【特定技能】入管の定期調査・実態調査への対応マニュアル

執筆者:大路(JapanJobSchool CSマネージャー)

特定技能に踏み出して、無事受け入れはできたものの、、、

「調査・監査が来た時ってどうしたらいいのだろう、、、」
「違反した場合は、どんな罰則が課せられてしまうのか、、、」等々

調査、監査という言葉から、不安を感じてはいませんか?  

今回は、政府から「登録支援機関」として認定を受け、延べ200名以上の外国人を支援してきた実績のあるJapan Job Schoolで、支援担当チームのマネージャーを勤める筆者が、特定技能受け入れ企業が必ず対応しなくてはならない、定期調査の内容や、準備しておくべきこと、違反した際の罰則等をわかりやすく紹介します。

また、今回紹介する内容は、実際に私たちが支援している企業様が監査を受けて、その実態をヒアリングしたうえでの内容です。不安の解消をしていただくとともに、いつ監査が来ても問題ない体制づくりの参考にしてください。

目次

1. 特定技能の入管定期調査・実態調査とは

特定技能外国人を雇用する受け入れ企業には、管轄入管の職員が定期的に特定技能外国人の就労状況等を確認するために調査をします。なにか調査・指導すべき事象がある場合を除いて、特定技能外国人を受け入れている全ての企業に対しておこなわれるものですので、ご安心ください。

1-1. 定期調査・実態調査とは

目的

  1. 特定技能雇用契約の基準をしっかり満たして雇用しているかの確認
  2. 特定技能外国人支援計画が正しく実施されているかの確認
  3. 受け入れ企業が労働法を順守しているかの確認

上記の観点から、受け入れが適正に行われていることを確認するために、実際の就業場所へ、入管の職員が来て実地調査等を行います。受け入れ企業には、任意ではありますが、調査に協力をすること、そして受け入れが適正に行われていることを明らかにすることが求められてます。

頻度

明確な時期やタイミングは明記されていませんが、これまで担当した企業を見ている限りは、受け入れ開始から6か月ほど経過した企業から順番に1回目の調査が実施されるようです。また、2回目以降は特段明確に時期が決まっておらず、2年後、3年後と期間が空くことも多いようです。

なお、特定技能制度が施行されてから1年経たずして、コロナウイルスの感染拡大がされたことで、企業に直接訪問・面談ということが難しい時期であったことから、現状は調査前に入管から事前の日程調整依頼の電話があります。この電話は管轄入管によってフローが少し異なりますが、

  1. 入管が登録支援機関に連絡をし、調整依頼を任せるパターン
  2. 入管が直接受け入れ企業に連絡し、調整依頼を任せるパターン

の2つがあります。そのため、現状は原則抜き打ちでの調査は行われていないようです。

今後コロナウイルスの感染拡大状況によっては、もしかしたら事前の連絡なく抜き打ちで調査がされることが増えるかもしれません。

2. 特定技能の定期調査・実態調査の内容

上記のような目的で実施される調査ですが、実際にどんなことが行われるのか、何を見られるのかを把握できている範囲でご紹介します。

調査時に行うことは大きく分けて3つです。所要時間は、何も問題がなければ約30分~40分が通常です。

定期調査・実態調査の内容

2-1. 備え置くべき書類の確認

下記の書類は、求められた際に速やかに提出できる状態である必要があります。

すぐに提出ができれば、紙媒体で用意していなくても構いませんが、求められたら印刷がすぐにできる状態でデータを保管しておくことが求められます。

帳簿書類

受け入れ企業は、特定技能外国人の活動状況に関する帳簿を作成して、特定技能外国人が勤務している事業所にその帳簿を備えて置くことを義務づけられています。

帳簿に含むべき事項は多岐にわたりますが、少しだけ紹介すると、、、

  1. 特定技能外国人の名簿(氏名、国籍、在留期限、在留カード番号等を含む)
  2. 特定技能外国人の活動状況に関する内容(勤務地、労働保険や社会保険の適用状況、支援にかかっている費用、休暇の取得状況等)

参考:「特定技能外国人の受入れに関する運用要領」内の「特定技能外国人の活動状況に係る文書の作成等に関するもの」

また、帳簿は実際に特定技能外国人が勤務している場所ごとに保管しておく必要があるため、本社と勤務地が異なる場合は注意が必要です。帳簿の作成方法等に困った際は、支援機関の担当者に相談するか、特定技能外国人の受入れに関する運用要領の「特定技能外国人の活動状況に係る文書の作成等に関するもの」をご確認ください。

雇用契約書

ビザ申請前に締結をし、ビザ申請時に入管へ写しを提出した雇用契約書のことを指します。

雇用条件書

ビザ申請前に締結をし、ビザ申請時に入管へ写しを提出した雇用条件書のことを指します。

賃金台帳

日本人と差別なく、特定技能外国人へ正しい待遇で雇用されていることがわかる、賃金台帳が必要です。3か月に1回の定期報告書類に添付しているものをそのまま保管いただければ問題ありません。

なお、入管へ提出している雇用条件書の内容と支給額に相違がないことも確認されますので、雇用条件の内容に変更がある場合は、都度入管に届け出を出し、条件書の内容と実態が常に一致していることが必要です。

出勤簿(タイムカード等)

賃金台帳と同様に、日本人と差別なく、特定技能外国人へ正しい待遇で雇用されていることがわかる必要があります。

なお、入管へ提出している雇用条件書の内容に沿って勤務日数、実働時間、休憩時間、休日の付与が適正にされているか確認されます。重ねてにはなりますが、雇用条件の内容に変更がある場合は、都度入管に届け出を出し、条件書の内容と実態が常に一致していることが必要です。

2-2. 特定技能外国人への面談

受け入れている特定技能外国人の中で1、2名に対して、アンケートと呼ばれる10分程度の面談が行われます。入管の日本人職員が面談をしますので、それに正しく受け答えができる特定技能外国人に対応いただく必要があるでしょう。

また、入社して間もない方ではなく、入社してある程度の期間が経った従業員に対応してほしいと入管から指示があることも少なくないそうです。

CSマネージャー|大路

ちなみに面談内では、「仕事内容」や「労働時間」などをメインで質問されるようです。

2-3. 企業の担当者への面談

上記の特定技能外国人への面談と同様に、およそ10分ほどで面談が実施されます。

こちらも入社して間もない職員ではなく、日頃特定技能外国人を監督されていたり、雇用状況を把握されている担当者様に対応をしていただきたいと、入管から指示があるとのことです。

内容は、職場に問題や違反がないかをおおまかに確認します。

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どんな小さなことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。

3. 定期調査・実態調査前に準備しておくべきもの

調査の際に準備しておくべきものは、事前の日程調整連絡の際に指示があることが多いです。

電話で指示されたものを正確に準備して臨みましょう。また、今後は抜き打ちで調査が入ることも考えて、常に調査が来ても問題がない準備をしておくことが必要でしょう。

3-1. 準備しておく書類

上記の「2.入管定期調査・立入監査の内容」の「備え置くべき書類の確認」に記載した下記の書類をご準備ください。

定期調査・実態調査前に準備しておくべき書類

3-2. 準備しておく体制

労働法を遵守した就労環境であることはもちろん、入管へ届け出た雇用条件通りに勤務していることが必要です。特に注意すべきは「業務内容」です。例えば、介護業分野で在留資格の許可を受けている特定技能外国人の主となる業務内容は「身体介助等」でなくてはいけないですが、介助はせずに清掃業務だけをしているとなると、これは制度に反していることになります。

許可を受けている雇用条件書に則って、しっかりと雇用してさえいれば問題ありません。

4. どんなことが違反となるのか

シンプルにお伝えすると、下記のような場合には指導・注意の対象になり、最悪の場合は罰則になると考えられます。

  • 特定技能制度のルールに反していた場合
    • 例:支援料を外国人本人に負担させている、違約金を求める契約をしている
  • 求められていることを行わなかった場合
    • 例:定期届け出・随時届け出に関する追加・訂正を対応しない
  • 虚偽の申告・届け出をした場合
    • 例:定期届け出で給与の支給額を偽って提出した
  • 改善命令に従わない場合
    • 例:入管から受けた改善命令に対して、期限内に改善をしなかった

5. 違反が発覚した場合の罰則・リスク

ここで心配に思われるかもしれないのが、もし万が一調査で「受け入れ状況に問題がある」と指摘を受けた場合、どのようなペナルティを科せられるかだと思います。

一回の注意や指導で大きな罰則が科せられることはめったになく、注意されたことをすぐに改善できれば大きな問題にはならないことが多いですが、万が一に備えて紹介いたします。

科せられる罰則は状況により異なりますが、「10万円以下の罰金、30万円以下の罰金」等のほかに、「特定技能人材の雇用継続は困難」「1年間は雇用禁止」等の内容が考えられるかと思います。また、このような罰則が多くあると、特定技能外国人の採用を決めてビザ申請をしても、受け入れ企業が不適正であることを理由に「不許可」となる、もしくはビザの「更新が出来ない」ことに繋がるリスクがあるかと思います。

さらに、「4.どんなことが違反となるのか」の内容を指導されたにもかかわらず、上記のような指導・注意が重なった場合、指導に対して改善がされなかった場合には、改善命令が出され、改善命令を受けた受け入れ企業は、不適正な受入れを行っていたとして改善命令を受けた企業であるということが入管のホームページで周知されるというペナルティもあります。

6. まとめ|準備しておくべきリスト

いかがでしたか?

まとめると、入管からの調査には下記をしっかりと準備していれば問題ないかと思います。

<準備しておくべきことリスト>

  • 帳簿書類
  • 雇用契約書
  • 雇用条件書
  • 賃金台帳
  • 出勤簿(タイムカード等)
  • 掘り下げて質問されても問題ない労働環境
  • アンケートを受ける外国人、面談を受ける日本人担当者の日程調整

ただ、私が一番にお伝えしたいことは、「入管が調査に来るから準備をする」のではなく、「いつ何時誰が見てもルールを正しく守り、気持ちよく働ける職場作り」を心がけることが最善だということです。正しく雇用することは、受け入れ企業が雇用主として果たすべき責任だと考えます。

とはいえ、今もなお頻繁に制度の改正がされるため、正しい情報を得ることが簡単ではないのが、特定技能制度の実態です。そんな時は、弊社のような特定技能制度を熟知した登録支援機関等に相談をしてみてください。弊社ではオンラインで無料相談も行っているのでお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

外国人200名と企業80社の支援を行うカスタマーサクセスを担当。
大学時代一年間休学しワーキングホリデービザでカナダのイエローナイフへ。オーロラのツアーガイドを経験し、異国の地で働く大変さ・差別を経験。
「国籍関係なく、自分がかかわる人を幸せにしたい」そんな気持ちを持って、このサイトで日本社会へDiversityを発信していく。

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