在留カードを紛失してしまったらただちに再発行手続きを!手順や必要書類などわかりやすく解説

執筆者:Divership編集部|外国人雇用担当部門

海外からやってきた外国人にとって命の次に大事なものと言うべき「在留カード」。在留カードは常に携帯しなければならず、携帯しないだけで罰金が科せられ、提示するよう求められた際に提示を拒否すれば懲役刑もあります。それくらい日本に在留する外国人には大切な身分証明書です。

とても大事な在留カードをうっかり紛失してしまったら大変なことになるのは誰の目にも明らかです。万が一紛失したらすぐにでも再発行手続きが必要です。

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目次

1.在留カードを紛失した際は14日以内に対応する!

在留カードを紛失した場合は、14日以内に対応しなければなりません。この場合の14日以内とは、「在留カードを紛失したことを知った日から14日以内」を意味します。この14日以内に再交付申請をしなければなりません。

常に携帯しなければならない在留カードは携帯しなければ罰金などペナルティが課せられている中、紛失そのものは罰則に問われません。ただし、在留カードに関して14日以内に再交付申請をしなかった場合には1年以下の懲役又は20万円以下の罰金です。(※)

※参照:出入国在留管理庁「Answer Q65」

もしも会社で働く外国人労働者が在留カードを紛失したと申し出てきた場合、速やかに再交付申請が行えるように手続きを進めなければなりません。

2.在留カード再発行の手順

紛失を知ってから14日以内に行わないといけない在留カードの再発行手続きですが、手順は以下の通りです。

  1. 近くの警察に紛失届を提出する
  2. 住居地を管轄する「地方出入国在留管理官署」へ再交付申請を出す
  3. 即日に新しい在留カードが受け取れる

2-1.近くの警察に紛失届を提出する

1つ目は近くの警察に紛失届を提出することです。

「地方出入国在留管理官署」で再交付申請を行いますが、その際に遺失届出証明書などが必要になります。遺失届出証明書は落とし物をしたことを証明する書類であり、警察に行けば遺失届出証明書を発行してくれます。

遺失届出証明書は本人もしくは代理人が届け出を行えるため、本人の委任状があれば代理人のみで証明書をもらいに行くことが可能です。また遺失届出書は警察によっては事前に印刷することができるので、事前に印刷して記入したものを提出することができます。(※)

参照:警視庁「別記様式第7号 遺失届出書 申請様式」

また警視庁では在留カードの遺失届出証明書に関して、オンラインで申請が行えます。「警視庁行政手続オンライン」サイトで手続きを済ませると、警察から電話連絡があり、受け取る日の調整を行ってから、都合のいいタイミングで警察証明となる書類を手に入れられます。

わざわざ会社を休まなくても、休みの日に合わせて警察で書類を受け取れるため、とても便利です。特に、住んでいるエリアからも会社からも警察署が遠く、行くのに時間がかかる場合にもおすすめです。ただすぐに書類が必要な場合は警察署に直接出向いて申請を行う方が確実と言えます。

2-2.住居地を管轄する「地方出入国在留管理官署」へ再交付申請を出す

2つ目は住居地を管轄する「地方出入国在留管理官署」へ再交付申請を出すことです

警察署で遺失届出証明書などをもらったら、外国人労働者が住むエリアを管轄する地方出入国在留管理官署に向かいます。地方出入国在留管理官署は2023年9月時点で全国に8か所の出入国在留管理局、7か所の支局、2か所の入国管理センターで構成されています。

出入国在留管理局の名称                  管轄区域
札幌出入国在留管理局北海道
仙台出入国在留管理局青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県
東京出入国在留管理局茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県
名古屋出入国在留管理局富山県、石川県、福井県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県
大阪出入国在留管理局滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県
広島出入国在留管理局鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県
高松出入国在留管理局徳島県、香川県、愛媛県、高知県
福岡出入国在留管理局福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

8か所それぞれの本局には出張所も用意されており、地方に住む外国人労働者の場合は、住宅地を管轄する出張所で手続きを行います。例えば、千葉県に住む外国人の場合は千葉出張所と松戸出張所の2か所があるため、いずれかの出張所で手続きを行うことになるでしょう。この場合、どちらを選んでも大丈夫です。

出入国在留管理局の名称                       支局・出張所                
札幌出入国在留管理局函館出張所・旭川出張所・釧路港出張所・稚内港出張所・千歳苫小牧出張所
仙台出入国在留管理局青森出張所・盛岡出張所・仙台空港出張所・秋田出張所・酒田港出張所・郡山出張所
東京出入国在留管理局水戸出張所・宇都宮出張所・高崎出張所・さいたま出張所・千葉出張所・松戸出張所・立川出張所・新潟出張所・甲府出張所・長野出張所・新宿出張所・東部出張所・成田空港支局・羽田空港支局・横浜支局・川崎出張所
名古屋出入国在留管理局富山出張所・金沢出張所・福井出張所・岐阜出張所・静岡出張所・浜松出張所
豊橋出張所・四日市港出張所・中部空港出張所
大阪出入国在留管理局大津出張所・京都出張所・舞鶴港出張所・奈良出張所・和歌山出張所・関西空港支局
神戸支局・姫路港出張所
広島出入国在留管理局境港出張所・松江出張所・岡山出張所・福山出張所・広島空港出張所・下関出張所
周南出張所
高松出入国在留管理局小松島港出張所・松山出張所・高知出張所
福岡出入国在留管理局北九州出張所・博多港出張所・福岡空港出張所・佐賀出張所・長崎出張所
対馬出張所・熊本出張所・大分出張所・宮崎出張所・鹿児島出張所・那覇支局
那覇空港出張所・宮古島出張所・石垣港出張所・嘉手納出張所

参考:地方出入国在留管理官署|出入国在留管理庁

2-3.即日に新しい在留カードが受け取れる

再交付申請を行い、無事に申請が通るとその日のうちに新しい在留カードを受け取ることができます。受け取るまでにはそこまで時間はかからず、1時間で交付まで終わることもありますが、場合によってはそれなりに待たされるケースもあるため、余裕を持った行動が求められます。

もしも即日交付ができなかった場合は、後日再び最寄りの地方出入国在留管理官署を訪れて、在留カードを受け取ります。その際には申請受付票やパスポートなどが必要になるので忘れずに持参しなければなりません。

3.再交付申請のための必要書類

ここからは再交付申請の際に必要な書類についてご紹介します。主な必要書類は以下の通りです。

  • 在留カード再交付申請書
  • 顔写真
  • 遺失届出証明書、盗難届出証明書等
  • 在留カード漢字氏名表記申出書(漢字氏名の併記を希望する場合)
  • パスポート

これらは在留カードを紛失した本人が再交付申請を行う場合に必要な書類であり、委任する場合は委任状も必要となります。在留カード再交付申請書は出入国在留管理庁のホームページでダウンロードができるので、事前に準備を済ませられるので間違いがないようにチェックが可能です。

また在留カード漢字氏名表記申出書に関しても出入国在留管理庁のホームページでダウンロードができます。

パスポートに関してはパスポートの提示だけで問題ありません。提示できない場合にはなぜ提示ができないのか、理由書を提出することになります。あとは警察署で受け取った遺失届出証明書、顔写真を持参して在留カードの再交付申請を行います。

上記の書類以外では、資格外活動許可が出ている場合は資格外活動許可書の提示が必要になります。

4.誰が申請・受領できる?

届出に関しては以下の人たちが申請や受領が行えます。

  • 本人
  • 本人と同居する親族(16歳以上)
  • 地方出入国在留管理局長に届出を出した弁護士や行政書士
  • 本人の法定代理人
  • 地方出入国在留管理局長から申請の取次に関する承認を受けている取次者

在留カードの再交付申請は在留カードの持ち主である本人や、本人と同居する親族地方出入国在留管理局長に届出を出している弁護士や行政書士などが行えます。

受領に関しても申請と同じルールで運用されているので、弁護士や行政書士に再交付申請と受領を依頼することができます。行政書士などに依頼をすれば、外国人労働者がわざわざ会社を休んで、慣れない場所に行かせる必要がなくなるため、とても効率的です。

「地方出入国在留管理局長から申請の取次に関する承認を受けている取次者」に関しては、公益財団法人入管協会が行う「申請等取次研修会」に参加するなどして資格を得てから申請等取次者になれます。

5.手数料はかかる?

在留カードの再交付そのものに関する手数料は一切かかりません

手数料以外で必要なのは証明写真の費用などで、弁護士や行政書士に依頼する場合は依頼費用が必要となります。弁護士などに依頼した場合は高くても数万円程度がかかりますが、漏れなく申請から受け取りまでを行ってくれるため、確実に在留カードの再交付を受けたい場合におすすめです。

6.海外で紛失してしまった時の対応

ここまで日本で在留カードを紛失したケースをご紹介してきましたが、次にご紹介するのは海外で紛失してしまったケースです。対応の際に注意すべき点が2つあります。

  • まずはその国の交番に行って紛失届・盗難届を出す
  • 査証(VISA)免除国以外の国籍の人は注意

原則は国内で紛失した場合と同じで、最初に現地の警察で紛失届などを出し、その後は「地方出入国在留管理官署」での再交付申請となります。注意しなければならないのは査証免除国以外の国籍を持つ人のケースです。この場合は別に書類が必要です。

6-1.まずはその国の交番に行って紛失届・盗難届を出す

1つ目は、まずはその国の交番に行って紛失届・盗難届を出すことです

再交付申請の際には紛失したことを証明する書類が必要ですが、海外で紛失した場合も同じです。現地の交番もしくは警察署に出向いて在留カードを紛失したことを伝えます。

実際にもらえる紛失届の様式などは国や地域によって様々ですが、現地の警察署で発行された証明書であることに間違いないため、この書類を持参して日本に帰ります。

6-2.査証(VISA)免除国以外の国籍の人は注意

在留カードがないと日本に戻れないと思っている方も多いかもしれません。実は在留カードがなくてもパスポートさえあれば入国することは可能です。再入国許可を既に得ている場合、その許可によって入国ができるためです。

一方、査証免除国以外の国籍の人が日本に入国する場合には注意が必要です。入国のたびにビザが必要になるからで、場合によっては日本へ旅立つ空港において搭乗拒否の憂き目に遭う場合があります。このため、事前に再入国が可能であることを示す証明書が必要となります。

この証明書は「再入国許可期限証明書」で、日本で発行してもらったものを海外にいる本人へと郵送、もしくはメールで送ることになります。

「再入国許可期限証明書」に関しては本人と同居する親族や行政書士などが地方出入国在留管理局に出向いて「再入国許可期限証明書」を発行してもらいます。申請を行う際には委任状が必要となりますが、この委任状はメールやFAX等を使って海外から日本へ送ってもらうことになります。

実物が手元になかったとしても、メールでデータを送ってもらう形で示せば搭乗拒否をされずに済みます。「再入国許可期限証明書」を取得する際にも現地の警察でもらった紛失届などが必要となるので、そちらも忘れずに送りましょう。

ただし、日本に戻ってから在留カードの再交付申請を行う際にも現地でもらった紛失届などは必要となります。コピーなどを活用して何部か手元に置いておくことが求められます。

ポイント
・在留カードがなくてもパスポートがあれば入国が可能。
・査証(VISA)免除国以外の国籍の人は、再入国許可期限証明書を日本から郵送かメールで送ってもらう。その際委任状をメールやFAX等を使って日本へ送る。

7.在留カードは常に携帯する義務がある

在留カードは日本にいる際には常に携帯する義務があります。これは出入国管理及び難民認定法で定められており、在留カードの常時携帯義務として定められています。(※)

参照:e-Gov「出入国管理及び難民認定法」

この在留カードは日本に中長期にわたって在留する外国人であればほとんどの人に与えられます。在留資格「永住者」の外国人も例外ではなく、永住者であったとしても在留カードの常時携帯義務は存在します。ただし、特別永住者の場合は在留カードではなく、特別永住者証明書が付与されており、特別永住者証明書に関しては常時携帯義務はありません。

在留カードの常時携帯義務がない人
・特別永住者
・16歳未満の外国人
・観光などで訪れた中長期在留者ではない外国人

在留カードの常時携帯義務がないのは特別永住者の他には16歳未満の外国人、あとは中長期在留者ではない外国人で、観光などで訪れた外国人などが該当します。観光などで訪れた外国人の場合は在留カードではなくパスポートを見せなければなりません。

万が一在留カードを携帯していなかった場合には20万円以下の罰金となり、在留カードを提示するように求めたのに提示しなかった場合には1年以下の懲役または20万円以下の罰金となってしまいます。(※)

※参照:出入国在留管理庁「Answer Q34」

在留カードを紛失し、まだ再交付申請を行っていない場合にはパスポートが在留カードの代わりとなります。そのため、パスポートを携帯していないと先ほどの罰則を受けることになるでしょう。

一方で、在留資格の変更などを行政書士などに依頼するケースがあります。この際、在留カードやパスポートを行政書士などに預けることになりますが、常時携帯義務違反に問われることはありません。

これは外国人労働者のビザ申請を企業側が行う際にパスポートなどを預かる際も同じで、万が一提示を求められて不携帯だったとしても常時携帯義務違反にはならないのです。

ただ在留カードやパスポートを所持していなかったことから何かしらのトラブルになる可能性もあるでしょう。その際に行政書士などに渡されるのが「預かり証」です。在留カードやパスポートを預かったことを示す証明書であり、警察官に提示することで在留カードやパスポートの代わりとなります。

ポイント
・在留カードをなくした際はパスポートが在留カードの代わりとなるので、常に携帯しておく
・在留資格の変更などで行政書士に在留カードとパスポートを預けている際は、預かり証がそれらの代わりとなる

8.まとめ

在留カードは本当に大事な書類であり、紛失したら速やかに警察署に届け出を行い、再交付申請を行いましょう。在留カードはとても大事なものなので、悪用される恐れもあります。警察署に届け出を行うことで紛失した在留カードの悪用を未然に防ぐことも可能です。

紛失した場合、外国人本人が手続きを済ませることもできますが、行政書士や弁護士に代行してもらうことも可能です。その方が確実に再交付申請を行えるほか、無用なトラブルを避けられるため、多少の費用がかかりますが、より確実に手続きが行えるでしょう。

今回ご紹介した内容を踏まえて、外国人労働者を積極的に採用しても、在留カードの紛失という万が一の事態に対応できるようにし、慢性的な人手不足の改善に結び付けていきましょう。弊社では特定技能人材の採用などに関する無料相談も実施しており、気になる方はぜひともお気軽にお問い合わせください。

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