Japan job school スタッフの宮田です。
先ごろ見たテレビの討論番組で、視聴者から寄せられたメールが紹介されていました。その中で驚いたのは “外国人労働者の受け入れに反対”というのがあったのです。しかし投稿者は決して差別意識や、日本人の働く場が外国人に奪われるという意図で言っているわけではなかったのです。
外国人実習生を受け入れている企業様も多いと思いますが、その投稿者が問題にしていたのは、実習生たちは制度の問題点である「3年経って仕事を覚えるころには国に帰ってしまう」そしてまた労働力を受け入れ…と後に引き継がれるものがないということを言いたかったようです。
来年度に予定される法改正も控えているので、現状の制度に向けられているこうした意見は変わっていくものと思われますが、まだ外国人を受け入れることに躊躇している企業様も少なくないようです。
本当は雇用したい、でも…はなぜ?
まだ外国人スタッフの受け入れを行っていない、あるいは実習生やアルバイトは受け入れるが社員としての受け入れは考えていない企業様からお話を聞くと、そういう理由もあるのかと考えてしまう意外な事情も耳にすることがあります。その反面、それは外国人だからというのは理由にならないことのようにも思えます。
外国人の社員として受け入れるための企業が留意すべき点は以前も当ブログで紹介されていました。文化が違う日本人とうまくやっていけるのか? コミュニケーションはとれるのか?それは当校のテーマでもありますが、外国人スタッフを受け入れられない理由として、それを挙げる企業は少なくなっている気がします。
雇用はしたいけれど踏み出せない理由は何でしょう。比較的多く聞くのは経営側と現場側の考えの違いです。繁忙期だけアルバイト、パートで賄えばいいという考えです。正社員として迎えるよりも経営する側としてはその方が経費の面でもいいかもしれませんが、現場で働く側は手が不足しているので受け入れたいが、経営側は不足を最低限に抑えたい。この考えは日本人労働者であっても条件は同じなわけで仕方がないかもしれません。
外の目が雇用をためらわせる
勤務先の場所柄の問題というのもあります。今や観光立国となって外国人の姿を見かけることは何も珍しくはなくなりました。都市部の繁華街はもちろん、観光地も働いている地元民以外は、道行く人はほとんど外国からの観光客ということも珍しくはありません。
しかし民家が立ち並ぶ少し郊外から離れた町などは、まだまだ外国籍の人に対する警戒心があるという話も聞きます。高齢者が多い場所、周囲のコミュティーが強固すぎる、あるいは逆に近所の付き合いが希薄な場所に外国人が出入りすると、クライアントや近隣の目が気になるという声があります。企業側にはヘイト的な意識はないのですが、環境やお客様が認めてくれない。労働力は欲しいが日本人の若い人は来ない、現場は高齢化している。死活問題に悩みながらもお客様を失うこともできないというのは難しい問題です。
近くの別な企業に同じ外国人労働者が働いていることが、外国人を受け入れしがたい理由という話もあります。例えばその企業に勤める外国人労働者が何かのトラブルを起こしたことがある場合。警察沙汰などは論外ですが、ゴミの処分などで周辺住民から苦情がくるようなことを考えていることです。実際に複数の企業が入居しているビルの企業様では、さきがけて他社が雇用した外国人のマナーが悪く苦情を受けたのを見て、自社での外国人スタッフ受け入れを躊躇している企業もあるようです。トラブルは社員教育の問題だと思いますが、さらに神経を使うのは、外国人のスタッフが別な企業のスタッフと親しくなる可能性に慎重な意見もあります。ことに同じ国籍の人間が近くで働いているとなればいずれは親しくなる可能性は高くなりますが、そうなると会社の情報が他の会社に流出するのではないかと心配しているわけです。相手の企業が同業者ともなれば、その可能性を考えてしまうのもわからなくはありません。
結局、日本人と同じ。社員の教育次第
しかし、これらの問題は外国人スタッフだから、ではなく日本人の社員にも起こりうるということです。 近所で見かけない人がウロウロしていていると日本人でも通報されることもある昨今。ゴミ出しなどのトラブルも場所によってルールが異なりますしから、引っ越しなどをしたら、日本のどこでも起きること。会社の情報などは居酒屋やあるいは電車の中でも耳をすませば、そんな大切な話を同業他社や取引先の方がいるかも場所でペラペラとしていいのかなとさえ思える会話が聞こえてきます。
常識感や生活環境の違いは同じ日本人で起きうること。外国人を雇用するときに問題になることはたしかにいろいろとありますが、それは日本人を雇用してもコミュニケーションさえ可能ならあまり変わらないように思うのです。
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