外国人材として近年徐々に人気が高まってきているのがミャンマー人です。
ただ、ミャンマーがメディアで特集されることはまだまだ少なく、どんな国・どんな国民性なのかイメージがつきにくいのではないでしょうか。
今回は、ミャンマーとはどんな国なのか、ミャンマー人とはどんな人なのかを紹介します!
ミャンマーの基本情報
ミャンマーの基本的な情報は、以下のようになっています。
- 面積 68万km2(日本の約1.8倍)
- 人口 約5,141万人
- 首都 ネーピードー(最大都市は旧首都のヤンゴン)
- 公用語 ビルマ語
- 宗教 仏教徒が約9割、その他キリスト教、イスラム教など
- 平均月収 約16,500円(日系メーカーのワーカーの場合)
- 物価 ミネラルウォーター(1リットル)が約22.5円
- 直行便 成田発着のみ(片道7〜7.5時間)
ちなみに、ミャンマー人のほとんどは英語が話せません(話せるのは、観光地で働く人などごく一部)。日本人でも、仕事で使えるレベルの英語が話せるのは、熱心に勉強してきた人など一部ですが、ミャンマーも事情は同じです。
ミャンマーは世界有数の「思いやり」の国
皆さんは世界思いやり指数(World Giving Index)というものを知ってますか? 各国の人が、どのくらい見知らぬ人を助けたり、チャリティーに寄付をしたりしたかを示す指数で、イギリスのチャリティー団体(CAF)が毎年発表しています。
ミャンマーは最近10年間の平均スコアで、アメリカについで世界第2位につけています。特に、寄付に関するスコアでは世界第1位です。
他にも、外国で財布やスマホを失くすと戻ってくることはほとんどありませんが、ミャンマーだと戻ってくることも少なくありません(もちろん、日本ほどの確率ではありませんが…)。
こういったところからも、ミャンマー人の思いやりの気持ちが伺えます。
ミャンマー人「思いやり」精神のワケは?
ミャンマー人の多くは仏教徒です。よく「敬虔な」仏教徒と言われますが、仏教に関する活動やイベントが生活に根ざしています。
例えば、ミャンマー人の仏教徒は、人生のうちに一度は(特に子供のうちに)出家するのが一般的ですし、日本の神社やお寺に相当する「パゴダ(仏塔)」と呼ばれる宗教施設を頻繁にお参りもします。とはいえ、イスラム教とは違って、お祈りの時間を作ったりする必要はまったくありません。
仏教徒にとっては善い行いをして「功徳(くどく)」を積むことが大事なので、人に親切することが普通です。それが、” 思いやり指数”に表れているようです。
ミャンマー人の気質は介護職にも合う
このように、利他心が強く、困ってる人を助けようとするミャンマー人は、介護職にピッタリの人材であると言えます。また、ミャンマーでは年上を敬うという考えもまだまだ根強いので、そういった点からも介護職にはオススメです。
介護職での外国人雇用について説明していますので気になる方は下記をご覧ください。
外国人が介護ではたらくには?どんなビザが必要なのかをわかりやすく解説!
ミャンマー人のマネジメントで気をつけること
次に、ミャンマー人を採用したときに、どういったことに気をつけるべきかを挙げていきます。
思ったことを口に出さないミャンマー人
ミャンマーの人は、不満があっても直接相手にぶつける方ではありません。年上を敬う、上司・目上の人の言うことには従うという国民性なので、嫌なことでも我慢します。日本人でも、直接文句を言わずに抱え込んだりしがちですが、ミャンマー人も同じような傾向にあります。
このため、一見指示に従ってくれているようでも、内心では不満を溜めていることがあるかもしれません。何でも素直に聞いてくれる様子でも、無理難題を言い続けないよう気をつけましょう。
プライベートでの関係が仕事上の関係にも影響
共通点の多いミャンマー人と日本人ですが、人間関係の構築方法については大きな違いが見られます。ミャンマー人は個人を中心とした(堅い言葉で言うと「属人的」な)人間関係を築いていきます。
例えば仕事上では、技術が先輩から後輩に自動的に伝わっていくということがありません。決してミャンマー人同士仲が悪いわけではないのですが、属人的な人間関係なので、技術が伝わっていくかは先輩・後輩の人間関係に大きく左右されます。
ミャンマー人を雇用するときは、技術を伝えるための仕組み作りが欠かせません。
ミャンマーあれこれ
ミャンマー人の名前
ミャンマー人の名前に姓名はありません。例えば、ミャンマー民主化の象徴としても知られるアウンサンスーチーさんの名前も、どこまでが名字でどこからが名前というふうに分けることはできません。
ただ、フルネームで呼ぶのは少し長いので、ミャンマーの人はアウンサンスーチーのことを「ドー・スー」(ドーは敬称。つまり「スーさん」という意味)と呼んでいます。
人生を左右する生まれ曜日
ミャンマー人にとって、生まれ曜日というのはとても重要です。
まず、生まれ曜日によって名前の1文字目が決まります。例えば、日曜日生まれの人はア行(ア・イ・ウ・エ・オ)、月曜日生まれの人はカ行かガ行のどれかから始まります。
ちなみに、生まれ曜日は日・月・火・水(午前)・水(午後)・木・金・土の8曜日で区分されます。水曜日だけ午前・午後で扱いが別です。
次に生まれ曜日が重要視されるのは曜日の相性です。例えば、日曜生まれと金曜生まれは好相性というように相性が決まっていて、相性次第では親に結婚を反対されることもあります。
日本では血液型で性格診断して盛り上がったりしますが、ミャンマーでは生まれ曜日が話のタネになります。
まとめ
中国人・ベトナム人など日本の周辺国の人や欧米人と比べると、ミャンマー人の性格や行動様式は日本人にとても似ています。
一方で、人間関係の構築方法など、細かい部分ではミャンマー人と日本人とで違う部分がみられます。
この記事を参考にして、是非ミャンマー人と良好な関係を築いてもらいたいと思います。
ミャンマー人の採用に興味をお持ちであれば、ミャンマー人の人材に強い私たちにお問合せください。
<参考資料>
Charities Aid Foundation “CAF WORLD GIVING INDEX 10TH EDITION”
https://www.cafonline.org/about-us/publications/2019-publications/caf-world-giving-index-10th-edition(2020.12.12閲覧)
竹村 友希
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