積極的でない人が多い

ベトナム北部の人は支出に積極的でない人が多いのも一つの特徴です。

先述の通り、北部には四季があることから冬に備え備蓄を蓄える人が多いことから、万が一に備え貯金に励む人が多い傾向にあり支出に積極的ではない人が多いです。

参考:キャピタル アセットマネジメント株式会社「ベトナム通信 〜当社グループ現地スタッフによる最新情報〜」
参考:岡山県ベトナムビジネスサポートデスクレポート Vol.29「ベトナム各地域(北部・中部・南部)の地理的、風土的、人材的特色について」

2-2. 中部(ダナン)

中部のベトナム人の特徴は「勤勉で頑張り屋さん・チャレンジ精神旺盛な人が多い・倹約家が多い」です。以下にて詳しく解説します。

勤勉で頑張り屋さん

中部のベトナム人は勤勉で頑張り屋さんな人が多いです。
中部の貧しく厳しい気候環境から、中部の若者は勉学や仕事に励みいち早く親元を離れ、ダナンやハノイ、ホーチミンでいい仕事に就きたいと考える人も少なくありません。そのため、勤勉で頑張り屋さんな性格の人が多いです。

チャレンジ精神旺盛な人が多い

中部のベトナム人はチャレンジ精神旺盛な人が多いのも特徴です。
中部の貧しく厳しい気候環境から、成功したいという気概の人が多く都会で会社を興したり、海外留学を望む若者も多いです。厳しい気候環境で培われた逆境に立ち向かう精神と成功への気概からチャレンジ精神が豊富な人も多いです。

倹約家が多い

中部のベトナム人は倹約家な人が多いです。
貧しい環境から倹約家な人が多く現実的な性格な人が多いです。

参考:国土交通省「世界各国の降水量」
参考:キャピタル アセットマネジメント株式会社「ベトナム通信 〜当社グループ現地スタッフによる最新情報〜」
参考:岡山県ベトナムビジネスサポートデスクレポート Vol.29「ベトナム各地域(北部・中部・南部)の地理的、風土的、人材的特色について」

2-3. 南部(ホーチミン)

南部のベトナム人の特徴は「温厚で楽天的・商売人が多い・購買意欲が高い人が多い」です。以下にて詳しく解説します。

温厚で楽天的

ベトナム南部の人は温厚で楽天的な人が多いです。
一年中温暖で海と山で採れる食べ物が豊富で備蓄を行う必要がありませんでした。そのため、南部の人は貯蓄はせず今を楽しみたいと考える人が多く、温厚で楽観的な人が多いです。

商売人が多い

ベトナム南部の人は商売人が多いのも一つの特徴です。
ホーチミンはベトナムの中でも最も経済活動が盛んな地域であり、外資系企業の進出も多いです。
また、南国気質のあるベトナム南部の人々は人見知りをせず、フレンドリーと言われることが多いので商売上手の人が多いと言われています。

購買意欲が高い人が多い

ベトナム南部の人は購買意欲が高い人が多いのも一つの特徴です。
南部の豊富な資源から近視眼的な性格の人が多く、貯蓄をしないため購買意欲が高い人が多いです。

参考:キャピタル アセットマネジメント株式会社「ベトナム通信 〜当社グループ現地スタッフによる最新情報〜」
参考:岡山県ベトナムビジネスサポートデスクレポート Vol.29「ベトナム各地域(北部・中部・南部)の地理的、風土的、人材的特色について」

3. 北部・中部・南部では食にも違いが!

気候や地理的な影響から北部と中部と南部では食にも大きな違いがあります。
こちらの章ではそれぞれの食事の特徴について解説します。

3-1. 北部(ハノイ)の食事

ベトナム北部の料理の特徴は、酸味、辛味、塩味、甘味を控えめにしたさっぱり系の味付けです。
北部料理はフォーやブンチャー、バインクオンなどの麺料理が人気です。

左からフォー、ブンチャー、バインクオン

3-2. 中部(ダナン)の食事

中部料理の味付けは、北と南の料理よりもスパイシーで唐辛子を多く使用している料理が多いです。
代表的な中部料理はブンボーフエ、クアン麺、バインカンなどがあります。

左からブンボーフエ、クアン麺、バインカン

3-3. 南部(ホーチミン)の食事

南部料理は中華料理、カンボジア料理、タイ料理の影響を強く受けており、豊富な味わいがあります。ココナッツミルクや砂糖を使用した料理が多いので甘い味付けが多いです。
代表的な料理はバインセオ、生春巻き、エレファントイヤーフィッシュ(像耳魚)などです。

左からバインセオ、生春巻き、エレファントイヤーフィッシュ(像耳魚)

参考:ベト屋「ベトナムの北部、中部、南部の料理の違い」

4. 北部弁と南部弁と中部弁?地域によって全く異なる発音の違い

ベトナム語の中で北部の発音は標準語のような扱いです。しかし、地域ごとに方言もあります。こちらの章では地域ごとのベトナム語の発音について解説します。

4-1. 北部の発音ははっきり発音する

北部の発音ははっきり発音する特徴があります。
北部の人は話し方もはっきりと話す人が多くストレートに自分の意見を伝える傾向があります。

4-2. 中部の発音はなまりが強く、もはや全く別の言語

中部の中部の発音はなまりが強く、もはや全く別の言語のような特徴があります。
日本語で言えば秋田弁や青森弁のようなイメージです。
ベトナム人同士でも北部の人も南部の人も中部の人が話していることがわからないというほどです。

4-3. 南部の発音は緩く発音する

南部の発音は緩く発音する特徴があります。
南部の人は話し方も柔らかで、直接的な言い方はせず遠回しな表現を好みます
また、明るく陽気な人が多いので冗談をよく言う傾向があるのも特徴です。

参考:ハノイのタイベオ先生「【比較】北部と南部によってこんなに違う!ベトナム語の発音の地域差」

5. よくある質問

こちらの章ではよくある質問に対して回答させていただきます。

5-1. 北部と南部では民族も違うって本当ですか? 

ベトナム北部と南部では一部民族が異なる場合もありますが、ほとんどが同じ民族と考えていいでしょう。
外務省のデータによればベトナムの民族の86%はキン族でその他に他に53の少数民族があります。
少数民族の割合の中には、Tay人、Thai人、モン人、クメール人などがあります。

参考:外務省「ベトナム基礎データ」
参考:GNV「ベトナムの少数民族:なぜ社会的立場が弱いのか?」

5-2. 北部弁と南部弁のどちらの方が通じやすいですか?

北部弁はベトナム語の関東弁のようなものであるため北部弁を勉強すれば大きな問題はないでしょう。
南部弁は関西弁のようなものなので、その地域に住み慣れていくと自然と身についていくことが多いです。

参考:「【方言】結局、ベトナム語は北部弁と南部弁、どっちを勉強したらいいの??」

6. まとめ

今回は、ベトナム北部・中部・南部の特徴やその国民性について解説をさせていただきました。

まとめると、北部のベトナム人の特徴は「堅実的・他人と慎重に接する人が多い・支出に積極的でない人が多い」で、中部のベトナム人の特徴は「勤勉で頑張り屋さん・チャレンジ精神旺盛な人が多い・倹約家が多い」、南部のベトナム人の特徴は「温厚で楽天的・商売人が多い・購買意欲が高い人が多い」でした。

今回、ベトナム人の出身地別の特徴について解説させていただきましたが、まだまだわからいことも多くあるかと思います。

もしベトナム人採用についてわからないことなどあれば、まずはお気軽にJapan Job Schoolお問い合わせください。

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この記事を書いた人

株式会社JJS(JapanJobSchool)
取締役|特定技能事業部長
大学在籍時の留学経験を通して、海外で働く人たちの支援をする仕事をすると決心し、JJSにジョイン。現在は事業部長として特定技能事業部を統括する。

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