【企業向け】在留資格のオンライン申請のメリットとは?手続きの対象や流れを簡単解説
執筆者:趙(外国人就労アドバイザー)
これまで在留資格に関する手続きは、「地方出入国在留管理官署」の窓口に出向いて行っていました。しかし2019年7月より、オンライン申請が始まっています。
この記事では外国人受け入れ機関・企業に対して、オンライン申請のメリットや手続きの方法について紹介します。すべての手続きに対応しているわけではないため、申請対象について確認しておくことも重要です。それらを理解して、外国人労働者の在留カードをスムーズに取得しましょう。
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1.在留資格のオンライン申請が開始
2019年7月より、在留資格のオンライン申請が始まりました。2020年3月24日には、対象になる手続きと在留資格の範囲が拡大しています。オンライン申請用のIDを取得すれば1年有効で、定期報告により更新もできます。オンライン申請を活用し、外国人受け入れにおける手続きをスムーズに済ませましょう。
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2.在留資格をオンラインで申請するメリット
オンライン申請を利用すると、郵送で在留カードを受け取って手続きが完了します。
2-1. いつでも提出できる
在留資格のオンライン申請のメリットとして、オフィスや自宅にいながらの申請が可能なことはもちろんですが、曜日を問わすいつでも申請手続きが行えることもオンライン申請ならではの特徴です。
例えば、通常出入国管理庁の窓口にて申請書類の提出を行いますが、この場合は平日しか窓口が空いていないため、急ぎの案件の場合には対応が難しくなってしまうというデメリットがあります。オンライン申請であれば、申請期限ぎりぎりでも手続きを進めることが出来ることに加えて、窓口で待つ必要もありません。
2-2. 郵送でのやりとりが削減できる
従来の申請方法であれば、郵送でのやり取りを行う必要がありましたが、オンライン申請であれば書類をアップロードするだけで良いので、手間を削減することも可能です。また、書類の原本が自分の手元に残るので、申請内容を後で確認することができるのもメリットといえるでしょう。
2-3. コストがかからない
窓口で申請する場合も、オンラインで申請する場合も、システムの利用料金は無料なので交通費を払って窓口に向かう手間を考えると、コストをかけずに効率的な申請が行えるオンライン申請を利用することをおすすめします。
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3.在留資格をオンライン申請する際の注意点
在留資格のオンライン申請を利用するためには、事前に利用申出をする必要があります。外国人を受け入れている企業や登録支援機関が利用申出を行い、承諾を得ることでオンラインシステムを利用できる仕組みです。
ここでの注意点として、オンラインシステムを利用する前の事前登録の段階で時間がかかってしまうことが挙げられます。
また、オンラインシステムを利用しない場合もそうですが、在留資格の申請が承諾された場合、入国管理局に収入印紙で手数料を支払います。在留資格変更や在留期間更新は4,000円、就労資格証明書の交付は1,200円、再入国の許可(1回限り)は3,000円の手数料が必要です。手続きの内容によって手数料が異なる点に、注意しましょう。
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4.在留資格|オンライン申請の対象
外国人雇用において、在留資格の変更や就労許可の申請などさまざまな手続きが発生します。オンライン申請ができると、手続きの負担を軽減できるでしょう。ここでは手続きの対象や、申請できる人についてまとめました。
4-1. オンライン申請ができる手続き
オンライン申請ができる主な手続きは、以下の7つです。
申請内容 | 必要なシーン |
① 在留資格認定証明書交付申請 | 入国予定の外国人が、ビザ発行や上陸手続きをするとき |
② 在留資格変更許可申請 | 在留している外国人が、在留資格を変更するとき |
③ 在留期間更新許可申請 | 在留期間の終了にともない更新するとき |
④ 在留資格取得許可申請 | 日本国籍を持っていた、または日本で出生した外国人が当該理由の発生から60日を超えて日本に滞在するとき |
⑤ 就労資格証明書交付申請 | ● 在留している外国人が転職したとき ● 企業が外国人を採用したとき ● 入管法(注1)で定められた活動内容に合致していることを確認したいとき |
⑥ 再入国許可申請 | 一時出国後、再入国するとき(2~4も同時に申請する場合) |
⑦ 資格外活動許可申請 | 就労ビザや留学ビザで滞在している外国人が、許可された範囲外の活動をするとき(2~4も同時に申請する場合) |
4-2. オンライン申請ができる在留資格
※出典:在留資格一覧表|法務省
まずは雇用する外国人が、オンライン申請可能な在留資格か確認しましょう。対象になるのは、永住者、外交、短期滞在を除くすべての在留資格です。
例)
- 技術・人文知識・国際業務
- 技能
- 企業内転勤
- 日本人の配偶者等
4-3. オンラインで申請できる人
外国人から在留資格のオンライン申請を依頼された場合、自社が申請するのか外部に依頼するのかわからないかもしれません。
オンライン申請できる人は、以下のとおりです。
① | ※技能実習(団体監理型)の場合は、監理団体の職員の方 | 所属機関の職員の方(注1)
② | 弁護士・行政書士の方(注2) |
③ | 外国人の円滑な受け入れを図ることを目的とする公益法人の職員の方(注2) |
④ | 登録支援機関の職員の方(注2) |
⑤ | 外国人本人 |
⑥ | 法定代理人 |
⑦ | 親族(配偶者、子、父又は母)(注3) |
(注2)地方出入国在留管理局において、申請等取次者として承認を受けている必要があります。
(注3)原則、申請人が16歳未満の場合又は疾病その他の事由により自ら申請できない場合に限り申請できます。
※引用:所属機関・公益法人・登録支援機関の職員の方|出入国在留管理庁
※引用:在留申請のオンライン手続
登録支援機関については、以下で詳しく解説しています。
申請等取次制度について
在留資格に関する申請や手続きは、本人自ら窓口に出向くのが原則です。しかし窓口の混雑を緩和し、外国人の手続きによる負担も軽減するため、「申請等取次制度」が設けられています。
本人の代わりに申請をできる者は、以下のとおりです。
① | 受け入れ機関等の職員 |
② | 旅行業者の職員 |
③ | 公益法人の職員 |
④ | 弁護士 |
⑤ | 行政書士 |
上記の者は、申請の取次ぎにあたり「申請等取次者となるための手続き」が必要です。
外国人を受け入れている企業が利用する制度ではありませんが、旅行業者または公益法人の職員は制度の概要と手続きの方法を確認しておきましょう。
5.在留資格のオンライン申請の方法
在留資格のオンライン申請の流れは、申請人によって異なります。雇用予定の外国人から依頼を受けた企業(所属機関)は、以下の手順で進めましょう。
5-1. 在留資格のオンライン申請で用意するもの
オンライン申請を始める間に、以下のものを用意しましょう。
- 申請等取次者証明書(登録支援機関や公益法人は必ず必要)
- パソコン(スマートフォンには対応不可)
5-2. オンライン申請の必要書類
外国人を受け入れる企業は、在留資格のオンライン申請をするために必要書類を用意します。
オンライン申請前の「利用申出」をする場合、必要書類は以下のとおりです。
- チェックシート
- 在留申請オンラインシステム利用申出書
- 本人確認資料の写し
- 届出済証明書、申請等取次者証明書の写しまたは申請等取次者としての承認要件を満たしていることの疎明資料
- 在職証明書
- 誓約書
- 所属機関(法人単位)のカテゴリーを立証する資料 ※追加申請の場合は不要
5-3. 在留資格のオンライン申請の流れ
大まかな流れとオンライン申請の3ステップを確認すれば、スムーズに手続きが進められます。
オンライン申請の3ステップ
地方出入国管理在留管理官署で利用申出が必要です。承認要件の確認と利用規約への同意をします。
承認メールが届いたら、パスワードを設定します。認証IDが通知されるため、ログイン画面で、パスワードとともに入力しましょう。申請情報を入力し、顔写真と日本での活動資料も添付します。申請情報一覧から申請したい行為目を選び、手続きを進めてください。メールで受付番号が届いたら、申請完了のお知らせです。
審査終了後、メールで結果を受け取ります。問題なく承認された場合、既存の在留カードと手数料納付書、返信用封筒等の必要資料を提出しましょう。新しい在留カードが郵送で届いたら、申請の依頼をした外国人労働者に渡して手続き完了です。
※参考:オンラインによる在留手続 スタートアップガイド~所属機関等の職員~
利用申出の承認要件
利用申出の承認を受けなければ、オンライン申請はできません。承認を受けるには、いくつかの要件を満たしている必要があります。
利用申出の詳しい承認要件につきましては、こちらをご覧ください。
→ 所属機関・公益法人・登録支援機関の職員の方|出入国在留管理庁
6.在留資格のオンライン申請はJJSにご相談を!
在留資格のオンライン申請は、外国人を受け入れる企業が本人の代わりに申請できます。ただし必要書類の内容や、利用申出の承認要件を理解しておかなければなりません。初めて利用する場合、「承認要件に該当するかわからない」または「申請方法を理解するのに時間がかかる」といった悩みが生じる可能性もあります。
本スクール(JJS)は、企業様に代わってオンライン申請ができる「登録支援機関」です。申請のサポートはもちろん、お悩みや疑問にもお応えしております。弊社の無料相談やサポートを利用していただき、スムーズに手続きを完了させましょう。